FCバレイン下関(エフシーバレインしものせき、FC Baleine Shimonoseki)は、山口県下関市を本拠地とする社会人サッカークラブ。Jリーグ加盟を目指すクラブの一つである[2]。
概要
下関市サッカー協会は独自の社会人サッカーリーグとして「下関市サッカーリーグ」を運営していたが、同リーグは日本サッカーのリーグ構成のカテゴライズからは外れたリーグであり、同リーグに参加しても日本サッカー協会 (JFA) の主管する大会には参加できなかった。こうした状況を踏まえ、下関市サッカー協会がJFA主管リーグへの参画(当面は最下位カテゴリーである山口県社会人サッカーリーグへの参戦)のために下関市社会人リーグから選抜された選手を中心に2006年に発足したのが本クラブである[3]。ホームスタジアムは乃木浜総合公園天然芝グラウンド、下関市営下関陸上競技場 (セービング陸上競技場)である[1]。
バレイン(Baleine)はフランス語で「クジラ」を意味し、下関がかつて捕鯨基地であったことや名産品から由来する[1]。マスコットキャラクターはマッコウクジラをモチーフとした「マッコー」[4]。青色をした体にBaleineの文字と、頭に背番号ではなく頭番号として10と書かれている[1]。チーム所在地の下関市は、かつて同じくクジラが由来のチーム名の大洋ホエールズ(現在の横浜DeNAベイスターズ)が本拠地を置いていたことでも知られる。
歴史
山口県リーグ時代(2006年 - 2018年)
- 2006年
- 県リーグ4部からのスタート。Bブロック2位の成績。
- 2007年
- 県リーグ4部Bゾーン8戦無敗で優勝。
- 山口県サッカー選手権大会(兼天皇杯県予選)でベスト4へ進む。
- 2008年
- 3月の野上杯争奪サッカー大会ではベスト4でレノファ山口FCに敗れ、短期的目標である県1部への飛び級昇格がここで断たれる。
- 県リーグ3部Bゾーンで全勝優勝。
- 2009年
- 野上杯争奪サッカー大会準優勝。
- 県リーグ2部Bゾーンで1位。上位決定戦ではAゾーン1位のFC OPAに敗れたため総合2位で終了。
- 入替戦は1部5位の岩国SCに3-1で勝ち、次年度の県1部昇格を決める。
- 2010年
- ユニフォームを変更し、西中国信用金庫をはじめとした地元企業のスポンサーネームが入る。
- 新潟県で行われた第17回全国クラブチームサッカー選手権大会で3位に入賞。
- 2011年
- 野上杯争奪サッカー大会優勝。山口県サッカー選手権大会ベスト4。
- 県リーグ1部優勝(7クラブ)。中国地域県リーグ決勝大会は1回戦で敗退。
- 2012年
- 山口県サッカー選手権大会ベスト4。第19回全国クラブチームサッカー選手権大会に下関市代表として出場。
- 県リーグ1部5位(6クラブ)。県リーグ入替戦、2部2位のLeo SCに3-1で勝利し、1部残留を決めた。
- 2013年
- 野上杯争奪サッカー大会準優勝。山口県サッカー選手権大会ベスト4。
- 2014年
- ユニフォームカラーを緑から群青へ変更。
- 野上杯争奪サッカー大会準優勝。山口県サッカー選手権大会ベスト4。
- 県リーグ1部2位(6クラブ)。
- レノファ山口FCから福原康太をレンタル移籍で獲得する。
- 2015年
- 福原康太が完全移籍、船津佑也を選手兼コーチとして迎え入れた。
- 県リーグ1部2位(8クラブ)。2度目の中国地域県リーグ決勝大会出場も1回戦でSC鳥取ドリームスに延長の末敗れる。
- 2016年
- 山口県サッカー選手権大会には第4シードで出場しベスト4(優勝した徳山大学に敗れる)。
- 県リーグ1部を無敗で制し(6クラブ)、3度目の中国地域県リーグ決勝大会出場。
- 2017年
- 選手兼ヘッドコーチを務めた船津佑也と、監督を務めた大西秀典が退団。監督には福原康太が選手・GM兼任で就任した。
- 県リーグ1部で連覇。3年連続4度目の中国地域県リーグ決勝大会出場。
- 2018年
- 県リーグ1部で3年連続優勝。中国地域県リーグ決勝大会Aブロックを制して、2019年からの中国サッカーリーグ昇格を決めた。
中国リーグ時代(2019年 - )
- 2019年
- 監督兼GMの福原康太が勇退し、クラブの代表に就任。監督に元ツエーゲン金沢監督の森下仁之が就任。
- 運営法人として「一般社団法人ウエストネーション下関SC」設立。
- 中国サッカーリーグ4位(10クラブ)。
- 2020年
- 森下が監督を退任し、GMの福原がGM兼任で監督に就任(復帰)。新加入選手は、第99回天皇杯に出場した元徳山大学FW西田憲誌朗が入団。
- リーグ戦が中止となり、代替大会「CSL Championship2020」(C-1)に参戦。グループリーグを首位通過し決勝まで勝ち進むが、決勝でSRC広島に敗れて準優勝となり、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2020(地域CL)進出を逃した。一方、山口県サッカー選手権大会では悲願の初優勝を果たし、第100回天皇杯に初出場(初戦で福山シティFCに敗戦)。
- 2021年
- GM兼監督の福原がGMに専念するため監督を退任。後任に元ヘッドコーチの船津佑也を招聘。
- 7名が現役引退、9名が退団となった一方、5名が新加入し、少数精鋭で臨むことになった。
- 5月4日で監督の船津を解任、暫定的に福原GMが監督を務めた。
- レギュレーション変更に伴い「リーグ1巡目対戦の結果」で決することとなった全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2021(地域CL)出場権争いは、いち早く一巡目対戦を終えて首位となっていたが、最終的に三菱自動車水島FCと勝ち点・勝率で並ばれ、得失点差で上回られて2位に終わった。しかし「輪番枠」で地域CL初出場を果たした。
- 2022年
- 監督に前ニッパツ横浜シーガルズヘッドコーチの八田康介を招聘(福原はクラブ代表職に専念)。
- リーグでは2位に終わり、同年限りで八田は退任。
- 2023年
- 監督に前福山シティFCコーチの山根一真が就任。レノファ山口FCから岸田和人が加入。
- リーグでは3位に終わったが、山口県サッカー選手権を2年ぶりに制し第103回天皇杯に出場。全国社会人サッカー選手権大会中国地域予選を突破し、第59回全社に初出場を果たす。
- 2024年
- 第104回天皇杯1回戦ではPK戦の末、J3のガイナーレ鳥取を破る。2回戦ではJ1のサンフレッチェ広島を相手に大量失点を喫しながらも2得点を挙げた[5]。
- 全社は予選敗退。リーグでは4位に終わり、同年限りで山根監督は退任[6]。
- 2025年
- GMの福原が4年ぶりに兼任監督に就任[7]。
成績・歴代監督
リーグ戦
年度 |
所属 |
順位 |
勝点 |
試合 |
勝 |
分 |
敗 |
得点 |
失点 |
得失 |
監督
|
2006 |
山口県4部Bブロック |
2位 |
18 |
8 |
6 |
0 |
2 |
39 |
7 |
32 |
宮崎明宏
|
2007 |
優勝 |
24 |
8 |
8 |
0 |
0 |
49 |
2 |
47
|
2008 |
山口県3部Bブロック |
優勝 |
21 |
7 |
7 |
0 |
0 |
24 |
1 |
23
|
2009 |
山口県2部 |
2位 |
16 |
7 |
5 |
1 |
1 |
40 |
5 |
35
|
2010 |
山口県1部 |
3位 |
16 |
10 |
5 |
1 |
4 |
32 |
18 |
14
|
2011 |
優勝 |
31 |
12 |
10 |
1 |
1 |
40 |
14 |
26
|
2012 |
5位 |
14 |
10 |
4 |
2 |
4 |
29 |
14 |
15 |
宮崎明宏/大西秀典
|
2013 |
5位 |
11 |
12 |
2 |
3 |
7 |
23 |
35 |
-12 |
大西秀典
|
2014 |
2位 |
16 |
10 |
5 |
1 |
4 |
33 |
21 |
12
|
2015 |
2位 |
32 |
14 |
10 |
2 |
2 |
45 |
12 |
33
|
2016 |
優勝 |
26 |
10 |
8 |
2 |
0 |
33 |
5 |
28
|
2017 |
優勝 |
29 |
12 |
9 |
2 |
1 |
41 |
8 |
33 |
福原康太
|
2018 |
優勝 |
34 |
12 |
11 |
1 |
0 |
64 |
9 |
55
|
2019 |
中国 |
4位 |
32 |
18 |
10 |
2 |
6 |
45 |
23 |
22 |
森下仁之
|
2020 |
新型コロナウイルスの影響により中止 |
福原康太
|
2021 |
2位 |
35 |
16 |
11 |
2 |
3 |
35 |
16 |
19 |
船津佑也/福原康太
|
2022 |
2位 |
42 |
18 |
14 |
0 |
4 |
41 |
22 |
19 |
八田康介
|
2023 |
3位 |
37 |
18 |
12 |
1 |
5 |
47 |
26 |
21 |
山根一真
|
2024
|
4位
|
32
|
18
|
10
|
2
|
6
|
45
|
24
|
21
|
タイトル
リーグ戦
カップ戦他
所属選手・スタッフ
- 2024年
スタッフ
選手
歴代所属選手
ユニフォーム
ユニフォームの色
カラー
|
シャツ
|
パンツ
|
ストッキング
|
FP(1st)
|
青
|
紺
|
紺
|
FP(2nd)
|
白
|
黒
|
白
|
GK(1st)
|
赤
|
赤
|
赤
|
GK(2nd)
|
緑
|
緑
|
緑
|
|
|
|
ユニフォームスポンサー
掲出箇所 |
スポンサー名 |
表記 |
掲出年 |
備考
|
胸
|
日本セレモニー |
AI GROUP 日本セレモニー |
2019年 - |
|
鎖骨
|
貴心 |
貴心 |
2023年 - |
右側に掲出
|
背中上部
|
ヒューモア |
株式会社 ヒューモア Humore Human Nature More |
2023年 - |
2021年 - 2022年は背中下部
|
背中下部
|
イデアルライフ |
idealLife ㍿イデアルライフ |
2022年 - |
2016年 - 2018年はパンツ前面 2019年は背中上部 2022年は袖
|
袖
|
なし |
- |
- |
|
パンツ前面
|
オー.ビー.エム |
忍者ナイン |
2019年 2021年 - |
2019年は「J.S.L」表記
|
パンツ背面
|
なし |
- |
- |
|
ユニフォームサプライヤーの遍歴
- 2006年 - 2013年:ペナルティ
- 2014年 - 2016年:アディダス
- 2017年 - 2019年:ガビック
- 2020年 - 現在:A1egress0
歴代ユニフォームスポンサー表記
脚注
外部リンク