タイリーク・ヒル
タイリーク・ヒル(Tyreek Hill、1994年3月1日 - )は、アメリカ合衆国ジョージア州ダグラス出身のプロアメリカンフットボール選手。ポジションはワイドレシーバー(WR)とリターナー(KR/PR)。NFLのマイアミ・ドルフィンズに所属。ニックネームは、足の速さに因んだチーター(Cheetah)。パントリターナーとしてNFL2010年代のオールディケードチームに指名された。 経歴プロ入り前ジョージア州で生まれる。高校までは陸上短距離が専門で、2012年世界ジュニア陸上競技選手権大会に出場し、4×100mリレーで金メダル、200mで銅メダルを獲得している。当時の最高記録は200メートルで20秒14、100メートルでは10秒19であった[1][2]。カンザス州のガーデンシティ・コミュニティカレッジ(2年制)に入学。在学時に100メートル走で9秒98を記録した[3]。2014年に卒業した後、オクラホマ州立大学に編入する。1シーズンでラン534ヤード、レシーブ381ヤードなどを記録し、リターンヤード996は全国2位になるなどチームに貢献するも、2014年12月に家庭内暴力で逮捕され、退学する。2015年9月に西アラバマ大学に編入した。2016年のNFLドラフトでは、前述の刑事事件もあり、指名が危ぶまれたものの、結果的に第5巡(全体165位)でチーフスに指名された。 西アラバマ大学からのNFL選手は、1974年にダラス・カウボーイズに入団したケン・ハッチャーソン以来となる。 カンザスシティ・チーフス当初、リターナー(KR/PR)として入団し、ワイドレシーバー(WR)にとしては控えだった。2016年のルーキーシーズンは、全試合に出場し、593レシーブヤードと6タッチダウン、267ラッシュヤードと3ラッシングタッチダウンなどに加え14のキックリターンと2タッチダウン、39パントリターナーでシーズンを終えた。また、PRとしてプロボウルにも選出された。 2017年、2年連続でPRとしてプロボウルに選ばれた[4]。 2018年、11月29日のロサンゼルス・ラムズ戦でチーム史上2位となる215レシーブヤードを記録した。この試合は、54-51でラムズが勝利したが、記録づくしの試合となった[5]。キャリア最高の87回のレシーブで、1,479ヤードと12回のタッチダウンを記録し、シーズンを終えた。3年連続でプロボウルに選ばれた[6]。 2019年4月26日、チーフスGMのブレット・ビーチは、ヒルが児童虐待を行ったため、活動停止を発表した。しかし、7月19日にNFLはヒルが行動方針に違反してはいないと示したため、調査のため懲戒処分を受けないことを発表した[7]。 その後、9月6日にヒルは3年5,400万ドルの契約延長に合意した[8]。シーズンは、第1週で鎖骨を負傷し[9]、以降欠場するも第6週に復帰した。チーフスが12勝4敗でシーズンを終え、プレーオフも勝ち上がり、第54回スーパーボウルに出場した。スーパーボウルでは、レシーブ105ヤードで9のパスレシーブを記録した。チームは31-20で勝利し、2度目の優勝を果たした。4年連続でプロボウルに選ばれた。 2020年、ミズーリ州リーズ・サミットのリーズサミット北高校でアシスタントコーチを始めた。このシーズンは開幕から4試合連続でタッチダウンを決めた他、第12週のタンパベイ・バッカニアーズ戦ではキャッチ13回で269ヤード、3タッチダウンを記録し、週間MVPに選出された[10]。チームは2年連続で地区優勝を果たした。5年連続でプロボウルに選ばれた[11]。 2021年シーズンは17試合に出場し、111回のレシーブで1239ヤード、レシーブタッチダウンを9回記録した。またプロボウルに6年連続で選出された。しかし、オフにチーフスとの契約延長がまとまらず、チームからトレード移籍の模索を許可された[12]。 マイアミ・ドルフィンズ2022年3月24日、2022年のNFLドラフト1巡目(全体29番目)、2巡目、4巡目、さらに2023年のNFLドラフト4巡目、6巡目と交換でマイアミ・ドルフィンズに移籍し[13]、4年総額1億2,000万ドルの契約延長に合意した[14]。 2022年シーズンは移籍1年目の選手としては新記録となる1,710ヤードをレシーブし、2年ぶりのオールプロファーストチームに選出された[15]。 2023年シーズンはリーグトップとなる1,799ヤードのレシーブと13回のタッチダウンを記録し、2024年シーズン開幕前に発表されるNFLトップ100ではワイドレシーバーとして史上初めて1位に選ばれた[16]。 2024年8月3日、契約期間は変わらず2026年シーズンまでだが、保証額が増加した3年9,000万ドルの契約の再構築にドルフィンズと合意した[17]。シーズンでは全17試合に先発出場したが、QBトゥア・タゴヴァイロアの負傷離脱や、自身も手首に負傷を抱えていたことで959レシーブ獲得ヤードに留まった。プロ入り後初めてプレーオフを逃すシーズンとなり、8年連続で選出されていたプロボウルも逃した。シーズン終了直後には他のチームでのプレーを要望したが、ドルフィンズはこれを却下し、のちにヒルもこれを撤回した[18][19]。 詳細情報年度別成績レギュラーシーズン
ポストシーズン
私生活ヒル氏は以前クリスタル・エスピナル氏と婚約しており、2018年9月にプロポーズしていた。二人の間には3人の子供がいる。2023年11月、ヒルは元フットボール選手ケニー・ヴァッカロの妹であるキータ・ヴァッカロと結婚した。 2023年3月、ヒルとカミーユ・ヴァルモンの間に息子が誕生した。 ヒル氏は現在、フロリダ州サウスウェストランチェスに住んでいます。ヒルはマイアミ・ドルフィンズにトレードされて間もなく、サウスウェスト・ランチーズに690万ドルで邸宅を購入した。しかし、2024年1月23日、彼の邸宅の客室で火災が発生しました。捜査官らは不審な点を疑わなかったが、後に、遊びに来ていた子供が無意識にライターに火をつけ、それが火災を引き起こしたことが判明した。火災により、邸宅内の客室のうち1部屋のみが被害を受けた。 法的トラブル2014年12月12日、ヒルは妊娠数ヶ月の恋人クリスタル・エスピナルを暴行した疑いでオクラホマ州スティルウォーターで逮捕された。その結果、オクラホマ大学のフットボールチームはヒルをチームから追放した。ヒルは家庭内暴力や絞殺など複数の容疑で有罪となった。ヒルは3年間の保護観察処分を受け、怒りのコントロールカウンセリング、加害者プログラム、家庭内暴力評価を受けるよう命じられた。 2019年3月、ヒルは児童虐待の疑いで捜査を受け、事件当時3歳の息子が腕を骨折した。事件から1か月後、子供はカンザス州児童家族局に回収された。カンザスシティ・チーフスは、これらの疑惑を受けてヒルを無期限出場停止にし、調査の結果、ヒルが自分の息子を虐待した犯人であると判断されるまで、チームから彼を外す予定だった。6月10日の医療報告では、3歳の男児は確かに腕を骨折していたが、それは単なる事故であったことが示された。全米フットボールリーグはヒルの申し立てに反応したが、証拠が不十分であると判断し、ヒルを出場停止にすることはできないとした。 2023年6月18日、マイアミ警察は、口論の末にヒルが海洋センターの職員を暴行したとされる事件に出動した。ドルフィンズとナショナル・フットボール・リーグはこの事件を認識していたが、懲戒処分は義務付けられなかった。 脚注
外部リンク
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