田舎家と木々のある風景

『田舎家と木々のある風景』

ドイツ語: Landschaft mit einer Hütte 英語: Landscape with a Cottage and Trees
作者	ヤーコプ・ファン・ロイスダール
製作年	1646年
種類	キャンバス上に油彩
寸法	64.7 cm × 70.8 cm (25.5 in × 27.9 in)
所蔵	ハンブルク美術館

『田舎家と木々のある風景』（いなかやときぎのあるふうけい、英: Landscape with a Cottage and Trees）、または『田舎家のある風景』（いなかやのあるふうけい、独: Landschaft mit einer Hütte）は、オランダ絵画黄金時代の画家ヤーコプ・ファン・ロイスダールが画業初期の1646年に板上に油彩で制作した絵画である。現在、ハンブルク美術館に所蔵されている^[1][2]。

この絵画は砂丘近くの風景を表しており、濃い木立の中に慎ましい田舎家と荒れ果てた小屋を描いている。主役となっているのは人々ではなく、自然である^[3]。画面中景左側の平らな地では、女がリネンの布を漂白するために広げており、男がそれを見ている。彼女の前では牧童が牛の世話をしている。別の女が苔の生えた田舎家から出てきている^[1]。鑑賞者は自然の中を散策している気分になるが、風景は実物ではなく、ロイスダールが動く雲の下、絵画的要素を組み合わせている理想化された景観である^[1]。

この絵画は、1911年に研究者ホフステーデ・デ・フロート（英語版）により以下のように記述されている。

806番。田舎家のある風景。田舎家の前に牛、豚、そのほかの動物を連れた牧童がいる。右側には樹皮の剥がれた木がある。そばの水面にはアヒルがいる。陽光が左側遠景の木々に降り注いでいる。精緻に仕上げられた、顕著な人物像はベルヘムの手になる。完全な署名、1646の年記あり。板、縦28と1/2インチ、横44インチ^[4]。ハンブルクのJ. アムシンク (J. Amsinck) のコレクションから、1879年にハンブルク美術館に遺贈^[5]。

この絵画は、知られているロイスダールの作品中で最初期のものの1つである。研究者のシーモア・スライヴ（英語版）は人物と動物をロイスダール自身の手に帰しているが、上記のごとくホフステーデ・デ・フロートはそれらをニコラース・ベルヘムの手になるものとした。絵画は、スライヴの2001年のロイスダール作品総目録では569番となっている^[6]。

• Slive, Seymour; Hoetink, Hendrik Richard (1981). Jacob van Ruisdael (Dutch ed.). Amsterdam: Meulenhoff/Landshoff. ISBN 978-90-290-8471-0 
• Slive, Seymour (2001). Jacob van Ruisdael: a Complete Catalogue of his Paintings, Drawings, and Etchings. New Haven, Conn.: Yale University Press. ISBN 978-0-300-08972-1 

• ハンブルク美術館公式サイト、ヤーコプ・ファン・ロイスダール『田舎家のある風景』 (ドイツ語)
• オランダ美術史研究所公式サイト、ヤーコプ・ファン・ロイスダール『柳のある砂丘の風景』 (英語)

表 話 編 歴 ヤーコプ・ファン・ロイスダール
絵画作品	『田舎家と木々のある風景』（1646年） 『樹木のある砂丘』（1646年） 『風車のある風景』（1646年） 『夕景：小川沿いの風車』（1650年頃） 『シンフラーフェン近くの二つの水車小屋と開いた水門』（1650-1652年頃） 『ベントハイム城』（1653年） 『開いた水門のある二つの水車小屋』（1653年） 『ハールレム近郊の砂丘の風景』（1653年） 『水車のある茅葺き屋根の家』（1653年頃） 『エグモント・アーン・ゼーの眺め』（1650年代） 『田舎の別邸ソーストデイクに到着するコルネリス・デ・フラーフとその家族』 (1660年頃) 『水車小屋』（1660年頃） 『城の廃墟と教会のある風景』（1665年頃） 『光線』（1665年頃） 『滝のある風景』（1668年ごろ） 『穀物畑』（1660年代半ばから後半） 『森のある沼地』（1660年代） 『牡鹿狩り』（1665-1670年頃） 『アルクマールの光景』（1665-1670年頃） 『城山の前の滝』（1665-1670年頃） 『岩のある風景の中の滝』（1660年代） 『海岸沖の嵐』（1670年） 『ウェイク・ベイ・ドゥールステーデの風車』（1670年頃） 『小麦畑』（1670年頃） 『風景 (ワシントン)』（1670年頃） 『前景に漂白場のある、北西からのハールレムの眺め』（1670年頃） 『海岸』（1660年代後半から1670年代初頭） 『アムステルダムのダムとダムラックの眺め (フリック・コレクション)』 (1675年頃) 『アムステルダムのダムとダムラックの眺め (マウリッツハイス美術館)』（1670年代後半） 『水車のある山の風景』（1675-1679年頃） 『アムステルダム方面を望むアムステル川の眺望』（1671-1681年） 『樫の森の道』（制作年不詳） 『アムステルダムのダムとダムラックの眺め (ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館)』（制作年不詳）
関連項目	サロモン・ファン・ロイスダール（叔父・画家）
カテゴリ