知るを楽しむ(しるをたのしむ)は、NHK教育テレビで2005年4月4日から2010年3月25日まで放送された生涯学習番組である。副音声解説放送を実施した。
概要
それまで放送してきた「NHK人間講座」の内容を一新し、毎日日替わりでジャンル・内容を決めて展開する。2009年度は略称だった「知る楽」(しるらく)が正式名称となった。2010年度に解消したが、テキスト発行の際に知楽遊学を使用する。
放送時間
- 初回放送:毎週月 - 木曜日 22:25 - 22:50
- 再放送:次週の月 - 木曜日 5:05 - 5:30
- 再々放送:1カ月後の火、水曜日深夜(水、木曜日未明)2:00 - 2:50
- 火曜日深夜は月・火曜日分、水曜日深夜は水・木曜日分を再放映した。但し2005年4月は火曜日 2:00 - 2:50と水曜日 2:00 - 2:25まではNHK人間講座を再放映した。また、毎年2回程度行われる放送機器メンテナンス実施期間中は1分遅れの2:01 - 2:50に放送するとともに、放送休止地域への配慮から金曜日深夜(土曜日未明)の1:35 - 3:15に4本分をまとめて放送した。なお、再々放送は10月をもって打ち切った(11月以後はETVライブラリーに変更)。
- 総合テレビアンコール放送:毎週木曜日 10:05 - 10:55(2回連続)
- 2005年10月3日より2009年3月18日までは毎週月‐金曜日 10:05 - 10:30。総合テレビのみ字幕放送あり。祝日、国会中継、高校野球、大リーグ中継日は休止した。
番組内容
- 月曜日:「探求この世界」
- 前シリーズの「この人・この世界」と同じく2ヶ月間を1シリーズ。
- 火曜日:「歴史は眠らない」
- 歴史の中でのあらゆる事象をさまざまな方向から捉えていく。
- 水曜日:「こだわり人物伝」
- 2008年度まで火曜日枠にあった「私のこだわり人物伝」をリニューアル。毎月ある1人の各界での著名人を取り上げ、その人の生き方に感銘を覚えた著名人がその人の思いについて講義する。
- 木曜日:「仕事学のすすめ」
- 毎月企業経営者、経済関係者を1人ずつ招き、トランスレーターといわれるインタビュアーがその人の経済哲学を大いに述べる。
- 過去のシリーズ
- 月曜日(2005年度 - 2008年度):「この人・この世界」
- 従来の人間講座と同じく2ヶ月間を1シリーズとし、各界の第一人者がその道を極めるまでの行程や、専門家ならではの視点からの評論を展開する。
- なお、月曜日が5週ある場合(2005年度は5月、8月、10月、2006年1月)は過去に放映された番組から再構成して放送する。
- 火曜日「私のこだわり人物伝」
- 各界の著名人に影響を与えたある人物にスポットを当て1ヶ月1シリーズでその人物に対するこだわり・情熱を語る。(2005年度 - 2008年度・2005年1月1日に正月スペシャルが19時から23時放映。この時は多重音声ではなくステレオ放送)
- 水曜日
- 「なんでも好奇心」(2005年度)
- 毎月国内外のある観光地にスポットを当てて、その街の歴史や観光スポットの紹介などを展開する。
- 「人生の歩き方」(2006年度 - 2008年度)
- 各界著名人の人生経験から学ぶトーク番組
- 木曜日
- 「日本語なるほど塾」(同上)
- 2004年度から放送を開始した番組をこのシリーズに移植。毎月日本語の研究に尽力する国語学者や作家らを講師に招き、日本語の文化について再発見する。司会:山根基世アナウンサー(2005年6月まで)、山本哲也アナウンサー(2005年7月 - )。
- 「歴史に好奇心」
- 2005年度に放映したなんでも好奇心の続編。あるモノ、文化の歴史をたどる。(2006年度 - 2008年度)レギュラー出演者として歴史探偵カーロック・ホームズ(柳家花緑)と助手のワトソン(林家きく姫)が登場。司会的役割を担当する(登場しないシリーズもあり)。
- テーマソング音楽:全曜日とも2008年度までは中村幸代、2009年度以降は窪田ミナが作曲・演奏を担当(曜日ごとに違った音楽が採用される)した。
放送リスト
月曜日
この人この世界
- 2005年4 - 5月:「個性がプロ野球を救う」佐々木信也
- 2005年6 - 7月:「日本一多くの木を植えた男」宮脇昭
- 2005年8 - 9月:「夢枕獏の奇想家列伝」夢枕獏
- 2005年10 - 11月:「わが"サル学"一代記」河合雅雄
- 2005年12月 - 2006年1月:「禁断の科学 軍事・遺伝子・コンピュータ」池内了(聞き手・山口勝)
- 2006年2 - 3月:「脳を鍛える」川島隆太
- 2006年4 - 5月:「日本のサッカーが世界一になる日」川淵三郎
- 2006年6 - 7月:「アフガニスタン・命の水を求めて(ある日本人医師の苦闘)」中村哲
- 2006年8 - 9月:「だから失敗は起こる」畑村洋太郎
- 2006年10 - 11月:「ギョッとする江戸の絵画」辻惟雄
- 2006年12月 - 2007年1月:「長寿の謎を解く」家森幸男
- 2007年2 - 3月:「アンコール遺跡 残された歴史のメッセージ」石澤良昭
- 2007年4 - 5月:「ほとけさまが教えてくれた 仏像の技と心」薮内左斗司
- 2007年6 - 7月:「日本語のカタチとココロ」金田一秀穂
- 2007年8 - 9月:「虫の目になりたい」栗林慧
- 2007年10 - 11月:「ニッポン近代化遺産 明治・大正・昭和 知られざる物語」清水慶一
- 2007年12月 - 2008年1月「長寿企業は日本にあり」野村進
- 2008年2 - 3月:「悲劇のロシア ドストエフスキーからショスタコーヴィチへ」亀山郁夫
- 2008年4 - 5月:「源氏物語の男君たち」瀬戸内寂聴
- 2008年6 - 7月:「オペラ偏愛主義」島田雅彦
- 2008年8 - 9月:「神になった日本人」小松和彦
- 2008年10 - 11月:「孟嘗君と戦国時代」宮城谷昌光
- 2008年12月 - 2009年1月:「ロボット未来世紀」浅田稔
- 2009年2 - 3月:「「顔」って何だろう?」馬場悠男
探究 この世界
- 2009年4 - 5月:「極付歌舞伎謎解(きわめつきかぶきのなぞとき)」松井今朝子
- 2009年6 - 7月:「鉄道から見えてくる日本」原武史
- 2009年8 - 9月:「不滅の歌謡曲」なかにし礼
- 2009年10 - 11月:「池澤夏樹の世界文学ワンダーランド」池澤夏樹
火曜日
私のこだわり人物伝
歴史は眠らない
水曜日
なんでも好奇心
人生の歩き方
- 2006年4月:「孤独という道連れ」岸惠子
- 2006年5月:「いのちのスープ」辰巳芳子
- 2006年6月:「ど真剣に生きる」稲盛和夫
- 2006年7月:「ダメな奴なんていない」萩本欽一
- 2006年8月:「キレイの美学」佐伯チズ
- 2006年9月:「中古美品?」赤瀬川原平
- 2006年10月:「死こそわが友」なかにし礼
- 2006年11月:「夜間中学校は僕らのふるさと」見城慶和
- 2006年12月:「まいにち ばらいろ」田辺聖子
- 2007年1月:「僕が居場所を見つけるまで」宮本亜門
- 2007年2月:「死ぬまで生き直せる」池田理代子
- 2007年3月:「わが仕事人生」新藤兼人
- 2007年4月:「人生は一度かぎり」都はるみ
- 2007年5月:「「挫折」が生んだノーベル賞」小柴昌俊
- 2007年6月:「男と女の旅路」加藤登紀子
- 2007年7月:「子どもの命みつめて」細谷亮太
- 2007年8月:「美味しゅうございます」岸朝子
- 2007年9月:「「雑草」がつかんだ日本一」春口廣
- 2007年10月:「常識との闘い」見城徹
- 2007年11月:「「なりゆき」を生きる」玄侑宗久
- 2007年12月:「こどもたちへの伝言」宮城まり子
- 2008年1月:「流転の歳月」宮本輝
- 2008年2月:「逆転の発想」野村克也
- 2008年3月:「戦場を撮る 人間を撮る」石川文洋
- 2008年4月:「一人では歩けなかった」仲代達矢
- 2008年5月:「顔がイノチ!」荒木経惟
- 2008年6月:「百歳まで生きるでしょう」水木しげる
- 2008年7月:「子どもの命みつめて」細谷亮太
- 2008年8月:「声なき声を聞く」澤地久枝
- 2008年9月:「生きものの豊かな田んぼ」岩澤信夫
- 2008年10月:「正義の味方はカッコ悪い!」やなせたかし
- 2008年11月:「「少年」の心得」横尾忠則
- 2008年12月:「“血”の咆哮」梁石日
- 2009年1月:「虚と実を生きる」三國連太郎
- 2009年2月:「私はあきらめへん」井村雅代
- 2009年3月:「人形が教えてくれた」辻村寿三郎
こだわり人物伝
木曜日
日本語なるほど塾
歴史に好奇心
仕事学のすすめ
- 2009年4月:「人心巻き込み力」 藤巻幸夫
- 2009年5月:「おもてなし販売論」 林文子
- 2009年6月:「わがドラッカー流経営論」 柳井正
- 2009年7月:「スピード突破力」 藤原和博
- 2009年8月:「働く女性 課題克服仕事論」 勝間和代
- 2009年9月:「“ワーク・ライフ”超両立論」 佐々木常夫
- 2009年10月:「国際支援流 危機乗り切り力」 木山啓子
- 2009年11月:「現場流 スーパー人事力」 新井良亮
- 2009年12月:「人を動かすデザイン力」 佐藤可士和
- 2010年3月:「誰にも負けない ものづくり術」 岡野雅行
番組連動雑誌
- 同番組では隔月刊で各曜日別のテキストをNHK出版協会から発行する(日本語なるほど塾は2004年度も月刊でテキストを出版していた)。
2010年度以降
- 2010年度
- 月曜日:極める!(2009年度の「探求この世界」の続編)
- 月曜日はこれまで2ヶ月1シリーズだったが、2010年度から全部1ヶ月1シリーズになる。
- 火曜日:歴史は眠らない(2009年度から継続)
- 水曜日:こだわり人物伝(同上)
- 木曜日:仕事学のすすめ(同上)
- 2011年度
- 極める!
- 月22:25 - 22:50、再放送月11:30 - 11:55
- さかのぼり日本史
- 火22:00 - 22:25、再放送火5:10 - 5:35、13:05 - 13:30
- 100分de名著
- 水22:00 - 22:25、再放送水5:35 - 6:00、11:30 - 11:35
- 仕事学のすすめ
- 水22:25 - 22:50、再放送水5:10 - 5:35、13:05 - 13:30
- 2012年度以降
極める!と仕事学のすすめは終了。さかのぼり日本史も終了したものの、歴史番組の系譜を継いで先人たちの底力 知恵泉となり、100分de名著とともに2024年時点でも放送されている。
脚注
外部リンク