稲垣吾郎の金田一耕助シリーズ
稲垣吾郎の金田一耕助シリーズ(いながきごろうのきんだいちこうすけシリーズ)では、横溝正史の推理小説「金田一耕助シリーズ」を原作とする、稲垣吾郎主演のテレビドラマについて説明する。稲垣主演のシリーズは、2004年から2009年にかけて、フジテレビ系でスペシャルドラマとして、全5作が放送されている。 放送枠は「プレミアムステージ」(第1作)、「金曜エンタテイメント」(第2作 - 第3作)、「金曜プレステージ」(第4作)。 概要2004年にフジテレビ系で放送されたTVスペシャル『犬神家の一族』を第1作として、2000年代に放送された稲垣吾郎主演のスペシャルドラマである。『犬神家の一族』では石坂浩二主演、市川崑監督で製作された1976年の映画版へのオマージュが多数見受けられるものとなっており、稲垣演じる金田一の容姿も和服にするという原作に比較的忠実なものとなっている。 原作にしばしば登場する横溝正史自身をモデルにした人物が元になっていると考えられる、小日向文世演じる「横溝正史」が全作品に登場する。金田一とはかなり親しい間柄で、金田一のことを「耕さん」と呼ぶなどの設定は原作(『病院坂の首縊りの家』など)に準拠している。また、各作品のエピローグは金田一から送られてきた事件に関する手紙を読み、それをヒントに横溝が小説「金田一耕助シリーズ」の執筆を開始するシーンで幕を閉じている(ただし『悪魔が来りて笛を吹く』では序盤にもう執筆を始めている)。第1作『犬神家の一族』の時点で既にそれまでの金田一の活躍を横溝が記したものが出版されており、金田一がその文庫版を所有している描写がある。 また、第1作『犬神家の一族』で原作通りに登場した塩見三省演じる橘署長が[1]、その後も転勤先で金田一に関わるという形でレギュラー出演者となっており、原作における等々力警部や磯川警部の役回りを担っている(ただし、『悪魔が来りて笛を吹く』では岡山県警から金田一に送られてきた手紙に「磯川常次郎」の名前が確認できる)。 稲垣演じる金田一像について稲垣演じる金田一の風体は、前述のとおり原作に忠実である。しかし、石坂浩二演じる金田一で定着した特徴の「興奮すると頭を掻き始める」という癖はあまり見受けられない。『悪魔が来りて笛を吹く』の冒頭では、交通整理中の進駐軍兵士から「Bat Man」と呼ばれる場面がある。 キャスト
スタッフ放送日程
ロケ地オマージュ上記したとおりに、本作品は石坂浩二版(「石坂浩二の金田一耕助シリーズ」を参照)や、古谷一行版(「古谷一行の金田一耕助シリーズ」を参照)をオマージュした部分が確認できる。 2004年の『犬神家の一族』では、岸田今日子を同じ琴の師匠役で登場させる部分や、金田一の逗留先である那須ホテルで「東京ブギウギ」を金田一が口ずさむ(映画版はレコードで流れている)などのシーンが、映画版『犬神家』をオマージュしたものである。また2007年の『悪魔が来りて笛を吹く』では古谷金田一の「横溝正史シリーズ」および角川文庫版表紙で用いられた「フルート怪人」の絵(挿絵)を登場させ、オマージュしている。2009年の『悪魔の手毬唄』では、映画版のヒロイン・別所千恵子(大空ゆかり)を演じた仁科亜季子(仁科明子)が出演している。 原作との差について本シリーズは比較的原作(角川文庫版)に忠実、もしくは他の金田一シリーズでは都合によりカットされているような細かい設定も、演出に比較的多く盛り込まれている。ただ、人物相関等については多少の差異はみられる。 『犬神家の一族』の場合は、石坂金田一の映画版では犬神家の家業が「製薬会社」と設定されていたが、本シリーズでは原作どおりに「製糸会社」に設定されている(「犬神家」は他にも殺害方法も原作に忠実にしている)。また、『女王蜂』も同じく映画版では伊豆の山奥が舞台(「月琴の里」)が原作どおり伊豆・下田沖の孤島「月琴島」に設定され、『悪魔が来りて笛を吹く』においても作中重要な鍵となる、演奏される曲に秘められた犯人を告発するメッセージについて言及しているなどの特徴が確認できる。 関連CD・DVD2008年現在、DVDなどのソフト化はされておらず、サウンドトラックCDも発売されていない。 脚注外部リンク |
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