新潟スタジアム
新潟スタジアム(にいがたスタジアム)は、新潟県新潟市中央区の鳥屋野潟公園のうち、新潟県スポーツ公園内に所在する陸上競技場兼球技場。施設は新潟県が所有し、アルビレックス新潟・都市緑花センターグループが指定管理者として運営管理を行っている[注 2]。 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するアルビレックス新潟がホームスタジアムとして使用している。 東京都中央区に本社を置くデンカ株式会社(旧・電気化学工業)が施設命名権を取得しており、2014年1月1日からデンカビッグスワンスタジアムの呼称を使用している。 概要2009年の第64回国民体育大会(トキめき新潟国体)の開催に備えて、3万人規模のスタジアムとして設計された。後に2002 FIFAワールドカップの会場となることが決定したため、別途準備していた4万人規模の設計に差し替えて建設され、2001年に完成。隣接する鳥屋野潟に飛来する白鳥が羽を広げる瞬間と、スタジアムの屋根の形状に因んだ愛称「ビッグスワン」 (BIG SWAN) が、一般公募によって命名された。 2003年には、陸上トラックも敷設された。2004年に国内初のワールドアスレティックス(世界陸連)のクラス1認証を受け、将来的には国際規模の大会の開催も可能になったが、2019年にクラス2で認証を再取得した。 施設概要
沿革
トピックス愛称開場当初の愛称「ビッグスワン」は広く浸透しており、後述の施設命名権導入の際にもこの愛称を生かす形で呼称が設定されている。また所在地の地名に因んで「清五郎」と呼ばれる事もある。 なお、アルビレックス新潟サポーターの間では、単に「スワン」と言えば当スタジアムを指す。また、同クラブのマスコット「アルビくん」の妻は、当スタジアムの愛称に因んで「スワンちゃん」と名付けられている。 施設命名権経緯2005年、県は新潟スタジアムと隣接するサブグラウンドに施設命名権を導入する方針を決定した。毎年2億円前後の赤字運営が続いていたことから導入を決めたものである。同年12月から県内外の計80社に取得を打診したものの、年間1億2000万円、契約期間5年以上という条件については「新潟県内で知名度が高いとはいえ、県外では知名度がさほど高くなく、この条件は割高ではないか」という懐疑的な見方が強く、獲得に名乗りを挙げた企業は現れなかった。
東北電力ビッグスワンスタジアム2007年1月、新潟県を事業地域とする東北電力が命名権を取得する意向を表明し、同月17日に正式に売却申し込みを行った。東北電力は新潟スタジアムがアルビレックス新潟のホームスタジアムであることや、2009年に開催される国民体育大会(トキめき新潟国体)のメイン会場であることを考慮したとし「これらを通じて地域の活性化に貢献したい」と取得の目的を説明した。締切の1月24日までの間に応募した企業は他になく、県は東北電力の応募内容を審査した結果、2月1日に年間1億2千万円、契約期間3年(2010年3月10日まで)で東北電力と合意した。 県と東北電力が協議した結果、既に愛称「ビッグスワン」(Big Swan)が定着していることを尊重し、新潟スタジアムの呼称は「東北電力ビッグスワンスタジアム」(とうほくでんりょくビックスワンスタジアム、英文表記:Tohoku Denryoku Big Swan Stadium)に、サブグラウンドの呼称は「東北電力スワンフィールド」(とうほくでんりょくスワンフィールド、英文表記:Tohoku Denryoku Swan Field)にそれぞれ決定し、同年3月11日から変更された[2]。また命名権による呼称を採用したのに伴い、スタジアムには公式の略称として「東北電力スタジアム」「東北電力ビッグスワン」と、加えて新聞のスコアテーブル等に使用するごく短い略称として「東北電ス」の計3種類が別途制定された。なお前者2つには優劣は設けられず、略称を使用する場合にはいずれかを選択して使用できるものとし、サブグラウンドには略称は設定されなかった。 東北電力は2008年秋以来の不況による電力需要の落ち込みや原油高の影響で、2009年3月期決算で初の経常損失を計上するなど経営環境が不透明になったことから、2010年春に1回目の契約を満了する当スタジアムの命名権契約の処遇を検討してきたが、10月30日、同社新潟支店長の矢萩保雄が定例会見で「年間90万人の集客力を有し、新潟県民に身近な存在になっている。契約額に見合うPR効果も確認できた」として契約を更新する旨を表明した。契約内容は権利取得時と同じ年間1億2千万円、契約期間3年(2013年2月末まで)で、その後細部調整を経て契約更新の手続きが行われた。 しかし2011年3月11日の東日本大震災や、同年夏の平成23年7月新潟・福島豪雨で同社管内の発電所が被災したのに加え、火力発電所の稼働コストが上昇するなどした影響で東北電力グループの経営状況が悪化したことから、東北電力は2012年9月30日が期限とされていた命名権契約の優先交渉権を行使しない旨を決定した[7]。 また、経済産業省の電気料金審査専門委員会は東京電力の家庭向け電気料金料金値上げの査定方針に「広告宣伝費の電気料金への転嫁を原則認めない方針」を盛り込んでいる。これは全ての電力会社に対して適用される。実際、ネーミングライツの契約更新をしてその上更に電気料金を値上げしたのでは利用者から強い反発が出るのは確実であり、更新は現実的に極めて困難となった。 これらを踏まえて東北電力は新潟県に対して「厳しい経営環境にあるため契約更新は困難」として契約継続断念の意を伝えたが、県は県政の財源確保の観点から「現行の名称は県民に広く定着している」として、東北電力に対して契約額の減額を認めた上での契約継続を要請した。 これを受けて東北電力は契約延長を決定したが、契約期間は2013年3月1日から同年12月31日までの10か月間、年額2000万円と、期間・契約額とも大幅に削減し、2014年以降は契約を更新しない方針を明らかにした。この契約延長に伴う支出は全額を東北電力の負担とし、値上げ後の料金への原価算入などの形で利用者への負担としない方針がとられた [8] [9]。 なお東北電力グループは、2011年シーズンまで宮城球場(クリネックススタジアム宮城)のスコアボードに広告を掲出していたが、翌2012年シーズンは契約更新を見送っている。 デンカビッグスワンスタジアム東北電力が命名権スポンサーからの撤退を決定したのを受け、新潟県とアルビレックス新潟は共同で「契約料年額7000万円以上、かつ3年以上の契約を結ぶこと、及び『ビッグスワン』の名称を残すこと」を条件として、2013年7月31日から8月30日までの1か月間にわたって新命名権協賛スポンサーの募集を実施した。その結果、新潟県糸魚川市に主力の工場を持つほか、五泉市に関連会社「デンカ生研」(2020年4月デンカに合併)の工場がある電気化学工業(2015年10月、社名を略称としていた「デンカ」に変更)が応募した。締切日の段階で同社以外の応募はなく[10]、同社に対する審査が行われた。 そして9月11日、県は電気化学工業への命名権売却を決定し、契約期間を2014年1月1日から3年間、契約料を年額7000万円とする条件で基本合意に至った。新たな呼称は同社の略称を冠した「デンカビッグスワンスタジアム」に決まり、その後協議を経て、11月7日に行われた基本協定締結の記者会見において、同社の片仮名ロゴタイプを冠した施設名称のロゴタイプのほか、英文表記「DENKA BIG SWAN STADIUM」、公式略称「デンカビッグスワン」および「デンカS」、サブグラウンドの呼称「デンカスワンフィールド」などが発表された[11]。 その後デンカとの命名権は、2017年1月1日から2019年12月31日までの3年間、2020年1月1日から2022年12月31日までの3年間、2023年1月1日から2025年12月31日までの3年間と契約更新が続いている。なお、2020年1月からの契約金は年額4730万円(消費税及び地方消費税込み)となっている。
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※スタジアムの屋根の形状と白鳥の姿を模したシンボルマークと、ロゴタイプの「ビッグスワンスタジアム」の部分については、命名権導入以前のものをそのまま使用している。 呼称の取り扱い方県では当スタジアムの名称をマスメディア等で対外的に表示する場合、正式名称の「新潟スタジアム」と旧愛称「ビッグスワン」を単独で使用しない旨を方針づけており、原則として命名権による呼称のみを使用するよう協力を求めている[12]。併せて、正式名称を使用する場合においても「デンカビッグスワンスタジアム(新潟スタジアム)」「新潟スタジアム(デンカビッグスワンスタジアム)」のように、命名権による呼称を併記するよう求めている。地図・ガイドブック制作大手の昭文社では、施設命名権導入当初は前述の規定のうち後者に倣い、同社刊行の地図「マップル」などにおいて当スタジアムの名称を「東北電力ビッグスワン(新潟スタジアム)」と、公式略称と正式名称とを併記する形で印字していた。その後順次、正式呼称の「東北電力ビッグスワンスタジアム」のみの印字に変更されている。 前述のように、県では正式名称「新潟スタジアム」と愛称「ビッグスワン」については対外呼称として単独使用していないものの、新潟県都市公園条例上の施設名称は命名権導入後も変更せず、それぞれ「新潟県立鳥屋野潟公園新潟スタジアム」「新潟県立鳥屋野潟公園サブグラウンド」を維持している[1]。
交通アクセス→詳細は「新潟県スポーツ公園 § 交通アクセス」を参照
ギャラリー
脚注
関連項目
外部リンク
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