コンスティテューション級
コンスティテューション級(コンスティテューションきゅう、Constitution class)は、アメリカのSFドラマ・映画『スタートレック』シリーズに登場する、惑星連邦宇宙艦隊保有の架空の宇宙艦の艦級名の一つである。 Constitutionは英語で「憲法」を意味し、日本語では「コンスティテューション」または「コンスティチューション[1]」と表記・発音される。 概要コンスティテューション級は、『スタートレック』シリーズの最初のテレビドラマ作品『宇宙大作戦』に登場する、ジェームズ・T・カーク船長ら主要メンバーが乗艦するU.S.S.エンタープライズ NCC-1701の艦級である。 惑星連邦は建前上、戦闘目的の宇宙艦を造らないが、コンスティテューション級はクリンゴンのD-7級バトルクルーザーと互角の防衛力を持つとされ、23世紀宇宙艦隊の旗艦となっている。『宇宙大作戦』にはエンタープライズの他にもU.S.S.ポチョムキンやU.S.S.ディファイアントなどの同型艦が登場する。 後述の通り、この艦級はさまざまなバリエーションがあるが、総じた特徴は23世紀中期の深宇宙探査艦であることである。全長は約300m。最上層階である第1デッキに司令室であるメインブリッジがある。反物質を燃料とし、最高速度はワープ9(光速の729倍)。武装はフェイザー砲と光子魚雷、防御シールドを搭載。転送装置によりクルーは母艦ごと大気圏に突入することなく惑星地表に上陸できる。 『宇宙大作戦』終了後の劇場版やテレビシリーズで登場する惑星連邦の宇宙艦は、基本的にコンスティテューション級のデザインを踏襲したものとなっており、『スタートレック』シリーズの美術面での原点である。 なお、非常に類似している名前の艦級に「コンステレーション級」(英語で「星座」を意味する)がある。また「コンスティテューション級U.S.S.コンステレーション NCC-1017 」という紛らわしい宇宙艦も存在し、文庫本『宇宙大作戦』シリーズでもしばしば間違われている。 デザイン初代エンタープライズのデザインはマット・ジェフリーズ。「空飛ぶ円盤」と「ロケット」という宇宙船としてはありきたりなデザインを融合させ、それらをシンプルにまとめたものという、今日でも斬新さを感じさせる優れたデザインがされている。 形状は、円盤状の第1船体(円盤部)と、円筒状の第2船体(推進部)が板状のドーサルネックで接続されている。第2船体背面には翼のように広がるワープナセルパイロンがあり、その先に2対の円筒状のワープナセルが接続する。第2船体艦首にはパラボラアンテナ状のデフレクター盤が設置されている。円柱のデッサン要素のみで構成されているシンプルなデザインであるため非常に印象に残りやすく、「エンタープライズを描けない子供はいない」とまで言われたほどである。 後発シリーズの連邦宇宙艦デザインについては、主人公の艦はコンスティテューション級のデザインを踏襲したものが多く、その他のモブ宇宙艦は第2船体を省略し円盤部とワープナセルが直結したものが多い。 バリエーションコンスティテューション級は初代U.S.S.エンタープライズの艦級ということもあり、続編やリメイク等による再登場が多く、スタートレックの宇宙艦の中で最も形状にバリエーションが多い艦級である。 初代エンタープライズ型1966年の『宇宙大作戦』に登場した初代エンタープライズの型。基本的な船体形状がすでに完成されており、このデザインの構成要素はその後の多くの惑星連邦の宇宙艦にも受け継がれている。全長289m。 改装型/エンタープライズA型1979年の劇場版第1作『スター・トレック』から登場した改装後のエンタープライズと、1986年の劇場版第4作『スタートレックIV 故郷への長い道』から登場したエンタープライズAの型で、コンスティテューション級改、またはコンスティテューションII級[2]と呼ばれる。ワープナセルやワープナセルパイロン等の形状に直線を多用した精悍なデザインとなっており、デフレクター盤やワープナセルの青い発光、細部に至る細かなディティールや電飾の美しさなど、こちらもスタートレックの連邦宇宙艦デザインの基本となっている。全長305m。 スタートレック:ディスカバリー型2018年の『スタートレック:ディスカバリー』第2シーズン、『スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』に登場した初代エンタープライズの型。オリジナルの初代エンタープライズの形状を踏襲しつつ、ドーサルネックがやや短くなり、ワープナセルやそれを支えるワープナセルパイロン、インパルスエンジン、船体各所のライトアップなどが洗練され、作品の世界観に馴染むようアレンジされたデザインとなっている。全長442m。 ケルヴィン・タイムライン版エンタープライズ型2009年の劇場版第11作『スター・トレック (2009年の映画)』に登場した型で、J・J・エイブラムス監督にちなみ「JJプライズ」とも呼ばれる。タイムトラベルに伴う大規模な歴史改変によって生まれた並行世界、ケルヴィン・タイムラインで建造されたエンタープライズ。上記の初代型・改装型のデザインを組み合わせ、21世紀らしい強くスタイリッシュな艦として生まれ変わった。劇場版第12作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』では劇中で壊滅的なダメージを負い、改装修理を受けた際に細部がマイナーチェンジされる。全長725m。 ケルヴィン・タイムライン版エンタープライズA型2016年の劇場版第13作『スター・トレック BEYOND』のラストシーンに登場。前作までのデザインから更にアレンジが加えられたものとなっている。歴代のコンスティテューション級のデザインの中では最も独特な形状である。 ソンブラ級『スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』シーズ1第9話に登場したU.S.S.ペレグリンの艦級。外装・内装ともにディスカバリー型コンスティテューション級のオレンジ色の部分が青色になっている以外はまったく同一の船体。登場人物の「コンスティテューション級と同じ部品を使っている」「珍しい」という台詞から、何らかの理由で作られた亜種コンスティテューションと推察される。乗員数99名。 コンスティテューションIII級『スタートレック:ピカード』シーズン3にコンスティテューションIII級[3]のU.S.S.タイタンNCC-80102-Aが登場。ネオコンスティテューション級とも呼ばれる。 エンタープライズA型(コンスティテューションII級[2])やシャングリラ級U.S.S.タイタンNCC-1777[3]を基にデザインされた25世紀初頭の最新鋭艦で、船体形状はコンスティテューション級に酷似しているが規模はソヴェリン級に近い。円盤部船尾側が1/3ほどが切り抜き状になっており、大規模な補助インパルスエンジンとなっている。第2船体はデフレクター盤両舷にバルジ部分が盛られている。全長560m。最高速度ワープ9.99。 コンスティテューション級宇宙艦一覧
注
関連項目
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