福岡女学院中学校・高等学校
福岡女学院中学校・高等学校(ふくおかじょがくいんちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、福岡県福岡市南区曰佐に所在し、中高一貫教育を提供する私立女子中学校・高等学校。 概要1885年の創立以来受け継がれてきた学院聖句 「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。」に立ち、すべての人間が「大切なひとり」であり、「神と隣人へとの愛に生きることを要とする、聖く、正しく、賢く、美しく、強い主体的人格の形成」を目指す教育を展開しているキリスト教学校である。そして進みゆくグローバル化社会を担えるような、豊かな知性と感性を兼ね備えた女性を培う教育を目指している。 教育の特徴としては、「英語の女学院」として有名な英語教育、それを基にした国際交流、さらに感性を豊かに育てる芸術教育、「大切なひとり」を基にしたきめ細かい個別指導などが挙げられる。 英語教育本校はアメリカの宣教師により創設され生きた英語教育を伝統的に行ってきた。その伝統の中で2003年度より文部科学省の「スーパーイングリッシュランゲージハイスクール」(SelHi) の指定を2期連続6年で受け、さらに2009年度は同省の「英語教育改善のための調査研究」指定校に選出された。計7年の研究成果を基に、四技能(「読む」「書く」「聞く」「話す」)のバランスを考えた英語教育が展開され、問題を解くための英語から、日常で使うための英語の習得を目標としている。中学の時期から英語による英語授業が行われている。 同校の英語教育の特徴に多読の授業が挙げられる。多読とは、易しい英語の本をたくさん読むことによって、「使える」英語を無理なく身に付けられるという英語教育法である。多読用の洋書(幼児が読む絵本から小説まで)は7000冊に及び、九州内では圧倒的な蔵書数である。この教育法によって生徒が持つ英語への拒絶感は軽減され、読んでいる生徒の中には、帰国生でなくてもトワイライト[要曖昧さ回避]やハリーポッターなどの原書が読めるようになった生徒も出てきている。 SelHiを中心とした英語教育の実績が高く評価され、県内はもとより、県外の進学校や県議会議員なども多数視察に来ている。 国際交流近年、社会がグローバル化していく中、国際交流がより盛んになっている。タイにあるチュラーロンコーン大学附属高校の生徒、韓国にある三聖女子高校の生徒等をはじめ、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、イタリア、フィンランド、ポーランド、フランス、スロベニア、オーストラリア、ニュージーランド、コロンビア、インド、シンガポール、台湾等から短期、長期にわたる留学生を受け入れている。 チュラーロンコーン大学附属高校、三聖女子高校とは提携を結んでいる。 また本校からはイギリス、オランダ、タイ、韓国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、コスタリカ等へ生徒たちを留学生として派遣している。 芸術教育本校は伝統的に芸術教育に力を入れている。高校に音楽科を設置していることもあり、プロの演奏家たちを教師に迎え音楽教育を行っている。中学では、バイオリンの授業が必須。 また美術の授業では「よく見る」、「描き急がない」、「時間をじっくりとかける」ということをモットーに制作を行う。一つの作品に4ヶ月から半年ぐらいかけて取り組む。一つのことにじっくりと取り組む経験が大切であり、時間を積み上げることでしか人は力が付かないのだという考えの下行われている。有名な授業に「土を描く」というものがある。 学習学校生活の中心は授業であり、いわゆる主要5教科の授業は基本である。中学では課外授業、土曜講座(通信添削教材学習会)、強化学習会(全学年対象)、アシストクラス(中1・中2対象)、テスト前学習会・テスト後学習会、週末課題などそれぞれの習熟層をフォローする仕組みがある。高校では進学クラス(私立文系)と特進クラス(国文・理系)に分かれ、進路に則した学習指導がなされている。 クラブ活動
サッカー部サッカーなでしこリーグに属する福岡J・アンクラスは、元々本校の部活動から出発した歴史がある。しかし、トップチームがプロリーグに昇格したこともあって、日本サッカー界のルール変更でプロとアマのけじめをつける必要に迫られた事情から、アンクラスのユースとして組み込まれていた本校サッカー部(ANCLASユース福岡女学院SS)は、2011年4月にアンクラスから分離され、純然たる部活動に戻った。このため現在のアンクラスには本校在校生は一人もいない。 バレーボール部2021年全国高校総体に初出場を果たしており、2023年に2回目の出場をしている。2024年に第76回春の高校バレー初出場を果たした(1回戦敗退)。 中高と大学の連携本校は福岡女学院大学、福岡女学院看護大学の併設校であり、中高と大学の連携がなされている。高校では大学講義の授業があり(選択制)、韓国語、メディア論、心理学、幼児教育、国際キャリアなど幅広い教養が学べる。また中学のキャリア学習においては、福岡女学院看護大学での研修が行われる。中学の学習サポートとしてアシストクラスがあり、教職課程を受講している学生が中学生に勉強を教える仕組みもある。その他多岐に渡って中高と大学の連携が行われている。 寄宿舎敷地内にカナン寮という寄宿舎がある。定員は60名で、中学から入寮が可能である。主に、家から学校まで距離が遠い生徒が利用している。キリスト教精神に基づいた共同生活を営んでいる。休日には帰省可能。 宗教教育ミッションスクールである本校では建学の精神に基づき宗教教育が行われている。毎日20分間の礼拝が行われ、2008年にギール記念講堂に設置されたパイプオルガン(ガルニエ社)の伴奏で讃美歌を歌う。礼拝は福岡女学院の根幹であり、変えてはならない精神として位置付けられている。クリスマス礼拝では全校生徒によるハレルヤコーラス(ヘンデル「メサイア」より)が行われる。同窓会では讃美歌やハレルヤコーラスが歌われることがよくある。キリスト教教育強調日では、社会の問題をキリスト教的に考察し、全校生徒で討論を行う。 クリスチャンでなければ本校に入学できないという誤解が時々あるが、クリスチャンであるかないかは入学資格には一切関係ない。 制服1921年、当時の校長エリザベス・リーの発案により、欧米で高級子供服として流行していたセーラー服を制服として制定。現在でも当時のデザインを基本的には踏襲している。このデザインがセーラー服の先駆けとなり、全国に広まったことは有名な話である。(日本で初めてセーラー服を制服に制定した学校は、1920年の「平安女学院」(京都)とされているが、現在一般的に見られるような上下セパレート型のセーラー服を制服として最初に採用したのは福岡女学院であると服飾史上いわれている。)
鞄(鍵付き)は指定で通学靴はローファー 。 2015年度に乾カバン、補助バッグをリニューアルした。 教育組織高等学校には次の教育組織がある。
学校行事
沿革
交通アクセス
著名な出身者
併設学校脚注
関連項目外部リンク
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