「世界中の誰よりきっと」(せかいじゅうのだれよりきっと)は、日本のアイドル歌手である中山美穂の25枚目のシングルで、ロックバンドであるWANDSによるコラボレーション・シングルとしてリリースされた。
コラボレーションをしたWANDSは本作より先に発売されていたシングル「もっと強く抱きしめたなら」が後にオリコンチャートの1位を獲得しミリオンセールスを達成するなど、ブレイクを果たしている。
制作
プロデューサーの長戸大幸が織田哲郎の作曲のストックから探し出して制作が行われた[5]。企画時に提出されたデモの段階ではバラード調であったが、中山のプロデューサーが「クリスマス向けのパーティー感が欲しい」と依頼。葉山たけしによる派手な8ビートアレンジがなされ、現在の形となった[6]。
メインボーカルを中山、コーラスを上杉昇(WANDS・当時)が担当したが、2曲目の「PART II」では逆になっている。また、「PART II」では曲調がバラード調にアレンジされており、2コーラス目のサビがラストサビとなっている。コーラスアレンジは制作段階から関わっていた宇徳敬子によるものである(オリジナル・PART II・Album version)。バックコーラスは1曲目は宇徳敬子、2曲目〈PART II〉は宇徳敬子・大黒摩季が担当。
中山は以前からデュエットをやりたいと思っていたが、これまで自身の感性に触れる男性がいなかったという。作詞にも携わった中山は今作が初めて納得のいく曲になったと語っている[7]。
WANDS側としては元々歌詞を提供するだけの話であったが、その後コーラスもお願いされコラボレーションという経緯に至ったと上杉が述べている。先述の通り、このコラボレーションがWANDSのブレイクのきっかけとなったが、当時ロック路線を目指していた上杉にとっては不本意に感じていたといい、そんなイメージを払拭するためにあえて"世界"というワードをタイトルに被せたWANDSの楽曲「世界が終るまでは…」(1994年発売)も後に誕生している[8]。
2024年の中山の訃報の際、上杉が「私にとって人生の恩人の1人であります。(中略)一緒に歌ってくださったこと、ありがとうございました。」とコメントを出した[9]。
リリース
プロモーション
1992年の『第43回NHK紅白歌合戦』に中山がこの曲で出場した際、正式な出場歌手ではないもののWANDSも参加した。
チャート成績、受賞歴など
ディスコグラフィでは中山美穂の単独名義のシングルとされていて、WANDSのディスコグラフィには記載されていない[注釈 1]。
1992年盤
- 発売20日間で100万枚を突破し、累計売上は200万枚を超える[10]。
- オリコン集計の累積で約183万枚を売り上げ[11]、オリコン年間シングルチャートで1992年度では発売が10月末であるにもかかわらず37位を記録し、翌年1993年度でも10位[11]となり、2年連続で50位以内にランクインした。同週間シングルチャートでは初登場2位、8週目にして1位を獲得。1992年末から1993年始にかけて実に4週に亘り首位を維持した。
- 第7回ゴールドディスク大賞ベスト5・シングル賞[12]、第12回JASRAC賞金賞[13]及び、作詞を担当した中山・上杉が 日本作詩家協会賞を受賞[14]。
- 織田哲郎が作曲を手がけてきた中では最も売れたシングルである。ビーイング関連のアーティストのシングルとしても3番目のヒットとなっている[注釈 2]。
- 1982〜2011年度の過去30年間でCDやカラオケ、放送などの著作権使用料が多かった分配額上位楽曲の23位にランクイン(日本音楽著作権協会(JASRAC)が2012年11月発表)[15]。
- 日本レコード協会が2021年1月に公表した2020年12月度ダウンロード認定作品でプラチナ認定された[16]。
2023年盤
- オリコン週間シングルチャート[注釈 3]の2023年11月13日付に28位でチャートインした[4]。同シングルチャート100位以内へのチャートインは1993年5月17日付の93位が最後であったが、30年6ヶ月ぶりとなる再チャートインを果たした。
シングル収録曲
全作詞: 上杉昇、中山美穂、全作曲: 織田哲郎、全編曲: 葉山たけし。 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲・編曲 |
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1. | 「世界中の誰よりきっと」 | 上杉昇、中山美穂 | 織田哲郎 |
2. | 「世界中の誰よりきっと〈PART II〉」 | 上杉昇、中山美穂 | 織田哲郎 |
3. | 「世界中の誰よりきっと(オリジナル・カラオケ)」 | 上杉昇、中山美穂 | 織田哲郎 |
スタッフ・クレジット
- 長戸大幸(ビーイング) - プロデューサー
- 樋口紀男(バーニングパブリッシャーズ)[注釈 4] - コ・プロデューサー
- 中島正雄(ビーイング) - ディレクター
- 福住アキラ - ディレクター
- オオスミマサト - ディレクター
- シマダマサヒロ(スタジオバードマン) - レコーディング・エンジニア
- 近藤誠 - レコーディング・エンジニア
- 田中邦明 - レコーディング・エンジニア
メディアでの使用
別バージョン
- 世界中の誰よりきっと〈PART II〉
- 上杉昇がメインヴォーカル、中山美穂がコーラスを担当。バラード調になっている。
- 世界中の誰よりきっと〈PART II〉(アコースティック・バージョン)
- <PART II>をオーケストラ調にアレンジ。
- 編曲は千住明
- 世界中の誰よりきっと 〜Album version〜
- WANDSをメイン、宇徳敬子をコーラスに再録されたもの。中山美穂は参加していない。WANDSの2枚目のアルバム「時の扉」で初収録された。WANDS名義の作品にはバージョン違いのみで、原曲が収録されていないのは、当シングルが中山の所属レコード会社であるキングレコードから発売されており、原盤権も同社にあるためで、キングレコードの許諾無く原曲を維持したまま他レーベルで発売できないためである。
- 編曲は明石昌夫
- 以降、WANDSのベスト盤には、このバージョンが収録されている。
- 世界中の誰よりきっと〜Live version〜
- WANDSをメイン、LIVEで演奏されたアコースティックバージョンを収録されたもの。
- 世界中の誰よりきっと [WANDS 第5期ver.]
- 上原大史、柴崎浩、木村真也による第5期WANDSのバージョン。
- オリジナル版に近い曲調となっている
- 柴崎浩が編曲を手掛けている。
収録アルバム
中山美穂のアルバム
- 世界中の誰よりきっと
- 世界中の誰よりきっと〈PART II〉
WANDSのアルバム
- 世界中の誰よりきっと -Album version-
- 世界中の誰よりきっと〜Live version〜
- 世界中の誰よりきっと [WANDS 第5期ver.]
配信版「世界中の誰よりきっと -EP」
- 世界中の誰よりきっと
- 世界中の誰よりきっと〈PART II〉
- 世界中の誰よりきっと〈PART II〉(アコースティック・バージョン)
- 世界中の誰よりきっと(オリジナルカラオケ)
- 世界中の誰よりきっと(オリジナルカラオケ ver.2)
- 通常のカラオケバージョンはコーラスなし、ver.2は、上杉昇と中山美穂のコーラスパートを残したバージョン。
テレビ出演
※下記は中山のみが出演。
カバー
脚注
注釈
出典
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メンバー |
現行メンバー |
上原大史 (Vocal)5 - 柴崎浩 (Guitar)1,2,4,5 - 木村真也 (Keyboard)2,3,5 ※右肩の数字は在籍した期
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過去のメンバー | |
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シングル |
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アルバム |
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楽曲提供 | |
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映像作品 | |
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WANDS加入前・脱退後 | |
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関連項目 | |
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1993年 | |
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1994年 | |
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オリコン週間シングルチャート第1位(1992年12月28日-1993年1月18日付・4週連続(合算週含む)) |
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- 3日・10日・17日・24日・31日 涙のキッス(サザンオールスターズ)
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1982年から1987年は「国内使用」部門、1988年以降は「金賞」として発表。
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