ジェニファー・ダウドナ
ジェニファー・ダウドナ(Jennifer Anne Doudna, 1964年2月19日 - )はアメリカ合衆国の化学者、生物学者(分子生物学、細胞生物学)。カリフォルニア大学バークレー校教授[1]。1997年以来、ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)の研究者である。エマニュエル・シャルパンティエと共にゲノム編集技術CRISPR-cas9を開発し、2020年ノーベル化学賞受賞[2]。 来歴ワシントンD.C.生まれ、ハワイ州ヒロ育ち。小学6年生のとき、DNA研究の先駆者ジェームズ・ワトソンの著書『二重らせん』を父親から贈られ、生物学の面白さに取りつかれた[3]。カリフォルニア州のポモナ・カレッジ大学で化学の学士号を取得。当時、自分の科学に対する能力に疑問を感じてフランス語専攻に変更することを検討したが、フランス語専攻の先生に科学分野に執着するようにと助言された[4]。大学院は「驚いたことに」入学できたハーバード大学でジャック・W・ショスタクの指導の下、生化学の博士号を取得した[5][3]。 その後はマサチューセッツ総合病院やハーバード大学医学部での研究員を経て、1991年から1994年までコロラド大学ボールダー校でトーマス・チェック研究室のポスドクとなった。キャリア初期の研究はRNA酵素またはリボザイムの構造と生物学的機能を明らかにすることにあり、チェック研究室では初めてリボザイムを結晶化して三次元構造を決定したことで、リボザイムの構造を触媒タンパク質である酵素の構造と比較することに成功した[4]。1994年にアシスタント・プロフェッサーとしてイェール大学に移籍後も同研究を続け、1996年に終えた。次に、リボザイムの活性部位のX線回折に基づく構造研究を行った。 2002年よりカリフォルニア大学バークレー校の教授に就任。この頃、同校のジリアン・バンフィールド博士により細菌におけるCRISPRを紹介され、その酵素メカニズムを研究し始めた[6][7]。また、ここでは中年の危機に陥るが、思い切って民間企業(ジェネンテック)に飛び込んだことで自分には学術界があっていると気づくことができたという[8]。2011年にプエルトリコで偶然出会ったエマニュエル・シャルパンティエと共同研究を行い、翌年にはゲノム編集技術CRISPR-cas9を示す論文を発表した[9][10]。 CRISPR-cas9を活用する企業CaribouやScribe Therapeutics、Mammoth Biosciencesを創設している。 2016年、王立協会外国人会員選出。 2021年8月11日、教皇フランシスコによりローマ教皇庁科学アカデミーの正会員に任命された[11]。 受賞歴
著書
出典
関連項目
外部リンク |
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