希少野生動植物種希少野生動植物種(きしょうやせいどうしょくぶつしゅ)とは、日本の絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)に基づき指定される絶滅の危機にある野生生物である。 概要「希少野生動植物種」は絶滅危惧種の保護を目的に、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づき種指定される。指定根拠は絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第4条及び第5条であり、「国内希少野生動植物種」、「国際希少野生動植物種」、「緊急指定種」並びに「特定第一種国内希少野生動植物種」及び「特定第二種国内希少野生動植物種」に分類される。これらは以下のように定義されている。
希少野生動植物種の指定を受けた種は捕獲・採取や譲渡し(販売や譲渡など)が原則禁止され、それらを実施する場合には環境大臣の許可が必要となる。また、国内希少野生動植物種に指定された種は「保護増殖事業」の実施や「生息地等保護区」の指定により、種及び生育・生息地の保護対策が図られる。保護対策に際しては、希少野生動植物種保存基本方針が作成され、この基本方針に基づき実施される。 特定第一種国内希少野生動植物種は、個体の繁殖技術が確立された種であり、それら繁殖した個体の流通が可能となる。ただし、野生個体の採集・捕獲は禁止であり、販売に当たっても都道府県知事などへの届け出が必要となる。 なお、環境省は絶滅のおそれのある種のリストとしてレッドリスト及びレッドデータブックを作成している。これらには直接根拠となる法令等はないが、希少野生動植物種の指定の際にはレッドリストを基に検討している。 国内希少野生動植物種以下の国内希少野生動植物種は2025年2月12日現在の環境省のリスト[1]による。なお、科和名について、環境省ホームページのリストではカタカナ表記であるため、その根拠法令である「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令」がひらがな表記であるが前者の出典による。 例として、環境省ホームページのリストで、鳥類で「カモ科」とされているところ、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令 別表第一 国内希少野生動植物種」では、鳥類で「かも科」とされている。 次の458種(亜種、変種)が指定されている。 動物界※「和名*」は特定第一種国内希少野生動植物種、「和名**」は特定第二種国内希少野生動植物種。 鳥類
哺乳類
爬虫類
両生類
魚類
昆虫類
唇脚類
二枚貝類
陸産貝類
甲殻類
植物界※「和名*」は特定第一種国内希少野生動植物種。
過去の希少野生動植物種に指定されていた生物
国際希少野生動植物種国際希少野生動植物種は、国際的な商取引の対象となる種 - ワシントン条約の附属書I類に掲載された種や渡り鳥条約で指定された種など - から指定されるため、そのほとんどが日本に分布しない種であるが、以下の日本にも分布あるいは繁殖などで利用する種も含まれている。 また、クジラ目の種も対象となっている。 緊急指定種緊急指定種には、2023年(令和5年)12月26日(指定期間は同年12月28日から)に、同年11月に新種および新亜種として記載されたミナヅキギボウシ、セトガワギボウシの2種が[3]、2025年(令和7年)1月28日(指定期間は同年1月30日から)に、2024年9月に新種として記載された、レイホクナガレホトケドジョウが指定されている[4]。 2022年(令和4年)にはチョウセングンバイトンボが、2021年(令和3年)にはリュウジンオオムカデ、ウスオビルリゴキブリ、ベニエリルリゴキブリが、2017年(平成29年)にはケラマトカゲモドキが、2008年(平成20年)にはタカネルリクワガタ[5]が、1994年(平成6年)にはワシミミズク、イリオモテボタル、クメジマボタルが緊急指定種に指定されており、このうちケラマトカゲモドキ、ワシミミズク、クメジマボタル、リュウジンオオムカデ、ウスオビルリゴキブリ、ベニエリルリゴキブリ、チョウセングンバイトンボが国内希少野生動植物種に指定されている。 脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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