スタジオポノック
株式会社スタジオポノック(英: STUDIO PONOC, inc.)は、日本のアニメ制作会社[3]。 概要2015年4月15日、制作部の解散によってスタジオジブリを退社した西村義明プロデューサーが、同じくジブリを退社した米林宏昌監督の新作映画を作るために設立した[4][5]。 「ポノック」という名前はクロアチア語で「深夜0時」を意味するponoćに由来し、新たな一日のはじまりの意味が込められている[3]。 2014年末、宮崎駿監督の引退宣言によってそのままの体制を維持することが難しくなったジブリが制作部門を解散[5]。西村プロデューサーは、米アカデミー賞への出席でアメリカでの『ベイマックス』のドン・ホール監督やディズニー(当時)のジョン・ラセターたちの存在に感銘を受けた一方、「日本で宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫の3人の映画作りの考え方や姿勢をこの先誰が引き継ぐのか?」という焦りを感じた。また「ジブリが一番」と思う一方でその制作部が無くなるという空しさもあった。そこで「ジブリの血を引いた作品を作ろう」と決意し、米林監督にまだ映画を作りたい意思があることを確認すると、新スタジオを立ち上げることを決めた[5]。高畑勲監督は生前、スタジオジブリの制作部門解散後に「スタジオポノックは長編アニメーションのひとつの牙城になるかもしれません」と遺している[4]。 2017年7月、スタジオ長編映画第一作品となる『メアリと魔女の花』が公開された。この映画は、ジブリ作品で活躍してきたクリエイターやスタッフが多数参加し[3]、興行収入約33億円のヒットを収めた[6]。海外でも150か国地域以上で公開され、話題を呼んだ。ジブリの制作部門解体後、ジブリを離れてバラバラになったクリエイターたちに西村プロデューサーが頭を下げて再結集してもらったことで、作品にはスタジオジブリのカラーが色濃く残ることになった[7]。だが、ポノックはジブリのメンバーや技術、志は引き継いだものの、ブランドを受け継いではいない[4]。宮崎吾朗監督からは「ジブリの冠無しには資金やスタッフを集めるのもヒットさせるのも至難の業だ」と言われたが、西村プロデューサーはその理由を「ジブリは高畑勲監督と宮崎駿監督の映画を作るためのスタジオであり、彼らが作らないと言ったら続けることはできないし、ジブリというブランドには興味がない」と説明している[4]。加えて、「ただ、ジブリがそれまで築き上げてきた映画作りの志が消えてしまうこと、一本の映画で世界を変えうると信じる作り手たちの映画が作られなくなることは嫌だった」とも語っている[4]。 翌年の2018年8月、スタジオポノック初となる短編アンソロジー『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』を劇場公開。米林監督の『カニーニとカニーノ』、百瀬義行監督の『サムライエッグ』、山下明彦監督の『透明人間』の3篇からなる短篇集でもある。 2019年6月のアヌシー国際アニメーション映画祭では、『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』が公式上映され、西村プロデューサーは長編アニメーションコンペティション部門の審査員を担当した。また、同映画祭にて[8]、オリンピック文化遺産財団との共同制作『Tomorrow’s Leaves』の制作を発表し、2021年に短編を発表。作品はOFCHの記念博物館に収蔵されている[9]。 2022年夏、スタジオポノックの長編映画2作品目にあたる『屋根裏のラジャー』が公開予定だったが、制作の遅延により公開延期を発表し、2023年12月15日劇場公開となった[10]。翌年のアヌシー国際アニメーション映画祭で長編アニメーションコンペティション部門にて上映。 2017年2月、宮崎監督がジブリの長編映画の制作に復帰したことを受け、2023年7月14日に公開された『君たちはどう生きるか』において、西村プロデューサーも協力製作という形で9年ぶりにジブリ作品に関わった。 作品劇場アニメ
制作協力
その他
脚注注釈出典
外部リンク
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