『Relation』(リレーション)は、globeの4枚目のフルアルバム。
概要
前作『Love again』から8か月弱で発売され、「BRAND NEW globe 4 SINGLES」を収録したアルバム。
音楽性
小室哲哉は1985年にリンゼイ・ケンプが出演した「夏の夜の夢」に衝撃を受けて、「あの世界観を作れないだろうか」と思った所から始まった[1]。
音作りのテーマは1970年代のプログレッシブ・ロック、ブリティッシュビートを参考にし[2]、残響効果が少なめの乾いた音色を中心にまとめて、効果音も非現実的な響きの音を選び、「お買い得仕様ではない、聴いてくれる人がいるだけ作った側が救われる」という程ギリギリまで実験的な志向を貫いた[3]。
本作はglobeプロデュースの作品となっており、KEIKOが初めて作詞に挑戦した。音源が出来上がってから作詞を行う(依頼する)小室の作品としては珍しく、KEIKOの担当した歌詞が上がってから音源制作を行った[4]。また、KEIKO・マーク・パンサーが単独で作詞を担当した楽曲では歌入れが終わった後も、小室抜きで意見を出し合う等ボーカルディレクションに近い作業も行った[2]。
アートワーク
ジャケットはバラの花びらにモザイクがかかったもので、歌詞カードを開いていくとその部分が拡大されていく。裏ジャケットにはモザイクはない。小室は加工する前の写真を見てインスピレーションを受け、「庭園のバラは『集団』とひとくくりにされているけど、1本1本がコミュニケーションをとっている訳ではない。それが『関わりたくないけど関わらずにはいられない』『全く必要じゃないと思ったら必要だった』という人間関係に似ていて、その背中合わせの関係を描きたかった」と話している[3]。
プロモーション
リードシングル4枚分のミュージック・ビデオが撮影された[5]。
4本は発売順に時系列順でつながっている。3本目までは「wanna Be A Dreammaker」ではKEIKO→「Sa Yo Na Ra」ではマーク→「sweet heart」では小室と主役が異なっていて、4本目の「Perfume of love」でメンバー3人が均等に出番のある構成になっている[5]。
撮影モチーフはスーパーマーケット等「人々の生活に身近な場所」を中心に選んだ[5]。
監督は武藤眞志が務めた。きっかけは、小室の「4曲分のMVを2日で作ってほしい」という注文から始まった。武藤は「絶対に無理です」と断ったが、小室は頑として譲らず、武藤が「やる」というまで帰さなかった。仕方なくスタジオに3つ部屋を借りて、そこに全部セットを組んで48時間不眠不休で撮影された[6]。
収録曲
CD全作曲・編曲: 小室哲哉。 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲・編曲 | 時間 |
---|
1. | 「letting out a deep breath」 | MARC | 小室哲哉 | |
2. | 「across the street, cross the waters」 | MARC | 小室哲哉 | |
3. | 「wanna Be A Dreammaker - album version -」 | MARC・小室哲哉 | 小室哲哉 | |
4. | 「creamy day」 | MARC | 小室哲哉 | |
5. | 「Sa Yo Na Ra - album version -」 | 小室哲哉・MARC | 小室哲哉 | |
6. | 「sweet heart」 | 小室哲哉・MARC | 小室哲哉 | |
7. | 「like a snowy kiss」 | KEIKO | 小室哲哉 | |
8. | 「calls from the public」 | MARC | 小室哲哉 | |
9. | 「Relation」 | ‐ | 小室哲哉 | |
10. | 「Perfume of love」 | 小室哲哉・MARC | 小室哲哉 | |
11. | 「illusion」 | KEIKO | 小室哲哉 | |
合計時間: | |
---|
楽曲解説
- letting out a deep breath
- 「コンサートやミュージカルのオープニング」「1970年代のプログレッシブ・ロック」の要素を入れた[3]。
- across the street, cross the waters
- イントロと途中のテンポアップに際しKEIKOは「『現実と夢』の様に対照的」と感じ、「自分の感情の『表と裏』」を表現することに拘った[3]。
- wanna Be A Dreammaker - album version -
- 13thシングル。NISSEKI「Enaカード」キャンペーンCMソング。
- シングルバージョンより低音を強くし、トラックを緻密にした[1]。マークは「ロサンゼルスの空気を感じてもらえるかも」「『音はこう変えても良い』『音楽作りは面白い』ことに気付いてくれれば」と話している[3]。
- creamy day
- 「アコースティックな構成の中に、1970年代のブリティッシュビートとプログレッシブ・ロックの要素を足す」というテーマの下、マークが1989年にロンドンへ留学した際、好きになった構成を押し出した[3]。
- Sa Yo Na Ra - album version -
- 14thシングル。NESCAFE「ウェイクアップモーメント・ブレイクタイムモーメント」CMソング。
- sweet heart - Full Length Version -
- 15thシングル。FORD「COUNTDOWN FESTIVAL」キャンペーンソング。
- シングルでは一部しか使われなかったマークのパートが全て収録されたバージョン[3]。
- like a snowy kiss
- 楽曲タイトルは小室が付けた[1]。
- 「FACES PLACES」制作時から「もっと色々表現したい」と欲を出したKEIKOから沢山の歌詞の習作を見て、当時はすぐに使える状態ではなかったのではっきり「ダメ」と言っていたが、この曲では歌詞を書くルールを踏まえた上できちんとまとまっていたので収録を決めた[3]。
- calls from the public
- マークがリードボーカルを務めた。KEIKOとデュエットしているが、「協力し合う」というよりは「それぞれの持っている力量やスキルを出し切る」様に指示した[3]。
- Relation
- インストゥルメンタルで重厚な雰囲気のボレロ[3]。
- Perfume of love
- 16thシングル。日本テレビ系ドラマ「P.A. プライベート・アクトレス」主題歌。
- シングルと同音源で収録。
- illusion
- テーマは「世間には何かを求めている人が多いが、勇気は自分から出していかないと意味が無い」としている[3]。
- 小室は「『あれ?僕は手を加えていたかな?』と勘違いする程に、僕では出てこない文節・女性特有の表現がしっかり書けていた」とKEIKOの詞を称賛している[1]。
クレジット
レコーディングメンバー
曲毎(以上のメンバー以外にクレジットがない場合は省略)
- letting out a deep breath
- across the street, cross the waters
- wanna Be A Dreammaker - album version -
- creamy day
- 松尾和博 : Guitars
- 木村建 : Bass
- Sa Yo Na Ra - album version -
- 松尾和博 : Guitars
- 阿部薫 : Drums
- sweet heart - Full Length Version -
- like a snowy kiss
- calls from the public
- 松尾和博 : Guitars, Vocal Direction
- 木村建 : Guitars
- Brad Cummings : Bass
- Josh Freese : Drums
- Perfume of love
- 松尾和博 : Guitars
- 阿部薫 : Drums
- illusion
- 松尾和博 : Guitars
- 木村建 : Guitars
- Josh Freese : Drums
スタッフ
- Mixed : Eddie Delena
- Mastered : Chirs Bellman
- Recorded : 若公俊広, Steve Durkee, Jan Fairchild, Yen Gonzalez, 松谷秀次, Terri Wong
- Synthesizer Programming : 村上章久, 岩佐俊秀
- Production supervised : Rojam, Inc.
- Executive Produced : 松浦勝人
- General Produced : 林真司, 大下勝朗
- A&R : 柳和実
- Public relations : 下川大介, いしだしげこ
- Executive PR : 遠藤正則
- Art direction, Designed : Tycoon Graphics
リリース履歴
- 上記の他に、2016年12月21日に96kHz/24bitのハイレゾリューションオーディオとして鈴木浩二の手によりリマスタリングされ、配信リリースされた[8]。
脚注
|
---|
YOSHIKI (globe extreme) |
シングル |
CD | |
---|
ソロ・ コラボレート | |
---|
配信限定 |
1. Judgement (studio live version)
|
---|
非売品 | |
---|
|
---|
アルバム |
オリジナル | |
---|
ミニ | |
---|
ベスト | |
---|
リミックス・ インスト | |
---|
配信限定 | |
---|
アナログ盤 | |
---|
ボックス | |
---|
|
---|
関連項目 | |
---|
カテゴリ |
|
---|
1月 | |
---|
2月 | |
---|
3月 | |
---|
4月 | |
---|
5月 | |
---|
6月 | |
---|
7月 | |
---|
8月 | |
---|
9月 | |
---|
10月 | |
---|
11月 | |
---|
12月 | |
---|
|