第24回東京国際映画祭(だい24かいとうきょうこくさいえいがさい)は、2011年10月22日(土)から10月30日(日)の9日間に開催された東京国際映画祭。
概要
東京の六本木と日比谷で開催された。六本木が主要会場になるのは、第17回(2004年)から8回連続。日比谷で開催されるのは初めて。複数の街で開催されるのは、第21回(2008年)以来3年ぶり。会場にはTOHOシネマズ六本木ヒルズ、シネマート六本木、TOHOシネマズシャンテの3つの映画館が使われ、コンペティション、特別招待作品、アジアの風、日本映画・ある視点、WORLD CINEMA、natural TIFFの計6部門と特別上映などが行われた。
第24回東京国際映画祭の実施内容は、2011年8月1日に映画祭実行委員会により発表された。「信じよう。映画の力。」を合言葉にすることなどが発表された。
第24回東京国際映画祭の概要は、2011年9月21日に発表された。発表されたコンペティション部門の審査員は、審査委員長のエドワード・R・プレスマン(映画プロデューサー)のみだった。依田巽(東京国際映画祭チェアマン)は、審査員選びに苦労している理由として、東北地方太平洋沖地震による震災・原発事故があるとの推測を述べた。
公式オープニング作品は3D作品『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』、特別オープニング作品は『1911』、公式クロージング作品は『マネーボール』。
グリーンカーペットが、第21回(2008年)〜第23回(2010年)同様にオープニング・イベントにおいてレッドカーペットの代わりに用いられた。しかし、東北地方太平洋沖地震による発電・送電網への被害による電力不足もあり、グリーン電力による上映は行われなかった。
この第24回から、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのFacebookに東京国際映画祭の公式アカウントが作られ [1]、動画共有サービスのUstreamにも東京国際映画祭の公式チャンネルがオープンした。
映画離れが進んでいるといわれる若年層へのアピールのため、この第24回から、当日学生料金が500円(オープニング・クロージング作品は除く)となり、映画祭を応援する TIFF BOYS(3名)と TIFF学生応援団(7名)が結成された。前売料金と一般の当日料金は1000円・1300円・1800円・2500円であったが、上映当日に劇場窓口で朝から販売される当日券に限り、学生料金は半額以下の500円となった。
第19回〜第23回同様に、すべての上映で当日券が販売された(前売券が完売した回も含む)。
最終日には、コンペティション部門グランプリ受賞作の上映が行われるが、この第24回からは観客賞受賞作品も最終日に上映されるようになった。
コンペティション部門のプログラミング・ディレクターは矢田部吉彦。アジアの風部門は石坂健治。
上映作品
ワールド・プレミアは世界初上映、インターナショナル・プレミアは本国以外で初上映、アジアン・プレミアはアジアにて初上映となったことを意味する。
コンペティション部門
特別招待作品
アジアの風
アジア中東パノラマ
フィリピン最前線〜シネマラヤの熱い風
女優=プロデューサー 杉野希妃〜アジア・インディーズのミューズ
ディスカバー亜州電影〜アジア映画史アラカルト
日本映画・ある視点
WORLD CINEMA
natural TIFF
特別上映
「巨匠へのオマージュ」
上映題 (劇場公開題・DVD題)
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英語題 (原題)
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監督
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製作国
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備考
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黒澤 その道 [111]
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Kurosawa's Way (KUROSAWA, LA VOIE )
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カトリーヌ・カドゥー
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フランス
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インターナショナル・プレミア上映
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「震災を越えて」
「日中友好40周年記念」
上映題 (劇場公開題・DVD題)
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英語題 (原題)
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監督
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製作国
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備考
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明日に架ける愛 [115]
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The Love Leading to Tomorrow (通往明日之爱 )
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香月秀之
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日本
中華人民共和国
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ワールド・プレミア上映 2012年3月31日に日本で劇場公開
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映画人の視点
共催企画
香川京子と巨匠たち
第8回文化庁映画週間 -Here&There
上映題 (劇場公開題・DVD題)
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英語題 (原題)
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監督
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製作国
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備考
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ショージとタカオ [116]
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Shoji & Takao
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井手洋子
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日本
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文化記録映画 大賞 受賞 2011年3月19日に日本で劇場公開
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夢と憂鬱 〜吉野馨治(けいじ)と岩波映画〜 [117]
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Dream & Melancholy - Yoshino Keiji and Iwanami Productions
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桂俊太郎
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日本
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文化記録映画 優秀賞 受賞
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里湖(さとうみ) 八郎潟物語 [118]
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Satoumi Story of Hachiro Lake
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岩崎雅典
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日本
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文化記録映画 優秀賞 受賞
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みなと上映会
- プログラムA [119]
- 声優がその場で台詞を日本語に吹き替えるライブシネマ上映。
- ランチ Play Lunch (9分、2011年、オーストラリア)
- こま撮りえいが こまねこ -はじめのいっぽ- Komaneko (5分、2005年、日本)
- オオカミと羊飼い The Wolf Turned Shepherd (8分、2010年、イスラエル)
- どんぐりさんの冒険 Acorn Boy (10分、2010年、ラトビア)
- プレイメイト Play Mate (11分、2010年、ロシア)
- はらぺこあおむし The Very Hungry Caterpillar (6分、2009年、イギリス)
- リサとガスパール Gaspard and Lisa (11分、2010年、フランス)
- プログラムB [120]
- 声優がその場で台詞を日本語に吹き替えるライブシネマ上映。
- どうぶつ会議 Konferenz der Tiere (Animals United ) (93分、2010年、ドイツ)
- はらぺこあおむし The Very Hungry Caterpillar (6分、2009年、イギリス)
- プログラムC [121]
- メアリー&マックス Mary and Max (94分、2009年、オーストラリア)日本語吹き替え版
日本映画監督協会新人賞、上映とシンポジウム
『幸福の黄色いハンカチ』バリアフリー上映会
受賞結果
- コンペティション
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- 東京サクラグランプリ: 『最強のふたり』(監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ)
- 審査員特別グランプリ: 『キツツキと雨』(監督:沖田修一)
- 最優秀監督賞: リューベン・オストルンド(『プレイ』)
- 最優秀女優賞: グレン・クローズ(『アルバート・ノッブス』 - 劇場公開題『アルバート氏の人生』)
- 最優秀男優賞:
- 最優秀芸術貢献賞:
- 『転山』(監督:ドゥ・ジャーイー)
- 『デタッチメント』(監督:トニー・ケイ)
- 観客賞: 『ガザを飛ぶブタ』(監督:シルヴァン・エスティバル)
- アジアの風
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- 最優秀アジア映画賞: 『クリスマス・イブ』(監督:ジェフリー・ジェトゥリアン)
- スペシャル・メンション:
- 日本映画・ある視点
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- TOYOTA Earth Grand Prix
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- グランプリ: 『鏡は嘘をつかない』(監督:カミーラ・アンディニ)
- 審査員特別賞: 『ハッピー・ピープル タイガで暮らす一年』(監督:ヴェルナー・ヘルツォーク、ドミトリー・ワシュコフ)
審査員
コンペティション
- 審査委員長
- 審査員
- キース・カサンダー (映画プロデューサー)
- ファン・ビンビン (女優)
- 小林政広 (映画監督)
- レイコ・クルック (特殊メーキャップ・アーティスト)
アジアの風
- フィリップ・チア (映画評論家)
- 深田晃司 (映画監督)
- 中山治美 (映画ジャーナリスト)
日本映画・ある視点
- 柏原寛司 (脚本家)
- 村山匡一郎 (映画評論家)
- 川村元気 (映画プロデューサー)
TOYOTA Earth Grand Prix
脚注
外部リンク
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年別 |
- 1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
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