渋川 難波(しぶかわ なんば、1986年5月19日[1] - )は、競技麻雀のプロ雀士。広島県廿日市市出身[2]、日本プロ麻雀協会、KADOKAWAサクラナイツ所属[1]。愛称は、「渋てむ」[3]。キャッチフレーズは、「魔神」[4]、「最強の積み木遊び」[5]。
経歴
広島市立大学情報科学部在学中の20歳の頃からオンライン麻雀「天鳳」の実況生配信を開始[6]。
大学卒業後プロを目指して上京し、2011年に[1]日本プロ麻雀協会10期前期生としてプロデビュー[7]。2012年には「天鳳」の生配信を行っていたことをきっかけとして、プロ入り2年目にして「雀王決定戦」の解説を担当し、以降多くの対局解説を担当する[6]。また、同年から連載を開始した塚脇永久の漫画『鉄鳴きの麒麟児』の闘牌監修を担当し、以後複数の麻雀漫画で闘牌監修を担当する。
2013年2月25日、プロ入り3年目・26歳で雀竜位を獲得。同年5月2日には「四神降臨~LEGEND~」に出場し、井出洋介、土田浩翔と戦う。
2015年7月、第13回野口恭一郎賞男性棋士部門を受賞し、最強戦代表決定戦出場権、モンド杯出場権を獲得。2017年3月第15回日本オープン優勝。
2020年からMリーグ公式解説を務める[6]。
2021年5月、自身のYouTubeチャンネル「渋川式 麻雀通信」を開設。
2021年に第20期雀王の座に輝く[8]。これにより矢島亨に続くグランドスラム(雀竜位、日本オープン、雀王の全てで優勝すること)を成し遂げた。このときには、「堀慎吾が2年前に雀王になってスターの階段を登っていくのを見て追いつきたいと思っていたので、これで少し追いつけたかと思う」という発言をしている[9]。
2022年7月11日、Mリーグドラフト会議にてKADOKAWAサクラナイツより指名され、Mリーグ公式解説からMリーガーへの転身を果たす[10]。
2023年3月24日、自身のYouTubeチャンネルを通じて、日本プロ麻雀連盟所属の早川林香との結婚を発表[11]。翌々日の3月26日に行われた挙式及び披露宴にはMリーガー[注釈 1]を始め、多くの競技麻雀プロが集まった。
2023年6月から行われたMトーナメント2023にて52名の頂点に輝く。[12][13]
人物
- 幼少期に父が集めた麻雀漫画が多数あったことで麻雀に接し[2]、両親と妹と小学校の頃から家族麻雀をしていた[6]。父は麻雀に関する書籍を自主製作するほどの麻雀好きで、「魔神の父のМリーグ観戦記」のタイトルで近代麻雀(竹書房)の公式noteに連載を持つ[14]。
- 小学校の頃は、卓を回りながら四人分の手牌を一人で打つという孤独な遊びをし続けていた[15]。
- 小倉孝に憧れて麻雀プロになった。
- デジタル派の代表格であり、特に場況読みに優れている。
- 将棋のことはあまりわからないが、将棋番組を見て将棋の木村一基九段の解説を麻雀解説の参考にしている[6]。2024年10月20日、将棋ウォーズにて初段になった。
- 2017年の日本オープン優勝時に祝勝会を開いたところ、渋川を含めて3人しか集まらず[16]、2021年の第20期雀王獲得時の祝勝会にも堀慎吾を加えた4人しか集まらなかったこと[17]を本人が自虐的に語っている。
- 妻の早川林香とは友人を介して知り合い、早川の放送対局(早川自身も自信のあった対局)を見て渋川が「全部見たのですが、良かった打牌が1.2個しかありませんでした」と答えたことで早川が強い印象を持ち、程なく交際を始めたという。YouTubeチャンネル「渋川式 麻雀通信」の開設時も早川が撮影、編集、サムネイル作り、企画の提案等を行ってきたとのこと[18]。
- プロ雀士とYouTuber(VTuber)による私設リーグ「神域リーグ」にて、2023シーズンより新規参入する「チームグラディウス」の監督を務めた(2024年まで、2025年は開催見送り)[19]。
- 将棋棋士の藤井聡太に似ているといわれており[20]、そのことで日本テレビ系列『ZIP!』の取材を受けている[21]。
- 2023年5月に配信されたサクラナイツ最強決定戦では、サクラナイツのチームメイト相手に2半荘続けて役満を放銃する[注釈 2]という珍事を起こしている[22]。
- 風呂に入る事が好きで、オフの日には複数回入ることもあり、対局に向かう前のルーティンとして入浴を挙げているほど。その為夫婦での旅行先は温泉のある場所が多いとのこと。その事を知っている渋川のファン(通称ナンバーズ)からはオフ会やファンイベントで差し入れとして入浴剤などを貰うことが多い。
獲得タイトル
Mリーグ成績
レギュラーシーズン成績
シーズン
|
チーム
|
半荘
|
個人スコア
|
最高スコア
|
4着回避率
|
連対率
|
トップ率
|
平均 着順
|
1着
|
1.5
|
2着
|
2.5
|
3着
|
3.5
|
4着
|
参照
|
Pt |
順位 |
平均 |
点 |
順位 |
率 |
順位
|
2022-23
|
KADOKAWAサクラナイツ
|
24
|
▲105.1
|
21/32
|
▲4.4
|
56,700
|
21/32
|
0.7500
|
16T/32
|
50.0%
|
20.8%
|
2.54
|
5
|
0
|
7
|
0
|
6
|
0
|
6
|
[23]
|
2023-24
|
KADOKAWAサクラナイツ
|
23
|
147.2
|
9/36
|
6.4
|
72,600
|
6/36
|
0.7826
|
12/36
|
52.2%
|
34.8%
|
2.35
|
8
|
0
|
4
|
0
|
6
|
0
|
5
|
[24]
|
2024-25
|
KADOKAWAサクラナイツ
|
27
|
76.7
|
17/36
|
2.8
|
49,100
|
27/36
|
0.7778
|
16T/36
|
55.6%
|
25.9%
|
2.41
|
7
|
0
|
8
|
0
|
6
|
0
|
6
|
[25]
|
通算
|
74
|
-105.1+147.2+76.7+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0118.8
|
1.60540540540541.6
|
72,600
|
77.0%
|
52.7%
|
27.0%
|
2.43
|
20
|
0
|
19
|
0
|
18
|
0
|
17
|
- 個人賞は規定打荘数(20半荘)以上の選手が対象
- 着順の1.5、2.5、3.5は1着同着、2着同着、3着同着
ポストシーズン成績
シーズン
|
チーム
|
半荘
|
個人スコア
|
最高スコア
|
4着回避率
|
連対率
|
トップ率
|
平着
|
1着
|
1.5
|
2着
|
2.5
|
3着
|
3.5
|
4着
|
Pt |
平均
|
セミファイナルシリーズ
|
2022-23
|
KADOKAWAサクラナイツ
|
5
|
80.6
|
16.1
|
39,500
|
80.0%
|
60.0%
|
60.0%
|
2.00
|
3
|
0
|
0
|
0
|
1
|
0
|
1
|
2023-24
|
KADOKAWAサクラナイツ
|
5
|
▲10.6
|
▲2.1
|
36,900
|
80.0%
|
80.0%
|
0%
|
2.40
|
0
|
0
|
4
|
0
|
0
|
0
|
1
|
セミファイナル通算
|
10
|
80.6+-10.6+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+070.0
|
77.0
|
39,500
|
80.0%
|
70.0%
|
30.0%
|
2.20
|
3
|
0
|
4
|
0
|
1
|
0
|
2
|
ファイナルシリーズ
|
2023-24
|
KADOKAWAサクラナイツ
|
4
|
▲113.3
|
▲28.3
|
29,400
|
50.0%
|
25.0%
|
0%
|
3.25
|
0
|
0
|
1
|
0
|
1
|
0
|
2
|
ファイナル通算
|
4
|
-113.3+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0▲113.3
|
-28.325▲28.3
|
29,400
|
50.0%
|
25.0%
|
0%
|
3.25
|
0
|
0
|
1
|
0
|
1
|
0
|
2
|
ポストシーズン通算
|
14
|
-43.3▲43.3
|
-3.1▲3.1
|
39,500
|
71.4%
|
57.1%
|
21.4%
|
2.50
|
3
|
0
|
5
|
0
|
2
|
0
|
4
|
作品
著書
闘牌監修
脚注
注釈
出典
外部リンク
|
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
日本プロ麻雀協会主催のプロアマ混合タイトル戦 |
|
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
日本プロ麻雀協会所属のプロ雀士によるリーグ戦 |
麻雀最強戦ファイナル出場(1回) |
---|
麻雀最強戦2022
開催日 |
大会名・出場資格 |
ファイナル出場 |
A卓出場者 |
B卓出場者
|
2021/12/12
|
麻雀最強戦2021
|
瀬戸熊直樹
|
前年優勝者
|
2022/3/7
|
ザ・レジェンド
|
前原雄大 |
森山茂和 |
荒正義 |
伊藤優孝 |
沢崎誠 |
灘麻太郎 |
前原雄大 |
井出洋介 |
新津潔
|
2022/4/9
|
女流最強スター決戦
|
丸山奏子 |
高宮まり |
伊達朱里紗 |
日向藍子 |
瑞原明奈 |
丸山奏子 |
茅森早香 |
岡田紗佳 |
二階堂亜樹
|
2022/5/1
|
女流チャンピオン決戦
|
菅原千瑛 |
魚谷侑未 |
逢川恵夢 |
内間祐海 |
藤川まゆ |
宮内こずえ |
一瀬由梨 |
菅原千瑛 |
東城りお
|
2022/5/29
|
ミスター麻雀カップ
|
黒沢咲 |
萩原聖人 |
黒沢咲 |
本田朋広 |
鈴木達也 |
二階堂瑠美 |
滝沢和典 |
古橋崇志 |
望月雅継
|
2022/6/5
|
Mリーグスペシャルマッチ
|
岡田紗佳 |
勝又健志 |
瑞原明奈 |
園田賢 |
萩原聖人 |
岡田紗佳 |
近藤誠一 |
白鳥翔 |
滝沢和典
|
2022/6/19
|
男子プロ理詰めの極致
|
石川遼 |
村上淳 |
鈴木たろう |
園田賢 |
朝倉康心 |
山田独歩 |
齋藤豪 |
石川遼 |
茨城啓太
|
2022/6/25
|
タイトルホルダー頂上決戦
|
渋川難波 |
佐々木寿人 |
渋川難波 |
鈴木優 |
小林剛 |
奈良圭純 |
渡辺史哉 |
仲林圭 |
河野高志
|
2022/7/17
|
男子プロ因縁の抗争
|
岡崎涼太 |
原佑典 |
古本和宏 |
白鳥翔 |
松本吉弘 |
猿川真寿 |
岡崎涼太 |
尻無濱航 |
藤島健二郎
|
2022/7/23
|
男子プロ魂の一打
|
友添敏之 |
多井隆晴 |
三浦智博 |
内川幸太郎 |
堀慎吾 |
松ヶ瀬隆弥 |
近藤誠一 |
勝又健志 |
友添敏之
|
2022/8/7
|
著名人最強決戦
|
片山まさゆき |
本郷奏多 |
森川ジョージ |
片山まさゆき |
福本伸行 |
香川愛生 |
大村朋宏 |
加藤哲郎 |
瀬川瑛子
|
2022/8/14
|
女流プロ最強新世代
|
杉浦まゆ |
蒼井ゆりか |
後藤咲 |
鳥井ゆう |
高津柚那 |
西城凛 |
杉浦まゆ |
御崎千結 |
辻百華
|
2022/9/17
|
女流プロ令和の乱
|
内田みこ |
中田花奈 |
内田みこ |
豊後葵 |
和久津晶 |
中月裕子 |
川原舞子 |
仲田加南 |
清水香織
|
2022/10/16
|
男子プロ王者の帰還
|
鈴木大介 |
藤崎智 |
石橋伸洋 |
鈴木大介 |
土田浩翔 |
醍醐大 |
金太賢 |
長村大 |
前田直哉
|
2022/11/6
|
全国アマチュア最強位
|
ももたん |
各予選突破者15名に前年アマチュア最強位を加えた16名によるトップ取りトーナメント
|
2022/11/13
|
全日本プロ
|
大塚翼 |
田本英輔 |
伊藤俊介 |
津島哲平 |
大塚翼 |
内藤岳 |
宮下慧一郎 |
新野竜太 |
吉田昇平
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2022/12/10
|
|
2022/12/11
|
|
2022/12/11
|
|
1stA卓
|
|
|
|
|
|
|
|
|
東
|
大塚翼
|
5,300
|
|
|
南
|
杉浦まゆ
|
16,700
|
|
|
西
|
鈴木大介
|
51,000
|
|
2ndA卓
|
|
|
北
|
ももたん
|
27,000
|
東
|
丸山奏子
|
17,400
|
|
|
|
南
|
瀬戸熊直樹
|
27,900
|
|
|
1stB卓
|
|
西
|
友添敏之
|
34,600
|
|
|
|
東
|
岡崎涼太
|
25,600
|
北
|
ももたん
|
20,100
|
|
|
南
|
内田みこ
|
-700
|
|
|
|
西
|
瀬戸熊直樹
|
38,300
|
|
決勝
|
|
|
北
|
前原雄大
|
36,800
|
東
|
友添敏之
|
26,600
|
|
|
|
南
|
前原雄大
|
9,600
|
|
|
1stC卓
|
|
西
|
鈴木大介
|
29,700
|
|
|
東
|
友添敏之
|
27,800
|
北
|
瀬戸熊直樹
|
34,100
|
|
|
南
|
菅原千瑛
|
39,700
|
|
|
西
|
石川遼
|
26,600
|
|
2ndB卓
|
|
|
北
|
片山まさゆき
|
5,900
|
東
|
渋川難波
|
18,300
|
|
|
|
南
|
前原雄大
|
38,800
|
|
|
1stD卓
|
|
西
|
菅原千瑛
|
19,100
|
|
|
|
東
|
渋川難波
|
30,200
|
北
|
鈴木大介
|
23,800
|
|
|
南
|
丸山奏子
|
33,900
|
|
|
西
|
岡田紗佳
|
22,200
|
|
|
|
北
|
黒沢咲
|
13,700
|
|
|