リモートシェフはBSフジで2021年4月11日から放送されている料理番組である。
もともとは2010年頃にアメリカ合衆国のテレビ番組向けに小山薫堂が企画を立てパイロット版も作成された企画であったが、お蔵入りになっていた。
しかし新型コロナウイルス感染症の世界的流行によりリモート会議やリモート飲み会が広まった機を受け、企画者である小山の冠番組である小山薫堂 東京会議第263回「TV番組を企画する」にて日本版の番組企画会議を実施。
日本のBSフジにて2回のパイロット版を制作、放送した[注釈 1]。
なお小山薫堂 東京会議ではパイロット版の反省会も放送している(第264回)[注釈 2]。
本番組のコンセプトは「モニター越しに料理のコツと味を教え、誰が作っても変わらぬ一皿を作り出す伝える力のある料理人を発掘する番組」である。
この点において同じく小山薫堂 東京会議をルーツとするRED U-35コンペティションと大きく異る軸を持っている。
なお本番組開始後のRED U-35コンペティションでは本番組をフィードバックし、リモート調理が審査の一部として取り入れられた[1]。
またシェフ同士による直接対決であった「料理の鉄人」と異なり、「シェフにダメージが残らない戦い」として小山は本番組の方式を考案したという[1]。ただしパイロット版#2で敗北を喫した森川裕之によると「ダメージを受ける」とのことである[1]。
2021年4月11日より毎週日曜日18:00からの1時間枠(隔週で新作を放送)での放送を開始。2022年10月3日より毎週月・火曜日18:00からの30分枠(隔週で新作を放送)に変更され、月曜日と火曜日で前・後編の2部構成に変更された。
当番組のエンドロールの最中に流れる音楽はジェス・グリンの「Ain't Got Far To Go」。
番組ルール
- 調理場には調理を担当する「クッカー」が立ち、別室(リモートシェフルーム)にいる「リモートシェフ」は調理場に複数台設置されたカメラを通じてクッカーの状況を把握できる。
- クッカーとリモートシェフは調理場および別室に設置されているスピーカーおよびマイクを通じて指示出しや質疑が可能。会話に関して制限はない。
- 調理時間は原則として30分。30分以内に4人分の調理を済ませなければならない。ただし盛り付けは時間内に1人分できれば完成と見なされる。
- 「ご飯を炊く」「湯を沸かす」は制限時間に含めない。
- 調理時間を超過すると超過時間に応じて審査点から減点 (各審査員の採点から10秒あたり0.1点) される。
- ただし#3は赤・青両陣営ともに制限時間超過となったが、どちらも機材トラブルが原因であったため減点なしとされた。
- 1回1分間だけ、リモートシェフが直接手伝える「シェフタイム」を使える。時間のかかる作業や難しい作業をクッカーの代わりに行う、直接調理状態を確認するなど使い方は自由。ただしリモートシェフによる味見だけは禁止されている。
- 審査基準は「レシピ」「教え方」「料理の完成度」で、3項目をそれぞれ10点満点で評価する。
- 材料費は4人分で5000円以内。ただし水・塩・胡椒・油・白飯などの基本材料は含まない。また一般的なスーパーマーケットで入手可能な食材に限る。
- 制限時間、材料費などのレギュレーションに収まっていれば、2品以上作っても良い。
- 放送回によっては2品以上完成させることもあるが、2品以上の完成を目指しながら時間などの関係で1品諦めることなどもある。
- 先攻・後攻は第2回までは赤先攻、第3回よりくじ引き。なお先攻・後攻ともにお互いの調理を見ることはできず、時間内に調理が終わったかどうかも知ることができない。
出演者
職業記載のない人物は、出演時点でフジテレビアナウンサー。
- コメンテーター・審査員
- 小山薫堂(放送作家)
- 準レギュラー
- MC
-
- ナレーション
-
放送内容
パイロット版
パイロット版ではレギュラー放送版いくつかの異なる点がある。
- 「クッカー」「リモートシェフ」といった呼称が正式に定まっていなかった。
- パイロット版の両シェフは小山薫堂と小宮山雄飛それぞれの推薦シェフであったが、レギュラー放送版では推薦制度は無くなった。また第1回・第2回の結果を受けて勝ち抜き制も検討されたが、採用は見送られた。
- パイロット第1回では「夏のスパイス料理」というテーマで両シェフがレシピを組み立てたが、反省会においてレシピの幅を制限してしまうという結論になりテーマ制は廃止された。
- シェフタイムには次のような違いがあった。
- レギュラー放送版ではリモートシェフによる味見は禁止事項とされたが、パイロット版では味見可能であった。ただし出演したシェフは1度も味見をしていない。
- レギュラー放送版では「1回1分間だけ」となっているが、パイロット版では1分間を分割して使うことも可能であった。ただし分割して使ったのは第1回の米澤のみで、使い方も「最後に出てきて仕上げのライムを乗せる」というパフォーマンスのためであった。
- パイロット版は審査員だけでなく、推薦人も出来上がった料理を食べられた。
- 先攻・後攻はじゃんけんで決めた。
- 材料費は1万円とされた。
- パイロット第1回では各審査員の審査点を割り振った場合に同点になってしまう事態が起きてしまった[注釈 3]ため、パイロット第2回以降は同点にできないよう修正された。
- パイロット版ではまだ赤コーナー、青コーナーと色分けされていなかった。本稿においては先に紹介されたシェフを赤コーナーとして記載する。
レギュラー放送版
- #24は90分スペシャルとして放送。ただし2021年年末スペシャルとは異なり通常放送回と同様にナンバリングされている。
- 青コーナーの脇屋シェフのキャスティングは、赤コーナーの佐々木シェフからの指名によるもの。
- #27-28は2回にわたる「親子対決」として企画され、両リモートシェフおよびクッカーが子(#27)と親(#28)でキャスティングされた。
- #35-36は2回にわたるリベンジ対決として企画され、過去に出演して敗者となったリモートシェフがキャスティングされた。
第1回
- トーナメント表
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1回戦
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準決勝
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決勝
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2024年4月21日
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日髙良実
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★
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2024年8月18日
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入江瑛起
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★★
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入江瑛起
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2024年5月19日
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長谷川幸太郎
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★★★
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みもっと
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2024年9月28日
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長谷川幸太郎
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★★★
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長谷川幸太郎
|
★★★
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2024年6月16日
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米澤文雄
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原田慎次
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★★
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2024年9月15日
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堀内さやか
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★
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原田慎次
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2024年7月21日
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米澤文雄
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★★★
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米澤文雄
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★
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菰田欣也
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★
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第2回
- トーナメント表
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1回戦
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準決勝
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決勝
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2024年10月20日
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澤田州平
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2025年2月16日
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辻大輔
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★★★
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辻大輔
|
★★★
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2024年11月17日
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菊地美升
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菊地美升
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★★
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2025年4月6日
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アベクミコ
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★
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辻大輔
|
★★
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2024年12月15日
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森枝幹
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★
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渡辺雄一郎
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★★★
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2025年3月16日
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嵐田憲和
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渡辺雄一郎
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2025年1月19日
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森枝幹
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★★★
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中東篤志
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森枝幹
|
★★★
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第3回
放送回 |
初回放送日 |
クッカー |
リモートシェフ |
先攻 |
勝敗 |
審査員 |
優勝
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赤コーナー |
青コーナー
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#123 |
2025年4月20日 |
加藤綾菜 |
後藤祐司 |
入江誠 |
赤 |
赤 |
大木淳夫 |
和田明日香 |
植野広生
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#124 |
2025年5月18日 |
福田充徳 |
柴田正幸 |
中村和成 |
赤 |
青
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#125 |
2025年6月15日 |
田中道子 |
弓削啓太 |
高良康之 |
赤 |
青 |
小山薫堂
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#126 |
2025年7月20日 |
信子 |
栖原一之 |
福島良篤 |
赤 |
青
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- トーナメント表
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1回戦
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準決勝
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決勝
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2025年4月20日
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後藤祐司
|
★★★
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2025年8月17日
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入江誠
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後藤祐司
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2025年5月18日
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中村和成
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柴田正幸
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2025年
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中村和成
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★★★
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2025年6月15日
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弓削啓太
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2025年9月21日
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高良康之
|
★★★
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高良康之
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2025年7月20日
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福島良篤
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栖原一之
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福島良篤
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★★★
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スペシャル版
- スペシャル版として予算を1万円、調理時間を40分に拡大している。
- SP1
- パイロット版#2のリベンジマッチとして米澤シェフと森川シェフをキャスティング。米澤シェフは4回目の出演となる。
- 小山はコメンテーターとして出演し、審査員としては不参加。ゲストコメンテーターとしてレギュラー放送#1 (米澤シェフ出演回) クッカーの高嶋政宏が出演。
- 先行・後攻はパイロット版#2敗者である森川シェフに選択権が委ねられた。
- レギュラー放送のスタジオではなく、九段ハウスにて収録。
放送回 |
初回放送日 |
クッカー |
リモートシェフ |
先攻 |
勝敗 |
審査員
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赤コーナー |
青コーナー
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SP1 |
2021年12月26日 |
草刈民代 |
米澤文雄 |
森川裕之 |
赤 |
青 |
宮川俊二 |
松任谷正隆 |
和田明日香
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スタッフ
- 企画:小山薫堂
- 構成:塩沢航、小幡真弘
- カメラ:三好隆太、関口優也、末廣政次
- 音声:星照光
- 助手:田邉萌、加藤かりん
- 美術:青羽亮
- 大道具:佐藤大輔
- フードコーディネーター:尾身奈美枝、渋澤雪絵、高橋佳子
- ヘアメイク:岩橋奈都子
- 編集:蔡宜真、村上舞
- CG:小林譲
- 音効:佐藤卓嗣
- MA:小林美菜
- 撮影協力:Studio Da Vinci
- 技術協力:REC、ふなや、IMAGICA Lab.
- 美術協力:TACreate、ダダ
- フードコーディネート:ホロホロカンパニー
- 企画協力:N35 International
- ロゴデザイン:秋山具義
- WEB:鈴木涼(BSフジ)
- 広報:藤田麻由子(BSフジ)
- AD:細井唯子
- 制作:樋口秀平
- ディレクター:梶原瑛司、畠山拓真、宮久乃
- 演出:岩井正人
- 編成プロデューサー:梶本圭(BSフジ)
- プロデューサー:吉田岳人、宮本智、関和真史、畠山藍子
- 制作協力:共同テレビ、tour de inc.
- 制作著作:BSフジ
外部リンク
脚注
注釈
- ^ 当初は2020年の年末特番も構想されていたが、実現しなかった
- ^ 第263回放送ではパイロット版第2回の反省会も放送予定としていたが、実現しなかった。
- ^ 松任谷正隆が両者同点と判定。ただし辻、上野がともに米澤を勝者としたため判定に影響は無し。
- ^ 番組のロゴデザインも担当。番組マスコットキャラクター「シェフボー」もデザイン。
出典