平成24年台風第17号
平成24年台風第17号(へいせい24ねんたいふうだい17ごう、アジア名 : ジェラワット/Jelawat)は2012年9月21日に発生した台風。アジア名のジェラワットはマレーシアの淡水魚から付けられている。 概要![]() 9月17日にグアムの東側で形成が始まり、21日3時にフィリピン東方の北緯13度30分、東経131度40分のフィリピン海で熱帯低気圧から台風になった[1]。当初は南西に進んだのちに停滞する動きを見せたが[2]、台風となってからは急速に発達。その後、北に向かって進路を変えた[2]。 24日21時には中心気圧が910hPaまで低下[3]、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速75メートルの大型で猛烈な台風となってフィリピンの東をゆっくりと北上[3]、25日6時には中心気圧905hPa、中心付近の最大風速55メートル、最大瞬間風速80メートルまで成長した[4]。 台風は28日に中心気圧920hPa、中心付近の最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの勢力を保ったまま先島諸島に接近し[5]、石垣島では午後4時49分に最大瞬間風速50.6メートルを観測した[2][6]。台風は進路を北東寄りに変えて29日には沖縄本島を通過、那覇市で午後1時23分に最大瞬間風速61.2メートルを観測するなど猛威を奮い[7]、30日には速度を早めながら本州の南の太平洋上を北東に進んで和歌山県潮岬、三重県志摩半島をかすめた後、午後7時頃に愛知県東部へ上陸した[8][9]。上陸時の勢力は中心の気圧975hPa、中心付近の最大風速35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、時速50km[9]。 その後、さらに速度を早めた台風は午後9時に山梨県南アルプス市近郊[10]、10月1日午前0時には福島県南会津町に達し[11]、午前5時頃には岩手県宮古市の東の海上へ抜けた[12]。 台風は北海道の東岸を北東へ進み、1日午後9時に千島列島の東の北緯46度、東経155度で温帯低気圧となった[13][14]。
進路、状態の経過
気象状況大雨東海地方や関東甲信地方を中心に激しい雨が降り、特に、三重県では日最大1時間降水量が70ミリを超え、日最大3時間降水量でも150ミリを超える雨を観測するなど9月としての極値を更新した地点があった[15] 暴風東海地方や関東地方の沿岸部、伊豆諸島を中心に風速20m/s以上の非常に強い風が吹き、日最大風速は、愛知県常滑市セントレアで25.3 m/s 、東京都三宅村坪田で25.1m/sを観測した[15]
被害10月22日現在、死者は三重県で1名、負傷者は重傷者19名、軽傷者161名。北海道から沖縄県までの広範囲で強風や豪雨による住宅への被害が相次ぎ、鹿児島県を中心に全壊48棟、半壊161棟、一部破損1,596棟、床上・床下浸水合わせて946棟[17]。 影響
![]() ![]() 台風の接近に伴い、石垣島や宮古島と離島を結ぶ船便のほとんどが欠航したほか、公共施設の閉鎖が相次ぎ、道路の冠水も見られた[18]。沖縄電力管内では29日午後、全供給世帯約58万戸の過半数を越える33万4400戸(36市町村)が停電した[19]。台風がもっとも近づいた29日には沖縄県内各地で強風にあおられて転倒負傷する人が多数出たほか[20]、那覇市内でトラックや乗用車の横転事故が相次いだ[21][22]。また、名護市などで4200世帯に避難勧告が出された[22]。九州電力管内では30日午前7時の時点で鹿児島県奄美地方の13市町村で約62,300戸が停電した[23]。さらに愛知県豊橋市や田原市、静岡県でも約17万件が停電したと報じられた。関東地方の水不足は、台風による雨により、ダムの貯水率は取水制限が解除となるまで回復した。 航空30日には台風の接近により日本航空142便、全日空304便など500便以上が欠航した[24]。機材繰りのため、10月1日の便でも欠航や遅延が出る見通し[25]。 鉄道30日にはJR・私鉄の各路線で運転本数を減らしたり運休する列車が相次いだ[24][26]。 東海道新幹線では速度を落としたことによる遅延や強風による運転見合わせが発生した[27][28]。また、東北・山形・秋田・上越・長野の各新幹線でも一部運休となった[26]。 在来線でも北陸本線を運行するサンダーバード・しらさぎ[29]、高山本線のワイドビューひだ、中央本線のしなのやあずさなど特急列車が運休したほか[28][30]、運行見合わせなどが発生した[31]。 スポーツ台風が本州に接近した9月30日に開催する予定だった以下のスポーツに影響が生じた。
音楽
テレビ放送
脚注出典
外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia