たまごっち
![]() たまごっち(英語: Tamagotchi)は1996年11月23日に日本のバンダイから発売されたキーチェーンタイプの時計機能付き電子ゲームであり、登場するキャラクターのことでもある。名称の由来は「たまご(Tamago)」と「ウオッチ(Watch、腕時計)」[1]。企画、開発は横井昭裕。 「たまごっち」をローマ字で表記するとTamagotchまたはTamagotchi[注 1]。略称はTMGC。 概要画面の中に登場する「たまごっち」と呼ばれる生物に餌を与えたり、フンの掃除をしたり、ゲーム内時間に連動して「たまごっち」が眠ったら消灯したり、「たまごっち」と遊んだりしながら育てていく。こまめにコミュニケーションをとっていれば機嫌がいいが、餌をやり忘れたりフンの掃除が滞ったりすると機嫌が悪くなり、最悪の場合、死に至ることもある。 こうして育てていくと、ある程度時間が経てば「おやじっち」や「にょろっち」など様々な生物に変身する。どの生物になるかは、生物のその時の体重や機嫌に左右されるよう設定されている。その他、名称の由来どおり単なる時計としても利用することができる。 商品サイズは高さ53mmで、白黒液晶画面の下部に3つのボタンを備えている。ボタンは左からコマンドの選択・決定・キャンセルに割り当てられ、この操作体系は同社の『デジタルモンスター』、他社の『ドラゴンクエスト あるくんです』など多くのゲームに引き継がれた。 『たまごっち』シリーズバンダイ公式では1996年から1998年発売機種を「誕生期」、2004年から2007年発売機種を「ツーしん期」、2008年から現在発売している機種は「カラー期」に分類されている[2]。 第1期(誕生期)企画段階
発売開始
社会現象化
さまざまな社会問題
ブーム終息による赤字
第2期(ツーしん期)企画段階
販売開始
ブームの収束
第3期(カラー期)たまごっちプラスカラー
たまごっち iD(Tamagotchi iD)
たまごっち P's(Tamagotchi P's)
たまごっち 4U(Tamagotchi 4U)
たまごっち みくす(Tamagotchi m!x)
たまごっちみーつ
Tamagotchi Pix
たまごっちスマート
たまごっちユニ2023年7月15日に「たまごっちユニ」が発売された。前作たまごっちスマートに引き続き腕時計型を採用。タッチパネルは廃止され、従来のボタンで操作する仕様に戻された。シリーズ初のWi-Fi搭載。「たまバース」にて世界中で育てられているたまごっちに会うことが出来るようになった。別売の「たまバースチケット」のコードを入力することにより、追加エリアでプレイしたり追加キャラクターを育成することが可能。本機よりたまごっちにランダムで性格付けがされ、性格カテゴリごとに異なる表情や動きを見せてくれるようになる。 2024年7月13日には新デザインのマイナーチェンジ・『エンジェルフェスティバル』『モンスターカーニバル』が発売され、育成は出来ないNPC扱いだが、てんしっちとデビルっちが再登場した。 たまごっちパラダイス2025年7月12日に「たまごっちパラダイス」が発売された。舞台は生まれたばかりの惑星である、にゅーたまごっち星で、にゅーたまごっち星にたまごっちを殖やして発展させるのが目的である。本体の機種は『ピンクランド(陸)』『ブルーウォーター(水)』『パープルスカイ((空)』の3バージョンあり、選択したモードによって育成出来るたまごっちが異なる(初期は選んだバージョンに対応するフィールドしか選べない)。育成出来るたまごっちは50種類以上存在し、『みくす』と同様、両親の特徴を子供に遺伝させる事が出来、そのバリエーションは5万種類以上存在する。 本作は前作までとは異なり、野生動物感や食物連鎖を意識しており、登場するたまごっちは「野生にいてもおかしくないデザイン・設定のたまごっち達」のみ選ばれており、現時点ではリボンを付けたり、服を着ておしゃれしている人間型のたまごっちは登場していない。オスっちメスっちのように違う本体を利用してドッキングし、たまごっちをブリードさせる事が出来るが、相性が良いとブリードが成功し2匹の間に卵が産まれるが、両者のお腹やご機嫌が低いと喧嘩したり、捕食者のお腹がゼロで空腹状態だと、捕食者のたまごっちが相手を捕食してしまい、共食いする描写が描かれている。 初代のキャラクターでは『ピンクランド』ではまめっち、みみっち、ポチっち、『ブルーウォーター』ではくじらっち、アンコっち、オトトっち、カメっち、『パープルスカイ』ではくちぱっち、てんとっちが育成、登場する。更に、バージョンそれぞれに3匹の隠しキャラクターも存在する。 シリーズ一覧第1期
第2期
第3期
コラボレーション・派生商品
その他、バンダイのぬいぐるみ『プリモプエル』のコンセプトは「リアルな立体版たまごっち」である[4]。 メディアミックス、関連作品家庭用ゲーム
アーケードゲーム
テレビアニメTVで発見!!たまごっち
全話タイトルリスト
さぁイコー! たまごっち→詳細は「さぁイコー! たまごっち」を参照
たまごっち!→詳細は「たまごっち!」を参照
2009年10月12日よりテレビ東京系列で放送。全271話。 2012年9月からは第2期『たまごっち! ゆめきらドリーム』、2013年9月からは第3期『たまごっち! みらくるフレンズ』、2014年4月からは第4期『GO-GO たまごっち!』が放送された。 2015年4月2日から『たまごっち! たまともだいしゅーGO』が放送された。過去シリーズのセレクション放送に加え実写パートが放送された。これを含むと6年間・通算297回の放送となる。 劇場アニメ
ラジオ
漫画作品1期のコミカライズ作品
2期以降のコミカライズ作品
小説
オリジナルアニメ
ウェブサイト(PC向け)モバイルアプリ
キャラクター
![]() キャラクターのデザインは、第1期は渡辺けんじがβバージョンをデザイン開発担当して解雇された黒柳陽子から仕事を引き継ぎ、第2期からはJINCOが担当している。なお、漫画連載は雑誌によって、あべさより、きむらひろき、かがり淳子、ヤスコーン、河井リツ子(りっち名義)、後藤英貴など複数の漫画家が担当している。 たまごっちを数える助数詞は公的に「匹」だが、アニメ版『たまごっち!』や、ゲーム版、3期以降は「人」と数えられることもある。 第1期1期のたまごっちは、ばんぞー博士が失恋の傷心で隅田川のほとりをぶらついている時に、謎の生物が乗った小さなUFOが溺れているのを発見して持ち帰り、ふしぎ生物研究所でたまごっちHOUSEを開発、その生物が中に入り、時計をセットすると5分後に卵が現れ、世話や言動などで理解できるものとなっており、たまごっち星生まれの地球外生命という設定である。人間の言葉は理解できるが、人語は話せず、「ピー」という鳴き声や表情、仕草で意思を伝えている。実機の他、アニメやゲーム版、コロコロコミック版の『まんがで発見!たまごっち』ではたまごっちは人間の言葉を話せない。 『たまごっちボン』によると、実機のたまごっちの食事の世話は、たまごっちの好みや成長に合ったご飯やおやつをあっという間に調理して与える機能がある。おにぎりの中身も色々あり、おやつもグレードアップする事もある。尚、たまごっち達のご飯の好みはベビっちがミルク粥、まるっちがふりかけご飯、たまっちが炊き込みご飯、まめっちが豆ご飯、ぎんじろっちが銀シャリ、くちぱっちがチキンライス、おやじっちが鮭茶漬けである。しかしこれも実機の画面(ハイパークリアビジョン映像)ではみんな同じご飯、おにぎり、飴、ケーキに変換されてしまう。 1期のたまごっちはデビルっちを除き性善説で善の存在であり、基本的に悪い心はなく、あったとしても弱いのでいたずらっ子な程度である(ますくっち、ズキっちなど)。実機ではたまごっちは「たまごっちHOUSEを持つ人間しか感知出来ず、一般人は邂逅する機会も無い特別な存在」として描かれている。 種類は実機では「元祖」「新種」「むしっち」「さかなっち」「てんしっち」「オスっち」「メスっち」「デビルっち」「やさしい」「サンタクロっち」の全10種類(ゲームオリジナルたまごっちを含めると、64版『みんなでたまごっちワールド』の熟たまごっち、PS版『星で発見』の全12種類)が存在する。尚、「デビルっち」「やさしい」「サンタクロっち」はブーム終焉時にリリースされたたまごっちであるため、ゲーム化はされていない。てんしっちとデビルっちは死んだたまごっちの霊魂(おばけっち)が転生した存在であり、たまごっちの死後の存在で、それ以外は生きているたまごっちである。 ペットとしては通常のたまごっちが犬や猫などの愛玩動物、むしっちとさかなっちは野生動物、てんしっちは天使や妖精、精霊や幽霊などのたまごっちを導く彼らよりも上位の存在、ポジションである。 『たまごっちボン』ではたまごっちの身体を構成する物質は「金属、空気、ふくらし粉、羽毛、何だか分からないスウィートなもの」「骨は非常に丈夫であり、95%のカルシウムと5%のラムネで出来ている」と説明されている。 1期ではまめっち、みみっちといった知能の高いたまごっちや、にんぎょっち(公的に女性)、ほとんどのメスっちなどの女性たまごっちは公式イラストで排泄を便器でし、恥ずかしがる描写が多いが、それ以外のたまごっちは基本的に排泄を恥ずかしがらず、便器でするキャラは少ない。公式イラストで排泄を便器でするたまごっちはまめっち、みみっち、ぴょんちっち(オスっちでは希少)、ほとんどのメスっち、コガネっち(むしっちでは希少)、くりてん、ぎんじろてんし、おとのてんなどと限られている。また彼らの便器は洋式トイレが基本だが、おまるや和式トイレなどキャラによってバリエーションがある(みみっちは普通のおまる、コガネっちは金のおまる、くりてんはアヒルのおまる、ぎんじろてんしは和式トイレなど)。 尚、『ゲームで発見無印』ではベビーっち期、くちたまっち、はしたまっち、にょろっち、くさっちは便器で排泄をしないが、それ以外のたまごっちは条件を満たせば、便器で排泄をする事が出来る。『ゲームで発見2』ではトイレシステムが削除されている為、むしっちとさかなっちが便器を使う姿を見る事は出来ない。 1期では、公式絵やゲーム版ではたまごっち達は寝る時に演出として鼻ちょうちんを出すが(特に幼いたまごっち)、まめっちやみみっちなどの賢いたまごっち、実機の公式絵のコガネっちなどの育ちの良いたまごっち、にんぎょっちやメスっちなどの女性たまごっち、たまごっちの上位の存在であるてんしっち達などは鼻ちょうちんを出さない事が多い。 1期でのサイズは普通の卵と同じくらいで(ゲーム版では人間より少し小さいくらい)、1期では公式イラストには台詞があるが基本的に人語は話せず、実機やゲーム版、漫画版の『まんがで発見!たまごっち』では人語を話せず、「ピー(たまごっちの呼び出し音)」という鳴き声で意思を伝えていて、鳴き声のバリエーションは豊富。 公式絵ではたまごっちが人語を話している描写もあるが、それはばんぞー博士とミカチューの翻訳によるものである(『どこどこたまごっち』『たまごっちボン』では「ミカチュー翻訳済み」という単語が出てくる)。 実機のさかなっち(にんぎょっち)、オスっち・メスっち、デビルっち(デビルコっち、クリデビっち)以外のたまごっちは女性たまごっちがグループに存在せず、無性別とオスが基本の「女性を排除した、男性優位社会」になってしまっているのが特徴である(元祖、新種、むしっち、GB2のさかなっち、てんしっちなど)。 メスっちも登場したが、「たまごっちに普通に女性もいて、女性たまごっちも仲間として輪に入っている世界」では無かった為評価は低く、実機のさかなっち(にんぎょっち)が登場するまでは、メスっち以外の女性たまごっちは実機には存在しなかった。尚、にんぎょっちは実機限定キャラである為、『ゲームで発見2』『たまごっちタウン』には登場しない。 第2期以後(第1期との相違点も含む)第2期からは、たまごっちの基本設定が全面的に一新された。地球外生命という設定は健在だが、ばんぞー博士と助手のミカチューが登場しなくなり(「Tamagotchi iD L 15th Anniversary ver.」で再登場している)、その分たまごっち星の社会や文化が続々と判明する。2009年に発売したTamagotchi iDでは液晶のドット数が大幅に増え複雑なキャラクターが描写出来るようになったためにラブリっちを皮切りに新たなデザインのキャラクターが登場した。 第2期以後のアニメ化作品では、たまごっち星の世界観が詳細に描かれているが、第1期との相違点が多くみられる。例としては、たまごっち星の外観・地理の違いなど[注 53]。1期ではポコポコ火山(噴火する度にたまごっちの卵を産み出す不思議な火山)、寒冷地のクリスタルキングダムなどがある(公式ガイドブック『たまごっちボン』参照)。 1期ではオスっちとメスっち、『星で発見』のたまごっちや、にんぎょっちやケロぴょんっち、ムシばっちなどの一部のたまごっちを除き性別の概念が存在しないが、2期以降は性別の概念が存在するようになった。1期では男性的、中性的なデザインのたまごっちが多く見られ、寿命を過ぎた場合に1個だけ卵を産み、単為生殖する事で、子孫を殖やしていた。性別については基本的にボカす事が多かった。 1期はシンプルでシュールなデザインで、たまごっちには服を着る文化がないため、一部を除きたまごっちは基本的に服を着ないが、3期以降は女児向けに移行したこともあり、目がキラキラしている可愛さ特化のデザインになり、服を着る文化が登場し、服を着るたまごっちが多くなった。2期以降は1期のようなシンプルなデザインのたまごっちは少なくなり、複雑で凝ったデザインのたまごっちが多くなった。 1期のたまごっちは一部を除き2期以降には登場しないが、「たまごっちiD L 15周年記念バージョン」ではむしっちは「カブトっち」と「イモっち」、さかなっちは「あしぎょっち」、てんしっちは「ぷくてん」、デビルっちは「デビルっち」が再登場している。他、たまごっちが死亡する時のお迎えの演出として「くりてん」が登場する(「ペンギンっち」と「にんぎょっち」は名前だけ登場)。 2024年7月13日には『たまごっちユニ』の新シリーズ『エンジェルフェスティバル』と『モンスターカーニバル』で、育成は出来ないものの、てんしっちとデビルっちが再登場し、てんしっちは2025年1月、7月に実機で海外版のリバイバルが復刻された。 2025年7月12日には『たまごっちパラダイス』で、『森で発見』のむしっち(カブトっち、てんとっち)、『海で発見』のさかなっち(くじらっち、オトトっち、カメっち、アンコっち)が育成キャラとして再登場した。 オフィシャルショップたまごっちデパート![]() バンダイ直営のオフィシャルショップ[73]。なお「たまごっちデパート」はアニメ『たまごっち!』などで実際に登場するデパートである。
たまごっちのおみせ
関連曲
脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク
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