『ザ・クエスト 』(The Quest )は、2021年 に発表されたイエス のアルバム。2014年 の『ヘヴン&アース 』以来となる7年ぶりのスタジオ・アルバム で、バンド創設メンバーのクリス・スクワイア が2015年 に亡くなり、オリジナルメンバー不在で制作された最初のアルバムであり、2022年 5月に亡くなったドラマーのアラン・ホワイト が参加した最後のアルバムとなった。
解説
バンドは、2019年 末からニューアルバムの楽曲制作に着手していた。その後、新型コロナウイルスのパンデミック の影響で2020年3月から予定されていたツアーが延期・中止となる[ 1] [ 2] 。その期間をアルバム制作に集中することができた[ 3] 。アルバムは、スティーヴ・ハウ がプロデューサーを務めることになった。「プロデュースを申し出たのは、このバンドのことをちゃんと理解していない人に任せるのが嫌だったから。それでいつも失敗してしまう。(中略)他のメンバーも同意してくれて、私たちはすぐに動き出したんだ」[ 3] 。バンドのメンバーが集まることができなかったため、彼らはリモートでアイデアを交換して曲を制作し、編集作業はアルバムのエンジニア兼ミキサーであるカーティス・シュワルツが所有するスタジオで行われた。ハウは「(ウェスト・サセックス州 の)アーディングリーにあるカーティス・シュワルツのスタジオは、ファイルの管理、トラックの組み立て、アルバム全体の音楽の集積の拠点となった。あの恐ろしい災害(パンデミック)がなかったとしても、同じような手法をとっていただろう。それが唯一のやり方だった」と語っている[ 4] 。
本作は、プログレッシブ・ロック の作品を数多く発表しているインサイド・アウト・ミュージック からリリースされたイエスの初めてのアルバムである[ 5] 。
収録曲
ディスク1 # タイトル 作詞・作曲 時間 1. 「ジ・アイス・ブリッジ - "The Ice Bridge"」
a.「アイズ・イースト - "Eyes East"」
b.「レース・アゲインスト・タイム - "Race Against Time"」
c.「インタラクション - "Interaction"」 ジョン・デイヴィソン 、フランシス・モンクマン 、ジェフ・ダウンズ [ 注釈 1] 7:01 2. 「デア・トゥ・ノウ - "Dare to Know"」 スティーヴ・ハウ 6:00 3. 「マイナス・ザ・マン - "Minus the Man"」 デイヴィソン、ビリー・シャーウッド 5:35 4. 「リーヴ・ウェル・アローン - "Leave Well Alone"」
a.「アクロス・ザ・ボーダー - "Across the Border"」
b.「ノット・フォー・ナッシング - "Not for Nothing"」
c.「ホイールズ - "Wheels"」 ハウ 8:06 5. 「ザ・ウェスタン・エッジ - "The Western Edge"」 デイヴィソン、シャーウッド 4:26 6. 「フューチャー・メモリーズ - "Future Memories"」 デイヴィソン 5:08 7. 「ミュージック・トゥ・マイ・イアーズ - "Music to My Ears"」 ハウ 4:41 8. 「ア・リヴィング・アイランド - "A Living Island"」
a.「ブレイヴ・ザ・ストーム - "Brave the Storm"」
b.「ウェイク・アップ - "Wake Up"」
c.「ウィ・ウィル・リメンバー - "We Will Remember"」 デイヴィソン、ダウンズ 6:52 合計時間:
47:49
ディスク2 # タイトル 作詞・作曲 時間 9. 「シスター・スリーピング・ソウル - "Sister Sleeping Soul"」 デイヴィソン、ハウ 4:51 10. 「ミステリー・ツアー - "Mystery Tour"」 ハウ 3:33 11. 「ダメージド・ワールド - "Damaged World"」 ハウ 5:20 合計時間:
13:44
パーソネル
アディショナル・ミュージシャン
FAMESスタジオオーケストラ(#2-4)
オレグ・コンドラテンコ - 指揮(#2-4)
ポール・K・ジョイス - オーケストラ編曲
脚注
注釈
^ アルバムリリース当初のクレジットは「Davison/Downes」となっているが、本曲がアルバムに先駆けて公開された際にフランシス・モンクマン の楽曲の盗作ではないかとの指摘を受けて、ジェフ・ダウンズは2021年7月27日の自身のTwitter で「『The Ice Bridge』はモンクマン作曲の『Dawn Of An Era』から引用したものです。私はこれを自分のライブラリ曲の一つと勘違いしていました。これは私の単純なミスであり、責任を認めます。本トラックの作曲者クレジットは今後『Davison/Monkman/Downes』となります」と説明している[ 6] [ 7] 。
出典