1999年貴族院改革後における世襲貴族在籍議員一覧

1999年貴族院改革後における世襲貴族在籍議員一覧は、1999年の貴族院法制定以降も貴族院に引き続きその在籍が決まった世俗貴族を列挙したものである。

トニー・ブレア率いる労働党政府は貴族院改革の一環として、1999年貴族院法を制定した。同法の施行によって、紋章院総裁及び式部卿を含む92人の世襲貴族を除いて、すべての世襲貴族の議席が削除された。

同法可決前に、貴族院が認めた世襲貴族の所属の内訳は以下の通り^[1]。

• 2 労働党
• 42 保守党
• 3 自由民主党
• 28 クロスベンチ（中立派）
• 15 下院により選任された者
• 紋章院総裁（ノーフォーク公爵家）
• 式部卿（輪番制。現在はキャリントン男爵家、君主の代替わりがあればチャムリー侯爵家が引き継ぐ）

貴族院に引き続き籍が置かれる世襲貴族の総数は、ブレア首相と当時の貴族院院内総務クランボーン子爵（のちの第7代ソールズベリー侯爵。なお、彼の高祖父はイギリス最後の貴族院選出による首相の第3代ソールズベリー侯爵）らの話合いによって決定された。

その選出は当時の政党の議席数に応じる方法でなされた結果、従前の通り保守党が第1党となっている。

1911年議会法や1999年貴族院法によってその権能に大幅な制限が加えられたとはいえ、貴族院における保守党の優位性は歴史的に継続していると言える。

2018年1月現在、爵位による内訳は、公爵が4人、侯爵が1人、伯爵が26人、子爵が17人、男爵が44人となっており、計92人の世襲貴族が籍を置いている。

写真	紋章	在籍者	所属	初議席年	選出年	前任者
		第3代ゲッデス男爵 ユアン・ゲッデス（英語版）	保守党	1975年	1999年
		第2代エクルズ子爵 ジョン・エクルズ（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	保守党	1999年	000000002005-04-04-00002005年4月4日	第4代アバーデア男爵（英語版）
		第3代ハンワース子爵 デイヴィッド・ポロック（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	労働党	1996年	000000002011-03-22-00002011年3月22日	第11代ストラボギー子爵（英語版）
		第5代クーロスのコルヴィル子爵 チャールズ・コルヴィル（英語版）	クロスベンチ	2011年	000000002011-07-20-00002011年7月20日	第4代アムトヒル男爵（英語版）
		第5代ボリック男爵 ジェイミー・ボリック（英語版）	保守党	2013年	000000002013-07-17-00002013年7月17日	第14代レイ卿（英語版）
		第3代オックスフォード＝アスキス伯爵 レイモンド・アスキス（英語版）	自由民主党	2014年	000000002014-10-21-00002014年10月21日	第7代メスエン男爵（英語版）
		第4代コルグレイン男爵 アラステア・キャンベル（英語版）	保守党	2017年	000000002017-03-27-00002017年3月27日	第3代ライル男爵（英語版）
		第15代レイ卿 イーニアス・マッカイ（英語版）	保守党	2019年	000000002019-01-22-00002019年1月22日	第7代スケルマーズデール男爵（英語版）
		第9代ロンズバラ男爵 リチャード・デニソン（英語版）	クロスベンチ	1996年	2021年7月16日	第31代マー女伯爵（英語版）
		第7代ハーレック男爵 ジャセット・オームズビー＝ゴア（英語版）	保守党	2021年	2021年7月14日	第2代エルトン男爵（英語版）
		第3代ハッキング男爵 デイヴィッド・ハッキング（英語版）	労働党	2021年	2021年11月10日	第3代サイモン子爵（英語版）
		第4代ローバラ男爵 マッシー・ループス（英語版）	保守党	2022年	2022年10月18日	第2代アルスウォーター子爵（英語版）
		第7代ミントー伯爵 ティモシー・エリオット＝ マレー＝キニンマウンド（英語版）	保守党			第3代コルウィン男爵（英語版）
		第7代ラッセル伯爵 ジョン・ラッセル（英語版）	自由民主党	2023年	2023年6月13日	第15代フォークランド子爵（英語版）
		第8代カモイズ男爵 ウィリアム・ストーナー（英語版）	保守党		2023年11月22日	第5代ブルーム＝ヴォークス男爵（英語版）

写真	紋章	在籍者	初議席年	選出年	前任者
		第2代ストラスクライド男爵 トーマス・ガルブレイス	1986年	1999年
		第2代トレフガン男爵 デイヴィッド・トレフガン	1962年
		第3代マンクロフト男爵 ベンジャミン・マンクロフト（英語版）	1987年
		第7代ハウ伯爵 フレデリック・カーゾン（英語版）	1984年
		第20代ケイスネス伯爵 マルコム・シンクレア（英語版）	1969年
		第8代ヘンリー男爵 オリヴァー・イーデン（英語版）	1977年
		第4代グレナーサー男爵 サイモン・アーサー（英語版）	1976年
		第4代アスター子爵 ウィリアム・アスター（英語版）	1972年
		第9代コータウン伯爵 パトリック・ストップフォード（英語版）	1975年
		第3代ピール伯爵 ウィリアム・ピール（英語版） （2006年に宮内長官（英語版）に就任したため、クロスベンチ（中立派）に移った） [2]	1973年
		第4代モイニハン男爵 コリン・モイニハン（英語版）	1997年
		第3代アトリー伯爵 ジョン・アトリー（英語版）	1992年
		第4代ゴッシェン子爵 ジャイルズ・ゴッシェン（英語版）	1986年
		第8代モントローズ公爵 ジェームズ・グレアム（英語版）	1992年
		第3代ブリッジマン子爵 ロビン・ブリッジマン（英語版）	1982年
		第16代リンジー伯爵 ジェームズ・リンジー＝ベスーン	1989年
		第12代ルーカス男爵 ラルフ・パーマー（英語版）	1991年
		第2代クラソーン男爵 ジェームズ・ダグデイル（英語版）	1977年
		第2代イングルウッド男爵 リチャード・フレッチャー＝ヴェイン（英語版）	1989年
		第6代ノースブルック男爵 フランシス・ベアリング（英語版）	1990年
		第22代シュルーズベリー伯爵 チャールズ・チェトウィンド＝タルボット（英語版）	1980年
		第5代リバプール伯爵 エドワード・フォジャム（英語版）	1969年
		第9代アラン伯爵 アーサー・ゴア（英語版）	1983年
		第12代ダンディー伯爵 アレクサンダー・スクリムジョア（英語版）	1983年
		第3代トレンチャード子爵 ヒュー・トレンチャード（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1987年	000000002004-05-27-00002004年5月27日	第6代ヴィヴィアン男爵（英語版）
		第7代ド・モーリー男爵 ルパート・ポンソンビー（英語版）	2005年	000000002005-03-14-00002005年3月14日	第6代バーナム男爵（英語版）
		第7代カスカート伯爵 チャールズ・カスカート（英語版）（貴族院改革時には議席喪失）	1999年	000000002007-03-07-00002007年3月7日	第26代モウブレー男爵（英語版）
		第5代レッキーのヤンガー子爵 ジェイムズ・ヤンガー（英語版）	2010年	000000002010-06-23-00002010年6月23日	第14代ノーセスク伯爵（英語版）
		第4代ハイドのアシュトン男爵 ヘンリー・アシュトン（英語版）	2011年	000000002011-07-20-00002011年7月20日	第7代オンズロー伯爵
		第9代ウェリントン公爵 チャールズ・ウェルズリー	2015年	000000002015-09-16-00002015年9月16日	第3代ルーク男爵（英語版）
		第14代キャメロンのフェアファクス卿 ニコラス・フェアファクス（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1977年	000000002015-11-24-00002015年11月24日	第3代ボーリューのモンタギュー男爵（英語版）
		第5代ベセル男爵 ジェイムズ・ベセル（英語版）	2018年	000000002018-07-18-00002018年7月18日	第3代グレントラン男爵（英語版）
		第3代サンドハースト男爵 ガイ・マンスフィールド（英語版）	2021年	2021年6月14日	第4代セルボーン伯爵（英語版）
		第8代レスター伯爵 トマス・クック（英語版）	2021年	2021年6月14日	第2代デナム男爵（英語版）
		第4代オルトリナム男爵 セバスチャン・グリッグ（英語版）	2021年	2021年6月14日	第3代セルズドン男爵（英語版）
		第3代ストラスキャロン男爵 イアン・マクファーソン（英語版）	2022年	2022年2月8日	第5代リドレー子爵
		第5代キャムローズ子爵 ジョナサン・ベリー（英語版）	2022年	2022年3月29日	第3代ロザウィック男爵（英語版）
		第4代レムナント男爵 フィリップ・レムナント（英語版）	2022年	2022年7月5日	第3代タラのブラバゾン男爵（英語版）
		第6代ロッテスリー男爵 クリフトン・ロッテスリー（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1993年		第3代スウィンフェン男爵（英語版）
		第8代エフィンガム伯爵 エドワード・ハワード（英語版）	2022年	2022年10月20日	第3代ヒーヴァーのアスター男爵（英語版）
		第5代アシュコーム男爵 マーク・キュービット（英語版）	2022年	2022年10月20日	第15代ヒューム伯爵（英語版）

2014年貴族院改革法（英語版）第2節の規定に基き、その議席を削除された者。

写真	紋章	在籍者	初議席年	選出年	前任者
		第3代フレイバーグ男爵 ヴァレリアン・フレイバーグ（英語版）	1993年	1999年
		第22代ブレッツォのシンジョン男爵 アンソニー・シンジョン（英語版）	1978年
		第3代ブルックバラ子爵 アラン・ブルック	1987年
		第24代エロル伯爵 マーリン・ヘイ	1978年
		第3代ウェイヴァーリー子爵 ジョン・アンダーソン（英語版）	1990年
		第4代グリーンウェイ男爵 アンブローズ・グリーンウェイ（英語版）	1975年
		第7代ロスリン伯爵 ピーター・シンクレア＝アースキン（英語版）	1979年
		第14代ステア伯爵 ジョン・ダルリンプル（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1996年	000000002008-05-22-00002008年5月22日	第18代ネイスのダーシー女男爵（英語版）
		第5代アバーデア男爵 アラステア・ブルース（英語版）	2009年	000000002009-07-15-00002009年7月15日	第3代ブレディスロー子爵（英語版）
		第9代クランカーティ伯爵 ニコラス・トレンチ（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1995年	000000002010-06-23-00002010年6月23日	第4代クーロスのコルヴィル子爵（英語版）
		第5代リットン伯爵 ジョン・リットン（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1985年	000000002011-05-11-00002011年5月11日	第11代モンソン男爵（英語版）
		第7代クロムウェル男爵 ゴドフリー・コプリー（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1982年	000000002014-04-08-00002014年4月8日	第2代モラン男爵（英語版）
		第3代リバプールのラッセル男爵 サイモン・ラッセル（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1981年	000000002014-12-09-00002014年12月9日	第3代アレンビー子爵（英語版）
		第19代サマセット公爵 ジョン・シーモア（英語版） （貴族院改革時には議席喪失）	1984年	000000002014-12-09-00002014年12月9日	デイヴィッド・リットン＝コボールド（英語版）
		第9代サーロー男爵 ローレイン・ハヴァル＝ サーロー＝カミング＝ブルース（英語版）	2015年	000000002015-02-03-00002015年2月3日	ロジャー・チョーリー（英語版）
		第16代キノール伯爵 チャールズ・ヘイ（英語版）	2015年	000000002015-02-03-00002015年2月3日	第21代ソルトーン女卿（英語版）
		第4代マウントエヴァン男爵 ジェフリー・エヴァンズ（英語版）	2015年	000000002015-07-06-00002015年7月6日	第3代テンビー子爵（英語版）
		第5代トレヴェシン＝オークシー男爵 パトリック・ローレンス（英語版）	2015年	000000002015-10-20-00002015年10月20日	第2代アラメインのモントゴメリー子爵（英語版）
		第15代コーク伯爵 ジョン・ボイル（英語版）	2016年	000000002016-07-12-00002016年7月12日	第2代ブリッジズ男爵（英語版）
		第12代ホロデンのヴォー男爵 リチャード・ギルビー（英語版）	2017年	000000002017-07-19-00002017年7月19日	第10代ウォルポール男爵（英語版）
		第19代デヴォン伯爵 チャールズ・コートネイ（英語版）	2018年	000000002018-07-04-00002018年7月4日	第4代ビュードリーのボールドウィン伯爵（英語版）
		第7代キャリントン男爵 ルパート・キャリントン（英語版） （2022年に国務大官の式部卿に就任した。）	2018年	000000002018-11-28-00002018年11月28日	第5代ノースボーン男爵（英語版）
		第4代レイブンズデール男爵 ダニエル・モズリー（英語版）	2019年	000000002019-03-27-00002019年3月27日	第2代スリム子爵（英語版）
		第7代ハンプトン男爵 ジョン・パキントン（英語版）	2022年	2022年10月19日	第6代リストーエル伯爵（英語版）
		第3代メストン男爵 ジェームズ・メストン（英語版）	1984年	2023年9月19日	第4代パーマー男爵（英語版）
		第28代ド・クリフォード男爵 マイルズ・ラッセル（英語版）	2023年	2023年9月19日	第5代ヒルトン男爵（英語版）

2014年貴族院改革法（英語版）第2節の規定に基き、その議席を削除された者。

同法は、病気や事故等により、貴族院議員としての出席が長期にわたって行われない者の議席を除くことができる旨を定めた法律。

写真	紋章	在籍者	初議席年	前任者
		第6代アディントン男爵 ドミニク・ハバード（英語版）	1982年
		第10代グラスゴー伯爵 パトリック・ボイル（英語版） (貴族院改革時には議席喪失)	1984年	第5代ラッセル伯爵（英語版）
		第3代サーソー子爵 ジョン・サーソー（英語版） (貴族院改革時には議席喪失)	1995年	第4代エイヴベリー男爵（英語版）

写真	紋章	在籍者	初議席年	選出年	前任者
		第3代グランチェスター男爵 ジョン・スエンソン＝テイラー（英語版） (貴族院改革時には議席喪失)	1995年	000000002003-11-04-00002003年11月4日	第2代リーズのミルナー男爵（英語版）
		第3代スタンズゲート子爵 ステファン・ベン（英語版）	2021年	2021年7月10日	第3代リー男爵（英語版）

• 1999年貴族院法
• 貴族院互選の変遷（英語版）
• 一代貴族に叙せられた貴族院在籍世襲貴族一覧（英語版）
• 貴族院法（1999年）により議席を削除された世襲貴族一覧（英語版）
• 連合王国貴族
  • 世襲貴族
  • 世俗貴族