魔法のiらんど
魔法のiらんど(まほうのあいらんど)は、KADOKAWA アスキー・メディアワークス(AMW)の社内ブランド及び同社が運営している小説投稿サイト。システム開発ははてなが担当していた。以前は小説投稿以外のサービスも提供していた。 2025年3月31日に単独のサービス終了し、翌4月1日に「カクヨム」と統合した。 沿革
サービス「魔法のiらんど」はホームページ作成サービスとして、フィーチャーフォン向けから始まり、パソコンやスマートフォンでも利用可能だった。サイトでの小説の投稿・閲覧の機能は「BOOK」と呼ばれ、投稿から生まれた作品が書籍化されるようになってケータイ小説のニーズが高まると、サイト内で小説投稿用に「魔法の図書館」をオープンさせ[8]、後に名称変更で「魔法のiらんどNOVEL」として運営されていた。2020年4月1日のリニューアルによりホームページ作成サービスは終了し、「BOOK」機能と小説投稿の「魔法のiらんどNOVEL」は統合された。 終了したサービス
日記・ブログ機能1999年12月17日、「魔法のiらんど」内に「日記オブジェクト」(「日記」)が追加され[18]、2000年3月4日に日記のプリントサービスが開始された[19]。 2001年7月17日には「交換日記」機能が追加され[20]、2004年4月1日には「日記」などに「ランキング」機能が追加された[21]。 2004年8月10日、マイクロソフトとの共同運営により「MSN Spaces」が開始された[22][23][24]。2004年9月末、「日記プリント」サービスが終了となった[25]。 2005年11月9日、画像のアップロードが可能な「新☆画像にっき」が追加され[26]、2005年11月22日、TOSは前述の「MSN Spaces」の運営を離脱した[26]。次いで2006年9月7日には複数の記事を書くことのできる「ブログ」機能が追加され、同日には旧来の「日記」機能が終了し、「新☆画像にっき」も「日記」への改名が行われた[27]。2006年9月21日には「日記」から「ブログ」へのデータ移行が開始された[27]。 その後、「ブログ」機能は長らく提供されていたが、2020年3月31日には小説への特化のためとして「ブログ」機能などが終了となった[28][29]。 文学賞・コンテスト2007年に、サイトの投稿小説(ケータイ小説)の文学賞「魔法のiらんど大賞」(当初はケータイ小説部門以外に別部門も存在していた[30][31])を創設[32]。2017年まで行われ[33]、受賞作は主に魔法のiらんど文庫から発売された。文学賞(魔法のiらんど大賞)の停止と、保有していたレーベル(魔法のiらんど文庫)が休刊すると、以前と比べて社内ブランド(魔法のiらんど)から書籍化することに力を入れることはなくなった[34]ものの、現在も投稿された小説の書籍化は継続、特にコミカライズを積極的に行っている[35]。また、KADOKAWAの他の投稿サイトやレーベルとの合同でのコンテストの投稿媒体としては稼働して[36]いて、2020年の大幅リニューアル後もこの傾向は引き継がれた[37]。リニューアル後のコンテストは、基本的に投稿小説の賞として開催されているが、コミック原作やコミックそのものの募集をしている賞も存在する[37]。 出版ケータイ小説の草分けとしても知られる。以前は、紙媒体の書籍としても100万部を越すヒット作を出したこともあった。書籍化された作品は、「魔法のiらんど」内の「魔法のiらんどNOVEL」で引き続き公開されている。 メディアワークスも『魔法のiらんど文庫』を2007年に刊行し、同社発の作品を紙の書籍として刊行していた出版社の1つであった。同年に魔法のiらんど大賞を創設している。 この分野(ケータイ小説)についての記録は、プロデューサーだった伊東寿朗(別名 伊東おんせん)が多く残している。 2007年1月に双葉社と月刊漫画雑誌『月刊 COMIC魔法のiらんど』[注 1]を創刊。2010年9月号休刊。単行本は「ジュールコミックス魔法のiらんど」レーベルから刊行。 双葉社とは別のコミカライズ媒体としてアスキー・メディアワークスから「魔法のiらんどCOMICS」レーベルが2011年6月から刊行されている。 著名な投稿作
著作権規約
利用規約には、「一度投稿したコンテンツは、ユーザがそのコンテンツを削除した後も、また、利用目的を問わず、運営側が複製、公開、送信、頒布、譲渡、貸与、翻訳及び翻案等を行うことができる」という規定がある。このため、魔法のiらんどに投稿した内容を後になって出版しようとした場合、ユーザの意図に反して運営側にコンテンツを販売されてしまう恐れがある。 また、この際、運営側に公開中止を要求するために費用を請求される可能性すらある。また、規約には著作者人格権不行使規定が含まれるため、運営側が投稿したコンテンツの内容を改変して公表した場合、ユーザはそれに対して一切対抗できなくするというものである。 しかしこれらの規定は、厳密には著作権の譲渡を意味せず、運営にとって都合の良いことを述べているだけであり、まったくの無意味である。著作権そのものは形の上でユーザ側に残るものの、実質的には企業名の著作物を個人が作成するときに結ばれる著作権譲渡規定と極めて近い。 こういった規定は、mixiが2008年3月3日に提示し、プロの著述家やクリエイターを中心に、ユーザの激しい反対によって撤回に追い込まれた利用規約修正案と全く同じである。 システム開発からの撤退元々は株式会社ティー・オー・エス (TOS) として設立され、コンピュータソフトウェアの開発会社であった。 「魔法のiらんど」(サービス)のヒットによりサービスをコンシューマ向けにシフトさせ、のちにこのサービス名を社名とする。一方、創業事業であるシステム開発・サービス事業は、TOSとして2006年に分社化され、同社から切り離された(同年中にNTTデータのグループ会社に吸収合併された)。 脚注注釈
出典
関連項目外部リンク
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