 |
この項目では、小説について説明しています。本作を原作とする1983年から1984年のテレビドラマについては「おしどり探偵 (テレビドラマ)」をご覧ください。 |
『おしどり探偵』(おしどりたんてい、原題 Partners in Crime)は、1929年に刊行されたアガサ・クリスティの短編集。クリスティの2作目の短編集であり、またトミーとタペンスシリーズ唯一の短編集である。『二人で探偵を』(東京創元社)の別訳もある。
内容は当時の推理小説界で有名な名探偵たちの捜査法を二人が真似するというパロディ集であり、ソーンダイク博士や隅の老人といった後代にもよく知られた著名な名探偵から、ソーンリー・コルトンのような現代ではマイナーとなったものまで扱われている。また、「16号だった男」ではクリスティの代表的な人物であるエルキュール・ポアロが取り上げられている。
あらすじ
『秘密機関』の事件後結婚したトミーとタペンス。情報機関に就職したものの事務仕事が多かったトミーの元に、上司が「スパイ疑惑で拘束された探偵の経営していた『国際探偵事務所』を引き継ぎ、そこに届くスパイ関連の文書を調査する」という任務を命じてきた。冒険に飢えていたタペンスはそれに乗じて(?)一般の探偵仕事も引き受け出し、ベレズフォード夫婦の探偵兼秘密情報部員としての生活が始まった。
収録作品
書誌情報
一般書
一般書
- 短篇タイトルの左の英字A~Oは、早川書房のクリスティー文庫版『おしどり探偵』の収録順、該当ない場合は省いている。
- 本連作短編集は、「桃色真珠紛失事件」、「怪しい来訪者」、「霧の中の男」、「バリバリ屋」、「サニングデールの謎」、「死のひそむ家」の6篇が同題の二部構成。また、前篇「キングを出し抜く」後篇「新聞紙の服を着た男」、前篇「牧師の娘」後篇「赤色館」も二部構成になっており目次には23の項目があるが、前後篇になっている8つをそれぞれ1話と数えれば話自体は15話で構成される。最初に出版されたハヤカワ・ポケット・ミステリ版では23項全てを表示していたが、ハヤカワ・ミステリ文庫版では、二部構成の話は一つにまとめ(後篇に別題が付いているものは、前篇の題名を採用した。)15話構成に編集した[注(一般書) 1]。前篇後篇の境目にはアスタリスク(*)が挿入されている。現行のクリスティー文庫版においても15話構成は踏襲され、境目にはアスタリスクではなく空白行が入る。
番 |
号 |
01 |
02 |
03 |
04 |
05 |
06 |
備考
|
A |
|
アパートに妖精出現 |
アパートの妖精 |
- |
- |
- |
|
B |
|
お茶でも一杯 |
お茶をどうぞ |
- |
- |
- |
|
C |
1 |
桃色真珠事件 |
桃色真珠事件 |
桃色真珠紛失事件 |
- |
- |
- |
|
2 |
桃色真珠事件(続き) |
- |
- |
- |
|
D |
1 |
怪しい来訪者事件 |
怪しい来訪者事件 |
怪しい来訪者 |
- |
- |
- |
|
2 |
怪しい来訪者事件(続き) |
- |
- |
- |
|
E |
1 |
キングで冒険 |
キングに気をつけること |
キングを出し抜く |
- |
- |
- |
|
2 |
新聞紙の服を着た男 |
- |
- |
- |
|
F |
|
婦人失踪事件 |
- |
- |
婦人失踪事件 (乾信一郎) |
|
G |
|
眼隠し遊び |
目隠しごっこ |
- |
- |
- |
|
H |
1 |
霧の中の男 |
霧の中の男 |
- |
- |
- |
|
2 |
霧の中の男(続き) |
- |
- |
- |
|
I |
1 |
ぱしぱし屋 |
ぱしぱし屋 |
バリバリ屋 |
- |
- |
- |
|
2 |
ぱしぱし屋(続き) |
- |
- |
- |
|
J |
1 |
サニングデールの謎の事件 |
サニングデールの謎の事件 |
サニングデールの謎 |
- |
- |
- |
|
2 |
サニングデールの謎の事件(続き) |
- |
- |
- |
|
K |
1 |
死のひそむ家 |
死のひそむ家 |
- |
- |
- |
|
2 |
死のひそむ家(続き) |
- |
- |
- |
|
L |
|
鉄壁のアリバイ |
- |
- |
- |
|
M |
1 |
牧師の娘 |
牧師の娘 |
牧師の娘(坂口玲子) |
- |
|
2 |
赤色館 |
- |
|
N |
|
大使の靴 |
- |
- |
- |
|
O |
|
十六号だった男 |
16号だった男 |
- |
- |
- |
|
番 |
号 |
07 |
08 |
備考
|
A |
|
「アパートに妖精がいる」 |
フラットの妖精 |
|
B |
|
「お茶をどうぞ」 |
お茶を一杯 |
|
C |
1 |
桃色真珠紛失の謎 |
ピンクの真珠[注(一般書) 4]の謎 |
|
2 |
桃色真珠紛失の謎 (承前) |
|
D |
1 |
珍客到来 |
不審な来訪者 |
|
2 |
珍客到来 (承前) |
|
E |
1 |
キングで勝負 |
キングの裏をかく |
|
2 |
新聞紙の服を着た紳士 |
|
F |
|
婚約者失踪の謎 |
失踪した婦人の謎 |
|
G |
|
盲蛇におじず |
目隠し遊び |
|
H |
1 |
霧の中の男 |
霧の中の男 |
|
2 |
霧の中の男 (承前) |
|
I |
1 |
ぱりぱり野郎 |
ばりばり屋 |
|
2 |
ぱりぱり野郎 (承前) |
|
J |
1 |
サニングデールの怪事件 |
サニングデールの謎 |
|
2 |
サニングデールの怪事件 (承前) |
|
K |
1 |
死をはらむ家 |
死の潜む家 |
|
2 |
死をはらむ家 (承前) |
|
L |
|
破れないアリバイなんて |
アリバイ崩し |
|
M |
1 |
牧師の娘 |
|
2 |
赤い館の謎 |
レッドハウス |
|
N |
|
大使の靴の謎 |
大使の靴 |
|
O |
|
ついに十六番の男が…… |
十六号だった男 |
|
番号
|
出版年
|
書名
|
シリーズ名等
|
文庫名等
|
収録話数
|
編者等
|
訳者
|
巻末
|
ページ数
|
ISBNコード
|
カバーデザイン
|
備考
|
09
|
1979年 8月15日
|
クリスティーの6個の脳髄
|
|
講談社文庫103-5 BX239
|
11
|
各務三郎 編
|
深町眞理子
|
クリスティー略年譜 ・著作リスト
|
329
|
|
|
|
10
|
1980年
|
ホームズ贋作展覧会
|
|
講談社文庫
|
9
|
各務三郎 編
|
深町眞理子
|
|
283
|
|
|
|
番号
|
出版年
|
書名
|
シリーズ名等
|
文庫名等
|
収録話数
|
編者等
|
訳者
|
巻末
|
ページ数
|
ISBNコード
|
カバーデザイン
|
備考
|
11
|
1989年7月
|
ホームズ贋作展覧会
|
|
河出文庫 532A
|
9
|
各務三郎 編
|
深町眞理子
|
解説 各務三郎
|
293
|
4309460631
|
|
上記、講談社文庫の同題本10の再刊
|
番号
|
出版年
|
書名
|
シリーズ名等
|
文庫名等
|
収録話数
|
編者等
|
訳者
|
巻末
|
ページ数
|
ISBNコード
|
カバーデザイン
|
備考
|
12
|
1988年10月
|
バンカーから死体が ゴルフ・ミステリー傑作選
|
シリーズ・ザ・ スポーツノンフィクション 別巻
|
|
13
|
小鷹信光 編
|
|
|
293
|
4487761255
|
|
|
番 |
号 |
08 |
09 |
備考
|
J |
1 |
サニングデイルの怪事件 |
|
2 |
|
脚注(一般書)
- ^ ハヤカワ・ミステリ文庫版『おしどり探偵』 381ページ[編集部付記]参照。
- ^ 現在、グーテンベルク21が電子書籍化している。
- ^ 他に日下弘のカバーなど。
- ^ ふりがなは「ピンクパール」。
児童書
児童書
※ 短篇タイトルの左の英字A~Oは、早川書房のクリスティー文庫版『おしどり探偵』の収録順、該当ない場合は省いている。
番号
|
出版年
|
書名
|
シリーズ名等
|
文庫名等
|
収録話数
|
編者等
|
訳者
|
巻末
|
ページ数
|
ISBNコード
|
カバーデザイン
|
備考
|
101
|
1986年5月
|
アガサ=クリスティ 推理・探偵小説集 第2
|
|
偕成社文庫
|
6
|
各務三郎 編
|
深町眞理子
|
|
241
|
4036513702
|
|
|
102
|
1997年11月
|
死のハーブ ほか
|
アガサ・クリスティ 推理コレクション 4
|
偕成社文庫
|
5
|
|
茅野美ど里
|
|
201
|
4036522302
|
|
|
映像化作品
テレビドラマ
- おしどり探偵 - 1983年10月 - 1984年1月、イギリスで制作・放送。
なお、2015年にBBCで制作・放送されたテレビドラマ『トミーとタペンス -2人で探偵を-』(原題 Partners in Crime)の原作は、本作ではなく『秘密機関』と『NかMか』である。
脚注
- ^ 以下、各話の元ネタについては、橋本福夫訳『おしどり探偵』(ハヤカワ・ミステリ文庫)の「訳者あとがき」による。
|
---|
長編推理小説 |
|
---|
短編集 | |
---|
その他書籍 | |
---|
戯曲 | |
---|
登場人物 | |
---|
映像化作品 |
|
---|
関連項目 | |
---|
|