幼稚園・保育所の時間
幼稚園・保育所の時間(ようちえん・ほいくしょのじかん)は、2011年3月26日までNHK教育テレビジョンで設定されていた、国の幼稚園教育要領・保育所保育指針に基づき制作された未就学児向けの教育番組枠である。 番組枠の解消により2011年4月から2023年3月までは「幼稚園・保育所向け番組」として、2023年4月以降は「幼稚園・保育所・こども園向け番組」として扱われている。 2015年度の番組乳幼児向け帯番組
これらは、いずれも在宅向けこども番組と位置づけられていることもあり、基本的に家庭での視聴を意識したスタジオバラエティの形式となっている。また、「おかあさんといっしょ」は、本放送が1997年度まで、再放送も1984年度までNHK総合テレビでの放送となっていた。 学校放送・幼保ゾーン番組
[K]はNHKキッズワールド、[S]はNHK for Schoolにそれぞれホームページがあることを示す。 その他
概要学校放送同様に年間20本の新作を放送し、夏休み・冬休み・春休みは、テレビクラブ内で前の学期の放送を再放送する編成となる。これは、後述のリストラ後も過去の再放送回が増えてはいるものの基本的に変わらない。 独立枠として位置づけられていた当時は、小学校以上を対象とした学校放送番組と同じ平日午前に放送し、曜日毎に異なるジャンルの番組が放送された。1990年代以降本放送の時間は月曜日から金曜日までの10:30 - 10:45で、再放送が月曜日から金曜日までの9:15 - 9:30からとなっていた(2009年度を除く)。但し、新学期最初の週は暦の関係で9:15枠が初回放送となる場合もあった。また、2009年度に関しては月曜日から金曜日までの9:15 - 9:30が幼児向け帯番組『みいつけた!』に置き換えられていた(2010年度以降はEテレキッズでの放送へ移行)関係で、10:30枠のみの放送となった。 1990年度から1994年度まではこの枠が『ともだちいっぱい』として統一されていたが、1995年度からは『つくってあそぼ』などそれぞれ独立する形で廃止となった。『ともだちいっぱい』開始に際しては、『できるかな』のような小学生以上の間でも隠れた人気番組が廃止されたため、一部にこれを惜しむ声や反発もあった[誰?]。 2006年度までは土曜日にも設けられており、1994年度までは平日とほぼ同様の放送形態であったが、学校週休2日制の影響もあって1995年度からは学校放送自体が9:00 - 10:00の1時間に短縮されたこともあり、土曜日の本放送枠は9:00 - 9:15に変更となった。その後、2003年度に9:15枠が廃止されて9:00枠の1枠だけが残り、これが廃枠まで続いた。
近年の少子化などの流れを受け、学校放送枠は減少する一方にある。加えて、2011年度は東日本大震災の影響を受けた東北3県を除き、テレビジョン放送が完全にデジタル化されたこともあって、NHKは媒体を問わず抜本的な再編に乗り出した。 少子化の加速、いわゆる「幼・保一体化」政策、テレビ以外の分野も含めたデジタル化の進展に伴い、NHKは学校放送の在り方を見直し、「テレビ・ラジオ番組として」から、「デジタルコンテンツとして」の提供に方針を転換。学校放送枠自体が9:00 - 10:15に縮小、更にはPCサイトとの連動を重視する姿勢に転じた。理科・社会系の番組は、内容の一部をPCサイトでビデオクリップとして提供している。 未就学児の枠については、より柔軟かつ効率的な番組作りが求められるようになり、その流れを汲んで『幼稚園・保育所の時間』は『Eテレキッズ』と統合する形で廃枠とし、この中で抜本的再編成を実施することとなった。『幼保の時間』で扱われていた番組については、年度上半期は、土曜日朝と夕方(『ピタゴラスイッチ・フル』のみ)を本放送、翌週夕方を再放送とする編成がなされていたが、早くも下半期、週末に娯楽系番組を強化する方針が示された影響で、『ピタゴラスイッチ・フル』が『‐ミニ』の金曜日の放送及び一部番組廃枠のうえで金曜日夕方に移される措置が取られた[注釈 3]。 この廃枠に先立ち、NHK出版は幼稚園教諭・保育士向けに発行していた番組テキスト『幼稚園・保育所の時間』を2008年度を最後として事実上廃刊した。代わりに、NHKが外部リンクのサイト上でアドビ社PDFフォーマットによる『幼稚園・保育所向け番組と利用のてびき』(番組利用の手引書)を公開していたが、NHK出版発行の小学校教諭向け番組テキスト『学校放送』を2013年度限りで廃刊するのを機に、2014年度以降は従来の『学校放送』及び『学校放送番組利用の手引き』『幼稚園・保育所向け番組と利用のてびき』を『NHK for School 利用ガイド』に統合する形になった(アドビ社PDFフォーマットにより公開されている)。 廃枠後も『Eテレキッズ』に“幼稚園・保育所向け番組”として引き継がれたのは以下の3番組だけである。 なお『みいつけた!』は『Eテレキッズ』移行が廃枠前の2010年であった。また、上記のうち『つくってあそぼ』は2012年度分をもって終了、『しぜんとあそぼ』も2021年度分をもって終了した為、2022年度以降も『幼稚園・保育所の時間』時代から継続する番組は『ピタゴラスイッチ』のみとなっている。 放送時間の変遷
曜日別番組
土曜早朝枠
学校放送枠太字は元々小学校低学年向けを対象とした学校放送番組であるが、2013年度に「幼保小連携」による幼稚園・保育所向け番組の学校放送枠での復活に伴って設置した「幼稚園・保育所向け」と「小学校低学年向け」の双方を対象とした番組である。
道徳・生活指導をテーマとした番組多彩な着ぐるみ及びマペットキャラを用いたものが中心。1話完結のものもあれば、1年間通しの連続劇もある。本ジャンルの番組は2001年度〜2003年度、2010年度〜2012年度にそれぞれ一旦消滅するが、2013年度に小学校低学年向けの番組である『ざわざわ森のがんこちゃん』と『できた できた できた』[注釈 7]の対象年齢が引き下がり、復活した。
物語をテーマにした番組幼児向け「国語」番組。昔話や童話を人形劇で再現したものを中心に放送される。基本的に内容はタイトル変遷によって大きく変わってはいないが、『こどもにんぎょう劇場』は、直接の前番組『にんぎょうげき』と、学校放送番組として低学年向けに放送されていた『おとぎのへや』を統合した番組であるため、「幼稚園・保育所の時間」と「学校放送」の双方に属しているという、当時としては珍しい形態となっていた。
図画工作をテーマとした番組身の回りのものを使った工作と、それを使った遊びの楽しさを伝えるというコンセプト。この枠はロングラン番組が多いのが特徴で、「ノッポさん」(高見のっぽ、『なにしてあそぼう』『できるかな』)や「ワクワクさん」(久保田雅人、『つくってあそぼ』)はともに20年以上の長きに渡って視聴者に親しまれた。
自然科学をテーマとした番組幼児向け「理科」番組。自然界に生きる動物・植物の生態、四季の自然を取り上げるドキュメンタリータッチの番組。 なお、1995 - 2003年度には『しぜんとあそぼ』と『なんでもQ』が、2015 - 2021年度は『しぜんとあそぼ』と『ミミクリーズ』の2番組が並行して放送された。ただし、『ミミクリーズ』は自然界の似たもの探しをテーマに様々なコーナーで構成される番組であり、『なんでもQ』はクイズバラエティ形式の番組だった。
数量をテーマとした番組幼児向け「算数」番組。番組によって異なるが、道徳・生活指導ジャンル同様にストーリー物が多く、ストーリー内で起こった問題を算数の知識で解決するというスタンスになっている。 本ジャンルの番組は1994年度を最後に一旦消滅するが、2002年度より復活。同年度から開始した『ピタゴラスイッチ』は、複雑な仕掛けがなされているピタゴラ装置などで大人のファンも多く、20年以上続く長寿番組として現在も放送している。
音楽番組幼児向け「音楽」番組。進行役のお姉さん・お兄さん・番組キャラクターなどが、番組オリジナル曲や既存の童謡の歌唱、音楽に合わせたダンス・体操・手遊び、身近な道具や楽器類を使った音遊びと演奏を行う。 2007年度改編の土曜枠消滅に伴い廃止された。最終年度となる2006年度には新番組として『あいのて』を開始するとともに、2005年度までの『うたっておどろんぱ!』は幼稚園・保育所番組枠から離れ、『うたっておどろんぱ!プラス』と改題し5分に短縮のうえ継続されたが、両番組とも年度いっぱいで終了した。実質的には『おかあさんといっしょ』や『みんなのうた』などの幼児向け帯番組に吸収されたものとみられている。
社会見学をテーマとした番組幼児向け「社会科」番組。1972年度より自然科学系番組と統合して『みんなのせかい』を開始。空いた枠で数量番組『びっくりばこドン』を開始させた。
療育指導をテーマとした番組特別支援学校幼稚部及び幼稚園・保育所・こども園の障害児クラスに在籍している幼児向けでコミュニケーションスキルやソーシャルスキルや運動療法と造形療法を目的としたものが放送されている。2013年度に特別支援学校小学部及び小学校の特別支援学級に在籍している小学校低学年向け番組である『スマイル!』の対象年齢が引き下がり、新設した。
異文化交流をテーマとした番組外国人との交流やコミュニケーションを目的とした番組で、1990年度から新設した。
脚注注釈
出典関連項目
外部リンク
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