2019年世界陸上競技選手権大会・男子4×100mリレー
2019年世界陸上競技選手権大会・男子4×100mリレー(2019ねんせかいりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい・だんし4かける100メートルリレー)は、2019年世界陸上競技選手権大会の種目の一つ。カタール・ドーハのハリーファ国際スタジアムを会場に、2019年10月4日に予選、10月5日に決勝が行われた。アメリカ合衆国がシーズン世界最高かつアメリカ新記録の37秒10で金メダル、イギリスがヨーロッパ記録の37秒36で銀メダル、日本がアジア記録の37秒43で銅メダルをそれぞれ獲得した[1]。 レース経過
予選予選は現地時間の10月4日21時5分から行われた。1組の開催国カタールが棄権し、2組15国の参加により行われた[2]。決勝進出条件は、各組上位3国と記録上位2国の計8国であった。 予選1組[3]は第5レーンのアメリカと第6レーンのイギリスが早々に抜け出し、最終コーナー通過の時点までこの2国が先頭を争う展開となった。しかし、アメリカは3走マイク・ロジャースと4走クレイボン・ギレスピーのバトンパスのタイミングが合わず、危うくテイクオーバーゾーンを超過しかかり失速[4]。シーズン世界最高の37秒56を記録したイギリスが1着で予選通過[5]、2着にブラジルが入り、3着でゴールインしたアメリカはビデオ判定の結果4走へのバトンパスはゾーン内と認められ、着順での決勝進出を決めた[4]。 予選2組[3]は上位チームの競り合いとなり、4走へのバトンパス時点では第6レーンのフランスがわずかにリード、これを南アフリカ・日本・中国の順で追う形となった。アンカー勝負でフランスを逆転した南アフリカのアカニ・シンビネが、日本のサニブラウン・アブデル・ハキームとの競り合いを制し[5]1着で予選通過。日本が2着に入り、中国はアンカー謝震業が最後にフランスのムハマドゥ・ファルを抜き逆転で3着に入った。 予選2組終了の結果、2組4着のフランスと2組5着のオランダが記録順で残り2枠の決勝進出を決めた。2組5着のオランダと6着のカナダは、記録は同じ37秒91ながら、より精密な計測の結果0秒005差で着順が決まり、カナダは予選敗退となった[6]。カナダの記録37秒91は1組3着で予選通過を果たしたアメリカの38秒03を上回っており、37秒台の記録で決勝に進めないのは4×100mリレー史上初のことであった[6]。予選終了後、1組4着のイタリアは改めてアメリカのリレーゾーン超過による失格を訴えて抗議し、またカナダも、アメリカが失格の場合タイムで上回る自国に決勝進出の権利が与えられるべきだと抗議したが、審議の結果アメリカのバトンパスは正常と判定され、両国の抗議は却下された[4]。 決勝決勝は現地時間の10月5日22時15分から行われた。予選からオーダー変更を行ったのは、2レーンのフランス(4走:ムハマドゥ・ファル → クリストフ・ルメートル)、4レーンの日本(1走:小池祐貴 → 多田修平)、8レーンのアメリカ(4走:クレイボン・ギレスピー → ノア・ライルズ)、9レーンの中国(4走:謝震業 → 別舸)の4か国であった[1]。 レースは、アメリカの1走クリスチャン・コールマンがスタートダッシュに成功しアメリカが先行[7]。日本の多田も好スタートを切った[8][9]。フランスは1走と2走のバトンパスに失敗し途中棄権した。4走へのバトンパスの時点でアメリカ、日本、イギリスの順となり、アメリカの4走ライルズがさらにリードを広げて1着でゴール。アメリカ新記録かつ世界歴代2位の37秒10で、この種目で2007年大阪大会以来の金メダルを獲得した[7]。最終ストレートでイギリスのネサニエル・ミッチェル=ブレークが日本のサニブラウンを逆転し、37秒36のヨーロッパ記録で銀メダル[10]。日本も37秒43でアジア記録を更新し、銅メダルを獲得した[11]。オランダは6番手でゴールラインを越えたが、リレーゾーン超過により失格が宣告された。 本種目の結果、決勝レースを完走した6か国が2020年東京オリンピックにおけるこの種目の出場権を獲得した[12]。 日程
結果
予選決勝進出条件:各組上位3着(Q)+記録上位2着(q) 1組
2組
決勝
脚注注釈参照
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