山下明彦
山下 明彦(やました あきひこ、1966年2月6日 - )は、日本のアニメーター、キャラクターデザイナー、アニメ演出家・監督。岡山県倉敷市出身[1]。 経歴10代の頃、富野由悠季作品に影響を受け、なかでも湖川友謙に憧れ絵描きを志すようになる。また、『トムとジェリー』の芝居に魅せられ、『ルパン三世 カリオストロの城』にも夢中になったという[2]。 岡山県立倉敷南高等学校卒業後にアニメーターを目指して上京、ビーボォーに所属する。ビーボォーからスタジオぱっくに移籍後、ぱっくを株式会社として改組したアトリエ戯雅の設立に参加。戯雅の解散後は、プロジェクトチーム・ムー(後のフェニックス・エンタテインメント)に参加し、『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』の作画監督、キャラクターデザイン、絵コンテを担当。 約10年がかりの仕事となり、20代のすべてを費やした『ジャイアントロボ』でやりたいことを思う存分注ぎ込み、制作が終わった後はモチベーションを失っていたが、『幻想水滸外伝』のOPの仕事で平田智浩と松本憲生に出会い、アニメーションの面白さを思い出したという[3][4][5]。 フェニックス・エンタテインメントが制作事業から撤退した後は、トライアングルスタッフに参加し、『NieA_7』の舞台設計を担当。同社の活動停止後、『ストレンジドーン』のキャラクターデザインを経て、スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』に原画として参加し、クライマックスの千尋とハクの自由落下など重要な場面を担当する[6]。本作で宮崎駿の高い評価を得て[7][8]、『ハウルの動く城』では筆頭作画監督に抜擢された。 『ゲド戦記』では作画演出という形で監督の絵コンテの整理や、レイアウトチェックの確認を担当。『崖の上のポニョ』では、参加スタッフの中で最も多くの原画を手掛け、リサカーと水魚のカーチェイスのシーンなどを担当。制作途中からは作画監督の補佐を行った[9]。三鷹の森ジブリ美術館上映の短編映画『ちゅうずもう』で初の監督を務める[10]。『風立ちぬ』でも最多となるカット数の原画を担当している[11]。 多くのジブリ作品で中核を担い、安藤雅司から「(2000年代以降の)スタジオジブリ作品を支えてきた代表的なアニメーター」と評されている[12]。スタジオジブリの制作部門解体[13]に伴いフリーランスとなった以降は、妻の下笠美穂と共に『怪盗ジョーカー』などに参加した[14]。有限会社トラッシュスタジオのCM制作にも原画や絵コンテで参加。西日本の生協グリーンコープの30周年記念CMシリーズではキャラクターデザインを担当している[15]。 2018年には、スタジオポノック制作の映画『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』の一編である『透明人間』を監督。本作で第22回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞[16][17]。 2023年公開の『君たちはどう生きるか』では作画監督の本田雄を補佐する役割を担い、全修正が必要と判断された原画は主に山下が請け負った[18]。作品のクレジットには筆頭原画として記載されている。 宮崎駿から「近頃珍しく健全なアニメーター」と評されている[19]。リアル系の作画で知られるビーボォーの出身であるが、決してリアル寄りの画風ではなかったと、山下と同時期にアトリエ戯雅に所属していた本田雄は語っている。そのうえで「リアル系ではないのに、リアルな画も描けるし、線が流暢なんです」と語り、2歳しか違わない山下の力量に当時強いショックを受けたという[20]。 参加作品テレビアニメ
劇場アニメ
短編映画
OVA
Webアニメ
ゲーム
CM
脚注
参考文献
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