2024年の航空2024年の航空(2024ねんのこうくう)では、2024年(令和6年)の、世界の航空の状態や出来事をまとめる。 2023年の航空 - 2024年の航空 - 2025年の航空
概観(通年)旅客航空国際航空運送協会(IATA)はこの年の世界の航空総旅客数が47億人、総収益が9640億ドルとなり、いずれも過去最多を更新すると予測した[1]
以前から航空機は他の乗り物と比較して二酸化炭素排出量が多くて地球環境に悪い、との指摘が続いているので、航空業界では本年も持続可能な航空燃料(SAF)の導入が注目されており、航空会社や業界関係者は二酸化炭素排出の削減に向けて取り組んでいる。2024年のSAFの利用量は13億リットル(1.3 billion liters) に達し、2023年の約0.5 百万トン(6億リットル)から倍増した。だが、これは2024年の航空燃料消費量のわずか0.53 %にすぎない[2]。各国政府は、国際民間航空機関(ICAO)を通じて2030年までにSAFによって国際航空のCO₂排出量を5%削減するという目標を掲げているが、この目標を達成するには、原料の多様化や政府による製造の推進など、やるべきことが山積みの状態である[2]。
生体認証、AIを活用した顧客サービス、機内のWifi高速接続など、情報技術(IT)を用いたサービス向上が航空旅行を変えつつある。 2024年のIATAの国際旅客調査(Global Passenger Survey)によると、旅客の満足度が高いのは点は航空便の予約が便利になったこと(スマートフォンやウェブブラウザからできること)であり85%の人々が満足している。逆に旅客の満足度が低いのは、出入国管理(Border Control)と入国審査(Immigration)および到着後の手荷物の受取り(baggage collection)に時間がかかりすぎることであり、満足度は65%にすぎず16%の人が不愉快だと表明している[3]。 貨物航空年間貨物需要(CTK)は前年比+11.3%増で、国際線では+12.2%となり、2021年の記録を上回る過去最高を記録した[4]。特にEコマースの拡大や、紅海において海上輸送の「混乱」(disruption)や船舶に対する攻撃事件が起きたことで、航空便への振り替えが起きたことが追い風となった[5]。 航空機製造産業ボーイングやエアバスといった航空機メーカーは大きな受注残(バックログ)を抱えており、航空会社が将来の航空需要が非常に強いと推定して航空機を発注していることを示している。
定期便の新規就航、復活、廃止世界で2024年に新規就航した路線(定期便)の数は28で、廃止された路線は19であった。新規路線の数が例年に比べてかなり少ないが、その一方で、廃止された路線の数のほうも例年と比べて少なかった、ということがIATAが2025年に分析したところ判明した[10]。新規路線は、欧州やアジア・パシフィックにおいて自由化や経済成長の恩恵で多かったのに対して、航空市場が成熟し安定している北米(アメリカ合衆国)では少なかった[10]。 新規就航の28路線には、KMマルタ航空、ガボン航空、ANAグループのAir Japanなどの路線などが含まれる[10]。 そのほか、イスラエルのAir Haifa (英語版) の路線なども含まれる[11]。 一方、路線が廃止された理由は、経済性(収益性)、サプライチェーン、地政学的理由などであった[10]。
出来事
航空機事故
→「アゼルバイジャン航空8243便墜落事故」を参照
→「チェジュ航空2216便事故」を参照
脚注
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