悲しみは空の彼方に
『悲しみは空の彼方に』(かなしみはそらのかなたに、Imitation of Life)は、1959年のアメリカ合衆国のドラマ映画。ダグラス・サークの米国における最後の監督作品で、出演はラナ・ターナーとジョン・ギャヴィンなど。 1934年に『模倣の人生』(ジョン・M・スタール監督、クローデット・コルベール主演)として映画化されているファニー・ハーストの小説『Imitation of Life』の再映画化作品であり、ニューヨークのコニー・アイランドを舞台に、黒人差別の実態と資本主義を謳歌するアメリカ社会を描いている。 1984年(昭和59年)にスイスの映画作家ダニエル・シュミットがサークの同年当時の姿と足跡を追うドキュメンタリー映画『人生の幻影』を監督している[1]。同作の原題はフランス語で「Mirage de la Vie」であり、本作『悲しみは空の彼方に』のフランス語圏での公開タイトルと同一である[1]。 ストーリー1947年のニューヨーク。無名の女優であるローラ(ラナ・ターナー)は、賑わう海岸で娘のスージー(サンドラ・ディー)を見失った。黒人女性のアニー(ファニタ・ムーア)がスージーを保護したことで、知り合うローラとアニー。二人は共に夫を亡くし、幼い娘を育てるシングル・マザーだった。宿無しのアニー母娘をアパートに泊めたことから、長い同居生活が始まる二組の母娘。 黒人のアニーの亡夫は白人で、娘のサラ・ジェーン(スーザン・コーナー)は一見、白人に見える美少女だった。白人として扱われたい一心で、母親の存在を隠し続けるサラ・ジェーン。やがて成長したサラ・ジェーンは白人青年に恋をするが、彼女が黒人の娘だと知った恋人は激怒し、サラ・ジェーンに激しい暴行を加えた。 女優として成功したローラは、アニーに家の切り盛りを任せ、娘のスージーはサラ・ジェーンと姉妹のように成長して行った。母の友人であるスティーブへの恋心を募らせるスージー。しかし、スティーブは母親のローラを愛しており、スージーの恋は悲恋に終わった。 一方のサラ・ジェーンは、母親のお陰で大学に進学しながら、場末のキャバレーで踊る生活に堕ちていた。大学では「黒人」だが、キャバレーでは「白人」として振舞えたのだ。そんなサラ・ジェーンを探し出し、面会して、もう母親と主張しないと告げるアニー。アニーは病気を患い、死が迫っていたのだ。 ローラに仕えることで娘を育て、それなりに蓄えも得たアニーは、自分の葬式について完璧な計画を立てていた。その日、楽団付きの盛大な葬列が実行された。地域の黒人社会に貢献したアニーの為に、町中の黒人たちが葬列を見送った。そして、サラ・ジェーンも、涙ながらに駆けつけるのだった。 キャスト
スタッフ
作品の評価映画批評家によるレビューRotten Tomatoesによれば、27件の評論のうち高評価は81%にあたる22件で、平均点は10点満点中7.6点、批評家の一致した見解は「ダグラス・サークは『模倣の人生』を豪華にリメイクし、人種差別への批判と鋭いエッジを加えて、破壊的な力を持つ挑戦的なメロドラマを生み出している。」となっている[2]。 Metacriticによれば、16件の評論のうち、高評価は15件、賛否混在は1件、低評価はなく、平均点は100点満点中87点となっている[3]。 受賞歴
ギャラリー出典
関連項目
外部リンク |
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