2019年ドイツグランプリ
2019年ドイツグランプリ (2019 German Grand Prix) は、2019年のF1世界選手権第11戦として、2019年7月28日にホッケンハイムリンクで開催された。 正式名称は「Formula 1 Mercedes-Benz Grosser Preis von Deutschland 2019」[1]。 レース前
エントリーリスト前戦イギリスGPから変更なし。 エントリーリスト
フリー走行
予選2019年7月27日 15:00 CEST(UTC+2)[14] ルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。レッドブルのマックス・フェルスタッペンはQ2でキャリブレーションの問題がFP2に続いて発生したが、Q3でパワーユニット(PU)のセッティングを変更して2番手でフロントローを確保し、ホームグランプリを迎えるメルセデス勢のフロントロー独占を阻止した。チームメイトのピエール・ガスリーは4番手となり、バルテリ・ボッタスとともに2列目を占めた。一方、フリー走行で好調だったフェラーリ勢はセバスチャン・ベッテルがQ1でターボチャージャーのトラブルが発生してタイムを記録できず最下位[15]、シャルル・ルクレールもQ3で燃料系にトラブルが発生してタイムを記録できず10番手に終わった。 結果
決勝2019年7月28日 15:10 CEST(UTC+2)[22] 今シーズン初のウエットレースは大荒れの展開となり、2番手スタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今シーズン2勝目を挙げた。予選でマシントラブルに見舞われ最後尾スタートとなったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が2位まで追い上げ、ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)が3位に入り、トロ・ロッソは2008年イタリアグランプリでベッテルが優勝して以来11年ぶりの表彰台を獲得し、ホンダPUは2015年のF1復帰以来初のダブル表彰台となった。ホームグランプリのメルセデス勢は、ポールポジションのルイス・ハミルトンがコースオフとスピンを喫して入賞圏外の11位まで後退(ただし、レース後にアルファロメオ勢がペナルティを受けたことで入賞圏内の9位に繰り上がり)、バルテリ・ボッタスはアクシデントでリタイアに終わった。シャルル・ルクレール(フェラーリ)もリタイアしている。 展開決勝は今季初めて雨天でのレースとなった。セーフティカー先導によるフォーメーションラップは1周で終わらず、そのままセーフティカーの先導によるエクストラフォーメーションラップが続いた。エクストラフォーメーションラップが3周目を終える時、通常のスタンディングスタートでのレース開始が決定。そのため、67周のレースが3周のエクストラフォーメーションラップ分短縮された64周のレースとなった。 レーススタートでは2番グリッドのフェルスタッペンが順位を落とし4番手に後退。グリッドの関係上、フェルスタッペンの後ろ4番グリッドからスタートしたチームメイトのピエール・ガスリーもそのあおりを受け8番手に下がる展開となった。一方でハミルトンは首位をキープし、その後方にはターン1で飛び出しながらもチームメイトのボッタスが続き、スタートを成功させたキミ・ライコネン(アルファロメオ)が3番手に浮上。最後尾スタートだったベッテルは混乱に乗じて1周目の段階で12番手にまで上がってきた。 2周目、フェルスタッペンがライコネンをパス、3番手に浮上した。そんななか、ターン11でセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)がスピンしてクラッシュ。マシン撤去のため、セーフティカーが導入された。4周目までにはほぼ全車がピットインし、ピットインしたマシンは全て大雨用のウエットタイヤから雨用と晴れ用の中間に位置するタイヤであるインターミディエイトタイヤへ交換した。 5周目にはレースが再開。ハミルトンがペースを上げ、2番手を走行するチームメイトのボッタスとの差を広げていく。7周目、ウエットタイヤのストロールはたまらずピットインしてインターミディエイトに交換、その後マグヌッセンもピットに飛び込んだ。一方、首位ハミルトンはファステストラップを連発しながら後続とのギャップを3秒に広げていく。10周目を迎える頃にはレーシングラインが乾き始めた。ルクレールは最終コーナーのソーセージに乗ってリアが流れるが、マシンを立て直しスピンを回避した。15周目、12番手を走行していたダニエル・リカルド(ルノー)のマシンが長い全開区間で白煙を上げてエンジンブロー。ターン8にマシンを止めた。これで1度目のVSC(バーチャルセーフティカー)が導入され、ルクレールとヒュルケンベルグがピットインし新品のインターミディエイトに交換する。ルクレールは右フロントタイヤの交換に手間取ったが4番手はキープ。ヒュルケンベルグも6番手に留まった。そして、2台のピットアウトと同時にVSCが解除。それもあり、他のマシンはステイアウトする形となった。 18周目、サインツが最終コーナーでワイドになり、ランオフエリアでスピン。なんとかクラッシュは回避したが14番手まで後退してしまった。このあたりで再び雨が降り始め各車ともタイヤ交換のタイミングを掴めずに走りつづけるが、22周目、マグヌッセンがピットインしてドライ用のソフトタイヤに交換。このタイムを見て23周目にはベッテルがピットインしてソフトタイヤに履き替え、ロマン・グロージャン(ハース)の後方11番手まで後退する。 26周目、ボッタスに抑えられていたフェルスタッペンがピットに飛び込み、レースの残り全てを走り切ることを想定した上でドライタイヤの中で中間に位置するミディアムタイヤへ交換する戦略をとる。4番手で復帰したフェルスタッペンだったが、翌周のターン13出口でコース上で一回転するスピンを喫し、ボッタスのアンダーカットに失敗。依然としてメルセデスのワンツー体制が続く、27周目にノリスがパワーを失ってコース脇にクルマを止めたことにより、2度目のVSCが導入された。その時、ピット手前にいたルクレールがピットインしソフトタイヤへ交換して同じ順位で復帰。翌28周目、メルセデス勢がピットイン。ハミルトンはソフトタイヤ、ボッタスはミディアムタイヤに履き替え、両者順位をキープしたままコースに戻る。 ところが、ピットイン完了に合わせるかのようにまた雨が降り始める。VSCは29周目に解除されたが、それとほぼ同時にソフトタイヤに交換したばかりのルクレールが最終コーナーでグリップを失いコースオフしてバリアにクラッシュ、リタイアした。これを受け、2度目のセーフティカーが導入される。セーフティカーの導入が開始された直後、トップを走行していたハミルトンが最終コーナーでコントロールを失いウォールに接触、フロントウイングにダメージを負い、そこから正規のルートを通らずにピットロードへ進入したが、この状況を把握しきれてなかったピットクルーらは混乱。フロントウイング交換およびタイヤ交換で約50秒をロスした[注 1]。ハミルトンは最終的にインターミディエイトを装着してピットアウトし、5番手で復帰したが、ピット入口のボラード外側から進入したため審議対象となり、結果的に5秒のタイムペナルティを科された。さらにセーフティカー先導中に必要以上にスロー走行したとして審議対象となる。 この間に大半のマシンがピットイン。ドライタイヤ組は再びインターミディエイトへ、インターミディエイト組は新品のものへ交換するという慌ただしい展開となる。この時点でトップに立っていたボッタスもピットが空いたためピットイン。だが、ハミルトンのピットインの影響などにより、先にインターミディエイトに履き替えて2番手を走行していたフェルスタッペンがトップに浮上する。その後、1位フェルスタッペン、2位ヒュルケンベルグ、3位ボッタス、4位アルボン、5位ハミルトンの順で34周目にレースが再開した。 35周目、ハミルトンがアルボンをオーバーテイクして4番手に浮上。ボッタスもヒュルケンベルグを捕らえてポジションを上げる。しかし、この間に首位フェルスタッペンとは8秒以上の差が開いていた。39周目、ライコネンがターン16でコースオフして9番手まで後退。そして、40周目、ヒュルケンベルグが同じ場所でクラッシュを喫し、そのままリタイアとなる。ここで3度目のセーフティカーが導入となる。するとここでフェルスタッペンがピットに入り、新しいインターミディエイトタイヤに交換。トップの位置を守ってコースに復帰する。ペースが落ち始めていたベッテルも同様のタイヤ交換を実施した。この時点で2番手につけていたボッタスと3番手のハミルトンはそのままコースにとどまった。そんななか、45周目、ストロールがピットに飛び込みドライのソフトタイヤに交換する賭けに出る。 46周目にレースがリスタートされるが、急激にドライコンディションに変わり、雨が降らないという情報も確認されたため、クビアトとマグヌッセンがリスタート直後の周でピットに入りソフトタイヤに交換。他の面々も47周目のフェルスタッペン[注 2]とボッタス、48周目のベッテルとハミルトンを筆頭に大半のマシンがソフトタイヤに交換。その結果、アンダーカットする形となったストロールが暫定トップに浮上。だが、フェルスタッペンがすぐ追いつき、ストロールをオーバーテイクしてトップに復帰。また、クビアトとマグヌッセンは結果的にアンダーカットが大成功し、大幅なポジションアップ。特にクビアトは49週目の段階で3番手となり、その勢いを保ったまま、51周目にストロールをパスし2番手へ浮上する。 その後方ではベッテルがオーバーテイクを繰り返して順位を上げる一方で、ハミルトンはピットインによりタイムペナルティの消化を迫られたうえに、タイヤ交換も若干遅れ12番手まで後退。しかも、53周目にターン1でスピンしてタイヤにフラットスポットを負ったため緊急ピットインを強いられた。その後、56周目にボッタスがハミルトンと同じターン1のクリッピングポイントでマシンを滑らせ、コントロールを失いそのままウォールに激突。ボッタスは今季初リタイアを喫し、4度目のセーフティカーが導入される展開となる。 レース残り5周の60周目にレースが再開されると、ベッテルがサインツをかわして4番手に浮上。ガスリーは接近戦の中でアルボンに追突し、レースを終えた。62周目、ベッテルはそのままの勢いでストロールもオーバーテイクし3位に上がる。63周目、ベッテルがクビアトをオーバーテイクし2番手へ浮上した。だが、フェルスタッペンはベッテルに5秒以上の差を築いており、そのまま先頭でチェッカーフラッグを受け、今季2度目のトップチェッカーを受けた。2位はベッテル、3位はクビアトが守りきり、クビアトにとっては2016年中国グランプリ以来の表彰台であり、トロロッソチームとしては2008年イタリアグランプリ以来の表彰台となった。また、上位3チーム以外のドライバーの表彰台も今季初であった。 以下の順位は、4位ストロール、5位サインツ、6位アルボン、7位ライコネン、8位ジョヴィナッツィ、9位グロージャン、10位マグヌッセンとなった。ところが、アルファロメオ勢がテクニカルレギュレーション違反により、本来の違反に対する罰則としてはストップ・アンド・ゴー・ペナルティの認定だが、レースは既に終了していたため、それに相当する30秒のタイムペナルティ相当との判断が下った。それによる順位変動に伴い、ハース勢の順位が上がり、9位ハミルトン、10位はロバート・クビサ(ウィリアムズ)となった。 そのため、本来11位完走のハミルトンはかろうじてノーポイントの事態は免れ、ウィリアムズは繰り上げではあるが今季初入賞を果たした。アルファロメオがペナルティに対し控訴したため、レース結果は一旦保留となっていたが、9月25日、アルファロメオの控訴申請を却下[23]。これにより、レース結果が確定した。 結果
第11戦終了時点のランキング
脚注注釈出典
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