ようこそ実力至上主義の教室へ
『ようこそ実力至上主義の教室へ』(ようこそじつりょくしじょうしゅぎのきょうしつへ)は、衣笠彰梧による日本のライトノベル作品[4]。イラストはトモセシュンサクが担当している[4]。略称は「よう実」[5]。MF文庫J (KADOKAWA) より2015年5月から刊行されており[6]、2020年1月から『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』にタイトルを変更し[7]、2025年3月から『ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編』にタイトルをさらに変更して続刊中[8]。韓国やアメリカをはじめとした複数の国において本作の翻訳版が刊行されている[9][10]。 物語の舞台は進学・就職率ともにほぼ100%といわれる名門校・高度育成高等学校[11]。しかし、実際は完全実力主義の高校であり[4]、進路が約束されるのは卒業時に最も成績の良かった1クラス(Aクラス)のみであるうえに、成績を残せない最底辺の生徒は退学処分となってしまう[12]。入学した生徒たちは学校側が課すゲーム的なルールに基づいた特別試験をクラス対抗で争うこととなり、獲得したポイント数によってクラスランクが変動する[12][注 1]。同校では学力や身体能力のみならずコミュニケーション能力や発想の独創性、交渉力など様々な能力が求められる[13][14]。さらに個人が利己的に振る舞うことが結果的にクラスの敗北を生むため、他クラスに勝利するためにはクラス全員が一丸となることが必要不可欠となる[15]。問題児揃いのDクラスに配属された主人公・綾小路清隆は[4]、Aクラスを目指すクラスメイト・堀北鈴音に協力することとなり[16]、クラスメイトが引き起こす問題を解決しながら[4]、その裏でとてつもない実力を発揮していくこととなる[17]。 『このライトノベルがすごい!』(宝島社)では2023年版で文庫部門1位[18]、2020年版から4年連続で読者投票1位を達成しており[19]、10 - 20代から圧倒的な支持を集めている[6]。2025年3月時点で電子版を含めたシリーズ累計部数は1030万部を突破している[20]。 メディアミックスとしてコミカライズ化とテレビアニメ化が行われている。コミカライズに関しては2本の本編コミカライズが連載中となっており[21]、スピンオフコミカライズが2017年から2018年まで連載された[22][23]。テレビアニメに関しては第1期が2017年に[24]、第2期が2022年に[25]、第3期が2024年にそれぞれ放送された[26]。その後、第4期の制作が発表された[27]。 あらすじ→詳細は「ようこそ実力至上主義の教室へのエピソード一覧」を参照
物語の舞台は進学・就職率共にほぼ100%と言われる進学校・高度育成高等学校。同校では全生徒に月10万円相当のプライベートポイントが支給されるだけでなく、授業中の私語や居眠りなどのサボタージュも黙認されていた。新入生である主人公・綾小路清隆が配属されたDクラスは問題児ばかりであり、彼らは同校の好待遇を利用し、自堕落な生活を送っていた。しかし、入学から1か月後、毎月振り込まれるはずのポイントがDクラスの生徒には振り込まれておらず、その原因が今までの自堕落な生活によって学校からの評価を大きく落としたことであることが担任から告げられる。Dクラスの面々は同校が優秀なものだけが好待遇を受けられる実力主義の学校だという事実を知ることとなる。 登場人物→詳細は「ようこそ実力至上主義の教室への登場人物」を参照
声の項は特記が無い限りテレビアニメ版の担当声優。また、本作は作中で度々クラス名が変わるため[注 1]、物語開始時点のクラス名を表記している。
用語
作風とテーマ原作小説1年生編第1巻の執筆が始まったころ、衣笠と担当編集者は本作を「学園モノの長編ストーリー」として描きたいという考えを持っていた[70]。そして、衣笠は多くの学園モノ作品は生徒個人にスポットが当たって展開していくが、本作はそうではなく学校を一つの舞台設置として生徒全体を描けないかと考えたことから、実力主義の学校を舞台としたストーリーを展開している[71]。本作は「頭脳戦」だけの作品ではなく、様々な要因から成立する「実力」がテーマとなっており、知略のみならず暴力の面でも実力を描いていくことを衣笠は当初の構想で決めていた[39]。ただ、暴力という面が読者に受け入れられるのかについて衣笠は懸念を感じており、1年生編第7巻は勝負の1冊だったと述懐している[72]。 衣笠と担当編集者は本作を執筆していく上で「物語を必ず前に進める」ことを大切なルールとしており、そのために過去編で1冊またはそれ以上使うことはしないと決めている[70]。ただ、衣笠自身は読者に届けたい過去編のアイディアが頭の中にあり、もどかしい気持ちもあるという[70][注 8]。本作は1年生編の入学から3年生編の卒業までの3年間を描いていくこともあり、トモセは「みっちり学校で3年間やる作品は結構珍しいような気がする」と述べている[74]。また、衣笠は本作を執筆するうえで「物語において絶対はない」という点を基本方針としており、例えば本作は退学者が存在する作品となっているが、「主人公だから退学しない」「人気キャラクターだから退学しない」といった固定概念を作品中に持ち込まないように心がけている。そして、誰であっても勝利を掴めるチャンスを持っているし、逆に敗北する可能性もあるとしており、そうでなければ本当の意味で面白い物語にはならないと述べている[75]。 衣笠は2年生編を執筆するにあたって、新1年生や三年生にスポットは当てずに主人公の所属する学年を中心に描いていくことが読者の一番求める展開ではないかとの考えを持っていた。しかし、3年生編まで描き切ることを考えた時に同じ学年同士の戦いばかりでは単調な展開になると判断し、2年生編では新1年生や三年生にスポットを当てることを決意した[75]。一方で、当初から膨大なストーリーになることは分かっており、生徒以外の人物を組み込むと収拾がつかなくなることから、ストーリー全体を通して各生徒の家族へのスポットは切り捨てられている[76]。 衣笠は本作において「ヒロイン」は存在しないとしている[71][77]。堀北鈴音や櫛田桔梗、軽井沢恵もヒロインとして描いておらず、たまたま綾小路清隆と接点が多いクラスメイトに過ぎないという[71]。また、衣笠はトモセと担当編集者との対談の中で以下のように述べている。
序盤は脇役だった軽井沢恵が後にヒロイン枠へと昇格する流れは元々決まっていた設定の一つだが、ストーリー中にスポットライトが当たって初めて誕生する設定もあり、衣笠は臨機応変に設定を作り上げていくと述べている[71]。また、執筆初期は読者が付いてくれるか未知数であったことから、堀北鈴音と櫛田桔梗を「王道な感じのダブルヒロイン風」に装っており、作戦自体は成功したものの軽井沢恵が大人気キャラクターになることは予想できなかったという[37]。トモセは当初、堀北鈴音と櫛田桔梗のダブルヒロインだと思いながらデザインを作成していたと述懐している[71]。 イラスト各巻のカバーイラストについてトモセは以下のように述べている。
また、カバーイラストのキャラクターは基本的にローアングルで描かれている[80]。ただし、短編集のカバーイラスト関してはキャラの指定を除けば自由に描くことが許されており[81]、例えば1年生編第7.5巻のカバーイラストはキャラクターがハイアングルで描かれている[80]。なお、短編集は私服のシーンが多いため、キャラクターに合った服装を描くのが楽しくもあり大変でもあるとトモセは述べている[82]。 キャラクターデザインにおける衣笠からの指示についてトモセは、女性キャラクターのデザインについては注文が殆どないが、男性キャラクターのデザインについては注文が多いことを明かしている[83]。ただし、新1年生の6人については衣笠からの注文が多く、初期ラフから別人となったキャラクターや名前が変更されたキャラクターも存在していた[84]。 制作背景本作は衣笠にとって2作目のライトノベル作品となっている。ライトノベル作家デビューを果たした前作『小悪魔ティーリと救世主!?』では新人で実力も実績もない状態で苦しんだことから、もう二度とライトノベル作品を書くことはないと考えていた。しかし、前作のプロット終了後に新たに就いた担当編集者が新人であり、偶然にも衣笠と同い年かつ同郷出身で話が盛り上がった。さらに衣笠は担当編集者から「一切口出しをしないから好きに書いてほしい」と言われたことで100%の自分を出せると考え、本作の執筆に取り掛かった[85]。 衣笠は1年生編第1巻のあとがきで、本作を執筆するに至った理由は「自分自身が学生から大人になった今だからこそ、チャレンジしてみたい題材だったから」だと述べている[86]。このように述べるのは、自身が学生時代に周囲から勉強しろと口酸っぱく言われ続けてきたものの、良い大学に入り、良い企業に就職し、良い人生を送ることが果たして正しいのかについて疑問を持ったという背景によるものであった[86]。高知の高校に通っていた衣笠は、卒業式の日に「大阪に行く!」と宣言し、その日のうちに荷物をまとめて大阪へ向かった。大阪でアルバイトをしながら、憧れていたアダルトゲーム業界に入るつもりであった[87]。そしてシナリオライターの求人に採用されたものの、衣笠には書き物をした経験がなく、先輩のるーすぼーいに度々叱責されながら成長していった[87]。衣笠は自身の過去を踏まえ、勉強は大切で将来役立つものであることは疑いようがないと述べる一方で、読者に伝えたい点として「勉強だけが全てではない」ことを挙げている[86]。 衣笠とトモセは過去にアダルトゲーム作品では『暁の護衛』『レミニセンス』、ライトノベル作品では『小悪魔ティーリと救世主!?』でそれぞれコンビを組んでおり、本作においてもこの二人がコンビを組んでいる[88]。担当編集者によれば、衣笠が本作の企画を自身に見せた時点でイラストレーターはトモセに決まっていたらしく[89]、衣笠も「当然のように最初にトモセの元へ話を持って行った」と述べている[85]。衣笠は自身の過去作と同様に企画の時点で「これは面白い」という感覚があったと、トモセも衣笠から気迫を感じ、面白い作品が出来上がるだろうという信頼があったとそれぞれ振り返っている[89]。 作家としての能力には恵まれていないと感じていた衣笠は、努力で補える部分は頑張りたいとの思いから刊行ペースだけは落とさないことを意識している。当初は年間4冊の刊行を目指していたものの、執筆量を増やすことに限界を感じたことから、年間3冊のペースで刊行するようにしている[39]。ストーリーのアイディアに関しては、基本的には自発的に考えることはなく、日々の生活の中で自然と浮かんで蓄積されていくとのこと[39]。なお、頭脳戦に関してはテーマに対して何となくの解決法を考えながら執筆していくものの、途中で何度も変化していくことから書き終えるまでどのような結末になるのかが分からないとしている[71]。 テレビアニメ化が原作小説に与えた影響について、衣笠はキャラクターがテレビアニメで描かれることで彼らの性格がより定まり、それを原作小説に反映するパターンがあるとしており、トモセは自身が「男性キャラクターをカッコよく描く」ことを苦手としていることからテレビアニメのデザインを参考にしているとそれぞれ明かしている[71]。 評価商業的評価累計部数テレビアニメ放送前の2017年5月時点でシリーズ累計部数は50万部だったが[90]、テレビアニメ放送中の2017年8月時点で原作小説の累計部数は100万部を突破[90]、さらにテレビアニメ放送後の2018年5月時点でシリーズ累計部数は200万部を突破した[91]。2021年7月にはシリーズ累計部数が500万部を突破した[92]。2025年3月時点で電子版を含めたシリーズ累計部数は1030万部を突破している[20]。 ORICON 年間売上ランキングテレビアニメ第1期が放送された2017年の推定売上は564,642部を記録し、2017年度ライトノベル年間売上ランキングでは5位を獲得した[93]。2018年の推定売上は393,949部を記録し、2018年度ライトノベル年間売上ランキングでは8位を[94]、2019年の推定売上は420,573部を記録し、2019年度ライトノベル年間売上ランキングでは9位をそれぞれ獲得した[95]。 2020年は『ようこそ実力至上主義の教室へ』(以下、「1年生編」)の推定売上が387,745部を、『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』(以下、「2年生編」)の推定売上が347,554部をそれそれ記録し、2020年度ライトノベル年間売上ランキングでは「1年生編」が6位を、「2年生編」が8位をそれぞれ獲得している[96]。2021年は「1年生編」の推定売上が246,104部を、「2年生編」の推定売上が306,335部をそれそれ記録し、2021年度ライトノベル年間売上ランキングでは「1年生編」が11位を、「2年生編」が6位をそれぞれ獲得している[97]。 テレビアニメ第2期が放送された2022年は「1年生編」の推定売上が338,932部を、「2年生編」の推定売上が492,711部をそれそれ記録し、2022年度ライトノベル年間売上ランキングでは「1年生編」が4位を、「2年生編」が2位をそれぞれ獲得している[98]。なお、同ランキングにて本作は「1年生編」「2年生編」が分けて集計されているためシリーズ全体では推定83万部であり、同ランキングで1位を獲得した『転生したらスライムだった件』の推定53万部を大きく上回っている[99][注 9]。 2023年は「1年生編」の推定売上が65,541部を、「2年生編」の推定売上が379,878部をそれそれ記録し、2023年度ライトノベル年間売上ランキングでは「1年生編」が30位を、「2年生編」が4位をそれぞれ獲得している[101]。 BOOK☆WALKER 電子書籍年間ランキングテレビアニメ放送前の2015年度および2016年度の年間ライトノベルランキングでは圏外だったが[102][103]、テレビアニメ放送後の2017年度年間ライトノベルランキングでは4位を獲得している。以降、年間ライトノベルランキング(2023年度よりラノベ・新文芸ランキング)では2018年度から6年連続トップ10入りを果たしており、2022年度から3年連続1位を獲得している。
レーベル売上への貢献本作のレーベルであるMF文庫Jは2022年におけるKADOKAWAライトノベルレーベル別売上(KADOKAWA調べ)で1位となっており、これについて書評家・ライターのタニグチリウイチはMF文庫Jが1位となった背景の一つとして本作が読者から支持されていることを挙げている。また、タニグチは本作は新刊が刊行されるたびにRakutenブックスのライトノベルランキングで上位にランクインしており、支持の高さを見せつけているとも述べている[112]。 批評編集者・ライターの飯田一史は本作を「福本伸行作品(『賭博黙示録カイジ』など)のような頭脳戦(集団戦)を描いた作品」であると表現しており、『王様ゲーム』や『ソードアート・オンライン』第1巻のようなデスゲーム、サバイバルものの流れをライトノベルのフォーマットに上手く組み込んでいると称賛している[113]。また、飯田は「成績上位クラスは良い思いができ、成績下位クラスは貧乏ライフを強いられるものの逆転をかけて戦うという設定」について、『バカとテストと召喚獣』では笑いや熱い展開を生み出していたのに対し、本作では過酷かつ高校生たちのメンタルを抉るものとしてシリアスに描かれていると評している[58]。さらに、飯田は以下の性質が読者層を取り込み、多感な読者に様々な視点で物事を捉えるきっかけを与えていると考察している[114]。
ライターの河村・拓哉は、本作ではゲーム戦のシステムの一つであるクラスポイントの存在によってチーム戦と個人戦が常に並行して行われていることから、困難だと考えられる「良質な頭脳戦」と「大勢の魅力的なキャラクター」の両立[注 11]を成功させていると述べている。また、川村は本作の特徴的な点として「クラス替えが行われず、チームが変わらない」ことを挙げており、クラスメイトが変わらないことは登場人物たちの青春や成長を促す作用をもたらすとしている[66]。 タニグチは本作について以下のように評している。
また、タニグチはスーパーエリートである綾小路清隆がそれぞれの長所を持ったクラスメイトを差配し、敵の出方を読んで策を巡らせ、学校内における立ち位置を左右させる様々なイベントを攻略するというゲーム的な楽しさがある点を本作の特徴として挙げている[117]。 コミック・ブック・リソーシズで執筆を担当するライターのC. M. Ramsburgは原作小説では成功を収めたものの、コミカライズ版やテレビアニメ版では原作小説のような成功を実現させることは出来なかったと述べている[118]。 『Inquisitr』のライター・Patrick Fryeはテレビアニメ版と原作小説では登場人物の描写が異なることから、原作小説の第1巻から読み始めることを勧めるファンが多いと述べている[119]。 『このライトノベルがすごい!』による評価『このライトノベルがすごい!』(宝島社)では2020年版から4年連続で文庫部門トップ5入りを果たしており[120][121][122][18]、2023年版にて初の文庫部門1位を獲得したことで「殿堂入り」を果たした[123][注 12]。また、読者投票[注 13]では2020年版から4年連続1位を獲得している[19]。 『このライトノベルがすごい!』はラノベブロガーや書店員を中心とした「協力者票」と一般読者による「読者投票」の合算で順位が決まるが、協力者数は数十人、読者投票数は数千人にもかかわらず「尖った作品」や「新作・準新作」をトップにしたい編集部の思惑により、協力者票に傾斜配分をかけて補正が行われている[6]。そのため、本作は2023年版で文庫部門1位となるまで同部門で1位を獲得していなかった[14][126]。しかし、一般的なラノベ読者の感覚に近いのは「読者投票」であり[6]、これだけを見れば本作は1位の票数を獲得していることになる[14]。なお、2022年版では協力者票が1票も投じられなかった状態で文庫部門3位を獲得した[127]。 キャラクター部門では主人公である綾小路清隆が2020年版から4年連続1位[128][129][130][131]、ヒロインの一人である軽井沢恵が2020年版から2年連続1位をそれぞれ獲得した[128][132]。イラストレーター部門では本作のイラスト担当であるトモセシュンサクが2021年版から3年連続1位を獲得した[133][134][135]。2021年版では読者投票・男性キャラクター部門・女性キャラクター部門・イラストレーター部門で1位を獲得し、4冠を達成した[136]。2023年版では文庫部門・読者投票・男性キャラクター部門・イラストレーター部門で1位を獲得し、再び4冠を達成した[137]。 2020年版にて発表された「2010年代総合ランキング」では23位を獲得している[138]。
また、『このライトノベルがすごい!』では読者投票の年代別ランキングが掲載されており、本作は2021年版から3年連続で10代が1位を[149]、2022年版から2年連続で20代が1位をそれぞれ獲得している[150][151]。さらに同誌では読者投票の女性ランキングも掲載されており、本作は2020年版から4年連続でトップ10入りを果たしている[152][153][154][155]。
『このライトノベルがすごい!2021』には本作について「テレビアニメの放送から熱がつき始め、1年生編がクライマックスになったころから、読者の熱が高まり続けているように感じられる。2020年には2年生編がスタートし、『このライトノベルがすごい!2021』でも男女キャラクター部門やイラストレーター部門を『よう実』が総なめしており、その実力を感じさせる」とコメントされている[147]。 人気投票・選出等アニメイトタイムズが読者アンケートを基に実施した「おすすめラノベランキング2021」と題した年間ランキングでは3位を獲得している[160]。 コミック・ブック・リソーシズで執筆を担当するライターのJoe Ballardは「既にアニメを視聴していたとしても読める素晴らしいライトノベル」と題した企画で複数のライトノベル作品を紹介しており、本作もその中に含まれる[161]。 「KADOKAWA ライトノベルEXPO2020」にて発表された「らのすぽベストセレクション2020」において、「無限の熱さ!部門」で1位を獲得している[162]。 『おすすめ文庫王国 2022』にてタニグチがライトノベルベストテンを発表しており、本作を4位に選出している[163]。 ねとらぼ調査隊が2022年5月に実施した「『MF文庫Jのアニメ作品』で好きなのは?」と題した読者アンケートでは2位を獲得している[164]。 「ピッコマAWARD 2024」ではノベル部門でノミネートされたが[165]、受賞はしなかった[166]。 他作家への影響ライトノベル作家の紙城境介は自著『シャーロック+アカデミー』の舞台設置に際して影響を受けた特殊学園設定の作品の一つとして本作を挙げており、「学園の内部の描き方」や「特殊な学園が社会にとってどんな位置づけになっているのか」などを参考にしていると述べている[167]。 既刊一覧小説
小説(外国語版)2022年3月時点で以下の翻訳版が発行されている。
漫画
漫画(外国語版)2022年3月時点で以下の翻訳版が発行されている。
関連書籍
関連メディアWeb動画2015年5月22日に本作を元にしたスペシャルアニメがYouTubeにて公開された[230]。本PVでは花江夏樹(綾小路清隆 役)、大西沙織(堀北鈴音 役)、高橋未奈美(櫛田桔梗 役)が声優を務めた[31][32]。 2016年1月18日に本作の登場キャラクターである堀北鈴音と一之瀬帆波がLive2D技術によって原作イラストそのままに動き出すスペシャルムービーがYouTubeにて公開された[231]。 2016年5月9日に本作のテレビCMのPVがYouTubeにて公開された。本PVでは高橋李依がナレーションを務めた[232]。 2017年8月18日に本作のテレビCMのPVがYouTubeにて公開された。本PVでは東山奈央がナレーションを務めた[90]。 2020年1月より『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』に関する情報を告知するテレビCMがYouTubeにて不定期公開されている[233]。 コミカライズ→書誌情報については「§ 漫画」を参照
『ようこそ実力至上主義の教室へ』一乃ゆゆが作画を担当する本編のコミカライズ作品[234]。『月刊コミックアライブ』 (KADOKAWA) にて2016年3月号から連載されている[234]。ライター・Patrick Fryeによればコミカライズ版はテレビアニメ版よりも大幅にストーリーが遅れているという[119]。 『ようこそ実力至上主義の教室へ √堀北』サカガキが作画を担当する本編のIFストーリーとなるスピンオフコミカライズ作品[22]。『月刊コミックアライブ』 (KADOKAWA) にて2017年8月号から2018年7月号まで連載された[22][23]。主人公・綾小路清隆がAクラスを目指すクラスメイト・堀北鈴音と「友達」として協力することになるという設定であり、放課後一緒に帰ったり、鈴音が作った弁当を一緒に食べたりするなど、2人の親密な時間が描かれている[235]。 『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』紗々音シアが作画を担当する本編(2年生編)のコミカライズ作品[236]。『月刊コミックアライブ』 (KADOKAWA) にて2022年2月号から2025年2月号まで連載された[236][237]。 『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編 2nd Stage』駒田ハチが作画を担当するコミカライズ作品で、『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』の第2章となる続編[238]。『月刊コミックアライブ』 (KADOKAWA) にて2025年3月号から連載されている[239]。 テレビアニメ→詳細は「ようこそ実力至上主義の教室へ (テレビアニメ)」を参照
第1期はAT-X、TOKYO MXほかにて2017年7月から9月まで放送された[24]。原作小説の1年生編1 - 3巻の内容を基にアニメ化されている[118][注 18]。 第2期『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』はAT-X、TOKYO MXほかにて2022年7月から9月まで放送された[25]。原作小説の1年生編4 - 7.5巻の内容を基にアニメ化されている[241]。 第3期『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』はAT-X、TOKYO MXほかにて2024年1月から3月まで放送された[26]。原作小説の1年生編8 - 11.5巻の内容を基にアニメ化されており[242]、これによって原作小説の1年生編が全てアニメ化されることとなった[2]。 2024年9月に第4期「4th Season2年生編1学期」の制作が発表された[27]。 企画TVアニメ放送直前の2017年7月に作中に登場する女子の中から「隣の席になりたい女子ランキング」を決定する投票企画「高度育成高校席替えタイム! キミは誰の隣の席がいい?」が開催された[243]。 →「一之瀬帆波 § 人気投票・読者アンケート等」も参照
2020年1月27日から同年2月2日まで『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』に登場する主要キャラ35名の「新学年を迎えての所信表明」ポスターがJR秋葉原駅1Fコンコースから山手線・京浜東北線のホームに上る階段およびエスカレーター脇の壁面に掲出された[244][245]。ポスターには新学年を迎えるにあたってのそれぞれのキャラの抱負が彼ら自身の言葉で語られており、セリフはすべて衣笠の書き下ろしとなっている[245]。 2020年5月15日から22日までライトノベル&新文芸のレコメンドサイト「キミラノ」の無料公開企画「特選級の読み応え! 春の3作品無料読書フェア」にて1年生編第1 - 3巻が[246]、同月22日から29日までは前回の3巻に1年生編第4巻を加えた全4巻それぞれ無料公開された[247]。2021年7月19日から8月18日まで本作のシリーズ累計500万部突破を記念して、同サイトの無料公開企画「夏休みよう実フェア」にて本作の1年生編第1 - 3巻が無料公開された[92]。2023年3月25日から27日までテレビアニメ版の1年生編完結を記念して、同サイトにて1年生編全巻が無料公開された[248]。 2020年9月10日に同年10月1日まで本作のグッズが手に入る常設グッズ企画「ようこそ実力至上主義の教室へ サテライトクラス Vol.1」がオンラインで行われた[249][250]。本企画は2023年8月時点で第10弾まで行われている[251]。 2022年7月4日から同年10月4日まで「キミラノ」にてTVアニメ2期記念チャレンジスタンプ企画が開催された[252]。また、本キャンペーンに合わせて1年生編第1 - 3巻の原作小説と1年生編第1 - 4巻の特典SSが限定公開された[252]。 2022年11月28日から同年12月4日までJR池袋駅にて本作の巨大ポスターが、JRの40駅にて本作の駅ポスターがそれぞれ掲出された。本企画は『このライトノベルがすごい!2023』において本作が文庫部門1位と4冠を達成したことを記念したものであり、各ポスターにはトモセシュンサクの書き下ろしイラストが使用されている[137]。 2024年7月15日から21日までJR池袋駅にて本作のビジョン広告と駅内広告が同時展開された。本企画は2年生編第12巻の発売を記念したものであり、各広告は「坂柳有栖と龍園翔にフォーカスした内容」となっている[253]。 2025年3月には池袋駅にて大規模ジャック広告が展開されている。本企画は3年生編の開始を記念したものであり、キービジュアルに登場した全20キャラクターのイラストが描かれたポスターやサイネージが掲出された。また、池袋ヒットビジョンと池袋PARCOビジョンでは対面で異なる2種類のPV放映、GiGO池袋総本店入口のビジョンにてCM放映も行われている[254]。 イベント2017年5月23日から同年6月4日までAKIHABARAゲーマーズ本店にて、本作のミニミュージアムが開催された[255]。また、同年7月15日から同年7月30日まで同所にて第2弾が開催された[256]。本イベントの開催は「テレビアニメ化」を記念したものである[255]。 2017年9月20日から同年10月9日までとらのあな秋葉原店Aにて、本作のミュージアムが開催された[257]。また同年12月31日から2018年1月3日まで秋葉原UDXにて、ミュージアムがリバイバル開催された[258]。 2019年7月28日にベルサール秋葉原にてライトノベルレーベル「MF文庫J」のイベント「夏の学園祭2019」が開催され、入場ゲートでは冒険者に扮した堀北鈴音と鳳千春が来場者を出迎えた[259]。 2020年1月31日から同年2月10日まで3331 Arts Chiyoda(アーツ千代田 3331)にて、「ようこそ実力至上主義のフェスタへ in Akihabara」が開催された。本イベントの開催は「1年生編完結&2年生編進級」を記念したものである[260]。 2024年1月27日から同年2月12日まで有楽町マルイにて、「ようこそ実力至上主義のフェスタへ2024 in 有楽町マルイ」が開催された。本イベントの開催は画集『ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編start トモセシュンサク Art Works』の発売を記念したものである[227]。 コラボレーション2018年10月7日に『自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?』とのコラボCMのPVがYouTubeにて公開された。本PVでは水谷麻鈴がナレーションを務めた[261]。 2020年10月に『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』第3巻が発売されることを記念し、「ホロライブ」の所属タレント・湊あくあが本作の〈高度育成高校生徒会 広報担当〉として就任することなった[262]。就任を記念し、本作のシリーズ紹介や最新巻情報の紹介を、動画などを通じて届けていくとのこと[263]。 脚注注釈
出典
参考文献小説
関連書籍
雑誌
ガイドブック
統計資料
評論
外部リンク
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