ミーティ・ビーティ・ビッグ・アンド・バウンシィ
『ミーティ・ビーティ・ビッグ・アンド・バウンシィ』(Meaty, Beaty, Big & Bouncy)は、イングランドのロックバンドであるザ・フーのベスト・アルバムである[1]。1971年に発表され、全英9位[2]、全米11位[3]を記録した。 解説ザ・フーの公式編集アルバムとしては、1968年にアメリカで米デッカ・レコードから発売された『マジック・バス~ザ・フー・オン・ツアー』[注釈 1]、同年にイギリスでトラック・レコードから発売された『ダイレクト・ヒッツ』に続く3作目となる。前作と前々作にはシェル・タルミーのプロデュースで制作されたブランズウィック・レコード時代の楽曲が、当時タルミーが独占していた権利によって収録されなかった。本作はこれらの楽曲のうちの5曲[注釈 2]を収録しており、ザ・フーのそれまでの歴史を俯瞰した初のベスト・アルバムとしてイギリスとアメリカの両方で発表された。 収録曲14曲のうち、ジョン・エントウィッスル作の「ボリスのクモ野郎」[注釈 3]以外はシングルのA面収録曲[注釈 4]で、7曲はオリジナル・アルバムには未収録である。「アイム・ア・ボーイ」と「マジック・バス」は、シングル・ミックスとは異なる未発表バージョンが収録されている。「アイム・ア・ボーイ」は1966年10月3日に再録された別バージョン[4]、「マジック・バス」はオリジナルよりも演奏時間が1分以上長いロング・バージョンを擬似ステレオで収録している。また「ザ・キッズ・アー・オールライト」はアメリカでのシングル・カット[5]で使用された編集版である。 タイトルはドッグフードのコマーシャルから採られたものである。当初は「ザ・フー・ルック・バック」になる予定だったというが、ピート・タウンゼント曰く「それじゃまるで俺たちみんな死んじまったみたいだからさ」ということで変更になった[6]。ジャケットの写真はロジャー・ダルトリーの従兄弟に当たる写真家のグレアム・ヒューズ[注釈 5]の作品[1]で、幼少期のメンバーにそっくりな子供たちを探し出して撮影された[7]。マネージャーのキット・ランバートは、自分が最終承認をしないうちにアルバムがプレスされたことに怒り回収しようとしたが、既に多くが出荷されていたため断念した[6]。 アメリカでは1985年と1988年にMCAレコードから再発CDが発売された。「マジック・バス」は前者[8]ではLPと同じロング・バージョン、後者[9]ではショート・バージョンのリアル・ステレオ・ミックスが収録された。これらのCD化を最後に本作は廃盤となっていたが、日本では2007年、オリジナルマスターを定本にした紙ジャケット仕様の再発CDが限定発売された[10]。 収録曲※作詞・作曲の記載がない曲はピート・タウンゼント作。 オリジナルLPCD
参加ミュージシャン
脚注注釈
出典
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