星つなぎのエリオ

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星つなぎのエリオ
Elio
監督	マデリーン・シャラフィアン（英語版） ドミー・シー エイドリアン・モリーナ（英語版）
脚本	ジュリア・チョウ（英語版） マーク・ハマー マイク・ジョーンズ
原案	エイドリアン・モリーナ マデリーン・シャラフィアン ドミー・シー ジュリア・チョウ
製作	メアリー・アリス・ドラム
製作総指揮	ピート・ドクター
出演者	ヨナス・キブレアブ ゾーイ・サルダナ レミー・エジャリー ブランドン・ムーン ブラッド・ギャレット ジャミーラ・ジャミル
音楽	ロブ・シモンセン
主題歌	BUMP OF CHICKEN「リボン」
撮影	デレク・ウィリアムズ ジョーダン・レンペル
編集	アンナ・ヴォリツキー スティーブ・ブルーム
製作会社	ピクサー・アニメーション・スタジオ
配給	ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ ウォルト・ディズニー・ジャパン
公開	2025年6月20日[1] 2025年8月1日[2]
製作国	アメリカ合衆国
言語	英語
製作費	1億5,000万 - 2億ドル
興行収入	1億3,030万ドル
前作	インサイド・ヘッド2
次作	私がビーバーになる時[3]
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『星つなぎのエリオ』（ほしつなぎのエリオ、原題: Elio）は、2025年のアメリカ合衆国のアニメーションSF・アドベンチャー映画。ピクサー・アニメーション・スタジオ製作。監督はマデリーン・シャラフィアン（英語版）（長編監督デビュー）、ドミー・シー、エイドリアン・モリーナ（英語版）の3名、脚本はジュリア・チョウ（英語版）、マーク・ハマー、マイク・ジョーンズが務め、ストーリー原案はモリーナ、、シャラフィアン、シー、チョウによって共同開発された。声の出演はヨナス・キブレアブ、ゾーイ・サルダナ、レミー・エジャリー、ヤング・ディラン、マティアス・シュヴァイクホファー、ブランドン・ムーン、ブラッド・ギャレット、ジャミーラ・ジャミルら^[4][5][6]。

物語は、11歳の少年エリオ・ソリス（キブレアブ）が、宇宙人とのコンタクトを経て「コミュニバース」と呼ばれる銀河間連合に転送され、地球の大使と誤認されることから始まる。彼は個性豊かな異星人たちとの絆を築きながら、友人となった異星人の父親である戦争指導者をめぐる銀河規模の危機に巻き込まれていく。

本作は、モリーナの幼少期の孤立感や軍基地での生活体験、さらにはカリフォルニア芸術大学への進学が着想源となっている。2022年9月に作品の存在が公式に発表され、当初はモリーナが監督を務める予定だったが、のちに『リメンバー・ミー2』（2029年）の製作に参加するため降板。2024年8月、シーとシャラフィアンが共同監督として起用された。製作チームは、宇宙舞台「コミュニバース」のビジュアルを創出するため、「カレッジ・プロジェクト」と題した独自のプロセスを導入した。撮影にはバーチャル・アナモルフィックレンズが使用され、新たなライティングツール「Luna」が照明設計と美術全体のトーン設定に活用された。音楽はロブ・シモンセンが担当している。

2025年6月10日、カリフォルニア州ロサンゼルスのエル・キャピタン・シアターでプレミア上映が行われ、同年6月20日にアメリカ合衆国で劇場公開された。批評家からは概ね好意的な評価を受けており、推定1億5000万〜2億ドルの製作費に対して1億3000万ドルの興行収入を記録している。日本では、同年8月1日に公開予定である。

両親を亡くした少年エリオ・ソリスは、空軍少佐である叔母オルガに引き取られ育てられる。オルガはかつて宇宙飛行士を目指していたが、その夢を諦めてエリオの保護者となった。ある日、エリオは閉鎖された「ボイジャー1号」の展示施設に迷い込み、宇宙における生命の発見に心を打たれる。

数年後、エリオは宇宙人に誘拐されることを夢見ており、毎日海辺で待ち続けていた。ある晩、ブライスという少年とその友人であるいじめっ子のケイレブが、エリオのハム無線機をいじったことで口論となり、エリオは左目を負傷し、2週間眼帯を着けることになる。ある日、オルガの勤務する軍基地で、エリオは緊急会議に忍び込む。そこでは陰謀論者のグンター・メルマックが、ボイジャーに宇宙人が応答してきた証拠を発見したと主張し、返答を送るよう提案するが、オルガらに一蹴される。エリオはこっそりメルマックの装置を使ってメッセージを発信し、基地の停電を引き起こしてしまう。これによりオルガは処分を受けそうになり、怒った彼女はエリオをユースキャンプに送り出すことを決める。だがそこにはブライスとケイレブもおり、エリオは行くのを嫌がる。

キャンプでエリオは、ブライスやケイレブ、その他のいじめっ子たちから逃れようとする。その頃、オルガは宇宙からの異常なメッセージを受信する。エリオがいじめに遭いそうになったその時、宇宙船が到来し、彼は連れ去られる。宇宙船の中で、液体型スーパーコンピューターの「ウゥゥゥゥ」が彼を迎え、「コミュニバース」と呼ばれる銀河の知識交流機関に案内する。そこに集まった他の異星大使たちは、エリオがボイジャーの制作者であると誤解し、地球の大使候補として推薦する。エリオが誤解を解く前に、戦争主義的な異星人ロード・グライゴンによる脅威への対策会議が始まる。大使たちはエリオを地球に戻そうとするが、彼は自ら交渉に乗り出すことを申し出て、大使への即時任命を受け入れる。ウゥゥゥゥは地球に戻すための「もう一人のエリオ」のクローンを生成する。オルガはキャンプに迎えに行き、クローンのエリオを連れ帰る。

その間、エリオはグライゴンとの交渉を試みるが、誤って怒らせてしまい投獄される。脱出を図る中でグライゴンの息子グロードンと出会い、彼を人質として交渉材料にすることを思いつく。エリオは体温調整ディスクを渡し、グロードンを父に引き渡す代わりに和平を提案。グライゴンはこれを受け入れる。

エリオとグロードンは互いに心を通わせる。エリオは叔母との関係に孤独を感じ、グロードンは戦争機械となる運命を拒んでいた。エリオはクローンを用いた計画を立て、グロードンの本体を脱出用シャトルに乗せ、グライゴンには偽のクローンを引き渡す。だが、グライゴンは偽者に気づき、大使クエスタの読心能力で息子の居場所を突き止め、部隊を差し向ける。クエスタはエリオの欺きに失望し、彼を地球へ送り返す。一方、グロードンの乗ったシャトルは誤って起動し、地球へ向かう。

地球に戻ったエリオは落ち込むが、海辺で本物の自分を探すオルガと再会し、すでにクローンが偽物であることを彼女が見抜いていたことを知る。和解した二人は軍基地に向かい、そこに墜落したシャトルが回収されていた。クローンのエリオは軍の注意をそらして自ら犠牲となり、本物のエリオとオルガは基地に潜入して、低体温で瀕死となったグロードンを発見する。二人は協力してシャトルを操縦し、再びコミュニバースへ向かう。道中、ブライスやメルマック、世界中の科学者に協力を呼びかけ、デブリ帯を突破する。

コミュニバースに到着したエリオはグロードンをグライゴンのもとへ送り届ける。グライゴンは自らの装甲を破り、息子を抱きかかえて救い、息子と大使たちに謝罪する。エリオはコミュニバースへの正式な参加を歓迎されるが、地球こそが自分の居場所であると伝え、オルガとともに帰還する。

ミッドクレジットシーンでは、エリオが再びハム無線を使い、グロードンと交信を続けている様子が描かれる^[7]。

※括弧内は日本語吹替

エリオ・ソリス (Elio Solis)

声 - ヨナス・キブレアブ（川原瑛都^[8]）

11歳の少年で、左目を負傷しており、宇宙人によって地球の大使と誤認される^[9][10][11]。

オルガ・ソリス (Olga Solis)

声 - ゾーイ・サルダナ（清野菜名^[12]）

エリオの叔母で、空軍の少佐^[11][13][14]。

グロードン (Glordon)

声 - レミー・エジャリー（佐藤大空^[8]）

芋虫のような姿をした宇宙人で、エリオと友情を築く^[15]。キャラクターデザインは幼虫や微生物（特にクマムシ）などから着想を得ており、アニメーション監督のジュード・ブラウンビルは「不気味で、歯がたくさんあって、やや不快感のある存在」と表現している^[16]。

ヘリックス (Helix)

声 - ブランドン・ムーン（関智一^[17]）

ファルービナム星の大使。

グライゴン (Lord Grigon)

声 - ブラッド・ギャレット（松山ケンイチ^[18]）

本作のディズニー・ヴィランズ^[19]。高性能アーマーを装着した、グロードンの父にあたる戦闘種族を率いるリーダーであり、異星の大使でもある。コミュニバースに拒絶され、支配を目論むようになる。

クエスタ (Questa)

声 - ジャミーラ・ジャミル（沢城みゆき^[17]）

コミュニバースの最高幹部であり、ゴーム星の大使^[19]。心を読む能力を持つ。ラディオドンタのような容姿をしている。

ブライス (Bryce)

声 - ディラン・ギルマー

エリオと同様に宇宙人に興味を持つ少年。

ケイレブ (Caleb)

声 - ジェイク・ゲットマン

ブライスの友人であり、エリオをいじめるようになる。

テグメン （Tegmen）

声 - マティアス・シュヴァイクホファー（安原義人^[17]）

石のような風貌を持つ、テグメグ星の大使。

ウゥゥゥゥ

声 - シャーリー・ヘンダーソン（野呂佳代^[20]）

液状コンピューター。豊富な知識でコミュニバースを案内する。

ギュンター・メルマック

声 - ブレンダン・ハント（中谷〈マユリカ〉^[21]）

空軍のアナリストで、オルガの部下。陰謀論者で、何光年も離れた星との交信を夢見る無線オタク。

オーヴァ

声 - 渡辺直美

平和を愛する惑星のリーダーであり、コミュニバースのメンバー。豊富な知識や能力を持つ。

ユニバーサル・ユーザー・マニュアル

声 - ボブ・ピーターソン（子安武人^[17]）

オーヴァの発明品。宇宙に関する質問に瞬時にこたえるマニュアル。

2022年9月9日、D23 Expoでピクサーは新作映画『Elio』を発表した。当初、エイドリアン・モリーナ（英語版）が監督、メアリー・アリス・ドラムがプロデューサーを務める予定だった^[22][23]。この作品は、2017年の『リメンバー・ミー』で共同監督・共同脚本を担当したモリーナにとって、単独監督デビューとなる予定だった。同時に、モリーナとドラムは「もし宇宙に私たち以外の存在がいたら？ しかも宇宙人に関する話がすべて本当だったら？」という問いを通じて本作について語った。この発表には、画面のノイズとともにエイリアン文字で「我々をリーダーのもとへ連れて行け」というメッセージが表示される演出が含まれていた^[24]。

2024年6月12日、ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるピート・ドクターは、『私ときどきレッサーパンダ』（2022）の監督ドミー・シーが本作に取り組んでいることを明らかにした^[25]。同年8月9日のD23ファンイベントで、シーとマデリーン・シャラフィアン（英語版）が新しい監督として正式に発表され、モリーナは新プロジェクトのため本作を離れることが決定した。ただし、モリーナは監督としてのクレジットを維持する見込みとされている^[26]。

2022年9月9日、D23 Expoにて、アメリカ・フェレーラとヨナス・キブレアブがそれぞれオルガ・ソリスとその息子エリオの声を担当する主役声優として発表された^[22][23]。2023年6月13日、最初のティーザー予告編とポスターの公開に伴い、ジャミーラ・ジャミルとブラッド・ギャレットが声優陣に加わった^[27]。

2024年8月、ピート・ドクターは、フェレーラがスケジュールの都合で降板したことを明かした。ただし、彼女の声は最初のティーザー予告編に一部残されている。これに伴い、オルガのキャラクター設定がエリオの叔母に変更され、ゾーイ・サルダナが声を担当することになった^[26][28][29]。同年11月21日、第2弾ティーザー予告編とポスターの公開に合わせて、レミー・エジャリーとシャーリー・ヘンダーソンがグロードンとウゥゥゥゥの声優として参加することが発表された^[30]。

2024年11月、ロブ・シモンセンが本作の音楽を担当することが発表された^[31]。

『Elio』は、2025年6月20日にウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズによってアメリカで劇場公開される予定である^[1]。当初は2024年3月1日に公開予定だったが^[23][32]、2023年10月に2025年6月13日へと延期^[33][34]。更に2025年2月に現在の日時に再変更された^[1]。ピート・ドクターによれば、この延期は2023年のSAG-AFTRAストライキ（英語版）の影響に加え、本作やピクサーの他のプロジェクトにおける制作体制の変更が一因となったという^[26]。

日本でも当初は2024年春に公開が予定されていたが、アメリカでの公開延期を受けて一旦取り下げられた^[35][36]。その後、同年12月18日に特報映像と場面カットが公開^[37][38]。2025年3月19日に公開日が同年8月1日に決定したことを発表した^[2]。

プロジェクト発表後の2022年9月9日、本作の初公開となるコンセプトアートが公開された^[39][23]。『/Film（英語版）』のジョシュア・マイヤーは、「ピクサーのブランドを築いた、新鮮でオリジナルな物語のように思える」と評価した^[24]。2023年6月13日には最初のティーザー予告編が公開され、オースティン・フレンチ（英語版）の「Good Feeling」が使用された^[40]。『/Film』のイーサン・アンダートンは、「エリオが最も自信のある子供ではない点に、この物語の魅力がある。彼は芸術的で創造的だが、インドア派で同年代の仲間になじめない。しかし、人間ではないエイリアンたちの中でなら、社会的なプレッシャーなくつながりを持つことができるかもしれない。これはエリオが殻を破るためのチャンスになるかもしれない」とコメントした^[27]。また、『Looper（英語版）』のパウリ・ポイスオは、「ストーリーの多くは明かされていないが、確かに美しく魅力的に見える」と述べた^[41]。

2024年11月21日、新たな変更が加えられた第2弾ティーザー予告編が公開され、ザ・ポスタル・サーヴィスの「Such Great Heights（英語版）」が使用された。Pixar PostのジュリーとT.J.は、この映画が『リメンバー・ミー』、『ウォーリー』、『ファインディング・ニモ』といったピクサー過去作のカラフルなキャラクター、動き、照明を思い起こさせると述べた^[30][42]。

BUMP OF CHICKEN、“リボン”が映画 の日本版エンド・ソングに決定。^[43][44][45]

• 公式ウェブサイト（日本語）
• 星つなぎのエリオ - 映画.com
• 星つなぎのエリオ - allcinema
• 星つなぎのエリオ - KINENOTE
• 星つなぎのエリオ - シネマトゥデイ
• 星つなぎのエリオ - MOVIE WALKER PRESS
• Elio - オールムービー（英語）
• Elio - IMDb（英語）
• Elio - Metacritic（英語）
• Elio - Rotten Tomatoes（英語）

表 話 編 歴 ピクサー・アニメーション・スタジオ
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