松屋フーズ
株式会社松屋フーズ(まつやフーズ、英称:Matsuya Foods Company, Limited)は、牛めし(牛丼)・カレー・定食などを販売する「松屋」などの飲食店をチェーン展開する企業。2018年(平成30年)から持株会社制へ移行した。本項では持株会社である株式会社松屋フーズホールディングスについても述べる。 また本項では主に、松屋フーズの主要業態である牛めしチェーン「松屋」について記述する。 概要創業者の瓦葺利夫が、1966年(昭和41年)に東京都練馬区羽沢の住宅街に「中華飯店 松屋」を開業したのが始まりである[4][5]。なお、この店は1969年(昭和44年)に閉店した。 この店がなかなか軌道に乗らなかったこと、商店街で商売を試してみたかったこと、専門誌で紹介されていた「なんどき屋」の「ぶっかけ」という牛丼に衝撃を受けたこと、そしてすでに牛丼のチェーン販売をしていた吉野家の味に感銘を受けたことなどにより、瓦葺は牛丼の研究を重ねて独自の味を完成させた[6]。 そして1968年(昭和43年)6月[7]、東京都練馬区栄町(江古田駅北口)に、牛めし・焼肉定食店「松屋」1号店として[7][8]松屋江古田店を開店[7]。この店舗は現存しており[9]、店内には「松屋1号店 江古田店 松屋の歴史はここから始まった」と書かれた掲示と[7]、松屋の歴史を解説したパネルが展示されている[7]。 同業の他社チェーンと比較し、牛めし以外のカレーライスや定食などの比率が高いのが特徴である。これは1号店の江古田店近辺が、大学などが多い学生街で昼間は学生で賑わい、ベッドタウンでもあることから夜は独身サラリーマンが帰ってくるという当時の土地柄を考慮し、学生層向けの牛めしだけではなく独身サラリーマン層向けに定食を提供するスタイルを採用したことによる[7]。「牛めし」「定食」「カレー」の三本柱でメニューを構成し、その後の展開においてもこの方針を維持している[10]。 企業スローガンは「みんなの食卓でありたい」[11]。 2018年(平成30年)10月1日付で持株会社制へ移行し、株式会社松屋フーズ(初代)は株式会社松屋フーズホールディングスへ商号変更され、松屋・松のやなどの事業は会社分割で設立された株式会社松屋フーズ(2代)が継承した[12]。 出店状況2025年(令和7年)6月現在の松屋の国内店舗数は、1,121店舗[13][注釈 1]。店舗数においてすき家、吉野家に次ぐ国内3位の牛丼チェーンである[14]。 2025年6月時点の未出店地域は鳥取県、島根県である。松屋フーズホールディングスの公式サイト「物件情報募集」では、鳥取県、島根県県内の物件も募集している[15]。近年では、2020年に大分県[16]、2021年に秋田県[17]と鹿児島県[注釈 2][18]、青森県[注釈 3][19]、2022年に宮崎県[注釈 3][20]、2023年に高知県[注釈 3][21]にそれぞれ初出店した。また、一旦撤退した地域では、2023年に佐賀県(9年ぶり)[注釈 3][22]、2025年に長崎県(11年ぶり)[注釈 3]に再出店した[23]。 2015年(平成27年)頃より松屋の出店数がほぼ横ばいとなっているのに対し、第二の主力業態としてとんかつ専門店である松のやの出店を加速させている[24]。低価格のとんかつ店チェーンは他にかつや(アークランドサービス)がある程度で競合が少ないことに加え、既存の松屋店舗の近所に好条件の物件が見つかった際に「同じブランドの店舗は出しにくい」という事情もあるという[24]。沖縄県では先に松のやを出店させ、定着したところで後に松屋を出店している。現在は松屋・松のやを中心に、一店舗で複数ブランドを提供する複合店も積極的に出店している[25]。 海外では、中国(上海市、広東省、山東省、香港)、台湾(台北市、新北市)、モンゴル(ウランバートル)、ベトナム(ホーチミン)にて松屋・松のやを営業している[26]。かつては米国・ニューヨークにMatsuya Foods USA,Inc.を設立し出店していた(2023年<令和5年>に法人を清算[27])ほか、2019年(令和元年)にはロシア・モスクワでも半年ほどフランチャイズ運営の松屋を営業していた[28][29]。 ロゴマーク開業当初のロゴマークは、松屋の二字をつなげたものだった。また、筆文字で「牛めし」と書かれた看板・貼紙が掲げられていた。これらは、現在は先述の江古田店の外壁に掲示されている。 後に会社の発展に伴い、デザイナーのサイトウマコトに依頼し、松屋の理念である「みんなの食卓でありたい」をモチーフとした現行のロゴマークが制定された(1997年<平成9年>に商標登録[30])。オレンジ・黄色・青の3色で登る太陽と企業の成長を象徴するものとし、松屋のロゴタイプには遊び心を加え親しみやすさを持たせた[31]。また、オレンジの丸は「お盆」、その内側にある青と黄色の丸はそれぞれ「牛めし」と「味噌汁」を意味しており、丼・カレーに必ず無料で味噌汁が付くという松屋の特色も表している[4][32]。なお、青と黄色の丸の右側には、それぞれ灰色の三日月形の模様が描かれているが、松屋フーズの広報担当者によれば「丸の立体感を出すための影みたいなものかもしれないが、なぜそうなっているかは社内にも情報が残っていない」としている[33]。 公式キャラクターもあり、初代は社員の家族が考えた丼を持っている牛(通称:牛ちゃん)だった[34]。2016年(平成28年)より、現行の公式キャラクター(5代目)である「マッキー&ヤッキー」が登場している[35]。 沿革
メニュー![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 先述のように、松屋では一般的な店で言うところの牛丼を牛めしと称している。また、豚丼を豚めし、あいがけをカレギュウ、サラダを生野菜と呼ぶ。 日本にて牛肉の輸入が自由化された後、松屋のメニューを牛めしに特化することも模索されたが、当時既に牛丼といえば吉野家というブランドイメージが出来上がっていた状況の中で、松屋が牛めしに特化しても良い結果を出すのは難しく、慣れている三本柱メニューでマーケットに訴えた方が良いということで却下された[10]。 新メニューは上層部も関わって随時開発する方針を採っており、需要の低いメニューは終了して入れ替え、需要の高い既存メニューも適時改良している[6][10]。牛めしのたれについても、上層部の指示により日々改良が加えられており、販売に至ったものだけでも30数回以上のマイナーチェンジが行われている[65]。 創業以来の松屋ならではのこだわりとして、店内で食べる場合は、原則としてカレー等にまで無料で麹入りの味噌汁が付く[注釈 5][4][32]。また、差額料金を払うことにより豚汁への変更が可能となっている。一方で、持ち帰りの場合は味噌汁は別売り(有料)となっている。そのため、豚汁については、かつて店内飲食と持ち帰る場合で値段が異なっていたが、現在は同一価格となっている。なお、味噌汁と豚汁は単品でも有料での注文が可能である。味噌は合わせ味噌を用いており、中京圏では地域性を反映して試験的に赤だしを提供していた時期があるが、顧客の要望により現在は他地域と同じ合わせ味噌になっている[67]。 2014年7月22日より2021年9月28日まで、関東の1都4県[注釈 6]の大半の店舗を中心に近畿圏・名古屋市などの一部店舗で「プレミアム牛めし」と称する牛めしを販売していた[51]。従来の牛めしより価格を90円 - 130円高くし、従来の牛めしは冷凍牛肉を使用していたのに対しチルド牛肉を使用するなど高級路線に走った。一方で「プレミアム牛めし」販売店では従来の牛めしは販売終了したため「実質的な値上げ」との評価もあった[68]。 カレーについては、2019年頃から度々リニューアルを行っている。2019年12月に「オリジナルカレー」から「創業ビーフカレー」へリニューアルした際には、先んじてTwitter(現X)の公式アカウントにて「『オリジナルカレー』順次全店終売」とカレー商品の販売自体を終了するかの如く利用客を誤解させるような告知を行ったため[69][70]、SNS上で炎上商法ではないかとの批判や指摘の声が挙がった[71][72]。2023年1月には「松屋ビーフカレー」[73]、2024年7月には「オリジナルチキンカレー」にリニューアルされ[74]、2024年10月からは「オリジナルカレー」が復活した[75]。2025年6月からは限定復活として「創業ビーフカレー」を[76]、同月下旬からは「欧風牛タンカレー」を販売[77]。同年8月からは「欧風牛タンカレー」の牛タンを抜いたものを「プレーンカレー」として販売している[78]。 2020年1月より、ジョージアの郷土料理を再現した「シュクメルリ鍋定食」をはじめ、世界各国の郷土料理を「ご飯に合う」ように松屋流にアレンジした「世界の味」シリーズを展開し、期間限定メニューとして販売している。「シュクメルリ鍋定食」は4週間で90万食を売上げる大ヒット商品となり[79]、各国の大使館から郷土料理のメニュー導入を松屋に呼びかけられている状況だという[80]。 2025年1月には、四川料理の水煮肉片を再現した「水煮牛肉 ~四川風牛肉唐辛子煮込み~」を販売し、チェーン店の定食では非常に珍しい激辛メニューとして大きな話題を呼んだ[81][82]。 牛めしを中心とした安価なメニューと、「世界の味」シリーズなどの、時に1000円を超える期間限定メニューの二極化により、客単価の増加を図っている[83]。 主なメニュー→詳細は松屋公式サイト「メニュー」参照
公式サイトでは、提供される商品が以下のように分類されている。
上記のメニュー以外にも、6月から8月にかけてはうな丼、うなぎ牛めしなどの「うなぎ」の項目が設けられる[89]ほか、一部外販弁当実施店舗などは独自のオリジナルメニューを導入している。 カウンターや客席には、紅しょうがのほか、醤油、七味唐辛子、ドレッシング(フレンチ・ごま)、焼肉のたれ(ポン酢・バーベキュー・甘口)が設置されている[90]。松のやとの併設店舗では、とんかつやフライ用のソース (中濃・特製)も設置されている。 個食パック個食パックとして、松屋の商品を冷凍食品化またはレトルト食品化したものが販売されている。持ち帰りや電話注文、インターネットの通信販売で購入可能。一部のスーパーマーケットなどの店頭でも取り扱いがある。 牛めし、オリジナルカレーなどの定番商品のほか、現在は店頭販売されていない豚めし、ライスバーガーなど、個食パック専用の商品もある。 食材吉野家との関係松屋の店舗が江古田のみだった黎明期、吉野家と肉などの材料の卸を共有していた時期がある。これは瓦葺社長が偶然立ち寄った吉野家の味に感激し、研究も兼ねて通い詰めるようになった結果、吉野家のスタッフと顔見知りになったことによる。当時の吉野家は築地の1店舗のみを経営していたが、新橋に2号店を出す際に瓦葺を役員として誘ったものの、瓦葺は「畏れ多い」として丁重に辞退。これを期に独自の味を探求するようになった。 米国産牛肉禁止による影響2004年(平成16年)2月4日からBSE問題により米国産牛肉の輸入が禁止された際も、牛めし以外の比率が高かったことと、新メニューとして開発していた「豚めし」が日本でBSEが発覚した日に完成したという奇遇も追い風になり、主要チェーンでは最も遅い2004年2月14日まで牛めしを販売していた[注釈 10]。その後は中国産の牛肉を使用した牛めしで販売復活を果たし[43]、オーストラリア産とメキシコ産の牛肉をブレンドしたものを経て、米国産牛肉による牛めしを再度販売している。なお、豚めしの豚肉はデンマーク産である。 なお松屋では主要メニューの原産地情報を公開しているが、公開していないメニューもある[92]。 接客・サービス
![]() ![]() ![]() 長らくは、ほぼすべての店舗で、店員が客への水・お茶の提供や食券の受け取りを行い、食事を客席に運ぶ対面接客を行っていた。 1991年(平成3年)8月に、セルフサービス型店舗の1号店として松屋上尾店(埼玉県上尾市)を開店[93]。2010年(平成22年)には、武蔵小金井(東京都小金井市)および南阿佐ヶ谷(東京都杉並区)にて、「MATSUYA for yourself」の店名でセルフサービスを導入した店舗を開店した(いずれも現在は閉店)[94][95][96]。利用客は購入した食券をサービスカウンターに提出し、水・お茶の給水も自分で行った。その後、モニター(カウンター近くなどに設置)およびアナウンスで食券番号の呼び出しがあるとカウンターまで食事を受け取りに行き、食事後は食器返却口に食器を返す方式だった。MATSUYA for yourselfには、通常の松屋にはないドリンクバーやサラダバーも設置されていた。 2018年(平成30年)頃から、本格的にセルフサービスの店舗が増加している[97][98]。食券購入から食器返却まではMATSUYA for yourselfと同じ方式だが、食券のカウンターへの提出は不要となっている。 自動券売機食事の注文は、店員に直接注文せず、店入り口の近くにある自動券売機で食券を購入するシステムを採用している。現金を直接触らないように考えていることが理由で、強盗対策にも一役買っている。ただし、厨房内にもレジを設けており、店内で直接店員に申し出て代金を支払い追加注文することは可能である。また、後述する「松弁ネット」の場合は自動券売機が使えないため、クレジットカード決済や電子決済をしない場合はレジでの現金の支払いが必要である。 ほぼすべての店舗で交通系ICカードに対応した自動券売機を導入している。2007年(平成19年)9月よりSuicaショッピングサービスを松屋三鷹店などにて先行導入、2008年(平成20年)5月より東京都のJR中央線沿いの36店舗などで導入、2009年(平成21年)4月よりJR東日本の営業エリアにある松屋237店舗に導入[99]と導入店舗を拡大している。また、2009年6月よりJR西日本の営業エリアにある松屋52店舗にICOCA電子マネーを導入した。ほかに九州地区の店舗ではSUGOCAに[100]、北海道地区の一部店舗ではKitacaに、東海地区の一部店舗ではTOICAに対応している。これらの店舗では交通系ICカード全国相互利用サービスにより、Kitaca・Suica・PASMO・TOICA・manaca・ICOCA・SUGOCA・nimoca・はやかけんが相互利用可能である。 当初の自動券売機は押しボタン式であったが、2015年(平成27年)以降、タッチパネル式・QRコード読取対応型自動券売機(交通系ICカード対応)に置き換えられた。これにより、ほぼすべてのメニューが券売機で購入できるようになった。しかし、タッチパネルに置き換えたことで券売機が使いにくくなる問題が生じたため、2017年(平成29年)6月21日にQRコードの読取機を活用した「松券セレクト」が導入された。「松券セレクト」は事前にパソコンやスマホで食べたいメニューを決めておき、スマホや紙に表示させたQRコードを券売機の読取機にかざすことで簡単に食券を買うことができるサービスである[101](2022年<令和4年>11月30日にサービス終了[102])。このQRコードの読み取り機を利用して、2019年(平成31年)2月19日からQRコード決済を導入し、PayPay、LINE Pay[注釈 11]、楽天ペイ、微信支付、支付宝に対応している[104]。現在は、d払い、J-Coin Pay、メルペイ、QUOカードPay、ゆうちょPay、AEON Pay、Smart Codeや、支付宝とパートナーを結ぶ各種電子決済も利用できる[105]。 券売機を2台以上設置している店舗では、最低1台は交通系電子マネーと高額紙幣の利用が可能である。入口が複数あり各入口ごとに1台ずつ券売機を設置している場合は、すべての券売機で交通系電子マネーと高額紙幣の利用が可能である。 タッチパネル式の自動券売機は、メニューの選びづらさなどで利用客からの不評を買っていたが、2025年(令和7年)頃からユーザインタフェースを改善した券売機が順次取り入れられている[106]。 優待券・クーポン券一定数以上を保有している株主を対象に贈呈される株主優待券は、他の牛丼チェーンが300円分などの金額式の優待であるのに対し、松屋フーズは1食分の食事券タイプの優待制度となっている。ただしライス特盛、W定食、ラージ定食は差額の精算が必要となるほか、一部の高額メニューは注文できない[107]。 時折、キャンペーンとして、有効期間内であれば何度でも使用な「定期券」と称した値引きクーポン券や[108]、メインメニューの注文時にポテトサラダやキムチなどの小鉢(選択可能)を1品追加してもらえる「無料サービス券」など、紙のクーポン券を利用客に配布している。 かつては、ジェフグルメカードの利用が可能だったが、2016年(平成28年)12月31日をもって同カードの取り扱いを終了した。 デリバリー2017年(平成29年)9月11日より、デリバリー(弁当宅配)サービスを開始。当初は一部地域での導入で、楽天デリバリーと提携していた[109]。現在はデリバリーサービスの導入地域を拡げ、出前館、Uber Eats(2018年3月提携開始[110])と提携している[111]。 2020年(令和2年)、自社[注釈 12]によるデリバリーサービス「松弁デリバリー」を、試験的に一部地域にて開始。2021年7月(令和3年)より、公式アプリで「松弁デリバリー」を利用できるようになった[112]。順次、サービスを全国展開し、2025年(令和7年)4月より後述の「松弁ネット」導入店舗のほぼ全店で配達が可能となっている[113]。 出張販売オフィスへでの利用を想定した自動販売機の設置・管理や[114]、イベント会場へのキッチンカー「サンライズ号」の派遣、スタッフ弁当の提供を請け負っている[115]。キッチンカーは、松屋の未出店地域(島根県、鳥取県)への出張販売や[116]、地震などの被災地への炊き出し支援も行っている[117]。 公式アプリ・松弁ネット2006年(平成18年)、公式モバイルサイト(携帯電話向け、後にiPhone、Androidにも対応)を開設[注釈 13]。会員登録(入会金・年会費無料)をすると、メニューの閲覧、店舗検索、各種コンテンツのダウンロードのほか、会員限定メニューや、クーポン発行などの各種割引サービスを受けられた[119]。サービスは24時間利用が可能。携帯会員限定メニューには、過去に公式メニューとなっていた「牛焼カレー」があった。 2011年(平成23年)5月、iPhone、Android対応の公式アプリを配信開始[120]。当初は松屋のみでしか利用できなかったが、2020年(令和2年)にリニューアルし、松のや・マイカリー食堂など松屋フーズホールディングスの各種ブランドでも利用できるようになった[121]。 公式モバイルサイトや公式アプリで発行されるクーポンは、当初は自動券売機では利用できず、モバイル端末の画面に表示されるクーポン(1画面で最大2名まで利用可、テイクアウト可)を従業員に提示し、直接従業員に現金を手渡して厨房内のレジで精算する方式だったため、クーポンと交通系電子マネーの併用は不可だった。QRコード対応の新型券売機では、券売機にクーポンのQRコードをかざし、値引き価格が適用された食券を買う方式に変更されたため、クーポンと交通系電子マネーの併用が可能になった。 2016年(平成28年)4月、ネット経由で持ち帰り弁当の事前予約が可能な「松弁ネット」のサービスを開始[122]。公式サイトや公式アプリを利用することで、予約注文から最短15分で弁当の持ち帰りが可能なほか、注文額に応じたポイント還元も行っている。 2020年8月、店内飲食・持ち帰りの両方で自動券売機を使わずに公式アプリから注文でき、クレジットカード決済が可能な「松屋モバイルオーダー」のサービスを開始。それに伴い「松弁ネット」もクレジットカード決済に対応した[123]。2020年10月には「松弁ネット」でPayPay決済が利用可能になり[124]、2021年(令和3年)2月からは「松屋モバイルオーダー」「松弁デリバリー」もPayPay決済、およびLine Pay決済[注釈 11]に対応した[125][126]。現在は、これらのサービスにてその他の電子決済も利用できる[127]。 2022年(令和4年)2月、「松弁ネット」を公式アプリから利用する客が多いことから、公式アプリをリニューアルし、注文のしやすさを見直した[128]。また、「松弁ネット」「松屋モバイルオーダー」「松弁デリバリー」は前月の利用額に応じた会員のランク制が設けられ、ランクによってポイントの還元率が変わり、プラチナ会員になると12%のポイント還元(「松屋モバイルオーダー」は5%)を受けられるようになった[129]。なお、公式サイトには記載が無いが、プラチナ会員よりも利用額が多い客向けのブラック会員(ポイント還元率20%、「松屋モバイルオーダー」は10%)のランクが存在している。 店舗例松屋(牛めし)以外の直営店![]() ![]() ![]() ![]() とんかつ事業
カレー事業
寿司事業ラーメン事業
その他の事業
撤退した事業
店内放送基本的には各店舗ごとに設定された有線放送を流しているが、1時間に2回ほど「松屋エンタメセレクション」として、新曲やアニメの主題歌などを放送[153]。曲目は約半月ごとに変更される。ナレーションは園崎未恵が務める[153]。 2022年2月からは、同じく園崎がナビゲーターを務める「美味しさ"まる見え"チャンネル」が開始された。松屋の期間限定商品・お薦め商品や、利用客から寄せられたメッセージ・リクエスト曲を紹介する[154][155]。 CM2006年(平成18年)8月 - 9月に、TOKYO FMをはじめとするJFN系列各局にて同社のスポンサーによる時報CMが平日夜8時、夜10時、深夜0時、深夜2時の4回流されていた。これは、松屋未出店地域の系列局でも放送された。また、過去にはTBSラジオのプロ野球中継番組『エキサイトベースボール』や、フジテレビ系列のバラエティ番組『クイズ!ヘキサゴンII』、テレビ朝日系列の報道番組『報道ステーション SUNDAY』の番組スポンサーとなっていた。 2021年11月には、2011年以来10年ぶりとなるテレビCMを放映[156]。俳優の松平健が自身のヒット曲である『マツケンサンバII』の替え歌「マツベンサンバ」に乗せて、スマホでオーダーして店舗で受け取る「松弁」をPRした。 ブランドムービー・ソング2024年(令和6年)6月、松屋フーズ創業58周年を記念して、頑張る人を応援するオリジナルブランドムービー「明日へ、がっつけ」を、特設サイト及び公式YouTubeにて公開[157][注釈 17]。松屋の価値を「頑張る人を応援する最強のエネルギー源」と定義し、もっと身近な存在として感じてほしいという想いから、トレンドのアニメーションMVの形で、ブランドムービーを制作した[158]。同年6月19日よりムービーに使用しているオリジナル楽曲『ガッツポーズ』の店内放送を開始。楽曲は、音楽グループ「ベリーグッドマン」が松屋フーズのために書き下ろした新曲[158]。 2025年(令和7年)6月、松屋フーズ創業創業59周年を記念して、頑張る人を応援するオリジナルブランドソング『特別じゃない特別』を、特設サイト及び公式YouTubeにて公開。「頑張る人の毎日に寄り添う」をテーマに多くの客に松屋を知ってもらい、もっと身近な存在として感じてほしいという想いから、若い世代に話題のシンガーソングライター・心愛 -KOKONA-に楽曲制作を依頼した。同年6月19日より『特別じゃない特別』の店内放送を開始[159][160]。 松屋が登場する作品PlayStation 2のゲームソフト『龍が如く2』にて、ゲームの舞台である神室町に松屋(架空店舗、モデルは松屋新宿歌舞伎町店)が登場し、主人公が牛めし等任意のメニューを飲食することにより体力が回復する[161]。なお『龍が如く3[161]』『龍が如く4[162]』『龍が如く5』『クロヒョウ 龍が如く新章』『龍が如く OF THE END[163]』でも同様に登場する。『龍が如く4』では正式に松屋とのタイアップが組まれ、実在の松屋の店舗やWebサイトでレトルトカレー『松屋×龍が如くオリジナルカレー』が数量限定で販売された[164]。前述の作品以外のシリーズ作では「赤牛丸」というオリジナルの牛丼店となっており、メニューの呼称も松屋では「牛めし」、赤牛丸では「牛丼」と区別されている。 不祥事2004年(平成16年)9月12日、東京都足立区の北千住駅西口にある松屋北千住店の店長(当時26歳)が、日常的にクレームを付けていた会社員(当時36歳)を刺殺する事件が発生[165]。元店長は警視庁に殺人罪で逮捕・起訴された後、東京地方裁判所により懲役10年の判決が言い渡され、刑が確定した。 利用客からの過度のクレームや理不尽な要求などのカスタマーハラスメントに対しては、2024年(令和6年)9月4日に従業員が心身ともに安心して働ける職場環境を守る事を目的として「カスタマーハラスメントに対する方針」を策定した[166]。 関連項目
脚注注釈
出典
外部リンク |
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