京王動物園線
![]() 初代「TAMA ZOO TRAIN」6000系6022F(2011年2月) 動物園線(どうぶつえんせん)は、高幡不動駅から多摩動物公園駅までを結ぶ京王電鉄の鉄道路線である。全線が東京都日野市内を走行する。駅ナンバリングで使われる路線記号はKO。 概要1964年(昭和39年)4月29日に開業。1960年(昭和35年)に開設された東京都立多摩動物公園へのアクセス路線である。また1961年(昭和36年)には多摩動物公園駅に近い丘陵地に、本田技研工業の子会社である株式会社モータースポーツランド(閉園時の社名はモビリティランド)が開設したモータースポーツセンター兼遊園地「多摩テック」が開業しており、当路線は開業時から観光・レジャー輸送が主体となった。さらに多摩動物公園駅近くには、動物園線が開業した1964年(昭和39年)に明星大学日野キャンパスが開設、1977年(昭和52年)には同大学隣接地に中央大学が多摩キャンパスを設置して駿河台キャンパスから機能を徐々に全面移転することに踏み切った。これにより、動物園線は両大学への主要通学手段ともなり、特に中央大学多摩キャンパスへの大学機能移転が進んだ1970年代後半には大幅に利用者が増えた。 しかし、2000年(平成12年)に多摩都市モノレール線が多摩センター駅まで延伸開業。動物園線と並行する上に、多摩動物公園駅の南側に両大学の最寄駅として中央大学・明星大学駅が開業して以来、利用客が激減した。さらに2009年(平成21年)には多摩テックが閉園したことで[3]、レジャー需要も下落。そのため、2010年代からは京王電鉄が自ら沿線での観光開発を進めており、多摩動物公園駅前にて観光施設を運営している[4]。同駅構内の展示施設として2000年(平成12年)3月24日に開業した「京王れーるランド」を、2013年(平成25年)10月10日に「京王の電車・バス100周年記念事業」の一環として[5]全面リニューアルオープンした[6]。2018年(平成30年)3月18日には子供向け遊戯施設「京王あそびの森 HUGHUG(ハグハグ)」[7]。これに合わせて同施設と「京王れーるランド」、都立多摩動物公園を合わせた駅周辺エリアの名称を「キッズパークたまどう」に決定した[7]。また同年10月11日には「京王れーるランド アネックス」がオープンした[8][9](施設の詳細は「京王れーるランド」を参照)。 なお、高幡不動駅 - 多摩動物公園駅間の列車運行本数はモノレールの方が多いが、運賃は京王電鉄の方が安い。また京王線沿線から多摩動物公園へ行く場合は、動物園線の方が運賃・所要時間の点で有利である。一方、多摩動物公園駅では連絡運輸が設定されていないため、モノレールとの連絡定期券を用いる場合は高幡不動駅が接続駅となる。 現在は単線で1区間の運行であるが、開業当初から動物園の多客対応のため複線分の用地が確保されている[1]。過去には多摩ニュータウン新線(現在の京王相模原線)建設計画に際し、京王多摩川駅からの延伸案、聖蹟桜ヶ丘駅からの延伸案とともに、多摩動物公園駅からの延伸案が検討された。しかし高幡不動駅でスイッチバックになり、急曲線・急勾配の連続になることから必要な輸送力の確保が困難なこと、また多摩ニュータウンの東側をカバーできないことから、早い時期に選択肢から外れた[10](「京王相模原線#多摩ニュータウンへの延伸」も参照)。 路線データ
歴史
運転基本的に平日・土休日を含め全列車が4両編成で運転される。平日日中はワンマン運転列車が1時間に3本運転され、土休日日中は1時間に5本、ワンマン運転列車と車掌が乗務するツーマン運転列車が交互に運転される。高幡不動駅ではワンマン運転列車・ツーマン運転列車ともに1番線に入線するが、多摩動物公園駅ではワンマン運転列車は2番線、ツーマン運転列車は1番線に入線する[18][19]。現行のダイヤでは平日に多摩動物公園駅1番線に入線する定期営業列車は無いため、平日日中には10両編成のレール磨き列車が運転され、多摩動物公園駅の1番線に入線する。 2021年(令和3年)3月13日以降、車両はワンマン改造された7000系(4両編成 7801Fと7802F)が使用される。土休日の一部列車は7802Fや、ワンマン改造されていない他の7000系がツーマン運転が運転される。ごく稀に7801Fもツーマン運転を行うことがある。2022年(令和4年)以降は10両編成である5000系がゴールデンウィークの多客対応のため線内折り返しで運転されるほか、多摩動物公園駅周辺の施設でのイベント開催時における臨時列車として新宿駅方面から直通運転される。2024年(令和6年)のゴールデンウィークには9000系の8両編成と、7000系の2両編成を繋いだ10両編成が多客対応のため線内折り返しで運転された。2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正までは平日の朝の1本で8両編成が、土曜・休日の朝と日中の一部の列車で7000系・8000系・9000系・5000系の10両編成が高幡不動 - 多摩動物公園間をツーマン運転で往復していた。 2019年(平成31年)2月22日改正のダイヤでは通年で土曜・休日に京王線新宿発多摩動物公園行きの急行が1本、2020年(令和2年)2月22日改正のダイヤではこれに代わって土曜・休日に都営新宿線本八幡発の急行(全区間急行)が運転されていたが、2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正で廃止され、京王線と直通する定期列車の運行は休止された(ただし停車駅表ではこれ以降も急行の設定が残っている)。かつては、平日にも新宿発の急行が1本設定されていたほか、土曜・休日には都営新宿線本八幡発の急行(新宿線内各駅停車)が1本、新宿行きの急行が3本設定されていた。 2019年(平成31年)の令和元年東日本台風(台風19号)の影響で同年10月12日から運休となり、土砂流入が発生したため[20]、運転再開は16日となったが[21]、再開後も対策工事のため[21]、11月7日までは早朝の一部と22時から終電までの運転を休止していた[21][22]。 過去には、東日本大震災の発生前の土休日には新宿発着の京王線直通急行も運行していたが、震災後の節電ダイヤで一時的に設定がなくなり、節電ダイヤ解除後は休日ダイヤのみ運転したが、2023年2月22日のダイヤ改正では下り急行のみの運転となった。 車両
専用編成2002年(平成14年)から動物のイラストを車体にあしらい、中吊り広告も多摩動物公園関連のみの専用編成が運行されている。
駅一覧
脚注・出典
参考文献
関連項目 |
Portal di Ensiklopedia Dunia