地方大会(神奈川大会)
全国高等学校野球選手権地方大会 (ぜんこくこうとうがっこうやきゅうせんしゅけんちほうたいかい)は、全国高等学校野球選手権大会 の代表校(出場校)を決定する野球大会。
もともと複数の道府県から成る「地方」が基本となっていた経緯から、北海道 ・東京 で2大会ずつ、その他の45府県で1大会ずつの計49大会が基本となっている現在でも「地方大会」と称している。1958年 (第40回 )・1963年 (第45回 )・1968年 (第50回 )・1973年 (第55回 )・1978年 (第60回 )と5年ごとの記念大会で一府県一代表を実施し、以降は47都道府県 から必ず1校は全国大会に出場するようになった。
1977年 (第59回 )までに消滅した地方大会については消滅した全国高等学校野球選手権地方大会の一覧 を参照。
1998年 (第80回 )・2008年 (第90回 )は北海道・東京に加えて埼玉 ・千葉 ・神奈川 ・愛知 ・大阪 ・兵庫 の6府県でも2大会、2018年 (第100回 )は8都道府県に加えて福岡 でも2大会と、10年ごとの記念大会に限り増設される。
全国大会の事実上の予選に相当するが、「予選」という呼称は公式には用いられておらず、地方大会は全国大会から独立した大会とされている[ 注 1] 。
各地方大会で選手が着用するゼッケン (背番号 )は高校側で用意するため、基本的にユニフォームに合わせたデザインのものを着用する。ただし、愛知 のように白地の黒の番号で統一している大会もある。
概要
平年、梅雨のない北海道 (南・北)の各支部予選と、梅雨が他の都道府県より1ヶ月程度早い沖縄大会 が6月の段階から開幕し、その後は段階を追って残りの地方大会が開幕する。比較的参加校が多い神奈川県 ・大阪府 などの大会の決勝戦が行われる7月下旬に全ての出場権獲得校が出揃う。
大会期日については「原則として夏休みまでの土、日曜日と、夏休みを利用して行う」とされている[ 11] 。
北海道(南・北)、福岡県、新潟県 などの地方大会では、道県を数ブロックに分けた地区予選が導入されており、地区予選のブロック代表校が地方大会に出場する形式となっている。
選手宣誓 は、組み合わせ抽選会においてその大会の回数の数字と一致した番号を引いた学校が選ばれる所が殆どだが、参加校が少ない大会は抽選となる。東西合同で開会式を行う東京では春季都大会優勝校の主将が宣誓を行う。
地方大会の入場曲は、大会行進曲や栄冠は君に輝く などで、統一していない。
各野球場 の外野席は内野席が満員になる時のみ開放される。
ウグイス嬢 は高校生がアナウンスする(北海道など一部地域では男子生徒が行う場合もある)。背番号や出身中学校がアナウンスされる大会もある。
優勝校には優勝旗、優勝盾、優勝メダル、表彰状が、準優勝校には準優勝盾、準優勝メダルと表彰状が贈られる[ 11] 。準優勝校にも杯 が贈られる大会もある。
地方大会の変遷
(画像として制作されています)
地方大会の一覧
全国大会開会式における北から南の選手入場順ではなく、日本高等学校野球連盟 (高野連)準拠の都道府県順とした。
春季・秋季(関東のみ秋季は東京都を含まない)の各地区高等学校野球大会で適用される「地区」を併記するが、春季大会・秋季大会、ひいては高野連や各都道府県高等学校野球連盟(都道府県高野連)よりも地方大会のほうが歴史があり、加えて比較的短期間で優勝校(代表校)を決定しなければならない大会でもあるため、かつて行われていた複数の道府県を対象とする地方大会では「地区」をまたいだ編成も見られた。
新型コロナウイルス感染症 の影響で第102回全国高等学校野球選手権大会 と全ての地方大会が中止された2020年には、地方大会の代替措置として、都道府県高野連が独自に主催する大会(独自大会)が全ての地区で実施された(各地方大会の記事を参照)。
テレビ・ラジオ中継
NHKでの中継
総合テレビでは、各地方大会の決勝戦(一部地域では準々決勝・準決勝も含む)を放送している。なお、関東・中京・近畿の各地区では総合テレビ・NHK Eテレ(教育テレビ)で地域を分担して決勝戦を中継している。同日に行われる決勝戦が多い場合一部の試合が録画中継となる。北海道地区では南北海道大会・北北海道大会ともに全道向け放送を行うが、中継試合が同日に重なった場合はローカル放送へ変更。札幌・函館・室蘭の各放送局では南北海道大会を、旭川・帯広・釧路・北見の各放送局では北北海道大会を中継する。なお旭川・帯広・釧路・北見の各放送局では南北海道大会、札幌・函館・室蘭の各放送局では北北海道大会の試合経過速報も随時伝えている。
ラジオでは、各地の地方大会も生中継している。
多くの地区では原則として決勝戦が行われる球場での試合が中継され、その他の球場からは随時試合結果・経過速報を伝えている。
北海道地区では、ラジオ第1放送とFM放送(ラジオ第1放送が中継できない場合に限る)を使って中継(2013年まで各地の支部予選をブロック代表決定戦のみ道内各局別に放送[ 注 2] していた、2019年まで南北海道大会・北北海道大会は1回戦から全試合を中継していた)。南北海道大会と北北海道大会の日程が重複しない限り南北海道大会・北北海道大会ともに全道放送している。なお、日程が重複した場合は南北海道大会・北北海道大会で地域別にローカル放送を行う場合もある。
関東地区では東東京大会・西東京大会をラジオ第1放送で決勝戦のみ、その他はFM放送で準決勝・決勝を放送する。2019年から埼玉・千葉・神奈川は決勝のみに変更。2022年から栃木・群馬、2023年から茨城・千葉、2024年は埼玉・東東京・西東京は放送無し。
国際放送 「NHKワールド・ラジオ日本 」および「NHKネットラジオ らじる★らじる 」では地方大会の中継(春季・秋季も含む)が一切行われず[ 注 3] 、中継のない他地域と同様に通常番組を放送・配信している。
2021年は東京オリンピック 中継のため、7月24日以降日程の重複した地域では総合・Eテレのサブチャンネルで放送、テレビ・ラジオどちらかの中継を一切行わないなどの対応をする。
民放での中継
テレビ宮崎を除くANN 加盟(テレビ朝日系列)局によって中継される。かつては殆どのテレビ朝日系列局が地方大会の主会場開催の試合を開会式から決勝戦まで生中継していたが、スポンサー維持の難しさから中継期間は徐々に短縮された。ただし最近はSPORTS BULL を介し朝日新聞・朝日放送グループが運営する「バーチャル高校野球」で地方大会ほぼ全試合を配信している。テレビ朝日系列が地方に少なかった頃は、秋田テレビ ・新潟総合テレビ ・鹿児島テレビ [ 13] (現在はフジテレビ系)、テレビ信州 ・福島中央テレビ (現在は日本テレビ系)などANN兼務(クロスネット)の局に担当させる地域も少なからず存在した。また複数局合同中継になっていた地域もある(秋田[ 14] や長野[ 15] など)。放送形態は以下の通り(テレビ朝日系列局の無い地区では他系列局や独立局が中継を担当)。なお、茨城県 (民放テレビ局自体ない)・富山県 ・鳥取県 ・福岡県 (テレビ朝日系列のKBCは情報・報道番組内で扱う)・佐賀県 (テレビ朝日系列局はなく、フジテレビ系列のサガテレビ のみ。全国大会関連番組への素材供給はKBCが担当)の地方大会は地上波民放テレビ局では中継されない(茨城県は後述する2011年に民放で放送した例外あり)。
2022年・104回大会で、スカイ・Aからの地方大会決勝戦中継が復活したが、全大会ではなく、スカイ・Aが厳選した10大会[ 16] を選んで、原則として地上波各局提供の映像をそのまま放送した。
民放ラジオによる地方大会の中継
県域民放テレビ局の無い茨城県ではAM局のLuckyFM茨城放送 が中継を行っている。下記「バーチャル高校野球」内での中継配信ではラジオの実況音声そのままのものに独自の映像を付けた上で配信している。
県域民放AM局の無い群馬県ではFM局のFMぐんま が中継を行っている。
かつてはテレビ朝日と関係を持っていた文化放送 が東西東京・神奈川・千葉・埼玉県大会の決勝戦を中継していた時期がある。
BSSラジオ は民放テレビ局で放送されない鳥取大会を中継している(テレビは島根大会を担当。本社は鳥取県米子市にある)。
県域民放テレビ局での中継がない佐賀県ではAM局のNBCラジオ佐賀 が決勝のみ中継を行っていた。
沖縄県では琉球放送 (RBCiラジオ)・ラジオ沖縄 のAM2局が平行して決勝戦の中継を行っている。
ケーブルテレビでの中継
一部のケーブルテレビ でも、都道府県大会(主に放送エリア内の球場・学校の試合)を中継しており、近年は地域密着を掲げるケーブルテレビのコンテンツのひとつとなっている。また一部の地域では実況に地元民放局のアナウンサーを起用する場合がある。
インターネット中継
2014年は朝日新聞デジタルの高校野球サイト内で、2015年は「バーチャル高校野球」サイト内で一部地域の地方大会決勝戦(民間放送の中継、一部地域で準決勝も含む)を配信する[ 17] 。2017年は地方大会の決勝が全て配信されるようになった[ 18] 。さらに同年から一部地域では1回戦から開催全球場の全試合、テレビ中継が行われる球場の1回戦からの試合を配信する[ 19] 。その一方で試合中継のタイムシフト動画は廃止され、決勝戦のダイジェストと最後の1球の配信のみとなった。その後2022年まではタイムシフト動画は有料配信となり、ダイジェスト動画は準決勝・決勝のみだったが、2023年はタイムシフト動画は無料となり、ダイジェスト動画は準々決勝から決勝までに拡大した。
インターネット中継担当局は原則地上波中継の制作局が行うが、地上波では中継がない、またはテレビ朝日系列局以外の局が中継をする県の場合、配信は別途各地域のケーブルテレビ 局が行う場合がある。
テレビ朝日系列局の一部では中継の同時配信や、中継が中断する時間帯の配信を行う。
脚注
注釈
^ 一般的には「予選」とされることが多く、主要紙以外のメディア(大会主催の朝日新聞系列社のものを含む)[ 1] [ 2] [ 3] や選手・関係者[ 4] [ 5] の間でも「予選」という呼称が用いられているが、
朝日新聞の記事や同紙関係者、高校野球を取材するスポーツライターは地方大会は日本高野連ではなく各都道府県高野連の主催であることなどから、独立した大会であり、予選ではないとしている
[ 6]
[ 7]
[ 8]
[ 9] 。一方で夏の大会と対になる春の選抜大会 の大会要項では特色として「予選を持たない」ことが挙げられており[ 10] 、必然的に他の大会には予選が存在すること、すなわち日本高野連が地方大会を事実上の選手権大会予選として扱っていることがうかがえる。
^ 空知支部は北北海道所属で旭川放送局 の担当だが、札幌放送局でも中継の合間に経過を伝えている。
^ 但し、秋季北海道・東北・関東(2019年)・東海・近畿・中国・四国・九州の各地区大会は配信
^ ANNの一般番組供給部門には参加していない。
^ 2017年の第99回までは、2018年4月1日の認定放送持株会社移行にともなう商号変更並びに分社化前のため、朝日放送 。
^ 本来の系列局であるテレビ宮崎 はFNN /FNS 主体でNNN ・ANN とのクロスネット局で、NNNはNNS 、ANNは一般番組供給部門には参加していないため。
^ 茨城、埼玉、千葉、東東京、神奈川は、他社も含めた共同制作
出典
1910年代 1920年代 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 地方大会 地方別成績 楽曲 関連項目
1942年から1945年は中断。取り消し線は開催中止。