トナリエつくばスクエア(tonarie TSUKUBA SQUARE)は、茨城県つくば市吾妻一丁目にある地域密着型の複合型ショッピングセンターである[広報 1]。
つくばエクスプレスつくば駅に直結しており[広報 1]、駅ビル的の性格を持つ。
歴史・概要
住宅・都市整備公団OBを社長、茨城県庁OBを専務、そのほか出資銀行から常務を迎え入れるなど混成部隊で発足した、筑波新都市開発株式会社が筑波研究学園都市中心市街地における商業の核として、1985年(昭和60年)3月8日に西武百貨店・ジャスコ・専門店で構成の「CREO」を開業[4][5]。同月には国際科学技術博覧会(つくば万博)も開幕している[4]。
デベロッパーとしての実務は公団主導で進められたが、ショッピングセンターのような商業施設の建設は、公団も筑波新都市もいずれも経験がなかった。そこで筑波新都市側は、日本設計にショッピングセンターの建築設計を委託。「CREO」は、人々の価値観、生活意識、生活行動の多様化、個性化に即するため、単独のデパートという形態は取らず、複合業態商業施設として「2核(デパート+スーパー)+専門店群+コミュニティ」の形態が取られた[7]。西武百貨店とジャスコの中間にあった専門店街は広々とした空間となっていて、買い物途中の人々の安らぎの場となり[7]、1階と2階を結ぶエスカレーターは、世界初のらせん状のエスカレーターが設置されたが、後に撤去された[8]。
開業当初は、土浦市内の商業施設と商圏が重なることが懸念されていたが、自家用車の普及が急激に進んだことも影響して、駐車場の整備が進んでいた研究学園都市にある「CREO」は売上を伸ばしていった[7]。
つくばクレオスクエアに
その後1993年(平成5年)10月には「MOG」[7]、2005年(平成17年)3月には、8月のつくばエクスプレス開業に先駆けて「Q't」も開業し[9]、つくばクレオスクエアに発展している[10]。
Q'tが完成した2005年(平成17年)時点では茨城県最大級の店舗面積を持つ商業施設で[要出典]、2010年代半ばには年間来訪客数500万人超となっていた[11]。
開業時から2つの核店舗(二核)があったが、2017年(平成29年)2月28日に「西武百貨店」が閉店し[広報 3]、スーパーマーケットの「イオン」が2018年(平成30年)1月31日にクレオ専門店と同時に閉店した[12]。
トナリエつくばスクエアに
その後、筑波都市整備株式会社が株式会社日本エスコンへ2018年(平成30年)12月20日に「MOG」と「Q’t」を譲渡し[広報 4]、翌年の2019年(平成31年)3月27日に「CREO」も譲渡した[広報 5]。
この譲渡後も「MOG」と「Q't」は営業を続け[広報 5]、2021年(令和3年)5月19日に旧西武百貨店棟を改装し「トナリエつくばスクエア」として新装開業した[1]。
「CREO」の旧イオン棟は解体され[1][広報 5]、その跡地に共同住宅「レ・ジェイドつくばStation Front」を分譲している[広報 1]。
年表
主な建物
MOG(2017年1月撮影)
CREO(クレオ[17])、MOG(Mall Open Gallery[17]、モグ[17])、Q't(キュート[17])の3部分から構成される。
- CREO
2018年(平成30年)1月31日、完全閉館した[12]。旧西武棟はリノベーションされ店舗とオフィスが入居し、旧イオン棟は跡地に共同住宅「レ・ジェイドつくばStation Front」を分譲している[広報 1]。
- 所在地:つくば市吾妻一丁目7番地1[2]
- 敷地面積:10,492.81m2[広報 1]
- 延床面積:55,840m2[2] → 42,413.77m2[広報 1]
- 店舗面積:30,832m2[2] → 25,056.06m2[広報 1]
- 地下2階・地上8階[広報 1]
- MOG
- 所在地:つくば市吾妻一丁目5番地3[17]
- 敷地面積:1,282.72m2[17]
- 建築面積:1,142.34m2[17]
- 延床面積:4,079.25m2[17]
- 地下1階・地上4階[17]
- 設計:坂倉建築研究所、都市再生機構茨城地域支社[17]
- 施工:鹿島建設[17]
- Q't
- 所在地:つくば市吾妻一丁目6番地1[2]
- 敷地面積:9,929.94m2[広報 1]
- 延床面積:24,821.30m2[広報 1]
- 地下1階・地上4階[広報 1]
主なテナント
過去に存在したテナント
閉店当日のイオンつくば駅前店(2018年1月31日21時19分)
- 店舗面積:16,688m2[2]
- イオンつくば駅前店(1985年(昭和60年)3月8日開店[4][5] - 2018年(平成30年)1月31日閉店[12])
- 店舗面積:6,681m2[2]
交通
左下が当施設。中央がバスターミナル。右下がオートリブジャパンテクニカルセンターつくば。右の方につくばセンタービル。つくば駅は左上の交差点地下にある。
鉄道
首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスつくば駅A5出口すぐ[広報 1]。つくば駅A5出口通路から分岐してQ'tの地上1階に直結するエスカレーターあり。
バス
かつての姉妹施設
筑波都市整備が引き続き施設運営を行う商業施設。
- つくばセンタービル アイアイモール - 1983年(昭和58年)完成[18]。
- 住区ショッピングセンター - つくば市
- 竹園ショッピングセンター - 竹園。1974年(昭和49年)9月開業[19]。センター地区成立以前の商業的中心であった。2006年(平成18年)5月26日にヤマウチ竹園店が開店[20]。
- 並木ショッピングセンター - 並木。1976年(昭和51年)9月開業[13]。学園並木バス停留所と一体型。核店舗はスーパーマーケットのマスダ。
- 天久保大学通り商店街 - 天久保。天久保ショッピングセンターとして1976年(昭和51年)11月開業[13]。筑波大学筑波キャンパス隣接の[19]飲食店街。学生向けの店が多い。
- 松代ショッピングセンター - 松代。1980年(昭和55年)4月開業[13]。手代木団地バス停留所と一体型。核店舗はスーパーマーケットのヤマウチ。2015年にヤマウチに変わり、TAIRAYAがオープンした。
- 竜ヶ崎ニュータウン北竜台センター地区(北竜台ショッピングセンター) - 龍ケ崎市小柴5-1-2[21]
脚注
出典
- ^ a b c d “「トナリエクレオ」開業 つくば駅前商業施設を刷新”. 茨城新聞(茨城新聞社). (2021年5月20日). pp11
- ^ a b c d e f g h i 『週刊東洋経済 臨時増刊 全国大型小売店総覧 2009年版』 東洋経済新報社、2009年。 pp349
- ^ a b c d e つくばヒューマンヒストリー研究会 『つくばの30年101人の証言 つくば実験/情熱劇場』 常陽新聞社、1996年5月25日。
- ^ a b c d "「クレオ」オープン 買い物客5万人ドッと"『いはらき』茨城新聞社、1985年3月9日付日刊、15面。
- ^ a b c d e f 大谷英基 “筑波研究学園都市における都心形成の初動期「つくばセンタービル・SCクレオ」”. 宅地開発 1994年5月号 (日本宅地開発協会) (1994年5月).pp11
- ^ 種市房子(2015年3月29日). “日本発・世界のヒット商品:中国★オンリーワンのらせんエスカレーター 三菱電機”. 毎日新聞(毎日新聞社)[要ページ番号]
- ^ a b “「つくば駅」開業先駆けてキュート発進! オープンでテープカット”. 常陽新聞(常陽新聞社). (2005年3月19日). pp1
- ^ “つくばクレオスクエア あさって全館オープン”. 読売新聞(読売新聞社). (2005年3月16日). pp32
- ^ a b 「アウトドア専門店街 茨城最大級 つくば駅直結施設に 筑波都市整備」日本経済新聞2014年6月14日付朝刊、地方経済面北関東41ページ
- ^ a b c d e 高阿田総司「イオン駅前店に幕 つくば象徴クレオ休館」茨城新聞2018年2月1日付朝刊、第1社会面A版23ページ
- ^ a b c d 日本住宅公団史刊行委員会 『日本住宅公団史編』 日本住宅公団、1981年9月30日。 pp361
- ^ “筑波都市整備発足へ 三セク3社、7月に合併”. 茨城新聞(茨城新聞社). (2004年4月29日). pp18
- ^ “西武筑波店 今日改装開店”. 読売新聞(読売新聞社). (2005年2月25日). pp32
- ^ “首都圏に新しい風 つくばエクスプレス開業 秋葉原・つくば入場制限 沿線各地で式典”. 茨城新聞(茨城新聞社). (2005年8月24日). pp1
- ^ a b c d e f g h i j k つくば建築研究会 編 編『つくば建築フォトファイル』つくば建築研究会、2005年12月20日、310-311頁。ISBN 4-9902731-0-9。
- ^ “世界が注目する科学技術の街 筑波研究学園都市”. ニューエネルギー 1984年3月号 (都市エネルギー協会) (1984年3月).pp20
- ^ a b “筑波だより”. 工業技術 1977年3月号 (実業之日本社) (1977年3月).pp31
- ^ “スーパー・ヤマウチ竹園店 きょうオープン”. 常陽新聞(常陽新聞社). (2006年5月26日). pp4
- ^ a b c “日本のSC ショッピングセンターサプラ(茨城県竜ヶ崎市)”. ショッピングセンター 1999年7月号 (日本ショッピングセンター協会) (1999年7月1日).pp65
- ^ a b c d e f 『週刊東洋経済 臨時増刊 全国大型小売店総覧 2010年版』 東洋経済新報社、2010年。pp334
- ^ a b c 『令和元年第1回龍ケ崎市議会定例会 一般質問一覧表』 龍ケ崎市、2019年。 pp2
- ^ “カインズ 茨城県に龍ケ崎店オープン”. DIAMOND Chain Store Online (2020年9月16日). 2023年12月22日閲覧。
広報資料・プレスリリースなど一次資料
参考文献
関連項目
外部リンク