『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(とわいらいとうぉりあーず けっせんきゅうりゅうじょうさい、原題:九龍城寨之圍城、英題:Twilight of the Warriors: Walled In)は、2024年の香港のアクション映画。余兒 (Yuyi) の小説『九龍城寨』およびこの小説を漫画化した司徒劍僑による漫画『九龍城寨』の実写映画化。無法地帯として知られ1990年代初頭に取り壊された九龍城砦に住む人々と裏社会の勢力争いが描かれる。監督はソイ・チェン(鄭保瑞)、出演はルイス・クー(古天樂)、サモ・ハン(洪金寶)、リッチー・レン(任賢齊)、レイモンド・ラム(林峯)、フィリップ・ン(伍允龍)など[1]。香港での興行収入が1億香港ドルを超え、香港映画として歴代1位の観客動員数に達した。
前日譚(原題:九龍城寨之龍頭)と後日譚(原題:九龍城寨之終章)が製作されることが2024年5月に発表された。
第97回アカデミー賞の国際長編映画賞の香港代表作品に選ばれたが[2][3]、世界中から出品された85作品から15作品に絞られたショートリストの中には残らなかった[4]。
第43回香港電影金像奨では、作品賞をはじめとする9賞を受賞した。
あらすじ
1980年代。香港へ密入国した陳洛軍(チャン・ロッグワン)は身分証を買う金を稼ぐため、黒社会の大ボスが開催した賭け試合に出場する。格闘の腕を見込まれ大ボスから自分の元に来いと誘いを受けるが、黒社会との繋がりを忌避し拒否。後日、身分証を受け取りに大ボスのもとに行くも渡されたのは一目で偽造と分かる物だった。使える身分証は手に入らず、代金も返してもらえず、憤る陳洛軍はアジトで大金を管理してる所から袋の一つを奪い、大ボスの手下たちに追われることになる。大ボスの支配が届かない九龍城砦に運よく逃げ込んだが、そこで九龍城砦を支配下に置く龍捲風(ロンギュンフォン)やその右腕である信一(ソンヤッ)を始めとした九龍城砦に暮らす人々と出会うことになる。
キャスト
- チャン・ロッグワン(陳洛軍)
- 演 - レイモンド・ラム(林峯)、日本語吹替 - 小林親弘[5][6]
- 幼い頃に両親を亡くし、身寄りもなく香港へ密入国した青年。
- ロンギュンフォン(龍捲風)
- 演 - ルイス・クー(古天樂)、日本語吹替 - 堀内賢雄[5][6]
- 九龍城砦内で理髪店を営む店主。九龍城砦のリーダー。
- ソンヤッ(信一)
- 演 - テレンス・ラウ(劉俊謙)、日本語吹替 - 鈴木崚汰[5][6]
- 龍捲風の右腕。
- セイジャイ(四仔)
- 演 - ジャーマン・チョン(張文傑)、日本語吹替 - 星野佑典[5][6]
- 九龍城砦の医者。切られた顔の傷を隠す為にマスクをしている。
- サップイーシウ(十二少)
- 演 - トニー・ウー(胡子彤)、日本語吹替 - 石谷春貴[5][6]
- 少年の頃に龍捲風に救われ、彼を慕っている。虎兄貴の手下。
- 大ボス(大老闆)
- 演 - サモ・ハン・キンポー(洪金寶)、日本語吹替 - 水島裕[5][6]
- 油麻地のフルーツマーケットを縄張りとする黒社会のボス。
- ウォンガウ(王九)
- 演- フィリップ・ン(伍允龍)、日本語吹替 - 赤坂柾之[5][6]
- 大ボスの右腕。気功術を操る。
- 秋(チャウ)兄貴(狄秋)
- 演 - リッチー・レン(任賢齊)、日本語吹替 - 金馬貴之[5][6]
- 九龍城砦の大地主の一人。龍捲風の義兄弟。黒社会抗争の際に妻子を殺され、陳占を恨んでいる。
- 虎兄貴(Tiger哥)
- 演 - ケニー・ウォン(黃德斌)、日本語吹替 - 松本こうせい[5][6]
- 廟街を縄張りとする黒社会のボス。黒社会抗争の際に陳占に右目を潰された。
- チャン・ジム(陳占)
- 演 ‐ アーロン・クオック(郭富城)、日本語吹替 - 三上哲[5][6]
- かつて黒社会を牛耳っていた雷震東の右腕。「殺人王」の異名を轟かせていた。黒社会抗争の際に龍捲風に敗れて死亡。
- アチャッ(阿七)
- 演 - 喬靖夫(中国語版)、日本語吹替 - 黒澤剛史[6]
- 九龍城砦でチャーシュー飯が名物の飲食店「阿七冰室」の店主。スキンヘッド。
- インファン(燕芬姐)
- 演 - フィッシュ・リュウ(中国語版)(廖子妤)、日本語吹替 - 早川舞[6]
- 九龍城砦の食品加工場で魚のつみれ団子作りをしている若い女性。
- ユーダンムイ(魚蛋小妹)
- 演 - 王尹菁、日本語吹替 - 山口立花子[6]
- 九龍城砦の食品加工場で魚のつみれ団子作りをしている少女。
- (蘇玉儀)
- 演 - 蔡思韵(中国語版)
- チャン・ロッグワン(陳洛軍)の母親、チャン・ジム(陳占)の妻。
スタッフ
- 原作:ユー・イー(余兒)『九龍城寨』
- 監督:ソイ・チェン(鄭保瑞)
- 製作:ジョン・チョン(莊澄)、ウィルソン・イップ(葉偉信)
- 脚本:アウ・キンイー(中国語版)(歐健兒)、チャン・タイリー(中国語版)(陳大利)、サム・クァンシン(岑君茜)、ジャック・ライチュン(黎俊)
- 編集:チョン・ガーファイ(中国語版)(張嘉輝)
- 撮影:チェン・シウキョン(中国語版)(鄭兆強)
- 音楽:川井憲次
- アクション監督:谷垣健治
- 衣装:カレン・イップ(葉嘉茵)
- 造形:ブルース・ユー(余家安)
- 美術総監:マック・コッキョン(麦国強)
- 美術指導:チャウ・サイフン・アンブローズ(周世鴻)[7]
- 視覚効果指導:ジュールス・リン(林駿宇)、マー・シウ・フー(馬肇富)、ギャレット・K・ラム(林嘉楽)、イー・クォック・リョン(余國亮)[7]
- 音響デザインとミキシング:イウ・チュンヒン(姚俊軒)[7]
- 音響エフェクト編集:チャン・マンホイ(張文愷) 、トゥー・バーナード・デイヴィ(杜本立)[7]
受賞・ノミネート
映画賞
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授賞日
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部門
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対象
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結果
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出典
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2024シアトル映画批評家協会賞
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2024年12月16日
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アクション振付賞
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谷垣健治
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ノミネート
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[8]
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第18回アジア・フィルム・アワード
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2025年3月16日
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作品賞
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『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』
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ノミネート
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[9][10]
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助演男優賞(英語版)
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フィリップ・ン
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ノミネート
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編集賞
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チュン・カーファイ
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受賞
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撮影賞
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チェン・チュウキョン
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ノミネート
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音楽賞
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川井憲次
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ノミネート
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衣裳デザイン賞(英語版)
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ブルース・ユー カレン・イップ
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ノミネート
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美術賞
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ケネス・マク チャウ・サイフン・アンブローズ
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受賞
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視覚効果賞
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ジュールス・リン マー・シウ・フー ギャレット・K・ラム イー・クォック・リョン
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ノミネート
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音響賞
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イウ・チュンヒン チャン・マイホイ トゥー・バーナード・デイヴィ
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ノミネート
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第43回香港電影金像奨
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2025年4月27日
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作品賞
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『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』
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受賞
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[11]
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監督賞
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ソイ・チェン
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受賞
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男優賞
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レイモンド・ラム
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ノミネート
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助演男優賞
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フィリップ・ン
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ノミネート
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助演男優賞
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ルイス・クー
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ノミネート
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新人俳優賞
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ジョセフ・ラウ
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ノミネート
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アクション設計賞
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谷垣健治
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受賞
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編集賞
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チュン・カーファイ
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受賞
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撮影賞
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チェン・チュウキョン
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受賞
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音楽賞
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川井憲次
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ノミネート
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衣裳デザイン賞
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ブルース・ユー カレン・イップ
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受賞
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美術賞
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ケネス・マク チャウ・サイフン・アンブローズ
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受賞
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視覚効果賞
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ジュールス・リン マー・シウ・フー ギャレット・K・ラム イー・クォック・リョン
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受賞
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音響賞
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イウ・チュンヒン チャン・マイホイ トゥー・バーナード・デイヴィ
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受賞
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脚注
外部リンク