この項目では日本のサッカーにおける、第1種登録チーム[注 1] のリーグ構成について述べる。
概要
日本のサッカー界においては、1965年から1992年までの長きにわたって全国リーグである日本サッカーリーグ (JSL) を頂点とし、その下に全国を9地域に分けた各地域リーグ、さらにその下に各都道府県単位のリーグの順に一連のヒエラルキー構造が構築されていたが、1993年にプロサッカーリーグである日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が発足、Jリーグに参加しなかったクラブを中心とした全国リーグであるジャパンフットボールリーグ (旧JFL)が誕生し、1994年以降のJリーグのエクスパンションにおいて旧JFLでの成績が参入要件とされたことから、プロリーグであるJリーグを頂点とし、その下にアマチュア最高峰の旧JFLが置かれる構造へと変化した。この体制は1999年にJリーグが2部リーグ化し、旧JFLが日本フットボールリーグ (JFL) に移行してからも大きく変化することはなかった。
しかし、2014年にJリーグが3部リーグ化しJ3リーグが発足するのに当たって、JリーグはJFLとJ3リーグの位置づけを「同列」に扱うこととした[1] ことで、プロサッカー(Jリーグ)とアマチュアサッカーのヒエラルキー構造が完全に分離されることとなった。ただ、2015年以降にJ3リーグがエクスパンションを行うに当たってはJFLでの成績をJ3リーグ参入要件の一つとしているほか、2015年にJリーグが公表したJリーグ入会(J3リーグ参加)の手引き【新たに入会を目指すクラブ向け】 (PDF) では、「JFLからJ3へは最大2チーム昇格します」「J3で順位が悪かったとしてもJFLに降格することはありません」とJ3リーグがJFLの上位リーグであるかのような表現も見られていたが、2023年からのJ3とJFL間での入れ替え制度導入に際しても「J3クラブの(Jリーグ)会員資格喪失およびJFLクラブのJリーグ入会」と表現され[2]、昇格・降格という表現を避けている。
このため、日本サッカー協会の公式な見解としてはJ3とJFLを3部と同等扱いにしているのに対し、一部資料[3][4]では、JFLを4部とする扱いも散見される。
アマチュアにおける第1種全体としては、チームの所属選手の会社や学校を限定する既定などは無く、あくまでチーム単位の登録となっており、その条件の下で社会人と学生の混合も認められる。更には複数大学の学生が所属する地域同好会や連合チーム、さらには同じ大学内で複数チームが登録する事にも特に制限は無いが、実際には大学公認の運動部としてのサッカー部の多くは大学サッカー連盟所属チームとして活動、あるいはそれを活動の柱にする(部内で選手の実力別に分けた複数のチームを作り、トップチームを大学サッカー連盟所属とし、それ以外を社会人チームとして登録するなど)形が大半となっている。
ちなみに、大学生チームが一般社会人の大会側に参加する場合、基本原則としてチーム及び選手が社会人登録を行って[注 2] 所属の都道府県リーグの最下部から順次勝ち上がっていくことが原則であるが、大学連盟の大会で所定の成績を収めている既存チームが参加申請した場合は、協会側の判断により、大学連盟の大会での成績に応じたリーグへの所属を認める場合がある。
なお、大会規定などの詳細については当該大会の項目を参照の事。
構造
2024年シーズンの第1種のクラブは下図のような構造となっている。なおアマチュアの階級は日本協会の公式な見解と、JFLを4部とみなした場合の階級(括弧くくり)を併記する。
プロサッカーリーグの構造
カテゴリー
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部
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リーグ名
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参加クラブ数
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1部
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プロ1部
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J1リーグ(明治安田J1リーグ、J1)
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20
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2部
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プロ2部
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J2リーグ(明治安田J2リーグ、J2)
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20
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3部
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プロ3部
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J3リーグ(明治安田J3リーグ、J3)
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20
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歴史
- 1965年・全国規模のトーナメント制大会である全日本実業団サッカー選手権大会と全国都市対抗サッカー選手権大会の廃止に伴い、日本初のサッカーリーグとなる日本サッカーリーグ(JSL)が発足し、第1回大会が開催される。並行して、全国社会人サッカー選手権大会が発足し、上位入賞チームとJSL下位チームとの入れ替え制度も開始される。
- 1966年・東海リーグと関西リーグが発足し、第1回大会が開催される。
- 1967年・関東リーグが発足し、第1回大会が開催される。
- 1972年・JSLが2部制に移行。
- 1973年・中国リーグと九州リーグが発足し、第1回大会が開催される。
- 1975年・北信越リーグが発足し、第1回大会が開催される。
- 1977年・東北リーグと四国リーグが発足し、第1回大会が開催される。並行して、地域リーグ決勝大会が発足し、全国社会人サッカー選手権大会からJSL参入条件を引き継ぎ(上位入賞によるJSL昇格)、現在の日本サッカーのリーグ構成(1種)の原型が誕生する(JSL⇔地域リーグ⇔都道府県リーグ)。
- 1978年・北海道リーグが発足し、第1回大会が開催される。北海道リーグ発足を以って、全ての地域リーグ発足が完了。
- 1985年・JSL2部が東西ブロックリーグ制を導入。並行してJSLでのプロ選手登録を公認する制度「スペシャル・ライセンス・プレーヤー」が導入される。
- 1986年・JSLが春秋制から秋春制に移行する。
- 1989年・JSL2部が昨シーズンまでの東西ブロック制を廃止し、ホームアンドアウェーの総当り2回戦となる。
- 1992年・JSLが日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と直下のリーグであるジャパンフットボールリーグ(旧JFL)へ改編。改編に伴いJSLは廃止。
- 同年に発足した社団法人日本プロサッカーリーグはJリーグの運営組織となる。リーグの主催は日本サッカー協会(JFA)との共催となる。
- Jリーグのリーグ戦開始は1993年。
- 旧JFLのリーグ戦開始は1992年。1993年まで2部制(このうち、旧J1が2部、旧J2が3部に事実上相当する)。
- Jリーグ発足翌年度以降からのJリーグ参加にはJリーグ準会員チームとして旧JFLで上位入賞(2位以内)することが第一条件となる。
- 旧JFLへの参入は、JSL時代と同じく地域リーグ決勝大会で上位入賞することが第一条件となる。
- JSL時代の1985年~1992年までの秋春制から春秋制に移行する。
- 1994年・旧JFLが2部制を廃止。
- 1999年・Jリーグ ディビジョン2 (J2) が発足し、Jリーグが2部制に移行。1998年までのJリーグはJリーグ ディビジョン1 (J1)となる。旧JFLの一部がJ2に参入したため、旧JFLを日本フットボールリーグ (JFL) に改組して発足。
- J2参入条件にはJFLでの上位入賞が第一条件となり(2006年までは原則2位以内・2007年~2011年までは4位以内・2012年からは優勝で自動昇格または2位で入れ替え戦行き)。
- 地域リーグ以下は事実上の4部以下のリーグとなった。なお、JFLの参入条件は旧JFL時代と変わらず。
- 2003年・「Jリーグ加盟を標榜するクラブに対する優遇措置」が開始される。認定されれば、地域リーグ決勝大会への出場が可能となった。
- 2006年・Jリーグ準加盟制度が導入され、J2参入条件がより厳しくなる。並行して、全国社会人サッカー選手権大会での上位入賞チームに地域リーグ決勝大会への出場権が与えられるようになり、再び全国社会人サッカー選手権大会が上位リーグ参入条件の一部となる。なお、全国社会人サッカー選手権大会は地域リーグの2部または都道府県以下のリーグに所属するチームも参加できるため、事実上、「Jリーグ加盟を標榜するクラブに対する優遇措置」と同様に飛び級制度の役割も担うこととなった。
- 2008年・Jリーグ理事会にて、J2の所属クラブ数が22チームに到達したシーズンより、J2とJFLとの入れ替え制度を開始することが決定する。
- 2010年・JFLが一般社団法人化し(一般社団法人日本フットボールリーグ)、リーグ主催はJFAとの共催となる。
- 2011年・JFLが日本トップリーグ連携機構に加盟。並行して「Jリーグ加盟を標榜するクラブに対する優遇措置」が廃止となる。ただし、全国社会人サッカー選手権大会で上位進出することで地域決勝への道は残された。
- 2012年・J2が22チームとなり、JFLとの入れ替え制度を開始。プロリーグ発足以降初となる、アマチュアリーグ(プロ・アマ混合リーグ)との入れ替えとなる。
- 2014年・J3リーグ(J3)が発足し、Jリーグが3部制に移行。J3とJFLは公式には3部相当で同列扱いとされ、アマチュアとプロのヒエラルキー構造が分離される。
- 2016年・地域リーグ決勝大会が名称変更、「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」となる。
- 2018年・全国社会人サッカー選手権大会の上位進出チームが全国地域サッカーチャンピオンズリーグへ出場する際の要件に「地域リーグ(2部制の場合は1部)2位もしくは3位」が追加される。これにより、地域リーグ2部または都府県および北海道ブロック以下のリーグからの「飛び級昇格」が不可能となった。
- この案件はその後2021年に同4位までに緩和、2022年以降は地域1部に所属であれば、順位に関係なく参加できるよう見直しが図られた。
- 2023年・同年からJ3とJFLの入れ替え制度を導入[2][5]。
- 2024年・Jリーグの3ディビジョンを全て20チームに揃える。
関連項目
出典
注記
出典
外部リンク
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