池田町 (福井県)
![]() ![]() 池田町(いけだちょう)は、福井県嶺北地方にある町。足羽川最上流部の岐阜県との県境に位置する小盆地の町である[1]。同町のみで今立郡を構成する。 内陸の山間部にあり、町域の約9割は森林で、福井県でも有数の豪雪地帯という山間僻地である[2][3]。 地理主な居住域は、周囲を山で囲まれた海抜150〜250m程度の場所に若干広がっている谷間。日本有数の豪雪地帯であり、町全域が特別豪雪地帯の指定を受けている。
隣接している自治体以下の6市町と隣接している。
このうち、鯖江市と接しているのは福井市・越前市を含む4市町境となっている山頂1点のみ。また、南越前町・大野市と接続する道路はいずれも冬季閉鎖となる。 人口
過疎地域自立促進特別措置法2条1項により過疎市町村に指定されている。2015年国勢調査において北陸地方3県(新潟県を含まず)では、唯一の村である富山県中新川郡舟橋村を下回り、人口最少の市町村となっている。 2024年、民間の有識者らで作る人口戦略会議は、各市町村における2020年から30年間の女性人口減少率を予想。池田町では、20歳から39歳の女性が72.0%減少する(福井県下で最大値)とし、将来的に消滅する可能性が高い「消滅可能性自治体」であることを発表した[4]。 健康
歴史沿革行政
姉妹都市・提携都市
1985年(昭和60年)から2005年(平成17年)までの間、上記7市町の持ち回りで毎年1回の「全国池田サミット」が開かれていた。 町職員間の結婚に伴う退職慣行1993年から、町職員同士が結婚した場合、夫婦どちらかに退職を促す慣習があり、憲法違反のおそれがあると指摘された[6][7][8]。この慣習は、採用時に説明されない「暗黙のルール」であり、2020年までに3組ほどの夫婦が対象になったが[9]、いずれも女性職員が辞めたとされている[10][11]。一方、2020年以降は退職勧奨が1度あったが、実際には退職しなかったという[12]。2020年8月の町議会で問題が取り上げられ、町の職員組合も撤廃の要望書を出しているが、町側は「職員の高い給与水準を批判する町民感情」「人事ローテーションの制約」「過去に退職した人がいるので、今更やめたら不公平」などを理由に「撤廃する予定はない」と回答している[9][13]。2024年3月の町議会で質問が挙がった際、副町長の溝口淳は「人事配置上の制約がある」などと述べ、今後も継続することが改めて示されている[12][10][11]。 移住希望者向け「七か条」2023年初時点の人口は約2300人で30年でほぼ半減し、高齢化率は45%と全国平均(29%)を上回る[2]。多くの自治体と同様に移住者を誘致しており、年20~30人程度が町外からやって来る[2][14]。雪かきや草刈りなどの共同作業に移住者が参加したがらないといった声が元からの住民にあり、33集落の区長会が『池田暮らしの七か条』を定め、2023年1月の町広報誌やウェブページに掲載した[2][15][16]。集落の一員という自覚が望まれること、地域行事が多く都市にはなかった面倒さ、プライバシーが無いと感じるほどのお節介さがあることを説明し、移住当初はどんな人で、なぜ池田町へ来たかなど「品定めされることは自然」であり、「都会風を吹かさないよう心掛けてください」などと注意喚起する内容である[14]。これが報じられるとインターネット上では、「排他性の極み」「上から目線」といった批判が相次ぎ、移住してきた町民でも不快感や恐怖を覚えたという意見が出た[17][2][14][18]。 これに対して町役場は、「意図が伝わるようにすべきだった」としつつ、景観や伝統文化は濃いコミュニティーの努力で守られてきたことを知ってもらい、移住後に「知らない」「聞いていない」となる事態を避けるための心得として作成したもので、文面は変えず[18]、さらに集落ごとの慣習をまとめた冊子を作成してよく説明していくと取材に答えている[2][14]。農村研究や移住支援の専門家からも、表現に工夫の余地があるとしつつ、ミスマッチやトラブルを避けるために、一見マイナス面に思える情報も率直に発信することは意義があるという評価・コメントが出ている[2][14]。 町内の各地区は移住者を含めた相互扶助の役割も担っているほか、町議会選挙においては「組織票」として機能する面もあり、立候補に際しては地区内で事前に了解を得ることが有利とされる[19]。 経済産業農業町全体で有機栽培への取り組みが進んでおり、日本農林規格(JAS)の有機認証ではなく、池田町独自の認証制度「ゆうきげんき正直農業」を作り、化学肥料なし、農薬も可能な限り使わない米や野菜づくりを行っている[20][21]。主体は米作りで、除草剤の量を制限した米は「うららの米」の名でブランド化され、家庭から出る生ゴミと池田牛の糞で作った堆肥は「土魂壌(どこんじょう)」の名で一般販売もされている[22]。毎朝収穫されたものの一部が福井市の大型商業施設に開いた同町のアンテナショップへ運ばれ直売、都市部の消費者の人気を呼んでいる。 商業2011年(平成23年)4月に唯一の観光物産店「こってコテいけだ」がオープンした[23]。 コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアは平成時代末期まで1軒もなかった[24][25]。2018年(平成30年)8月、町役場の西面向かいに福井県内資本のドラッグストアであるゲンキー池田稲荷店(現・池田町店)が開業した。 健康
教育![]() →「福井県小学校の廃校一覧 § 今立郡」、および「福井県高等学校の廃校一覧 § 今立郡」も参照
中学校小学校図書館交通池田町を鉄道路線は通っていない。公共交通機関のみを利用する場合は、北陸新幹線 福井駅や、ハピラインふくい線 武生駅など。鉄道駅からタクシーやレンタカー利用の場合は、北陸新幹線 越前たけふ駅がそれら常駐駅からの最短(町役場まで約18 km)となる。 バス・乗合タクシー路線いずれも本数は少ない。町内区間はバス停留所標識のない経路上でも乗降可能としている。
道路福井県の市町では唯一、高速道路や地域高規格道路の供用および整備計画がない。高速道路の最寄はE8北陸自動車道 武生IC(町役場まで約17 km)または 福井IC(同約26 km)である。 一般国道
都道府県道
通信・郵便電話町内の固定電話市外局番は、武生MA(単位料金区域)と同一の範囲を持つ0778で統一されており、以下の区域への通話は市外局番不要かつ市内通話料金が適用される。 なおNTT西日本による級局区分は、2級局である。 郵便番号
名所・旧跡・観光スポット
祭事・催事
出身有名人脚注
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