阪堺電気軌道
阪堺電気軌道株式会社(はんかいでんききどう、英: Hankai Tramway Co., Ltd.)は、大阪市内と堺市内で2路線の路面電車を運行している会社。南海電気鉄道の完全子会社であり、南海グループに属する。本社は大阪府大阪市住吉区清水丘三丁目14番72号にある。 コーポレート・スローガンは「暮らしがある。未来がある。ずっと息づく軌道がある。」。 通称「阪堺電車」「阪堺電軌」。地元の人は「チン電」と呼ぶこともある。なお阪堺電鉄(通称:「新阪堺」で大阪市電阪堺線の前身。1944年公営化、1968年廃線)とは別の会社である。 歴史大阪馬車鉄道から浪速電車軌道へ
阪南電気軌道
初代・阪堺電気軌道
南海鉄道
近畿日本鉄道
南海電気鉄道
2代目・阪堺電気軌道
路線現有路線![]() 廃止路線・区間
譲渡区間
主な運行系統詳細は各路線の記事を参照のこと。★印は廃止系統。
運賃普通旅客運賃(2025年4月1日改定)[20]。乗り換えは住吉・我孫子道停留場で1回のみ可能で、それ以外の乗り換えは不可。ただし、住吉での乗り換えは阪堺線恵美須町停留場 - 東粉浜停留場間と上町線天王寺駅前停留場 - 神ノ木停留場間の相互利用のみ。なお、乗り換えには時間制限が設けられており、乗換券受取から1時間までである。有効時間ならびに有効区間は券面に記載されている。
フリーきっぷなど
発売終了
車両![]() ![]() ![]() 2020年4月現在、営業用の車両についてはすべてモ101形から続く車体長14mの大型車両を採用している。また、廃止になった平野線を含め、専用軌道区間が多いこと、阪堺線は南海線と併走しており、競合していたなどの事情から、各地でカルダン駆動方式や間接制御などを用いた高性能な路面電車が登場する1950年代までは類を見ない高性能車両が揃っていた。なお、このうちモ501形は登場当時の駆動装置を採用したまま現存する唯一の「和製PCCカー」であり、他社・他局で導入当時多数を占めた在来車に合わせて旧型機器の流用などで性能を低めた改造を行った事例とは対照的である。一方でこれらの高性能車が多数を占める中で、京都市内で運行されていた汎用的な旧型機器車である旧京都市電1800形を在来中型車の置き換え用として中古購入するも、望まれる性能が不足していたことから早々に引退を余儀なくされている。 上述する事情から他社局では2025年現在も多数存在する直接制御車は1990年代までに改造・廃車で全廃されたものの、VVVFインバータ制御車などの路面電車の技術革新が再開して以降の新機軸においては導入が遅れた。また長らく1ステップまたは2ステップの車両しか在籍しておらず、超低床電車の導入は諸般の事情により見送られていたが、2013年8月に堺市の補助により1001形「堺トラム」が導入された。2020年3月からは増備車の1101形も導入されている。 非冷房車であるモ161形は夏期(6月後半 - 9月末)の運行は原則的に行われず、2013年まで平日朝ラッシュ時の阪堺線系統(恵美須町 - 我孫子道間)の1往復のみに限定して運行されていたが、前述の「堺トラム」投入により冷房車が充足したため、2014年以降夏季は完全に予備車扱いとなった(詳細は「モ161形の運用」を参照)。 塗装→「南海グリーン」も参照
阪堺電気軌道では広告塗装を施している車両が多い。広告塗装を施す車両は、主にモ701形とモ601形が多いが、モ501形とモ351形にも広告塗装車がある。 モ161形は、2010年からリバイバルカラーの復活と称した復刻塗装が行われており、モ164号が1986年頃に緑地に黄色帯正面V字の塗装を同年10月に2週間限定で復刻(通称ビークル・スター)[26] した後、前面のV字を消した緑地の黄色帯塗装となっていた。その後、モ166・164号は、2014年にモ161形登場時の塗装とされている茶色に変更された。広告塗装は、2014年10月現在、存在しない。 モ701形・モ601形用の新型車用の標準塗装としては、白地にベージュと茶色の帯。さらに旧型車用には、南海時代からの「雲電車」と呼ばれる塗装がある。雲電車は元々立石電機(現在のオムロン)の広告塗装で、かつてはブルー・グリーン・オレンジ・イエローの4色(ただしイエローは立石電機の広告車では無く、広告主企業の倒産による応急処置であり、ごく短期で消滅)があり、車体側面上部に企業名「サイバネーションのOMRON立石電機」、車体側面中央部にメッセージが小さく入っていた[27]。 平成20年代以降、雲電車はモ501形のオレンジとイエローの塗装が、モ161形とモ351形にブルーの塗装が、モ161形164号にグリーンの塗装が復活した。以降も広告塗装を施すなどで不定期にこれらの塗装は消滅と実装を繰り返している。これらの色は以下のような使い分けをしている。
南海運営時代までは上半分をクリーム色・下半分をダークグリーンに、正面を金太郎塗りした塗装が主力であったが、モ351形以前の車両を中心に、1985年より阪堺ライトグリーンに窓上・窓下に白帯を入れる標準塗装が実装され、広告を施されていない車両の塗装とされた。モ701形・モ601形においても新型車用ではなくこの塗装を施された車両が存在した。 2013年から運行しているモ1001形「堺トラム」は、公募により塗装を決定している。導入予定の3編成すべてが異なるカラーリングを採用する予定であり、最初に導入された1001号は白地・薄金地に深緑を基調としたカラーリングで、塗装そのものに「茶ちゃ」、次に導入された紫を基調とした1002号は「紫おん」、その次に導入された青を基調とした1003号は「青らん」の名が付けられた。なお、1001形より後に導入された1101形ではファインレッドとブライトンオレンジの2色を使用した新塗装が導入された。 現在は広告塗装となっているものが大半であり、旧型車両はリバイバルカラー化などが進んでいる。前述の金太郎塗りもモ501形・モ161形で復刻される一方、新型車用の標準塗装はゼロ、さらに現在は車庫に留置されている事業用車両も旧南海塗装などに塗り替えられており、緑に白帯の標準塗装を施している車両も2025年現在現存しない(保存車としてはモ172が唯一現存する同塗装の施行車として保存されている)。今後は、161・351・501形は雲塗装、601・701形は登場時の新車色を標準色とすることになった。 2014年10月からは、モ161形164号が、NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」のラッピング広告電車となっていた。2016年9月30日からは166号が「HELLO KITTY LOVES すみよし」のラッピング電車に、11月1日からは164号がアニメ「文豪ストレイドッグス」のラッピング電車になっていた。 現有車両
過去の車両
車両数の変遷
脚注注釈出典
参考文献
外部リンク
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