ディシディア ファイナルファンタジー (アーケードゲーム)
『ディシディア ファイナルファンタジー』(DISSIDIA FINAL FANTASY、略称: DFFAC、ACDFFなど)は、スクウェア・エニックスのアーケードゲーム。2015年11月26日稼働開始[1]。 概要『ファイナルファンタジーシリーズ』の20周年記念として初作が発売され、シリーズの歴代キャラクターが闘い合うクロスオーバータイトルとして続いてきた『ディシディア ファイナルファンタジー』シリーズをベースとしたアーケード作品。稼働時点で約28年の歴史を持つファイナルファンタジーシリーズとして、初のアーケード用タイトル[2]である。「ジャパン アミューズメントエキスポ 2015」にて発表された。 スクウェア・エニックスの社内開発であった旧作と異なり、実開発はコーエーテクモゲームスの「Team NINJA」が行っている。また、プラットフォームにはPlayStation 4をアーケード用にカスタマイズしたものがコアシステムに使用されている[3]。 PlayStation Portableで発売されていた旧作からは世界観やストーリーが一新され、バトルシステムも3on3方式に変更されている[4]。 2016年8月27日に初の公式イベントとして「ディシディア夏祭り」が開催、同イベントにおいて本作の関連タイトルとなるスマートフォン用ゲームアプリ『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』が発表された[5]。 2017年にコンシューマへの移植を発表、『ディシディア ファイナルファンタジー NT』のタイトルで2018年1月11日にPlayStation 4用ソフトとして発売された。2019年3月にはPC用ソフトとしてSteamでも配信された。 2020年2月20日に最終アップデート(Ver.1710)を実施、ネットワークサービスについても2021年4月1日をもって終了しオフライン稼働へ移行した。『NT』のオンラインサービスについては引き続き行われる[6]。 基本システム筐体は本作品オリジナルのものを使っており、左右にあるレバーにそれぞれPlayStation 4のコントローラーを左右に割ったような形状のコントローラーが取り付けられている。一部ボタン名は異なるが、基本的に旧作からボタンの位置と行えるアクションの関係は変更されていないため、ディシディアシリーズ旧作のプレイヤーも違和感なく移行できるとしている。また、左右レバーの中間には、『ファイナルファンタジー』シリーズの象徴である「クリスタル」を模した形状の大きなボタン「召喚ボタン」が設置されており、これを押し込むことで操作キャラクターに召喚の詠唱を行わせる(後述)。 一部の店舗では録画装置を取り付け、USBメモリにゲーム画面を動画保存することができ、保存した動画はプレイヤーズサイトに記載されているガイドラインの範疇で動画サイトへのアップロードが認められている[7]。 戦闘システム戦闘は3人のチーム(作中では、原作シリーズに倣って「パーティー」と呼称する)の2チーム対戦で行う。自分チームのキャラクターの攻撃で、相手チームのキャラクターのHPを0にした場合、そのキャラクターは「戦闘不能」となり一定時間戦闘に参加不能になる。相手チームのキャラクターをのべ3回戦闘不能にし、相手チームの「勢力HP」をなくすことで自チームの勝利となる。4分の制限時間が存在し、この時間内に両チームとも勝利条件を満たせなかった場合は引き分けとなり、戦績上は両チームともに敗北した扱いとなる。 戦闘におけるダメージの与え方については旧作の形式をそのまま踏襲しており、攻撃にはブレイブポイントを奪い取る「ブレイブ攻撃」と、HPにダメージを与える「HP攻撃」の2種類がある。HP攻撃を命中させた際はその時点でキャラクターが持っているブレイブがそのままHPへのダメージ量となる点、ブレイブ攻撃で相手のブレイブを0未満にすると「BREAK」状態にすることができ、相手をBREAK状態にしたキャラクターはプールされたブレイブポイントを得られる点も旧作と同様である。一方、「クリティカル」による偶発的なダメージ補正の削除、高いブレイブを持っているキャラクターへの攻撃時に発生するダメージ補正など、対戦方式の変化に伴ったいくつかの変更が行われている。 各キャラクターは「HEAVY」「SPEED」「SHOOT」「UNIQUE」の4タイプのいずれかに属しており、以下のような特徴を持っている。
各タイプは性能の指標の他に対戦のマッチングに影響し、チーム内で同じタイプのキャラクターが2人選出されないことを優先してマッチングが行われる。 多対多の対戦形式に変更されたことに伴い、シリーズ旧作に存在したシステム要素のうち、条件を満たすことでパワーアップした状態「EXモード」やそれに伴う大技「EXバースト」、別のキャラクターを一時的に戦闘に参加させる「アシスト」は廃止された。 育成・カスタマイズ要素プレイヤーと、各々のキャラクターそれぞれにレベルが存在し、対戦毎にプレイヤーと操作したキャラクターの経験値が溜まってレベルが上昇する。プレイヤーレベルが特定の値になると新しいEXスキルを、キャラクターレベルが特定の値になると新しいHP攻撃を使えるようになる。後になって覚えるものほど性能が高いということはなく、選択肢を増やすのみにとどめるとしている。 なお、旧作と異なり、アーケードゲームとして性能格差を作らないため、どちらのレベルを上げても、パラメータや機動力、攻撃威力といった基礎的な性能が上がることはない。どのキャラクターについても補助効果を除いた値はHPが3500、初期ブレイブが1000で固定されている。 また、6人のプレイヤーが存在するため混乱して競技にならなくなるという理由から[8]、攻撃技のカスタマイズは大幅に制限が掛けられている。ブレイブ攻撃については、各々のキャラクター毎に完全に固定されて付け外しの要素がなくなった。HP攻撃については、キャラクター毎に1種類しかセットできないようになり(ヴァンのみ例外)、地上時と空中時で別の技をセットすることもできなくなった。 キャラクターの容姿カスタマイズに関しては旧作の姿勢を受け継いでおり、旧作で「アナザーフォーム」と呼ばれていた衣装などの異なる別モデルはプレイヤーズサイトで「フォーム」として購入することができる。本作では「フォーム」のほか、キャラクターの持っている武器である「ウェポン」を購入して付け替えることができる(キャラクター性能には影響しない)。 登場人物プレイヤーキャラクターとして選べるキャラクター数は、稼働開始時点で『ファイナルファンタジー』から『ファイナルファンタジーXIV』までの『ファイナルファンタジー』シリーズ発売済ナンバリング作品から各1名ずつ、合計14名であった。ここで選出されたキャラクターは、全てその作品の主人公、またはオンライン作品の主人公側NPC(旧作でいう「コスモス側」のキャラクター)である。なお、製作中である『ファイナルファンタジーXV』からの追加も考えてはいるが、まずは同作の発売後の話になると述べられている[8]。 稼働後も1ヶ月半~2ヶ月程度に1名のペースで定期的なアップデート追加を行っている[7]。エースの参戦時より、イベント「神々の闘争」が開催時は、同イベントでの報酬として追加キャラクターが先行開放され、一定期間後に一般開放される形がとられていたが、ゴルベーザの参戦時の闘争をもって同形式は廃止となり(ノクティス参戦時は神々の闘争は開催されなかった)、ヴェイン参戦時以降は神々の闘争開始と同時に一般開放され、そのまま新キャラで闘争に参加することも可能となっている。 製作陣は、今後前作『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』までのプレイアブルキャラクターは全て登場させたいと考えており[8]、最終的にはトータル50名を目指すとしていたが[9]、実現できなかった。 →詳細は「ディシディア ファイナルファンタジーシリーズの登場人物」を参照
登場人物一覧現在のキャラクター数は34名。
ステージ本作に登場するステージは、『コーネリア』や『ミッドガル』など原作の象徴的(物語の序盤で登場するなど)かつ、一目で見てどの作品なのかが分かる場所を優先的に選んでいる[要出典]。 勢力HPが残り1つになった時、召喚獣の帰還時、残り時間が1分未満のいずれかの条件を満たした場合、原作の重要イベントを再現した特別な演出に変化する。 例:『FFI』のステージ「コーネリア」の演出 「空が暗黒に包まれる(『FFI』のオープニングの再現)」 『FFVII』のステージ「ミッドガル」の演出 「ミッドガルにメテオが出現する(『FFVII』のエンディングの再現)」 ただし、『FFXIV』のステージ「ポルタ・デクマーナ」のみ例外で、1人でも戦闘不能になるか残り時間が2分30秒未満になるとステージが変化する。 PSP版のステージに搭載されていたギミック「デジョントラップ」は廃止され、落とし穴の地形がなくなった。 ステージ一覧現在のステージ数は16種類(2018年10月21日時点)。
召喚獣本作の召喚獣はPSP版の召喚獣システム[注 2]から大幅に変更されている。 召喚方法召喚方法は、まずパーティーで共有されている「召喚ゲージ」を最大まで溜める。最大まで溜める方法は以下の2通り。
召喚ゲージが最大まで溜まった後は、アーケード台中央に設置されている「召喚ボタン」を長押しして詠唱[注 4]。「召喚詠唱ゲージ」が最大まで溜まると「4人目の仲間」として設定した召喚獣が出現する。 召喚獣の特徴召喚獣にはそれぞれ「召喚獣効果」と呼ばれる支援効果が備わっている。 召喚獣の入手方法召喚獣の入手方法は以下の2通り
召喚獣一覧現在の召喚獣の数は7種類(2018年10月21日時点)。
ディシディア ファイナルファンタジー NT
『ディシディア ファイナルファンタジー NT』(DISSIDIA FINAL FANTASY NT、略称: DFFNT)は、2018年1月11日にスクウェア・エニックスより発売されたPlayStation 4専用の対戦アクション。アーケード版の内容に新要素を加えてPS4用に移植された。2019年3月13日にはSteamにてMicrosoft Windows 10 64bit向けに移植された。 商品展開本編発売同日、本編と追加コンテンツを入手できる「DFFNT シーズンパス」等を含むダウンロード専用『DISSIDIA FINAL FANTASY NT デジタルプレミアムエディション』(DIGITAL PREMIUM EDITION)、及びe-STORE専売で各種特典付き『DISSIDIA FINAL FANTASY NT アルティメットボックス』[11]が発売された。 2019年3月13日にはSteamにてWindows版『フリーエディション』が配信開始。基本無料で、ダウンロードコンテンツを購入可能。 NTの主な要素
ボイスアクターズライブ ディシディア FF『SECRETUM-秘密-』2017年12月18日から19日まで朗読劇 『ボイスアクターズライブ ディシディア FF『SECRETUM-秘密-』』が中野サンプラザにて全2公演、上演された[15]。 女神マーテリアによって召喚されたクラウド、スコール、ティーダの3名が、記憶を失った謎の青年と出会ったことで、思わぬ事態に巻き込まれていくという、ゲームにないオリジナルストーリーである[15]。主人公・謎の青年[16]を小野友樹、クラウドを櫻井孝宏、スコールを石川英郎、ティーダを森田成一、セフィロスを森川智之が務める。 公演の模様は映像ソフト化(DVDおよびBlu-ray)され2018年4月4日に発売された。 脚注出典
出典
関連項目外部リンク
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