男はつらいよ 幸福の青い鳥
『男はつらいよ 幸福の青い鳥』(おとこはつらいよ しあわせのあおいとり)は、1986年12月20日に公開された日本映画。『男はつらいよ』シリーズの37作目。 作品概要
あらすじ寅次郎が見た夢では、さくらたちが「青い鳥」を探しに山に入り、死にそうになっている。寅次郎が現われ、青い鳥を捕まえ、幸福の国を見つける。 寅次郎は萩から下関を通り、かつて炭鉱で栄えた九州の筑豊に旅に来ていた。昔訪れた芝居小屋を見つけ、贔屓にしていた旅芸人一座(中村菊之丞[注 3]一座)が筑豊の出身だったことを思い出して消息を尋ねるが、座長が亡くなったことを知り、お悔やみを述べに行く。座長の一人娘で、かつて「大空小百合」の芸名で活躍していた美保(志穂美悦子)に声を掛けると、美保も「寅さん?」と思い出す。唯一の肉親を亡くし、コンパニオンの仕事をしつつ旧炭鉱住宅でひっそり暮らす美保の幸薄い姿に同情した寅次郎は、「幸福の青い鳥がほしい」という彼女を一生懸命元気づけ、立ち去り際に何かあったら葛飾柴又のとらやに来るように勧める。 美保はそんな寅次郎の好意に涙ぐみ、すぐに上京して、とらやに電話をかける。ところが、寅次郎が不在だったこともあり、一週間ほど経つうちに、気落ちし体調を崩してしまう。そんな折、健吾(長渕剛)という青年と知り合い、一晩厄介になる。健吾は前衛的な抽象画家で、鹿児島から出てきて展覧会での入選を目指しつつ、映画の看板屋での住み込みの仕事をして生計を立てていた。二人は同じ九州出身ということもあり、お互いに親しみを覚える。美保は、健吾が出かけたあと部屋を訪れた看板屋の親方に、健吾の素晴らしい絵の才能と、才能のある人間にありがちな、頑固だが根気のない性格のことを聞く。 とらやを訪れた美保は、ちょうど帰ってきていた寅次郎とやっと再会し、しばらくとらやに下宿することになる。仕事の当てもない彼女を、人手を欲しがっていた近所のラーメン店に紹介して喜ばれた寅次郎は、今度は婿探しだとばかり張り切って、区役所の結婚相談所に出向くことまでする。 さて、健吾は美術展に落選ばかりしていることでくすぶっていた。再会した美保は、自分の役者生活のことを引き合いに出して、そんな健吾を励ます。健吾は、芸大を受けに上京し、周りの受験生のレベルの高さに圧倒される形で失敗し、看板屋でアルバイトしている現状について語るうち、その話を親身に聞いてくれる美保がいとおしく感じられて、「今晩泊まっていけよ」と言う。美保は健吾の強引さを受け入れることができず、「どうせ惚れた男でもいるんだろ」とやけくそになって叫ぶ健吾のもとを、「出ていった日からずっとあんたのこと想うとったのに。来んけりゃよかった」と言って、しんみりと立ち去る。 数日後、寅次郎がとらやで店番をしているところに、健吾が美保に謝りにくる。やりとりするうち、「嫌いなんだな、俺が」と言う健吾に対し、美保は「女の気持ちの分からん人は好かん」と言い放つ。二人はお互い好き合っているのに、不器用に気持ちを伝えられないのであった。健吾は「じゃ、おしまいなんだな」と店を出て行くが、しばらく黙って二人の様子を見ていた寅次郎は、すぐに健吾を追いかけるように美保の背中を押す。柴又駅で追いついた美保の手を、健吾は得意の口笛を吹きながら、握りしめる。寅次郎は二人の婚姻届[注 4]の保証人欄に自分の名前を記入して、さくらに渡す。[注 5] 正月になり、美保が健吾を伴って諏訪家を訪れる。婚約指輪を見せる美保だが、結婚しても健吾には画家になる夢をあきらめてほしくないと言い、さくらもそうした健吾の性格を保証する。その頃、寅次郎は箱根で「幸せを呼ぶ青い鳥」を売っていた。 キャスト
ロケ地
スタッフ記録同時上映
エピソード
参考文献
脚注注釈
出典外部リンク |
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