アクメ・コーポレーションアクメ・コーポレーション(Acme Corporation)とは、特にワーナー・ブラザース製作のカートゥーンに繰り返し登場する架空の企業。『ワイリー・コヨーテとロード・ランナー』のアニメ短編ではお約束のギャグとなっている、ここぞという最悪のタイミングで故障したり破滅的な逆効果が起こる奇妙な製品を扱っているのが特徴である。 ワーナー・ブラザースのカートゥーン以外にも、映画、テレビのシリーズ番組、コマーシャルやコミックストリップでも普遍的な社名として使用されている。 アクメという言葉は「最高潮、頂点、最上の」[1]と言う意味のギリシャ語(ακμή:英語の翻字はakmē)から来ているため、上記の『ロード・ランナー』シリーズにおけるこの社名は皮肉にもなっている。 日本語訳では単に「アクメ」や「アクメ印」と表記されたり、エピソードによっては注釈などの説明が無かったりする。 由来![]() アクメは「頂点」を意味するため、最高の商品であることを表わすため実際に使われることがあった。初期の国際的な「アクメ」ブランドには、1870年代半ば以降にJ Hudson&Coによって作られたホイッスル「アクメ・シティ」があり、その後「アクメ・サンダラー」や1895年にはアクメ・サイレンも作られた。イエローページのようなアルファベット順の電話帳が普及した1920年代には、アクメという言葉を社名に入れることが人気になった。Aから始まる会社は電話帳の最初のほうに掲載される上に、「最高」という意味もあったからである。当時アクメと名づけられた会社は巷にあふれ、Acme Brick、Acme Markets、Acme Bootsなど、幾つかは今日でも生き残っている。初期のシアーズのカタログには、ワーナー・ブラザースのカートゥーンに何度も登場するかなとこを含め「アクメ」の商標を持つ製品がいくつも載っていた[2]。 ワーナー・ブラザースのアニメーターであるチャック・ジョーンズは、アクメという名前をつけるのが流行っていたので採用したと語っている。 アクメという名前はまた、当時のロサンゼルスの人々にとってもう一つの含みがあった。ワーナー・ブラザースのカートゥーンが製作されている間、ロサンゼルスの信号機はアクメ・トラフィック・シグナル社によって製造されていたが、この信号は小さな赤と緑の光に「停止」と「進め」の腕木信号を組み合わせたものだった。鐘は今日の信号機で使われる黄色い光の役割を果たし、信号が変わるタイミングで5秒間鳴り響いていた[3]。アクメの腕木信号機があると、この鐘が鳴り響いて車が発進し甲高いタイヤの音を立てるなど、視覚的なおもしろみが多く喜劇的な効果を持つため、ワーナー・ブラザースの『ルーニー・テューンズ』と『メリー・メロディーズ』でよく使われている。 アクメが、「あらゆる物を作る会社(A Company Making Everything)」「アメリカの会社があらゆる物を作る(American Companies Make Everything)」「あらゆる物を製造するアメリカ企業(American Company that Manufactures Everything)」といった意味の頭字語(ACME) だとするのは間違いである[4][5]。 フィクションでの描写アクメ・コーポレーションは『ロード・ランナー』では、明示こそされないものの、どれだけ手が込んでいたり大げさであっても、想像しうるあらゆるタイプの製品を生産するコングロマリットのような企業として描かれる。ただしそのほとんどが決してキャラクターの期待通りには機能しない(一部の製品は機能しすぎてコヨーテに対して逆効果になる)。『ロード・ランナー』シリーズの『ミッミッ』では、フェアフィールド郡区(ニュージャージー州)に拠点を置く「Acme Rocket-Powered Products,Inc.」として登場する。その製品の多くはワイリー・コヨーテのため特別に製造されているようで、例えば「ロードランナーつまずき用」という但し書きのアクメ巨大輪ゴムといった製品がある。 彼らの製品には多くの改善点が残っているものの、アクメの配送サービスだけは他社のつけいる余地がない。ワイリーは単にメールボックスに注文を入れる(または映画『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』のようにWebサイトで注文を入力する)だけで、数秒以内にその製品を入手してしまう。 登場する作品![]() 「アクメ」の名前は、膨大な数のアニメや漫画、『アイ・ラブ・ルーシー』初期エピソードなどのテレビ番組、バスター・キートンの無声映画『隣同士』(1920)やハロルド・ロイドの『豪勇ロイド』(1922)など無声時代以降の映画に至るまで、一般的な会社名として使用されている。 特にキャラクターとしてのワイリー・コヨーテを参照している例には次のものがある。 アニメ、テレビ番組
音楽
法律
その他
関連項目脚注
外部リンク
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