Supercell (クリエイター集団)
supercell(スーパーセル)は、コンポーザーのryoを中心にイラストレーターやデザイナーなどが集ったクリエイター集団(同人音楽サークル)。所属芸能事務所は、インクストゥエンター。所属レコードレーベルは、Sony Music Records及びSOULTAG・GT musicと、ソニー・ミュージックエンタテインメント系列のレーベルに同時在籍[注 3]。 概要メンバーにボーカルはおらず、supercell名義で発表する楽曲については、1枚目のアルバム『supercell』までの楽曲では、すべてボーカルに音声合成ソフト「初音ミク」を用いている。また、「初音ミク -Project DIVA- 2nd」のテーマソング「こっち向いてBaby」など、同アルバムより後に発表された作品は、supercellではなくryo(supercell)名義にて、リリースされている。 1枚目のシングルから2枚目のアルバムまでの楽曲は、ryoと交流があり、ニコニコ動画上で「ガゼル」として活動していたnagiをゲスト・ボーカルに迎えて制作された。nagiのボーカルでは、シングル「君の知らない物語」「さよならメモリーズ」「うたかた花火/星が瞬くこんな夜に」と、2枚目のアルバム『Today Is A Beautiful Day』がリリースされている。 4枚目のシングルから3枚目のアルバムまでの楽曲は、2011年5月から7月にかけて行われたオーディション[注 4]により、約2000名の応募者の中から選ばれたこゑだがゲスト・ボーカルを務め[5]、シングル「My Dearest」「告白/僕らのあしあと」「銀色飛行船」「The Bravery」「拍手喝采歌合」と、3枚目のアルバム『ZIGAEXPERIENTIA』がリリースされている。また、同じオーディションで選ばれたchellyは、ryoが総合プロデュースを務めた「EGOIST」のボーカルに起用された[4]。 2016年には、4代目ボーカルを募集するオーディションを実施[6]。このオーディションで女性ボーカリストのAnnと男性ボーカリストのgakuの2名を採用し、2019年9月に3枚目のアルバムから6年ぶりの活動再開となる9枚目のシングル「#Love feat. Ann, gaku」をリリースした[7]。 デビューに至る経緯2007年10月30日[動画 1]から動画共有サイトのニコニコ動画にて音声合成ソフト「初音ミク」をボーカル音源として用いた楽曲を発表していたryoが、同年12月7日に自身2作目となるオリジナル曲「メルト」を投稿する[8]。この動画は、約1年間に300万回以上再生される大ヒットとなり[9]、 メルトショック[10]と呼ばれる現象を巻き起こした[10]。 ryoは壁紙サイトにてフリーで配布されていると思われた119(ひけし)が描いたイラストを「メルト」の動画内で使用していた[8]。それを視聴者からコメントで「許可取ってるの?」と指摘されたryoは、119に謝罪のメールを送ったが、そこで「メルト」を気に入った119と意気投合し、共に活動を始める[8][11]。これが、supercell結成の発端となり、119と親交のあるイラストレーター等が続々とsupercellに加入、メジャー・デビュー時点で総勢11人のグループとなっている[11]。 ryoがボーカルに「初音ミク」を使用したのは、「当初知り合いに歌い手がいなかったから」「『初音ミク』に詳しい友達に薦められたから」ということで、ryoは「初音ミクを使うことありきではない」と語っている[11]。ニコニコ動画に楽曲を投稿したのは、ニコニコ動画が好きだったからで、また、レスポンスが期待出来ることや、初音ミクが一番流行っていたのがニコニコ動画だったことも理由としてあげている[11]。 その後も、2008年2月22日に「恋は戦争[12]」、5月31日に「ワールドイズマイン[13]」、6月13日に「ブラック★ロックシューター[14]」がニコニコ動画に投稿され、いずれも100万回の再生数を記録する[9]。同年の「コミックマーケット74」では、これらの曲を収録した自主製作盤『supercell』をリリースし、完売した[15]。 それを受け、ソニー・ミュージックエンタテインメントから一般流通のメジャー・デビュー・アルバムとして『supercell』をリリースすることになったが、アルバムの発売が決定するまでには紆余曲折があった。まず、一般流通の世界に「初音ミク」という名前は辛うじて知っていても、「VOCALOIDや『ニコニコ動画』の文化が好きだ」というような人物がおらず、ryoは「実際そうなんだろうなとは思ってはいたものの、そういうの目の当たりにするとなんだか違うな、とおこがましくも思った」という[16]。そんな中、「知らないながらも理解しよう、尊重しよう」というスタッフに出会い、その人達がそのままメジャー・デビュー・アルバムの発売に関する担当者となった[16]。ryoによる「JASRAC信託はしない」「全ての音源をリミックスする」といった一つ一つの要望が通ったのも、「担当者の尽力によるもの」とryoは語っている[16]。 略歴2000年代2007年
2008年
2009年 2010年代2010年
2011年
2012年
2013年
2019年
2020年代2024年
メンバーメンバーは楽曲制作のryoを中心に、多数のイラストレーターや、デザイナー等で構成される[35]。前述の通りボーカルはゲスト扱いでメンバーには含まれない。
サポートメンバー
旧メンバー
ゲスト参加者ボーカル
イラストToday Is A Beautiful Day参加
音楽性音楽性についてryoは、匿名性や記号性の高い音楽をしていると述べており[42]、原則として顔出しもしておらず、自分ではない何者かになって音楽を作るのが好きだと語っている[43]。 また、ピアノを基調とした疾走感溢れるエモーショナルなバンドサウンドがryo筋の王道サウンド・プロダクションである[44]。 アマチュア時代の2008年8月のインタビューでは、作詞するうえで、「練らない」「初めに浮かんだ案をそのまま使う」ことを心掛けているといい、そもそも人が歌うことを想定した歌詞を書いておらず[11]、これは、「人が歌うとなると、『恥ずかしい』『もう少し言い回しを考えよう』といった余計な装飾が入ってしまう」からであり、「機械に歌わせるからこそ、ともすれば恥ずかしい歌詞を躊躇なしに書ける」と語っている[11]。 影響を受けたアーティストryoが影響を受けたと公言している音楽について BOOM BOOM SATELLITESの熱烈なファンであり、影響を受けていることを公言している[45]。また、月刊ニュータイプに掲載されたryoを作った10枚では、次のようなものを挙げている[46]。
ディスコグラフィシングル
アルバム
自主制作シングル
アルバム
ryo(supercell)名義→EGOISTの楽曲については「EGOIST (音楽グループ) § ディスコグラフィ」を参照
→Tiaの楽曲については「Tia § ディスコグラフィ」を参照
シングル
配信限定シングル
楽曲提供アーティスト
関連作品
タイアップ一覧
その他ニコニコ動画では、投稿された楽曲を別の人が歌唱する「歌ってみた」と呼ばれる動画も多数あり、supercellの楽曲にも多くの派生動画が存在する[47]。これについては、「そうやっていろいろ使ってもらえることがクリエイターとしての誉れ」と、特に制約を設けていない。また、「営利目的でないならば、何でもやってくれ、使ってくれというのがsupercellの正直な気持ち」とも述べていたが[11]、2022年4月1日、supercellの公式サイト内で、『supercell feat.初音ミク』収録全楽曲及びryo(supercell)名義の全楽曲の著作権管理方法がJASRACへの全信託に変更されたことを発表した。これにより現在では、商業作品でのこれら楽曲のカバーについても許可されている[48]。 関連項目脚注注釈出典
動画
参考文献
外部リンク
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