大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]
『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』(おおおく えいえん[えもんのすけ・つなよしへん])は、2012年12月22日に公開された日本の時代劇映画。 監督は金子文紀、主演は堺雅人。よしながふみによる歴史改変SF漫画『大奥』の実写映像化シリーズの第3作で、同年10月期にTBS金曜ドラマで放送されたテレビ時代劇『大奥〜誕生[有功・家光篇]』の次世代(ドラマの時代の30年後)を描く続編作品である。 概要監督の金子文紀は第1作映画『大奥』の担当およびテレビドラマ版のメイン演出を務め、本作を含めた3本の映像作品はプロデューサーも共通している同一のプロジェクトである。原作の第4 - 6巻を基に[1]、男女の立場が史実と逆転した江戸時代での女将軍・徳川綱吉の治世、大奥で成り上ろうとする右衛門佐と彼女との愛が描かれる。 主演の堺雅人は右衛門佐を演じ、ヒロインにあたる綱吉役は菅野美穂が演じる。なお、堺雅人は前述の『大奥〜誕生』でも主演として万里小路有功にキャスティングされ、同プロジェクト内で一人二役を演じている。 堺と菅野は本作での共演をきっかけに交際し、2013年4月1日付で結婚した[2]。 ストーリー→原作によるストーリーについては「大奥 (漫画) § 右衛門佐・綱吉編」を参照
映画版のストーリーはドラマと同じく、原作漫画にほぼ忠実であるが、漫画では綱吉が死を迎えるところまでが描かれるのに対し、映画ではそこまでは描かれない。また、赤穂事件に関するエピソードは省かれている。 ラストは将軍後継を決めた綱吉が右衛門佐の元へ向かう道で吉保と会い、吉保は彼女の化粧を直したあと、綱吉の首に手を掛ける。綱吉は抵抗しないが、吉保は途中で殺害を諦めてしまう。綱吉は吉保に「苦労をかけた」と言い、吉保は綱吉が今までに見たことのない表情を見せたことに泣き崩れる。綱吉は一人、大奥へ続くお鈴廊下を走り抜け、打掛を脱ぎ捨てた婚礼衣装を思わせる姿[3]で右衛門佐のもとへ向かう。その頃、秋本は机にもたれたまま動かない右衛門佐を発見し、そこへ現れる綱吉の笑顔のアップで映画はエンドロールに切り替わる。 この改変について、原作者のよしながと主演の堺は、原作では残酷な場面として描いたこのラストが、映画では肉体の軛(くびき)から解き放たれたハッピーエンドに変化しているといい、映画の2時間の枠での二人の話として「いいラスト」であると語っている[4]。 キャスト
製作本作はテレビドラマ『大奥〜誕生[有功・家光篇]』よりも先に撮影されている。京都市内の東映京都撮影所のほか、2012年1月から2月にかけて、滋賀県の多賀大社、三井寺、彦根城博物館、八幡堀などでロケが行われた。この関係で、公開時には近江鉄道などがロケ地巡りのスタンプラリーなどを企画している。[7]また、右衛門佐が綱吉を新典侍に会わせる茶室と庭園のシーンは、和歌山県に残る紀州徳川家の大名庭園・養翠園で行われた[8]。 封切り2012年10月19日・20日に第32回ハワイ国際映画祭の「スポットライト・オン・ジャパン」部門に正式出品され"THE CASTLE OF CROSSED DESTINIES"の英題で上映された[9][10]。12月1日には、京都ヒストリカ国際映画祭のオープニング上映として『マリー・アントワネットに別れをつげて』とともに上映され[11]、舞台挨拶には斉藤役で出演している京都出身の永江祐貴が時代劇の衣装姿で出席した[12]。 2012年12月22日に日本全国307スクリーンで公開され、初日2日間で興収1億3,826万9,600円、動員11万512人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第8位となった[13]。2週目には12位まで落ちるが、3週目には前週比124パーセントの成績で再び8位となっている[14]。最終興収は6億9800万円[15]。 映画のプロモーションとして、バンプレストのキャラクター・カピバラさんとのコラボレーション企画が10月29日に発表された[16]。一見接点のない両者のコラボが企画された理由は、主人公の右衛門佐が、映画の中で自らを鼠に例えるシーンがあるためという[17]。 また、堺と菅野の本作を縁とした結婚記念として、2013年の4月以降に東京都・福岡県・滋賀県の3館で2週間限定の再上映が行われた[18]。 スタッフ
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脚注
外部リンク
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