酒類製造免許
酒類製造免許(しゅるいせいぞうめんきょ)とは、日本の酒税法(昭和28年法律第6号)により定められている酒の製造ができる免許。通称酒造免許。製造する品目ごとかつ製造場ごとに所轄の税務署長から免許が交付される[1]。 酒税法上の名称は「酒類の製造免許」といい、酒類の製造免許を受けた者を「酒類製造者」という(酒税法第7条)。同法に定める製造免許として他にもろみ・酒母の製造免許である「酒母等の製造免許」がある(酒税法第8条)[2]。 酒税を円滑に納付させることを目的とした制度であるが宗教儀式のために少量を製造する場合にも必要である[3]。ただし、神社などの濁酒など販売を目的とせず、伝統文化的価値の大きいものなどは、構造改革特区の申請により酒税法の適用外になることもある。 法的根拠酒類を製造しようとする場合、酒税法第7条の以下の条文の規定により、製造しようとする酒類の品目別かつ製造場ごとに所轄税務署長の免許を受ける必要がある。
法定製造数量酒税法第7条第2項において、種類別に1年あたりの最低製造見込数量(法定製造数量)が定められている。免許取得後1年間に製造しようとする見込数量がこれに達しない場合は、免許を受けられない。また、実際の製造数量がこれを3年間下回ると、免許取り消しとなる。ただし、法令解釈通達によれば薬用酒を製造する場合は以下の法定製造数量を満たしているものとみなされる[4]。
構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)の規定により以下に該当する場合、上記の法定製造数量は適用されない[5]。
免許の種類免許は種類別、品目別になっている。免許を受けた品目と異なる品目の酒類を製造しようとするときは、改めてその品目の免許を受ける必要がある(例えば、ウイスキーの免許でブランデーを造ることはできない)。 酒造メーカーや大学などで研究のために製造する際に設定された試験酒類製造免許があり、法定製造数量の制約を受けないが、販売できず有効期間や種類に制約がある。 清酒・合成清酒や単式蒸留焼酎・連続式蒸留焼酎・原料用アルコールの酒類製造免許を新たに取得できるのは、既存の製造者が、企業合理化を図るため新たに製造場を設置して製造しようとする場合等に限られており[6]、新規参入は制限されている[7][8]。新規参入には、休廃業した酒造会社を買収し酒蔵の免許を移転する方法が使われる(北海道の上川大雪酒造の例)[9]。2021年には海外への輸出を後押しするため、輸出用清酒製造免許が設定された[10][7]。第1号は福島県のねっかに交付された[11]。 罰則酒類製造免許を受けないで酒類を製造した者(未遂犯を含む)は、酒税法第54条の規定に基づき、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される[12]。
脚注注釈出典
関連項目外部リンク
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