太陽は動かない
『太陽は動かない』(たいようはうごかない)は、吉田修一による日本の小説。「AN通信エージェント・鷹野一彦」シリーズの第1作で、『森は知っている』、『ウォーターゲーム』とあわせて三部作となる。 幻冬舎の『PONTOON』において、2011年5月号から2012年1月号まで連載。2012年4月23日に単行本[1]、2014年8月5日に幻冬舎文庫が刊行された[2]。 産業スパイ組織「AN通信」の2人の日本人諜報員が、次世代エネルギー開発の機密情報を巡って、他国のエージェントや絶対的権力者達との頭脳戦に身を投じていくさまを描く。 2020年に原作者である吉田修一の監修によるオリジナルストーリーがWOWOWでテレビドラマ化[3][4]。2021年には、本作とシリーズ第2作『森は知っている』を原作とする映画が公開された[5]。 あらすじ「AN通信」、表向きはニュースのネット配信を行う通信社である。しかし、裏では機密情報を高値で売り買いする産業スパイのような組織だった。鷹野一彦とその相棒・田岡亮一は、AN通信の諜報員として過酷な日々を送っていた。 ベトナムのホーチミンの病院で、銃撃事件が発生する。数時間後、大型ホテルで旧正月を祝うパーティーが行われていた。客の中には鷹野と田岡、韓国人諜報員のデイビッド・キム、香港トラスト銀行頭取のアンディ・黄と連れの女性・AYAKOの姿があった。パーティーの中でベトナム政府から南シナ海で新油田が見つかったことが発表される。しかし、なぜか油田に関心があるはずの中国の国営総合エネルギー企業・CNOXはパーティーに参加していない。アンディ・黄も今回の油田計画には関わらないという。鷹野は両者の本当の狙いを探っていた。 鷹野は銃撃事件で撃たれた日本人男性を調べていくうちに、ウイグル過激派によるスタジアム爆破の計画の情報を得る。そんな中、田岡が何者かに拉致されてしまう。AN通信の諜報員たちには、心臓に近い部分に爆破装置入りのカプセルが埋め込まれている。一定期間連絡が取れない場合は外部に情報を漏らす危険性があると判断され、遠隔操作で起爆装置が作動し、消される運命にあった。 登場人物
書誌情報
映画
当初は2020年5月15日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2021年3月5日に延期された[8][9][10]。 監督は羽住英一郎、主演は藤原竜也[11]。現在の鷹野のエピソードは原作シリーズ第1作『太陽は動かない』、高校時代の鷹野のエピソードは原作シリーズ第2作『森は知っている』を基にしている。 ブルガリアで約1か月に及ぶロケが実施され[12]、大統領官邸前の都市中心部の道路を封鎖してのカーチェイスシーンの撮影や[13]、映画の撮影で初めて使用されるアレクサンドル・ネフスキー大聖堂での撮影[3]、列車を貸し切って[12]ソフィアセントラルステーションから往復400km走らせながらの撮影が行われた[14]。 なお、ワーナー・ブラザース映画の旧シールドロゴ映像が見られるのは、本作が最後となった。 キャスト(映画)
スタッフ(映画)
関連商品(映画)
テレビドラマ
『太陽は動かない -THE ECLIPSE-』(たいようはうごかない ジ エクリプス)のタイトルで、2020年5月24日から6月28日までWOWOW「連続ドラマW」において放送された[18]。原作者である吉田修一によるストーリー原案を基にしたオリジナルストーリーで、映画版の前日譚となる[19]。副題の『THE ECLIPSE』は「日食」を意味する[19]。 キャスト(テレビドラマ)
スタッフ(テレビドラマ)放送日
関連商品(テレビドラマ)
脚注
外部リンク
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