オレクサンドル・ウシク 対 ダニエル・デュボア第2戦

オレクサンドル・ウシク 対 ダニエル・デュボア第2戦
開催日 2025年7月19日
認定王座 WBAWBCIBFWBOIBO世界ヘビー級王座統一戦
リングマガジン世界ヘビー級タイトルマッチ
開催地 イングランドの旗 イングランドロンドン
会場 ウェンブリー・スタジアム
リングアナ マイケル・バッファー
放送局 DAZN PPV
実況・解説 アダム・スミス(実況)
バリー・ジョーンズダレン・バーカー(解説)
アデ・オラディポ(インタビュー)
主催 フランク・ウォーレン(クィーンズ・ベリー・プロモーションズ)
オレクサンドル・ウシク(ウシク・ボクシング・プロモーションズ)
ロドニー・バーマン(ゴールデン・グローブス・プロモーションズ)
ウェブサイト Oleksandr Usykvs Daniel dubois II

オレクサンドル・ウシク 対 ダニエル・デュボア
The Cat (猫) Dynamite(ダイナマイト)
比較データ
38歳 年齢 27歳
 ウクライナシンフェロポリ 出身地 イングランドの旗 イングランドグリニッジ・ロンドン特別区グリニッジ
23戦 23勝 (14KO) 無敗 戦績 24戦 22勝 (21KO) 2敗
190cm 身長 196cm
103.06kg 体重 110.59kg
198cm リーチ 198cm
サウスポー 特徴 オーソドックス
アナトリー・ロマチェンコ
ユーリ・トカチェンコ
指導者 ドン・チャールズ
WBA世界ヘビー級スーパー王者WBC世界ヘビー級王者・WBO世界ヘビー級王者・IBO世界ヘビー級王者・リングマガジン世界ヘビー級王者・世界2階級制覇王者(World Boxing Super Seriesクルーザー級第1シーズン優勝、元4団体世界クルーザー級統一王者)・ロンドンオリンピックヘビー級金メダリスト 評価 IBF世界ヘビー級王者・元WBA世界ヘビー級王者

結果 ウシクの5回1分52秒KO勝ち
主審 マイケル・グリフィン(WBC)
副審 パトリック・マーレイ(4団体及びIBO)
マイク・ロス(4団体及びIBO)
ベノイト・ロウジル(4団体及びIBO)

オレクサンドル・ウシク 対 ダニエル・デュボア第2戦(オレクサンドル・ウシク たい ダニエル・デュボアたい2せん)は、2025年7月19日、イングランドロンドンウェンブリーにあるウェンブリー・スタジアムで開催されたプロボクシングの試合。

WBAWBCWBOIBO世界ヘビー級統一王者オレクサンドル・ウシクIBF世界ヘビー級王者のダニエル・デュボアが行う4団体王座統一戦。通算で15回目となる4団体王座統一戦となり、ヘビー級は2度目でウシクにとっては3度目となる4団体王座統一戦となった。この試合はDAZNPPVで放送された。

試合までの経緯

両者の第1戦及び世界戦まで

2021年6月5日、イギリス・テルフォードのテルフォード・インターナショナル・センターで、デュボアがWBA世界ヘビー級暫定王座決定戦をWBA世界ヘビー級4位のボグダン・ディヌと行い、2回31秒KO勝ちを収め王座を獲得した[1][2]

2021年8月25日、WBAは暫定王座を廃止すると共に指名挑戦権を付与する措置を行った為[3]、デュボアはWBA世界ヘビー級暫定王座を失った[4]

2021年9月25日、ロンドンのトッテナム・ホットスパースタジアムに66,267人の観衆を動員して[5]、ウシクがWBAスーパー・IBFWBOIBO世界ヘビー級王者のアンソニー・ジョシュアと対戦し、12回3-0(117-112、115-113、116-112)の判定勝ちを収め2階級制覇を達成した[6]

2022年6月11日、マイアミカジノ・マイアミ英語版で、デュボアがWBA世界ヘビー級レギュラー王者のトレバー・ブライアンと対戦し、4回1分58秒KO勝ちを収め王座返り咲きに成功した[7]

2022年8月20日、サウジアラビアキング・アブドゥッラー・スポーツシティ敷地内にある1万人収容のキング・アブドゥッラー・スポーツシティ・アリーナで[8]、ウシクがアンソニー・ジョシュアとダイレクトリマッチで再戦し、12回判定勝ちを収め、WBAスーパー、IBF、WBO、IBO王座の初防衛に成功し、リングマガジン世界ヘビー級王座も獲得した[9]

2022年12月3日、ロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムにてタイソン・フューリーデレック・チゾラ第3戦の前座で、デュボアがWBA世界ヘビー級12位のケビン・レレナと対戦し、初回にいきなり3度のダウンを喫するが、2回から巻き返し3回3分TKO勝ちを収め初防衛に成功した[10][11]

2023年5月25日、スーパー王者であるウシクとレギュラー王者であるデュボアによるWBA世界ヘビー級団体内王座統一戦の興行権の入札が行われ、デュボアを擁するクィーンズ・ベリー・プロモーションズが5,620,050ドルで入札したのに対し、ウシクを擁するK2プロモーションズが8,057,000ドルで落札し、これによりウシクは落札額の75%にあたる6,042,750ドル(約8億9千万円)、デュボアは25%にあたる2,014,250ドル(約2億9千万円)のファイトマネーを受け取ることになった[12]

2023年8月26日、ポーランドのタルチェンスキ・アリーナでウシクとデュボアによる団体内王座統一戦が行われ、ウシクが9回1分48秒KO勝ちを収め、WBAスーパー・IBF・WBO・IBO王座の2度目の防衛に成功した[13]。しかし、5回にデュボアがウシクのトランクスのベルトラインに放ったローブローがボディブローだったとする声が挙がり[14][15]、試合後にデュボアのプロモーターであるフランク・ウォーレンがレフェリーの判断ミスでありローブローではなかったとして、WBAに対して試合結果をノーコンテストに変更し、即時の再戦を命じるよう提訴した[16][17]

2023年10月12日、WBAはデュボア陣営の試合結果のノーコンテストへの変更及び即時の再戦を求めていた提訴を却下した[18]

2024年5月18日、サウジアラビアリヤドキングダム・アリーナで、ウシクがWBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリーと4団体王座統一戦を行い、12回2-1(115-112、113-114、114-113)の判定勝ちを収め、ヘビー級史上初となる主要4団体王座統一に成功するとともに、この試合のために特別に用意されたアンディスピューテッド王座も獲得し、テレンス・クロフォード井上尚弥に次いで史上3人目、女子を含めると史上5人目となる2階級での主要4団体王座統一に成功した[19][20]

2024年6月1日、キングダム・アリーナで、デュボアがIBF世界ヘビー級1位のフィリップ・フルゴビッチとIBF世界ヘビー級暫定王座決定戦を行い、8回54秒TKO勝ちを収め暫定ながら世界王座に返り咲いた[21]。当初はIBF世界ヘビー級挑戦者決定戦として行われる予定だったが、王者のウシクがIBFに例外の申請を行ったことに伴い、IBFが試合2日前の同年5月30日に暫定王座決定戦として急遽承認したことを発表した[22]

2024年6月25日、ウシクがIBF世界ヘビー級王座を返上。IBFはデュボアを同日付で暫定王者から正規王者に昇格させた[23][24]

2024年9月21日、ロンドンウェンブリー・スタジアムで、デュボアがIBF世界ヘビー級3位のアンソニー・ジョシュアと対戦。試合前のオッズでデュボアは圧倒的不利と目されていたが、初回からダウンを奪うなど圧倒し、最後はカウンターの右ストレートで番狂わせとなる5回59秒KO勝ちを収め初防衛に成功した[25][26]

2024年12月21日、キングダム・アリーナで、ウシクがタイソン・フューリーとダイレクトリマッチで再戦し、12回3-0(116-112×3)の判定勝ちを収め、4度目のWBAスーパー・WBO王座防衛、WBC王座の初防衛に成功した[27][28]

対戦決定後の概要から試合まで

2025年4月15日、ウシクとデュボアの再戦が2025年7月12日にウェンブリー・スタジアムで開催される事になったとリング誌が報じた[29]

2025年4月25日、ウシクとデュボア再戦が2025年7月19日にウェンブリー・スタジアムで世界ヘビー級4団体王座統一戦として行われる事が正式に発表された[30]

2025年4月29日、ウシクとデュボアによる世界ヘビー級4団体王座統一戦のの発表記者会見が行われた。デュボアは第1戦を振り返りながら、「あの間違いを正し、この論争を終わらせるチャンスを得た。今はいろいろなウワサが飛び交っているが、彼を眠りにつかせるのが待ちきれない」とし「準備万端だ。血みどろの戦いになるだろう」とコメントし、ウシクは「こういう人たちのことは考えていない。それは問題ではない。これは私の道だ」とベルト統一を見据えていた[31]

2025年7月17日、最終記者会見が行われた。この会見でウシクはデュボアに対し、「私はこの若者を尊敬している」とし、年齢が11歳も離れていることに「デュボアはやる気満々だけど、私も同じだ。私は年寄りではない。38歳は年寄りじゃない。どうなるか見てみよう」と語り、「デュボアは成長したと思うし、今ではチャンピオンベルトも持っている」としながらも「でも私もずっと同じ場所にとどまっているわけじゃない。自分自身も成長してきたんだ」と自信を示した[32]

2025年7月18日、前日計量が行われ、ウシクは227.2ポンド(103.06kg)、デュボアは243.8ポンド(110.59kg)で計量をパスした[33]

2025年7月19日、ウェンブリー・スタジアムで行われたたWBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界ヘビー級王座統一戦に於いて、ウシクが5回1分52秒KO勝ちを収め、5度目のWBAスーパー・WBO王座防衛、WBC王座の2度目の防衛及び再びIBF王座を獲得し、ヘビー級4団体統一王者に返り咲いた[34]

脚注

  1. ^ Daniel Dubois stops Bogdan Dinu to claim WBA interim heavyweight title”. Sky Sports. 2021年6月5日閲覧。
  2. ^ 王者候補デュボアが快勝 復帰戦でWBAヘビー級暫定タイトル獲得 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年6月6日
  3. ^ WBA Eliminates Interim Titles Effective Immediately”. Boxingscene. 2021年8月25日閲覧。
  4. ^ WBAが悪評の暫定王座廃止へ チャンピオン減少を促進 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年8月26日
  5. ^ Oleksandr Usyk outclasses Anthony Joshua to win world heavyweight titles and wreck Tyson Fury fight plans”. YahooSports (2021年9月26日). 2021年9月26日閲覧。
  6. ^ ヘビー級3冠戦 ジョシュア陥落! ウシクが王者を翻弄して金メダリスト対決制す Boxing News(ボクシングニュース) 2021年9月26日
  7. ^ ヘビー級の大器 デュボア楽勝 ブライアン沈めWBAレギュラー王座獲得 Boxing News(ボクシングニュース) 2022年6月12日
  8. ^ THE STAGE IS SET Inside the King Abdullah Sports City Stadium and why the 10,000 capacity venue is better for Usyk than Anthony Joshua Wally Downes Jr”. The Sun (2022年8月19日). 2022年8月29日閲覧。
  9. ^ ウシクが2-1判定でヘビー級3冠防衛 ジョシュアは第1戦から改善するも及ばず Boxing News(ボクシングニュース) 2022年8月21日
  10. ^ Daniel Dubois Goes Down Three Times, But Blasts Out Kevin Lerena in Third”. Boxingscene. 2022年12月4日閲覧。
  11. ^ WBAヘビー級“正規”王者デュボアは命拾い 3度ダウン挽回の3回TKOでベルト死守 Boxing News(ボクシングニュース) 2022年12月4日
  12. ^ Oleksandr Usyk’s team win Daniel Dubois purse bids with huge $8million bid and plan to stage fight in Poland”. talksport (2023年5月26日). 2023年9月18日閲覧。
  13. ^ ウシクがデュボアを9回KO ヘビー級3団体王座防衛でフューリーと統一戦希望 Boxing News(ボクシングニュース) 2023年8月27日
  14. ^ 【ボクシング】WBA正規王者デュボア「だまされて勝利を逃した」ローブロー判定でKO負け”. 日刊スポーツ (2023年8月27日). 2023年9月17日閲覧。
  15. ^ ウシクvsデュボアの疑惑のローブロー問題を元リング誌記者が徹底検証”. スポルディング・ニュース (2023年8月29日). 2023年9月17日閲覧。
  16. ^ Team Dubois File Appeal With WBA To Pursue Rematch, Overturn Loss To Usyk Pursue Rematch”. Boxing Scene.com (2023年9月6日). 2023年9月18日閲覧。
  17. ^ Dubois appeals to WBA seeking to overturn Usyk result”. DAN RAFAEL (2023年9月7日). 2023年9月18日閲覧。
  18. ^ Usyk-Dubois: WBA Upholds In-Ring Result. Determines Queensberry's Appeal 'Has Not Met Burden Of Proof'”. Boxing Scene.com (2023年10月12日). 2023年12月22日閲覧。
  19. ^ Tyson Fury vs. Oleksandr Usyk fight results: Live boxing updates, highlights, scorecard, start time, undercard CBS Sports 2024年5月18日
  20. ^ ウシクがヘビー級4団体統一王者に 9回にダウン奪い2-1勝ち フューリーは再戦希望 Boxing News(ボクシングニュース) 2024年5月19日
  21. ^ ヂャンがワイルダーを豪快KO デュボアはIBFヘビー級暫定王座獲得で次戦ジョシュアか Boxing News(ボクシングニュース) 2024年6月2日
  22. ^ IBF Tags Hrgovic-Dubois With Interim Title Fight Consolation”. BoxingScene.com (2024年5月31日). 2024年6月1日閲覧。
  23. ^ Oleksandr Usyk Vacates IBF Title Ahead of Joshua-Dubois Announcement”. Boxing Scene.com (2024年6月25日). 2024年6月26日閲覧。
  24. ^ デュボアがIBFヘビー級王者に昇格 9.21ジョシュアとウェンブリー・スタジアム決戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2024年6月27日
  25. ^ Daniel Dubois stuns Anthony Joshua with shock knockout win to retain IBF heavyweight world title at Wembley Stadium Sky Sports 2024年9月21日
  26. ^ デュボアがジョシュアを沈める! 英国ヘビー級決戦に96000観衆興奮 Boxing News(ボクシングニュース) 2024年9月22日
  27. ^ Oleksandr Usyk vs. Tyson Fury 2 results, highlights: Ukrainian champ retains titles in high-paced duel CBS Sports 2024年12月21日
  28. ^ 再戦もウシクが制す、3‐0判定でフューリーを連破 3団体統一世界ヘビー級戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2024年12月22日
  29. ^ ウシクvs.デュボア再戦合意 7月12日ロンドン・ウェンブリースタジアム Boxing News(ボクシングニュース) 2025年4月16日
  30. ^ ウシクvs.デュボア2 7月19日に正式決定 ヘビー級4団体統一戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2025年4月26日
  31. ^ ウシクがローブロー論争でデュボアを挑発 デュボアのコーチは「ボクシング界をだました」と非難 東スポWeb 2025年4月30日
  32. ^ オレクサンドル・ウシクが世界ヘビー級4団体統一戦に意欲 11歳差に「38歳は年寄りではない」 東スポWeb 2025年7月18日
  33. ^ ウシク対デュボア明日因縁の再戦 ヘビー級王座統一戦ロンドンでゴング Boxing News(ボクシングニュース) 2025年7月19日
  34. ^ ウシクがデュボアを5回KO ヘビー級全王座を再び統一 Boxing News(ボクシングニュース) 2025年7月20日

関連項目

外部リンク

先代
サウル・アルバレス 対 ウィリアム・スクール戦
ボクシング世界4団体王座統一戦
2025年7月19日
次代
N/A
Prefix: a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

Portal di Ensiklopedia Dunia

Kembali kehalaman sebelumnya