西大和学園中学校・高等学校
西大和学園中学校・高等学校(にしやまとがくえんちゅうがっこう・こうとうがっこう、英: Nishiyamato Gakuen Junior High School and High School)は、奈良県北葛城郡河合町薬井に所在し、中高一貫教育を提供する私立中学校・高等学校。 高等学校においては、中学校から入学した内部進学の生徒と、高等学校から入学した外部進学の生徒とはクラス混合せず分離したまま編成する併設型中高一貫校(別クラス型)。 概要1986年(昭和61年)、奈良県では13番目の私立高等学校となる、男女共学の全日制高等学校として西大和学園高等学校が開校[4]。開校2年後には、6年一貫教育による教育効果の向上を目指し、県内私立中学校としては9番目の、男女別学(男子校)の西大和学園中学校を併設し開校[2]。高等学校から入学の3年教育課程である高等部(男女共学)と6年中高一貫教育課程である中学部(男子のみ)の構成となった。 1991年(平成3年)、高等学校入試から帰国子女の受け入れを開始し[5]、また、文部省から「帰国子女教育研究協力校」として指定を受けた[4]。翌1992年には、遠距離通学生や帰国子女向けに、男子生徒用の寄宿舎(青雲寮)を開寮[3][6]。1993年にアメリカ・カリフォルニア州に開校した西大和学園カリフォルニア校からの帰国生の受け入れ先にもなっている[7]。 2002年、寮のある学校13校と共に全国私立寮制学校協議会を発足させ[8]、合同説明会と中学校入試(東京会場)の独自説明会を早稲田大学にて実施[9]。翌2003年度より中学校入試において東京会場を設定し、東日本の小学校男子卒業者の募集を開始した。以降、岡山、広島、福岡、名古屋(東海)、札幌、沖縄、シンガポールの各都市に入学試験会場を設定し、寄宿(寮)制の中高一貫教育校として全国(海外)募集を展開している[10]。 教育理念
建学の精神に基づき、教育の方針となる校訓を定めている[2]。
校訓の精神に基づく教育の成果を図るため、以下の、日々の生活実践目標を定めている[2]。
沿革略歴1986年1月、当時奈良県議会議員で文教委員だった田野瀬良太郎が、毎年奈良県から大阪府下の私立高校へ進学する生徒の数が3,000名以上あることを知り、進学を目指す男女共学の高等学校を創立[4]。4月には、奈良盆地西部の馬見丘陵北端部に位置する、西大和ニュータウン北西外縁部の雑木林に囲まれた地に開校。1988年4月には中学校が併設され、開校した。 2014年度より女子中等部を新設し、中学校からも女子が入学。併設型中高一貫教育校となった[13]。2021年度に、中学校の女子学級を増設した。 年表
所在地・交通アクセス
象徴校章重なり合う三つの三角形は、上の三角形が知を、下の二つがそれぞれ徳と体を象徴。知、徳、体の調和・融合と、知は徳に支えられて初めて真の知・叡智になり得ることを意味する。同時に、この三つは、信貴山、二上山、葛城山をも象り、またこの三つで、全体として西という字をデフォルメさせている[16]。 校歌作詞:田野瀬良太郎(創立者、大和大学学長)、作曲:松本伸司(大和大学副学長)[16] 編成中学生および中学から内部進学した高校生を「中等部」、それ以外を「高等部」に区分[17]し、実質上、6年制と3年制のコースに分けて教育課程を展開している。
課業学年制を採用している。2学期制であり、前期が4月〜10月上旬、後期が10月中旬〜3月となっている。 月曜日から金曜日9:05〜9:15と土曜日8:55〜9:05の各10分間はショート・ホームルーム (SHR) を実施し、毎週火曜日は60分のロング・ホームルーム (LHR) が実施されている[18]。 教育課程中学校主要教科の課程を中学校第2学年までに、高等学校主要教科の課程を高等学校第2学年までに修了するカリキュラムとなっている。 中学校の総授業時数は4,420で編成されており、学校教育法施行規則第73条で標準とする総授業時数の145.2%に相当する。国数英理社の主要教科に限れば155.8%、国数英に限れば175.6%に相当の授業時数である[19]。 高校の芸術(「音楽」・「美術」)1単位は、それぞれ中3で履修するため、「音楽」と「美術」の授業時数は標準より35多い。また高校「家庭基礎」1単位は、中1・2で履修するため、「技術・家庭」の授業時数は標準より30多い。高校の「社会と情報」1単位は、中学1年生・2年生で「SSJ」で履修する[19]。 外部機関特別講座希望者を対象に、外部講師による大学入試に向けた進学塾の出前講座を、アップ (学習塾)の研伸館と提携し開催。科目は英語、理科、社会がメイン。また補習が必要な生徒には、学校内完全1対1個別指導授業をスクールTOMAS社と提携して実施。 スーパーサイエンスハイスクール (SSH)中高一貫型プラン中学校ではSSJ (Super Science Junior) と称し、中学1年生にウミガメの産卵観察会や化石採集、星空の観察などの自然体験を、中2では実在企業のインターンとして実社会に関わるキャリア教育を展開。1月頃から卒業研究のテーマ・方向性を決め始め、中3で卒業研究に本格的に取り組む。制作コースと研究コースの2つを選ぶことができ、研究コースを選択する者が多いが、制作コースを選ぶ者もいる。 高等学校ではSSHとして本格的な活動に取り組む、体系的なプランを形成する[20]。 流れと主なプログラム高1では「自由研究コース」と「企業研究コース」に分かれ、それぞれ実験や検証方法の考察を行う。前者のコースではSS (Super Science) 講義・SS科学・SSディベートなどの講座を受けて自ら研究したいテーマを設定し、後者のコースでは企業研究者による講演・実習を通してテーマを設定する。高校2年生は奈良先端科学技術大学院大学 (NAIST)、京都大学でのラボステイ(研究室体験)において講義や実験を含む実習に参加し、奈良スーパーサイエンスフェスティバルで成果をポスターやプレゼンテーションで発表する[20]。
生徒会活動生徒会執行部中高ともに、各会長1名、副会長1名、役員8名、中高合わせて計20名で構成されている[21]。 各委員会代表委員会、各専門の6委員会、風紀委員会の計8委員会が設置されている[21]。
主な生徒会活動
学校行事
清榮祭文化祭は「清榮祭」と呼ばれ、毎年9月上旬の金曜日・土曜日の2日間に渡り開催される。3日間の全日準備期間がある。1987年に「西大和学園文化祭」として開催が始まった[22]。 青雅祭体育祭は「青雅祭」と呼ばれ、毎年5月上旬の平日に開催される。2012年より会場を京セラドーム大阪に移し、天候に左右されることなく開催できるようになった。中1から高3まで縦割り赤・青・黄・白の4色の団を結成し、得点を争い優勝を目指す[23]。2011年度までは2日間にわたり中高別で開催されていたが、2012年度以降は中高合同で1日のみの開催となる。約4日間の全日準備期間がある。 その他の行事
国際教育アメリカグローバル研修プログラム中学3年生全員を対象に、アメリカでのホームステイを12日間実施している[24]。 中学1期生(高校6期生)を対象に、国際理解教育の一環として「語学研修旅行」と称した修学旅行を、1990年以来[22]、実施している。 短期アメリカ留学毎年中学3年生希望者を対象に冬休み頃から卒業式直前までの3ヶ月間、アメリカまたはカナダへの短期留学を実施している[24]。設定された成績基準を上回らなければ参加できない。また、中3から任意で長期間留学に参加することもできるが、帰国後は高等部への編入となる[24]。 海外探究プログラム(アジア)高校1年生全員を対象に、アジアの国々を訪れ、学校交流会などを通して国際人としての教養を身につける。インドネシア、ベトナム・カンボジア、フィリピンの3コースから選択するため、事前学習を行い、訪問前からそれぞれの国の実情を探究する[24]。過年度では、インド、ベトナム・カンボジア、シンガポール・マレーシアの3コースやインド、中国、ベトナム・カンボジアの3コース(2019年度)から訪問先を選択していた。 国際理解教育の一環として「海外探究旅行」と称した修学旅行[22]から発展し、実施されている。1986年度から1988年度まで訪問先は中華人民共和国であったが、天安門事件以降は韓国に変更された。また中国・西安では西安交通大学附属中学校と、韓国・ソウルでは宇信高等学校と交流会を持った[22]。過去には約2週間の行程となっていた。 次世代リーダー養成プログラム中等部高校1年生・高等部高校2年生の希望者を対象に、ハーバード大学で学生と交流。MIT(マサチューセッツ工科大学)も訪問し、日本人留学生や研究者と交流する機会が設けられている[24]。 ハートグローバルプログラム毎年5月、中3を対象に、2013年から実施。パフォーマンスを通じて教育活動を行う活動であり、コミュニケーションや国際理解の大切さを、パフォーマンスを通じて体験的に学ぶ機会。 アクションイノベーションプログラム (AIP)2014年からの文部科学省の「スーパーグローバルハイスクール」事業の後継として、2019年度からグローバルビジネスリーダー育成を目的とした「アクションイノベーションプログラム (AIP)」を開始し、イノベーション創発人材を育成[25]。 クエストエディケーションプログラムキャリア教育の一環として導入され、大手企業の何れかにエントリーして、学校にいながらインターンシップを体験するという取り組みである。 AIセミナー(トップランナー講義)様々な業界のトップランナーの生き様や考え方に触れ、かつて経験をしたことのない刺激を受けることができる。 エンパワーメントプログラム、イングリッシュキャンプ世界トップ大学の学生たちとホームステイ、ディスカッション、プレゼンテーション等を行う、リベラルアーツ教育を取り入れた1週間のプログラム。 体験学習低学年(中1~中3)を中心に希望者を募り体験学習を実施。年度ごとに異なる企画が行われるが、例としては以下の通り[18]。 クラブ活動休養日を、平日は2日以上、土日は1日以上の週3日以上設けることとされており、活動日を週1日または週3日とする部が多い[26]。 高校生は部と特別局の兼部のみ、中学生は体育系クラブと文化系クラブの兼部が認められている。 体育系クラブ文化系クラブ
特別局
受賞歴科学オリンピック科学オリンピックにおいて受賞歴がある。
クラブ活動
進路
中高関係者と組織中高関係者組織
中高関係者一覧施設青雲寮男子生徒用の寄宿舎として、青雲寮(中1~高1)が学園敷地内に、清榮寮(高2・高3)が隣接する大和大学白鳳短期大学部の敷地内に所在する[27]。自宅からの通学所要時間が片道2時間以上であることが入寮条件となっているが、大学受験への配慮として、主に高校2年生から、通学時間が2時間以内でも入寮が許可される場合がある。 2階建ての管理棟と3階建ての宿舎棟を渡り廊下で結ぶ構造で、2〜4人部屋19室、10人部屋8室、学習室、談話室、アトリウム状のホール、大浴場、洗濯室、事務室、寮母室等を備え、最大156名収容可能。ただし食堂は無く、学園の食堂を利用する[6]。 青雲寮では各学年に寮担任、副寮担任、指導官の3名が配属され、また個別学習支援システム(スクールTOMAS)を導入し、個別指導塾と密接に連携した取り組みを行っている。 対外関係大学との協定姉妹校・兄弟校系列校
脚注注釈出典
参考文献
関連項目外部リンク
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