アンソニー・デスクラファニー

アンソニー・デスクラファニー
Anthony DeSclafani
ニューヨーク・ヤンキース(マイナー)
シンシナティ・レッズ時代
(2015年5月23日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニュージャージー州モンマス郡フリーホールド英語版
生年月日 (1990-04-18) 1990年4月18日(35歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
190 lb =約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト6巡目
初出場 2014年5月14日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

アンソニー・ジェームズ・デスクラファニーAnthony James DeSclafani,[注釈 1] 1990年4月18日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州モンマス郡フリーホールド英語版出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBニューヨーク・ヤンキース傘下所属。愛称はディスコ[1]

発音によるとディースクラファニー(DEE-scla-fah-nee)がより近い[2]

経歴

プロ入り前

2008年MLBドラフト22巡目(全体682位)でボストン・レッドソックスから指名されたが、フロリダ大学へ進学した。

プロ入りとブルージェイズ傘下時代

2011年MLBドラフト6巡目(全体199位)でトロント・ブルージェイズから指名され、プロ入り。

2012年、傘下のA級ランシング・ラグナッツでプロデビュー。28試合(先発21試合)に登板して11勝3敗、防御率3.37、92奪三振を記録した[3]

マーリンズ時代

2012年11月19日にエミリオ・ボニファシオジョン・バックマーク・バーリージョシュ・ジョンソンホセ・レイエスとの大型トレードで、ヘンダーソン・アルバレスアデイニー・エチェバリアジェイク・マリスニックジェフ・マシスジャスティン・ニコリーノと共にマイアミ・マーリンズへ移籍した[4]

2013年はまず傘下のA+級ジュピター・ハンマーヘッズでプレーし、12試合に先発登板して4勝2敗、防御率1.67、53奪三振を記録した[3]。6月にAA級ジャクソンビル・サンズへ昇格。13試合に先発登板して5勝4敗、防御率3.36、62奪三振を記録した[3]

2014年はAA級ジャクソンビルで開幕を迎え、8試合に先発登板した[3]。5月14日にマーリンズとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りし[5]、同日のロサンゼルス・ドジャース戦で先発起用されてメジャーデビュー。6回を7安打、2失点、7奪三振と好投し、MLB初勝利を挙げた[6]。しかし2度目の登板となった5月20日のフィラデルフィア・フィリーズ戦では、5.1回を6安打5失点と打ち込まれ、MLB初黒星を喫し、5月21日にAAA級ニューオーリンズ・ゼファーズへ降格。7月20日に再昇格し、3試合に登板したが、13イニングで13失点、防御率9.00と結果を残せず、25日に再び降格した[7]。8月8日に再昇格[8]。昇格後はリリーフとして2試合に登板したが、8月15日に降格[9]。登録枠が拡大された9月2日に再昇格した。9月11日に行われたミルウォーキー・ブルワーズ戦で、乱闘騒ぎ[10]直後の6回裏無死の場面で、カルロス・ゴメスに左肘へ死球を与えたため、報復死球とみなされ一発退場となった。9月12日にMLB機構が3試合の出場停止処分を発表した[11]。この年はMLBでは13試合(先発5試合)に登板して2勝2敗、防御率6.27、26奪三振を記録した[3]

レッズ時代

2014年12月11日にマット・レイトスとのトレードで、チャド・ウォーラックと共にシンシナティ・レッズへ移籍した[12]

2015年は、メジャー2年目ながら先発ローテーションに定着し、チームの先発陣で唯一、規定投球回に達した[13]。31試合の先発登板で9勝13敗、防御率4.05、151奪三振だった[3]

2016年斜紋筋を痛めた影響で開幕を故障者リストで迎えた[14]ため、出遅れた。それにより20試合の先発登板に留まったが、防御率3.28、WHIP1.22はいずれも前年より良くなり、1つの完封勝利を含む9勝5敗を記録するなど、好投する場面が多かった[3]

2017年スプリングトレーニング時に右肘に痛みがあることが発覚した[15]腱障害と診断され、すぐに治療に臨んだが、その後、肘の尺骨側副靭帯英語版(UCL)捻挫と診断され[16]、故障者リスト入りでの開幕を迎えることとなった。レッズは7月末にマイナーリーグのリハビリに参加させたが[17]、腱障害の再発でリハビリは終了した[18]。UCLは回復していたが[19]、MLBの試合には出場せずにシーズンを終えた[20]

2018年6月5日のコロラド・ロッキーズ戦で約2年ぶりに先発起用された[21]。23日のシカゴ・カブス戦では、ブライアン・ダンシングから満塁本塁打を記録した。以前に満塁本塁打を打ったレッズの投手はボブ・パーキー英語版で、1959年の記録で相手は同じくカブスだった[22][23]。この試合では先発投手として出場し、11-2でカブスから勝利を挙げた。

2020年は9試合の登板で1勝2敗だった[3]。オフの10月28日にFAとなった[24]

ジャイアンツ時代

2020年12月16日にサンフランシスコ・ジャイアンツと600万ドルの1年契約を結んだ[25]。オプションとして最大25万ドルの出来高が含まれる。

2021年4月26日に100球で2016年以来自身2度目となる完封勝利を記録した[26]。この年は自己最多となる13勝を記録した[3]。オフの11月3日にFAとなったが、22日にジャイアンツと3年総額3600万ドルで再契約した[27]

2022年はわずか5試合の先発登板に留まり、0勝2敗と年間を通して初の勝ち星なしに終わり、短縮シーズンの2020年を除けば、いずれも自己最低となる防御率6.63、27奪三振に終わった[3]

2023年は19試合(1試合のみ中継ぎ)に登板して4勝8敗の負け越し、79奪三振を記録した[3]。また、防御率は前年より改善されて4.88だった[3]

ツインズ時代

2024年1月5日にロビー・レイとのトレードで、ミッチ・ハニガーと共にシアトル・マリナーズへ移籍した[28]。その後、同月29日にホルヘ・ポランコとのトレードで、ジャスティン・トーパゲイブリエル・ゴンザレスダレン・ボウエン、金銭と共にミネソタ・ツインズへ移籍した[29]。ただ、この年は開幕直後の3月30日に屈筋腱を手術したことにより、シーズンを棒に振った[30]。この影響もあり、同年はデビュー以来初めてメジャーでの登板なしに終わった[3]。オフの10月31日にFAとなった[3]

ヤンキース傘下時代

2025年5月13日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結び、同日中にAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースに配属された[31]

選手としての特徴

最速96.4mph(約155km/h)、平均93mph(約150km/h)の速球フォーシームツーシーム)と、平均87mph(約140km/h)のスライダーを投球の軸として主に使用し、その他に平均81mph(約130km/h)のナックルカーブ、平均86mph(約138km/h)のチェンジアップを投げる。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2014 MIA 13 5 0 0 0 2 2 0 0 .500 146 33.0 40 4 5 0 2 26 2 0 23 23 6.27 1.36
2015 CIN 31 31 0 0 0 9 13 0 0 .409 785 184.2 194 17 55 5 5 151 6 0 93 83 4.05 1.35
2016 20 20 1 1 0 9 5 0 0 .643 507 123.1 120 16 30 2 4 105 6 1 51 45 3.28 1.22
2018 21 21 0 0 0 7 8 0 0 .467 484 115.0 118 24 30 2 2 108 4 0 68 63 4.93 1.29
2019 31 31 0 0 0 9 9 0 0 .500 696 166.2 151 29 49 5 4 167 2 1 77 72 3.89 1.20
2020 9 7 0 0 0 1 2 0 0 .333 158 33.2 41 7 16 0 3 25 1 0 27 27 7.22 1.69
2021 SF 31 31 2 2 0 13 7 0 0 .650 676 167.2 141 19 42 1 2 152 7 0 61 59 3.17 1.09
2022 5 5 0 0 0 0 2 0 0 .000 94 19.0 34 4 4 0 1 17 0 0 21 14 6.63 2.00
2023 19 18 0 0 0 4 8 0 0 .333 419 99.2 105 15 20 0 4 79 3 0 59 54 4.88 1.25
MLB:9年 180 169 3 3 0 54 56 0 0 .491 3965 942.2 944 135 251 15 27 830 31 2 480 440 4.20 1.27
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

ポストシーズン投手成績













































2021 SF NLDS 1 1 0 1 0 10 1.2 5 0 0 0 0 2 0 0 2 2 10.80
出場:1回 1 1 0 1 0 10 1.2 5 0 0 0 0 2 0 0 2 2 10.80
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績



投手(P)












2014 MIA 13 1 2 0 0 1.000
2015 CIN 31 14 21 2 0 .946
2016 20 3 17 0 1 1.000
2018 21 5 13 3 0 .857
2019 31 13 14 0 0 1.000
2020 9 4 3 0 0 1.000
2021 SF 31 8 16 0 1 1.000
2022 5 1 0 0 0 1.000
2023 19 10 18 1 2 .966
MLB 180 59 104 6 4 .964
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号

  • 28(2014年 - 2016年、2018年 - 2020年)
  • 26(2021年 - 2023年)
  • 21(2025年)

脚注

  1. ^ Anthony DeSclafani Stats, Fantasy & News” (英語). MLB.com. 2021年9月16日閲覧。
  2. ^ Anthony DeSclafani Stats” (英語). Baseball Reference.com. 2025年4月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n MLB公式プロフィール参照
  4. ^ Marlins complete 12-player trade with Blue Jays”. MLB.com Marlins Press Release (2012年11月19日). 2014年5月15日閲覧。
  5. ^ Joe Frisaro (2014年5月14日). “Heaney's callup a matter of when, not if”. MLB.com. 2014年5月15日閲覧。
  6. ^ Scores for May 14, 2014”. ESPN MLB (2014年5月14日). 2014年5月15日閲覧。
  7. ^ Joe Frisaro (2014年7月26日). “Realmuto up, Disco down as Marlins balance roster”. MLB.com. 2014年12月13日閲覧。
  8. ^ Joe Frisaro (2014年8月9日). “Hernandez down, Lucas up in flurry of moves”. MLB.com. 2014年12月13日閲覧。
  9. ^ Joe Frisaro, Maria Torres (2014年8月16日). “With Alvarez returning, DeSclafani optioned”. MLB.com. 2014年12月13日閲覧。
  10. ^ 5回表にブルワーズのマイク・ファイヤーズの投球がジャンカルロ・スタントンの顔面に直撃(スタントンはスイングしていたため空振り扱い)し、スタントンは負傷退場した。2ストライクからスタントンの代打としてリード・ジョンソンが起用された。初球がジョンソンの手に直撃したが、審判はスイングアウトと判定。その際マーリンズベンチからファイヤーズに野次を飛ばし、ファイヤーズもそれに対抗したため、乱闘騒ぎとなった。
  11. ^ Joe Frisaro (2014年9月13日). “DeSclafani suspended three games for hit-by-pitch”. MLB.com. 2014年12月13日閲覧。
  12. ^ Reds Acquire DeSclafani, Wallach From Miami”. MLB.com Reds Press Release (2014年12月12日). 2014年12月13日閲覧。
  13. ^ 2015 Cincinnati Reds Pitching Statistics - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年2月14日閲覧。
  14. ^ Mark Sheldon (2016年5月4日). “DeSclafani still shut down but feels close” (英語). MLB.com. 2016年12月23日閲覧。
  15. ^ Anthony DeSclafani of Cincinnati Reds scratched with sore elbow”. ESPN.com (2017年2月27日). 2018年1月4日閲覧。
  16. ^ Buchanan, Zach (2017年3月13日). “DeSclafani has UCL sprain, shut down four weeks”. Cincinnati.com. 2018年1月4日閲覧。
  17. ^ Sheldon, Mark (2016年1月20日). “Reds Anthony DeSclafani has elbow tendinitis”. MLB.com. 2018年1月4日閲覧。
  18. ^ Buchanan, Zach (2017年8月4日). “Anthony DeSclafani has elbow tendinitis, but healthy UCL”. Cincinnati.com. 2018年1月4日閲覧。
  19. ^ Buchanan, Zach (2017年8月4日). “Anthony DeSclafani has elbow tendinitis, but healthy UCL”. Cincinnati.com. 2018年1月4日閲覧。
  20. ^ Buchanan, Zach (2017年11月30日). “Anthony DeSclafani: I expect to make 30-plus starts”. Cincinnati.com. 2018年1月4日閲覧。
  21. ^ Fay, John. “DeSclafani will debut for the Cincinnati Reds Tuesday” (英語). Cincinnati.com. 2019年7月29日閲覧。
  22. ^ Pitcher Anthony DeSclafani does honors of Reds' third grand slam in 5 days”. ESPN (2018年6月24日). 2018年6月24日閲覧。
  23. ^ Fay, John (2018年6月23日). “DeSclafani is grand as Cincinnati Reds win their sixth straight, downing the Chicago Cubs 11-2”. Cincinnati.com. 2018年6月23日閲覧。
  24. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月16日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月20日閲覧。
  25. ^ Giants Sign Anthony DeSclafani” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月16日閲覧。
  26. ^ Maria Guardado (2021年4月26日). “Giants pour on offense in DeSclafani's gem” (英語). MLB.com. 2021年4月28日閲覧。
  27. ^ Giants Re-Sign Anthony DeSclafani” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年11月23日閲覧。
  28. ^ Giants acquire Robbie Ray; Haniger, DeSclafani to Seattle” (英語). MLB.com. 2024年1月6日閲覧。
  29. ^ Mariners Acquire Jorge Polanco” (英語). MLB Trade Rumors (2024年1月29日). 2024年1月30日閲覧。
  30. ^ Mark Polishuk (2024年3月30日). “Anthony Desclafani Undergoes Season-Ending Flexor Tendon Surgery” (英語). MLB Trade Rumors. 2025年5月14日閲覧。
  31. ^ Anthony Franco (2025年5月13日). “Yankees Sign Anthony Desclafani To Minor League Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2025年5月14日閲覧。

注釈

  1. ^ 英語発音: /ˈænθəni ˌdiskləˈfɑni/

関連項目

外部リンク


Prefix: a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

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