まんがタイムきらら
『まんがタイムきらら』は、芳文社発行の4コマ誌(4コマ漫画専門雑誌)。原則として毎月9日に発売されている。装丁はB5判の平綴じである。キャッチコピーは「ドキドキ☆ビジュアル4コマ誌」で「D☆V」と略記される。「萌え4コマ」を初めて専門的に取り扱う雑誌として、2002年5月に創刊。 掲載作品のキャラがタカラトミーアーツから「まんがタイムきららコレクション」としてアニメ化されていない『はるみねーしょん』のはるみや『うぃずりず』のリズ、『棺担ぎのクロ』のクロなどを含み商品化された。 創刊の経緯ファミリー向け4コマ誌である『まんがタイム』の読者の平均年齢が毎年上がっていくことから、コミックマーケットに参加するような同人作家らを起用し、下の世代、おもに幼少時代からテレビアニメに慣れ親しんできた世代をターゲットとした雑誌として企画された[2]。その際、『まんがタイム』およびその姉妹誌で執筆している作家の中から、海藍、おおた綾乃、関根亮子、師走冬子、ナントカなど画風がいわゆる「萌え絵」に該当する作家が選抜されたほか、同人作家として知られているが商業誌での活動歴があまりなかった作家、またふじもとせい、太田虎一郎、刻田門大、ナフタレン水嶋、新条るるなど成人向け漫画誌ではすでに活躍中であるが一般誌においては作品の発表の機会がなかった作家など、異分野の作家を集め、まったく新しい4コマ誌として創刊された。 読者層は当初は20歳代・30歳代が占めていたが、次第に10歳代の若年層にも支持を広げていった[3]。2007年時点では読者層の8割以上を男性が占めている[3]。 2019年3月にまんがタイムきらら及びその姉妹誌(MAX・キャラット・フォワード)と週刊漫画TIMESとの合同コミックアプリ兼コミックサイトであるCOMIC FUZが始動した。 誌面の内容掲載作品初期の掲載作品は、看板作品の『トリコロ』こそ一般的な日常系に近い作品であったが『ぽけっとジャーニー』、『影ムチャ姫』、『1年777組』、『ねこきっさ』など異世界や現代以外の時代を描いたもの、『スーパーメイドちるみさん』、『かるき戦線』、『LOVE ME DO』、『てんしの末裔』など普通の人間世界であるが特殊な設定の人物が登場するもの、秋葉原という特殊な土地を舞台とした『てんちょおのワタナベさん』など、それまでの4コマ誌ではあまり見られなかった傾向のものが多く見られ、作風も学園ものであったり、テレビアニメやSF・ファンタジーものの世界観と通じるものも多い。この点が、会社が舞台であったり、生活に密着した作品やナンセンスものが中心であった従来の4コマ漫画誌とは異なる。 一方、年代ごとの流行のジャンルや絵柄に対応して、掲載作品の傾向を変化させていくことも、ほかの4コマ漫画誌よりも顕著に目立った部分となっている。2023年現在は、「女子高校生など女の子同士の学生生活を描く日常コメディ」が掲載作の主流となっている。 起用される作家の傾向創刊当初はファミリー向け4コマ誌で連載経験のある作家の作品もある程度掲載されていたものの、雑誌が軌道に乗ってからは、これらの作家の作品は連載終了または移籍によって数を減らしていった。そしてその代わりに『きらら』生え抜きの作家や新人作家を中心に、まれに他ジャンルで活動していた作家なども起用している。 2000年代中ごろからは、同社の『タイム』系でも起用される作家が現れるようになったほか、他社が萌え系4コマ誌を創刊あるいはリニューアルする際に『きらら』系出身作家を招くという例が出てきている。前者の例としては荒井チェリー、湖西晶、藤凪かおる、岬下部せすななど、後者の例は玉岡かがり、ぷらぱ、むらたたいちなどがいる。 きらスタ前途有望な新人の作品を短期集中で掲載するもの。きららスタジアムの意味。2006年2月開始。 『まんがタイム』関連誌では、伝統的に新人の作品をゲスト扱いで数回掲載しながら様子を見るが、きらスタでは同一作品を『きらら』・『きららキャラット』・『きららMAX』の3誌で同時に掲載する。人気があれば、その作品をそのままいずれかの雑誌で連載に切り替え、続投となる。新人の読者人気を短期で判断できるメリットがあり、読者層がほぼ同じ雑誌を複数抱える『きらら』ならではの手法と言える。 里好(『うぃずりず』)・コバヤシテツヤ(『二丁目路地裏探偵奇譚』)以降の挑戦者は連載に至っておらず、企画自体も停止状態にあり、ふたたび従来通りのゲスト掲載の方法を取っている。 MyPrivate D★V巻末に連載されているエッセイ。本誌で唯一、漫画以外の企画連載コーナーである。2007年8月号から開始。 毎号リレー形式で、『きらら』系の雑誌で執筆している作家に、「自分にとってのドキドキ★ビジュアルなシチュエーション」についてイラストと文章で語ってもらうというもの。執筆作家は基本的にバトン形式(その号の担当が次号の担当作家を指名している)で選ばれている。 「ドキドキ★ビジュアル」とは『きらら』系の雑誌のキャッチコピーに多用される造語だが、この言葉の意味やニュアンスをあえて説明しないことが創刊当時から徹底されているため、捉え方が作家によってさまざまなものとなっている。そのためか、第1回を担当したざらが(編集者の勧められるままに)自らの性的嗜好を描いてしまうなど、好みのキャラクター造詣やシチュエーションなどといった範囲を超えて、性的なフェティシズムに触れる内容を語る作家もおり、石見翔子、風華チルヲなどからは性癖暴露コーナーと称されたことがある。 掲載作の一部は、その作家の単行本の巻末(かきふらい『けいおん!』第2巻など)や、書店の単行本購入特典小冊子(異識『あっちこっち』第4巻・とらのあな購入特典小冊子など)にも掲載されることがある。また、『きらら』100号記念別冊付録「まんがタイムきららいちまるまる」においては、過去作品から10数作品が再掲されたほか、牛木義隆、霜月絹鯊、吉富昭仁らの作品が描き下ろしで掲載された。 関連書籍・コンテンツ姉妹誌本誌の姉妹誌として、『まんがタイムきららキャラット』、『まんがタイムきららMAX』、『まんがタイムきららフォワード』、『まんがタイムきららミラク』(2017年10月休刊)が刊行されている。2019年11月現在、定期刊行されているまんがタイムきらら系雑誌は3誌になっている。また、2012年6月には『まんがタイムきらら☆マギカ』(『キャラット』増刊扱い)を創刊、2017年2月までは定期刊行が行われていた。 まんがタイムKRコミックスKRレーベルの種類・刊行形態・発売日など。 まんがタイムKRコミックスでは、奥付に「KIRARA MENU」として通し番号がつけられており、『トリコロ』第1巻が1番となっている。また、この通し番号には、限定生産だった『トリコロプレミアム』や、本誌では連載されていない『風華のいる風景』(大井昌和)なども含まれている。
最初に刊行された『トリコロ』第1巻と2003年9月の『てんちょおのワタナベさん』第1巻の2冊では「まんがタイムきららコミックス」とされていたが、3冊目(2003年11月の『1年777組』第1巻)の発行時から現在の「まんがタイムKRコミックス」に変更された。これは、「まんがタイムきららコミックス」の商標登録出願が特許庁により拒絶されたためである[4]。「まんがタイムきらら」および「まんがタイムKRコミックス」の出願は登録されている[5][6]。 まんがタイムKRノベルス2012年5月、『小説魔法少女まどか☆マギカ』の発売に当たって新たに設けられたレーベル。2014年現在当レーベルからの刊行は当該作品のみ。 まんがタイムきららWeb『まんがタイムきらら』系雑誌の公式サイト。以前は「まんがタイムきらら★公式サイト」という名前で雑誌の発売予定日や内容、まんがタイムKRコミックスの発売予定などの情報しかなかったが、2006年12月8日に大幅リニューアルされ、独自ドメインが取得され、Webコミック連載やまんがタイムKRコミックスの試読が可能となっている。 きららベース2016年4月9日にニコニコ静画に開設された、まんがタイムきららの公式チャンネル。毎週火曜・木曜・土曜更新。 2021年7月からはまんがタイムきらら4コマ作品の追っかけ連載がスタートし、フォワードを除くまんがタイムきらら各誌の連載作品が、一部作品を除いて連載されている(おおよそ雑誌掲載より2 - 3か月遅れ)。またこれに伴い木曜日にも更新が行われるようになった[7]。
歴史他誌増刊時代通巻号数はVol.1 - 16まで刊行。
独立創刊以降2024年8月8日現在、通巻号数はNO.250まで、創刊年数は21年目。
きらら増刊誌※詳細は、「まんがタイムきららキャラット」、「まんがタイムきららMAX」、「まんがタイムきららフォワード」、「まんがタイムきららミラク」を参照。
まんがタイムKRコミックスと関連商品まんがタイムKRコミックス(前述に詳しい説明あり)2024年6月現在、KIRARA MENUは2000以上、創刊年数は21年目。 ※基本的に4コマ系はA5判のコミックス、ストーリー系はB6判のコミックスで刊行。
まんがタイムKRコミックスレーベル関連(前述に詳しい説明あり) ※作家の画集、またそれに準ずる画集のみを掲載(アニメのガイドブックは除く)。
メディアミックスドラマCD化作品各作品に詳細あり。2014年3月27日現在。
アニメ化作品各作品に詳細あり。2024年1月9日現在。
※下記タイトルは、本誌への移籍前にアニメ化。
テレビドラマ化作品2024年4月9日現在。
ゲーム化作品2023年10月1日現在。
この他、きらら系作品のスマートフォン向けクロスオーバーゲーム作品として、『きららファンタジア』が2017年12月11日に配信開始され、本誌からは『ゆゆ式』『うらら迷路帖』『スロウスタート』『けいおん!』『三者三葉』『棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜』『あっちこっち』『こはる日和。』が参加している。 連載中の作品2025年6月号現在。増刊誌時代を含む連載開始号の早い順に記載。太字は『COMIC FUZ』にて配信している。
休載中の作品
過去に連載されていた主な作品連載開始号の古い順に記述。太字は『COMIC FUZ』にて配信している。
表紙の変遷4コマ誌においては、他のジャンルの漫画雑誌と異なり、表紙イラストが1名の作家によって複数月連続して担当される、という特徴がある(例外あり)。ここでは、本誌の表紙イラストを担当していた作品・作家と、その担当していた期間を記す。順番は、基本的に初表紙での作品/作者の順番に記載。
イベントコミックマーケット2005年8月のコミックマーケット68に同社の「花音」と合同で出展したことを皮切りに、同年12月のC69からは「きららグループ」の単独で、翌年のC70以後は2017年のC92までの毎年8月開催の通称「夏コミ」のみに企業出展している。頒布品は、きららグループ執筆作家による他作パロディを掲載する企画本と、作者の手による掲載作品のイラストを収録したイラスト集を基本としている。 2009年8月のC76では、これまでアニメ化されたことのある作品(『ドージンワーク』を除く)の特別セットを販売した。日ごとに販売物が異なる[注 17]という珍しい試みが見られたが、特に最終日限定セットはいずれも人気を博した[17]。 2013年8月のC84では、「きららグループ」に『恋愛ラボ』(まんがタイムスペシャル連載、同年夏アニメ化)を加えた「まんがタイムきららプラス」として出展した[18]。2015年8月のC88でも同じく『レーカン!』(まんがタイムジャンボ連載、同年春アニメ化)『小森さんは断れない!』(まんがタイムオリジナル連載、同年秋アニメ化)を加えた「プラス」として出展、2017年8月のC92では、『きららファンタジア』との合同で出展した。 まんがタイムきららフェスタ!まんがタイムきらら系列各誌のアニメ化作品をフィーチャーしたイベントで、2014年から2017年にかけて毎年6月に東京ドームシティホールで開催された。参加作品はその年にテレビアニメが放送される作品が多く、各作品のメインキャストが出演する。なお2018年は開催しないことが「きららフェスタ」公式サイトにて発表されている[19]。
まんがタイムきらら展『まんがタイムきらら』の独立創刊15周年を記念して行われた、同誌初となる展覧会イベント。東京を皮切りに、1年に1度のペースで各地を巡って開催されている。「まんがタイムきらら」連載の作品だけでなく、「まんがタイムきららキャラット」や「まんがタイムきららMAX」、「まんがタイムきららフォワード」、「まんがタイムきららミラク」連載の作品も展示されている[22]。 第1回目となる東京会場では、2018年11月17日から11月25日までの9日間、アーツ千代田3331で開催された[23]。会期中はまんがタイムきらら系列各誌に掲載された80作品の本展覧会に向けた描き下ろしカラー漫画とイラストがそれぞれ展示され、他には15年の歴史を辿る年表、実物の雑誌の展示、アニメ化作品と、スマートフォン向けアプリゲーム『きららファンタジア』に関する展示なども企画されていることを公式サイトにて発表してから実行された。
脚注注釈
出典
関連項目
外部リンク
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